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第6章 修学旅行編

第212話「3日ぶりの帰宅」

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防衛団が、京都のアンチの拠点襲撃作戦を終了した、およそ6時間前…

18時


守里の家


ガチャ



守里: ただい…


ギュッ!!


蓮花: お兄ちゃん、おかえり!!!


美月: ちょっと、私もいるんだけど笑


蓮花: 分かってるって!お姉ちゃんもおかえり!!


守里 美月: 笑、ただいま。



修学旅行から2人が帰宅した。



蓮花: ふぁ~なんかほんと、久々な気がする~


守里: たった3日ぶりだよ?笑


蓮花: 3日もだよ!


ギュー



さらに強く、蓮花は守里を抱き締める。



守里: 笑


美月: 今日は許してあげるけど、明日からは違うからね。


蓮花: お兄ちゃんに抱き着くこと?


美月: 守里にベタベタと甘えることよ。


蓮花: え、じゃあ今日は、お兄ちゃんにいくらベタベタ甘えても、美月お姉ちゃんは、何も言わないんだね笑


美月: な……れ、蓮花~ちょっと生意気度が増したんじゃない?


蓮花: 別に蓮花は変わらないけど笑


美月: ムー


守里: まぁまぁ2人とも。帰ってきてそうそう、喧嘩はダメだよ。


蓮花: はーい!お姉ちゃん仲直り!


美月: …ったく…仲直り。



そう言って握手をする2人。



守里: 笑、よし。リビングに行こう。


蓮花: お兄ちゃん、手繋いで!


守里: え?う、うん。


美月: …



ガチャ



守里: ただいま。


美月: ただいま…


結真: 2人とも、おかえり。


桜: おかえり、お兄ちゃん、お姉ちゃん。


守里: みんな元気だった?


結真: 元気に決まってるじゃない。ってか、毎晩テレビ電話してたんだから、知ってるでしょ笑


守里: まぁね笑


桜: お姉ちゃんは……蓮花の甘え具合を見て、ムスッてしてるのか笑


美月: ムー


結真: 今日ぐらい勘弁してあげなさい、美月。


美月: はーい。


蓮花: ねぇねぇ、京都はどうだったの?!


守里: 笑、すごい楽しかったよ。紅葉も綺麗だったし。ね?美月。


美月: うん!凄かった!


結真: そう笑。それは良かった。


桜: ところでお兄ちゃん……お土産は?


守里: もちろん、買ってきたよ笑


結真: 蓮花は守里に甘え過ぎだけど、桜も桜で、お土産に食いつき過ぎじゃない?笑


桜: 別にそんなことないもん。


美月: ちゃんと、桜ご要望のみたらし団子も買ってきた。


桜: やった!


蓮花: 蓮花のは?


守里: 心配しなくても買ってきてるって。蓮花のチョコート菓子も、結真姉さんの阿闍梨餅も。


結真: 早速、今日のデザートで食べなきゃ!


蓮花: 蓮花も食べる!


桜: みたらし!みたらし!


守里: 笑、分かったから。でも、お土産開ける前に、先にお風呂に入って来て良い?


結真: それもそうね。みんな焦り過ぎだわ笑


美月: うんうん笑


守里: どうする?美月、先入る?


美月: いや、守里が先に入って来て良いよ?その間に、修学旅行の話をしとくから。


守里: じゃあ、お言葉に甘えて。お先に失礼します。


結真: うん。


蓮花: じゃ、蓮花も。


結真: ダメ。


美月: 行かせないよ。


蓮花: さっき甘えて良いって言ったじゃん。


結真 美月: それとこれとは話が別!!


蓮花: は、はい…



その後、美月は守里がお風呂に入っている間に、修学旅行で楽しかったことや、面白かったことを話した。


1日目の鹿との戯れだったり、男子部屋への潜入作戦だったり…

2日目の遅刻騒動や、トロッコや常寂光寺、竹林の小径など、行った先で見た景色の美しさ、そして野宮神社て縁結びのお祈りをしたこと…

3日目の遅刻しかけ騒動や、金閣寺の凄さに、清水寺と八坂神社での出来事、あと美容水の効果について…

4日目の陽芽叶に関する衝撃の真実など…


もちろん、ナンパから守里と春時が守ってくれたことや、守里と陽芽叶が男達に連れ去られてしまったことなど、例の事件に関することも話した。



結真: ほんと、中々凄い経験をして来たね笑


蓮花: お兄ちゃんと伊藤陽芽叶さんは、大丈夫だったの?


美月: うん。見た感じ、怪我も少なかったみたいだし。守里の左腕も、もう治ったみたいだしね。


桜: みんなが無事で良かった…


美月: 色んな意味で、記憶に残る修学旅行だったよ笑


結真: これから先、絶対忘れないでしょ笑


美月: もちろん。


守里: お風呂上がったよ~



ちょうど美月の話が終わったタイミングで、守里がリビングに戻ってくる。



結真: うん。じゃあ、次は美月が入っておいで。


美月: はーい。


蓮花: ねぇお兄ちゃん!次は、お兄ちゃんの話を聞かせて!


守里: 笑、分かった。



こうして、次は守里が修学旅行の思い出を話し、結真、桜、蓮花の3人は、楽しそうにその話を聞くのであった。




ほぼ同時刻


陽芽叶の家


ガチャ



陽芽叶: ただいま、お父さん


陽芽叶父: おぉ、おかえり、陽芽叶。修学旅行はどうだった?


陽芽叶: 楽しかったよ。あ、あと、守里と日向子が、やっと私のことを思い出してくれたんだ笑


陽芽叶父: へぇ~そうか。無事、記憶を思い出してくれて良かったな。


陽芽叶: うん。一安心だよ。


陽芽叶父: でも、家のことは、まだ秘密だよ。


陽芽叶: 分かってる。


陽芽叶父: いずれ、守里君は知ることになるとは思うけど、まだ早い。


陽芽叶: ちなみに、見た感じだと、まだ第2段階は使えてないみたいだった。


陽芽叶父: …見る機会があったのか。


陽芽叶: なんかほんと偶然、2回、アンチに絡まれちゃって。でも、守里がちゃんと守ってくれたんだ~


陽芽叶父: 笑、嬉しかった?


陽芽叶: うん!とっても。


陽芽叶父: そうか、そうか笑。それは良かった。


陽芽叶: じゃあ、私はお風呂に入って来る!


陽芽叶父: うん。行っておいで。



そうして、陽芽叶は部屋を出て行く。



陽芽叶父: ふん……まさか京都でアンチと接触するとは……景信に聞いていた通り、やはりアンチの活動が活発化して来ている。



伊藤陽芽叶の父…"伊藤紫音いとう しおん"は、自身のデスクの上にあるパソコンの画面を眺める。



紫音: 相手も中々厄介みたいだし、こっちに使う「予知」を1回分、アンチ対策に回そうかな……よし、景信に相談しよう。



そう言って、紫音は携帯電話を手に取るのだった。




ほぼ同時刻


春時の家


ガラガラ



春時: ただいま。


紗耶: ん、兄貴おかえり。


春時: あれ、親父とお袋は?


紗耶: 仕事で遅くなるって。


春時: ふ~ん。


紗耶: お土産は?


春時: もちろん買ってきてる。


紗耶: さすが兄貴!何買ってきたの?


春時: まぁ定番の物から、意外性のある物まで…



お土産袋の中から、机の上にお土産を出していく。



紗耶: うわ、これ美味しそう。


春時: だろ?守里が見つけたんだ笑


紗耶: え?!…紗耶が全部食べるね。


春時: ダメ。みんなで分けるぞ。


紗耶: 良いじゃん。今全部食べちゃえば、無かったことになるんだから。


春時: 笑、お前、最低だな。


春時祖父: 誰が最低じゃって?!!



リビングに怒声とも取れるような大声が響く。


春時: ゲ…じいちゃん。


紗耶: ねぇじいじ、紗耶がこれ全部食べても良い?


春時祖父: そりゃ良いに決まってるじゃろ~~……な?春時。



優しく暖かい笑顔から一変して、春時の祖父は、否と言わせないような迫力を持った怖い顔で、春時を見る。



春時: …はいはい。


紗耶: やった!!ありがとう!じいじ!兄貴!



満面の笑みで、紗耶は、お土産の箱を抱えて自分の部屋へと走って行った。



春時祖父: あぁ待って、紗耶ちゃん……ガクッ


春時: 笑、じいちゃんは食べたいのある?


春時祖父: おぉ…こりゃあ京都のお土産じゃな?


春時: そう。どれが良い?


春時祖父: う~ん…これじゃ。


春時: 了解。


春時祖父: 春時。修学旅行は楽しかったか?


春時: あぁ。楽しかった。


春時祖父: そうか笑。じゃ、儂は部屋に戻るぞい。


春時: …ちょっと待ってくれ、じいちゃん。


春時祖父: なんじゃ?


春時: ……もっと稽古を厳しくして欲しい。


春時祖父: もっと厳しくじゃと?お前はMって言うやつなんか。


春時: いや、そう言う事じゃなくて。もっと強くならなきゃいけないんだ。だから…


春時祖父: …その顔は何か事情がありそうじゃの。


春時: うん……でも、その事情は話せない。


春時祖父: ふむ。ま、良いじゃろう。儂が責任を持って、お前を強くしてやる。


春時: ありがとう!じいちゃん!!


春時祖父: じゃ、明日5時半に道場に来い。


春時: え、前より早くなってない?


春時祖父: それこそ前にも言ったじゃろうに……歳をとると、早起きになるんじゃよ笑


春時: はぁ笑、分かったよ。あ、あと、守里が稽古をつけて欲しいって。


春時祖父: 守里が?


春時: 守里も強くなりたいんだって。


春時祖父: そうか……分かった。守里も面倒を見てやるから、休日の日中に道場に来るよう言っておくんじゃ。


春時: 了解。よし、俺は荷物を片してくる。



そう言って、春時も荷物を持って自分の部屋に向かった。



春時祖父: とうとう景信の倅も戦うようになるんじゃな…


と、春時と紗耶の祖父である"木村一きむら はじめ"は、1人残る居間で呟くのだった。



◇◇◇◇◇


翌朝


守里の部屋



守里: …


椎名M: 人間の首の断面を眺める友達は嫌い?



え、何この質問。

なんて返せば良いのか、分かんないんだけど……


なんとなく、飛香に聞いてみるか。



携帯を眺めながら、そう考えた守里であった。




to be continued

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