ただ守りたい…〜大事な人を守るには、金と権力と腕っ節…あと諦めない心が必要です〜

ドラると

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第7章 文化祭編

第214話「策略潜む出し物決め」

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景信達が会議を行っていたその頃、伊衛能高校2年1組の教室では、次の行事に向けて生徒達が動き出そうとし始めていた。



剣崎: 今日の一限は、みんなが待ちに待った…って、今月の頭にも同じことを言ったような…笑、まぁいいや。待ちに待った、文化祭の出し物決めをします!!


「やった!!」


「文化祭だ!!」


剣崎: はい、落ち着いて。じゃ、これからは文化委員に進行を任せるから、担当の子達は出て来て。


守里: 頑張って、陽芽叶。


陽芽叶: うん!



そうして、8人の文化委員のうち3人が黒板の前に立つ。



文委1: みんな、模擬店でも劇でも何でもいいから、やりたいことを言っていって。



「カフェやりたい!」



守里: カフェか。それなら、夏休み期間中だけではあったけど、お手の物だよな?祐希……


祐希: zzzz


守里: …



「お化け屋敷!!」



飛香: 志帆は、お化け屋敷大丈夫なの?笑


美月: でも、白いから幽霊役が似合いそうじゃない?笑


日向子: 確かに!!どう?しーちゃ…


川嶋: 怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い…


飛香 美月: …


日向子: よ、よし!元気良く行こう!



「オリジナルの劇!!」



春時: オリジナルの劇ってムズくないか?


東野: え~私はやってみたいけどな~


秋吉: ヒロイン?


東野: いや、監督。


春時: そっちかい笑



と、どんどん案が出ていき…



文委1: 他にはもうない?


クラスメイト男1: いや、みんな…特に男子。周りにビビって、言ってないやつが1つあるだろ。


「ゴクン…」



守里: ん、なんだろう。陽芽叶は分かってるのかな?


陽芽叶: (アニメの定番で言えば、アレでしょ笑)


祐希: zzzz


飛香: まさかアイツ…


美月: 飛香分かるの?


日向子: 私分かんない!


川嶋: ふぅ…落ち着くんだ私、まだ決まったわけじゃない…


春時: ま、アレだろ。


東野: だね。


秋吉: え~みなみにも教えて!



ク男1: クラスの男子を代表して言わせてもらう。


文委1: ど、どうぞ…


ク男1: メイド喫茶だ!!!


ク女1: フッ笑、そんなことだろうと思ったわ。でもそれは不公平よ!



男子生徒が叫んだ瞬間に、女子生徒がカウンターを放った。



ク男2: な、何が不公平なんだ!


ク女1: メイド喫茶って、女子だけがコスプレするんでしょ?それのどこが不公平じゃないって言うの?!


ク男1: クッ…


ク男3: おい!諦めるな!何か言い返せ!!


ク男4: そ、そうだ!女子のメイド姿を拝めるためにも頑張ってくれ!!



ワイワイ



男子達が騒ぎ始める。



ク男1: ふぅ……みんな、ありがとう。俺は、メイド喫茶を譲らない。何がなんでもやる。


ク女1: 何がなんでもやるって…まず、女子が納得してなかったら、元も子もないでしょ。


ク男1: 女子に納得してもらう為なら、俺は土下座でもなんでもやってやる!


ク男2: お、お前…


ク男3: 俺もやるぞ!!


ク男4: 僕も!!


ク女1: あなたの土下座なんて…


文委1: えーっと…


文委2: はいはい、両方の意見は分かったから、一旦座って落ち着こう。


陽芽叶: とりあえず、意見として書くね。


文委2: うん。ほら司会役。


文委1: お、おう。他に意見がある人はいる?







文委1: いない…か。じゃあ、改めて黒板に書かれた案を見て、自分がやりたいやつに手を挙げてね。




ということで、結果…



文委1: 手が上がったのは、オリジナルの劇とメイド喫茶だけか。


陽芽叶: (守里もメイド喫茶に…)


守里: オリジナルの劇も良いよな~


祐希: ムニャムニャ…zzz


飛香: 劇劇劇劇…


日向子: 私はメイドさんやってみたい!!


美月: だよね~もしかしたら、守里が私のメイド姿にメロメロになってくれるかもだし…


飛香: はっ!!……やっぱメイド喫茶だな。


美月: ニヤリ


川嶋: お化け屋敷以外だったら、なんでも良し。


東野: 劇やりた~い!


秋吉: みなみはどっちでも良いかな。


春時: 澪奈は監督やりたいだけだろ?だったら、メイド喫茶のオーナーとかどうだ?


東野: オーナー……やる。


春時: チラッ(これで約束は果たしたぞ。昼奢りな。)


ク男1: コクッ…(女子の票がメイド喫茶に集まれば、勝ちも同然だ笑)


文委1: さぁ、ここから1つに絞らないと。


文委2: ちなみになんだけどさ、メイド喫茶が嫌な理由って、女子だけに負担が行って、不公平だからなんでしょ?


ク女1: う、うん。


文委2: じゃあさ、執事&メイド喫茶だったらどう?


ク女1: 執事&メイド喫茶…


文委2: これなら、男もコスプレしないとだし、不公平じゃないと思うんだけど…


ク女1: …(執事喫茶……確かに、これならあの人の執事姿も…)



ガヤガヤ



今度は女子達が騒ぎ始め…



ク女1: 分かったわ。執事&メイド喫茶に賛成よ。みんなも良い?


「うん!」


文委1: よし!これで決定。2年1組の出し物は、執事&メイド喫茶をやろう!



という感じで、文化祭の出し物が決まったのであった。


ちなみにその裏では…



ク男1: なぁ春時。女子の中でも影響力が強い東野さんをさ、メイド喫茶に賛成するように説得してくんねぇか?


春時: なんで?


ク男1: …メイド喫茶がやりたいからだ。


春時: 笑、正直に言えよ。


ク男1: ……南雲さん、山室さん、白城さん、伊藤さん、川嶋さん、神田さん、東野さん、秋吉さんといったうちのクラス…いや、学校屈指の可愛い子達のメイド姿を拝みたいからだ!!


春時: …


ク男1: そ、それに、高い収益も見込めるから、人気度でも上位…いや、1位をとれるかもだし!


春時: 正直に、だ。


ク男1: ………お前らばっかりズルいんだよ!!ずっと楽しそうに話しやがって…だから、文化祭の時ぐらい良いだろ!あんな可愛い子達の可愛いコスプレ、その最強の姿を見させてくれ!!


春時: やっと本音が出たな笑


ク男1: で、どうなんだ、協力してくれるのか?


春時: あぁ、良いぞ。ただし、昼奢れよ。


ク男1: お易い御用だぜ!!



また、別の所では…



美月: ねぇ、ちょっと良い?


文委2: な、なに?白城さん。


美月: 今日ってさ、文化祭の出し物決めなんでしょ?


文委2: う、うん。そうだけど…


美月: 君は仕切る側に回る?


文委2: た、多分…


美月: だったらさ、おそらくメイド喫茶って案が、男子から出て、それに女子が反対する状況になると思うから、そこである提案をして欲しいんだ。


文委2: 提案?


美月: 執事&メイド喫茶にしないか、っていう提案。


文委2: 執事&メイド喫茶……で、でも、本当にそんな展開に…


美月: なるよ。みんなの気持ちを考えれば分かる。私を信じて。



その大きな瞳で、文委2の目を覗き込む美月。



文委2: わ、分かった、頑張る。


美月: 笑、ありがとう。あと、いつも堂々としてた方が、カッコいいんじゃないかな?


文委2: ///か、カッコいい…はい!!


美月: 頑張ってね~笑(よし、これが上手くいけば守里の執事姿を…それにもしかしたら……)



そして、文委2に背を向けた美月は…



美月: グヘ…グヘヘヘ…



と、笑みを堪え切れずにいたのだった。


◇◇◇◇


その日の夜


守里の家



結真: 文化祭で何やることになったの?


守里: 僕達は…


美月: 執事&メイド喫茶!!


結真: へぇ~ってことは、守里は執事姿で、美月はメイド姿になるんだ笑


蓮花: え、お兄ちゃんの執事姿?!蓮花も見たい!!


守里: まだ僕がやるかは分からないから…


美月: いや、絶対にやる…やらせるよ。


守里: 美月?


美月: あ、違う違う、やって欲しいな~って笑


守里: う~ん、まぁ格好が違うだけで、やることはバイトと同じだから…


美月: 何言ってるの?!執事はカフェの店員とは違うの!ほら、コレ見て!!



そう言って、美月は携帯の画面に表示された執事の漫画を、守里に見せる。



守里: う、うん…


結真: で、桜のクラスは?


桜: さくのクラスは、演劇だって。


結真: 演劇か~桜はヒロインかな笑


蓮花: うわぁ~お姉ちゃんが舞台で活躍してるところも見たい!


桜: いや、さくには無理だって…


美月: もうすぐ16歳になるんだから、何事もチャレンジだよ!頑張れ!


桜: でも…


結真: 笑、ゆっくり考えたら良いわ。


桜: うん。


守里: なるほど……確かに、執事とカフェの店員は違うね。



軽く漫画を読み終えた守里がそう言う。



美月: ようやく分かったか、守里。文化祭当日は、この執事と同じようにやるんだよ!


守里: だから僕がやるとは…


美月: 大丈夫。安心して。


守里: え?


結真: 笑、美月は何ふり構わずって感じね。


桜: 時間もアレだし、さくはお風呂入ってくる。


結真: うん。



そうして、桜が脱衣所へと向かい、リビングからいなくなると…



守里: …みんな、桜への誕生日プレゼントは用意した?


蓮花: バッチリ!


結真: 私も、もう頼んである。


美月: 明日買ってくる。


守里: よし、大丈夫そうだ。


結真: 誕生日会は土曜日の夕方。桜の友達も来るんでしょ?


守里: うん。みんな楽しみにしてたよ。


結真: お部屋を綺麗にしとかないと。蓮花も手伝ってね。


蓮花: はーい!



こんな感じで、守里達は、桜の誕生日会についての話を進めるのであった。




to be continued

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