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第6章 修学旅行編
第210話「拠点襲撃 in 京都 前編」
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京都
防衛団仮拠点
ガチャ
??1: う~っす。
??2: みんな揃ってる?
1級(戦闘部)1: お2人とも、お疲れ様です。
1級(作戦部): お疲れ様です。今回の作戦に参加する団員は、椎名さん以外、揃ってます。
??1: あっそ笑。あの嬢ちゃんはどこにいんの?
1級(作): 次期団長をお見送りに、駅に行ってます。
??2: じゃあ、入れ違いだったんだ。
??1: 相当、坊ちゃんと仲良くなったんだな~笑
1級(戦)2: 唯一の友達だそうで。
??1: へぇ~笑
??2: よし、あの子は自分の役目も頭に入ってるだろうし、先に会議を始めよう。
1級(作): 了解です。ではまず、敵の拠点の間取りから…
と、守里達が京都を発った頃、大阪から応援として呼ばれた防衛団戦闘部特級団員で、戦闘部統括の日村正樹の側近である"和地勇太郎"と"酒巻翔太"を交えて、京都のアンチの拠点を潰す作戦会議が始まったのだった。
◇◇◇◇
深夜0時
アンチ拠点前
和地: そろそろ行くか~
酒巻: おう。改めて、中にいるのは?
1級(作): 情報部。
椎名: 昼からこの建物への出入りは全くなかったから、途中で捕らえた中位の話と、例の男の話から、幹部側近の上位構成員と、元から京都にいた上位構成員が3人いるはずよ。
和地: あれ、アンチに接触しないんじゃなかった?
椎名: もう今更でしょ。それに今日中に潰しちゃうんだし。
和地: 笑、だな。
酒巻: 姿をはっきりと確認できたわけじゃないんだろ?
椎名: うん。みんな引きこもりみたい。だから、さっきの情報…特に幹部の側近の話は、敵の言葉を信じるなら、って感じ。
和地: 分かった。
酒巻: 全員、作戦は理解しているな?
1級(戦)1: はい!
1級(戦)2: お2人を無事、幹部側近がいるところまで届けます。
和地: 荷物じゃねぇんだから笑。ま、頑張れ。
酒巻: 2級はフロア制圧が終わったら、すぐに階段の閉鎖だ。
「はい。」
椎名: ちゃんとアレは貰ってきたから、終わったら呼んでね。
和地: あぁ。外から見て、なんか異常があれば、すぐに言えよ。
椎名: OK。
酒巻: あと毎度恒例の質問だが……全員、遺書は書いてきたな?
「はい…」
酒巻: もちろん、作戦のために死ねとは言わない。ただ、そのぐらいの覚悟は必要だ。全員、気を引き締めろよ!
「はい。」
和地: ふぅ……開始だ。
1級(作): では、作戦を開始します。
この、インカムを通した作戦部1級団員の合図で、拠点襲撃作戦が始まった。
戦闘部に所属する団員達が、1つしかない入口から建物内に侵入して行く。
バタンッ!!
ガチャッ!!
先行した2級団員が、1階にある扉をどんどん開いていく。
2級1: 1階A、誰もいません!
2級2: 1階B、いません!!
2級3: 1階Cもいません!
2級4: 階段到着。
1級(作): 1階制圧、1階担当を残し、全員2階へ。3級は1階に入れ!
3級: 「はい!」
2級4: いきます。
和地: おう。
酒巻: 1階にいないってことは、情報通り、中位以下はみんな外に出てんな。
和地: 嬢ちゃんの情報は正しいみたいだ。
と、ここで…
1級(戦)1: 上から来ます!
2級4: っ!!
シュトッ!
先行していた2級4の頬を、ナイフが掠め、背後の壁に刺さる。
2級4: っぶな…
上位2: こんな夜更けに襲って来るとか、常識がねぇのかよ!
和地: アンチが常識を語んな笑
上位1: …お前ら、噂に聞く防衛団か。
酒巻: そういうお前は、上位構成員っぽいな。
1級(戦)1: 呼ぶまで下で待ってろ。
2級: 「はい!」
1級団員と特級2人が、階段の上にいる上位構成員達と睨み合ってる間に、2級団員は階段下へと退避する。
1級(戦)2: 俺らが相手するんで、先に上に上がってください。
和地: いけんの?
1級(戦)1: 笑、もちろんです。
酒巻: そう笑。じゃあ、行こう。
和地: ま、1発食らわせてからな。
そう言って、和地と酒巻が、階段を駆け上がる。
上位2: 舐められたもんだ……行かせるかっての!!
1番前にいた上位2が、その2人を迎え撃とうとしたが…
酒巻: その1発は俺がもらうぞ笑
横にある階段の手摺に足をかけ、空中に飛び上がった酒巻は、壁を蹴って、階段の上にいる上位2の顔面を殴り、2階に着地する。
和地: チッ…しゃあねぇ笑
上位1: な…
1級(戦)1: 今だ!俺達も上がるぞ!
1級(戦)2: おう!
和地: 階段は、左奥だったな。
酒巻: そのはずだ。
上位1: だから、行かせねぇっての!
1級(戦)1: てめぇらの相手は、俺達だ!
1級(戦)2: おい、あれだけで伸びたわけじゃねぇだろうな!
上位2: たりめぇだよ。あんなへなちょこパンチ…
酒巻: にしては、ふらついてんぞ笑
和地: 強がりだな笑
と言い残して、酒巻と和地は3階に続く階段へ向かった。
上位1: あの2人は、あの人に任せよう。
上位2: ちょうど、アイツも上にいるしな。
1級(戦)1: へぇ、もう1人の上位も上にいるのね。
1級(戦)2: その言い方だと、噂に聞いてた幹部側近の上位もいるみたい。
上位1: っ!お前ら、それをどこから…(昨日から連絡が取れねぇアイツから漏れたんじゃ…)
1級(戦)1: そろそろやるぞ。
1級(戦)2: 時間的に、下にも来そうだしな。
上位2: 正解。もう京都中の中位と下位を招集したから、お前らは終わりなんだよw
1級(戦)1: あんまり防衛団を舐めんな。全員まとめて豚箱に入れてやる。
上位1: 豚箱ねぇ。
上位2: ww、全員死ねや!!
その叫びと、振り下ろされたナイフにより、2階フロアでの防衛団vsアンチの火蓋が切られた。
和地: おっ、階段みっけ。
酒巻: …すぐ上にはいなさそうだな。
和地: 上がるぞ。
先行した2人は、3階への階段を上る。
酒巻: ここを上がれば、目の前に扉が1つ。その向こうの部屋の奥に扉が2つで、3階には部屋が計3つ。
和地: 死角を取られることはなさそうだ。
酒巻: あぁ。あと、幹部の側近と上位が1人いる。
和地: どっち相手する?
酒巻: そりゃもちろん…
和地: 笑、お前はさっき1発奪ったから、上位の方な。
酒巻: え…笑、分かったよ。
和地: さ、扉が見えた。
酒巻: あの扉を開けたら、目的の奴がすぐ目の前にいたりして笑
和地: かもな……開けるぞ。
酒巻: 気をつけろよ。
ガチャ!!
バンッ!!!
和地: うぉっ!
酒巻: ひゅ~
勢いよく扉を開けた瞬間に、銃声が聞こえ、間一髪2人は、横に飛ぶことで、銃弾を避けた。
和地: 笑、拳銃持ちか。
酒巻: さすが幹部の側近ってとこだな。
??: 外してんじゃねぇよ。
パシッ
上位3: すいません…
??: はぁ…返せ。
上位3: は、はい!
和地: 2人ともいるじゃん。
酒巻: そっちが残りの上位で、お前が幹部の側近か?
??: …誰から聞いた?
和地: それ気にすること?
??: あぁ。バラした奴は始末しないとだからw
酒巻: いや~怖いね~笑
??: で、教えてくれんの?
和地: もちろん、教えるつもりはない。
??: じゃあ、無理やり吐かせるしかねぇなw
和地: 約束通り、そっちの相手は頼むぞ。
酒巻: 良いのか?拳銃相手は、お前不利だろ。
和地: そんなん覆してやる笑
酒巻: ヤバくなったら、構わず言えよ。
和地: おう。
??: お前が俺の相手?なら、こっちに来いw
そう言って、??は奥の部屋に移動する。
和地: 行ってくる。
酒巻: すぐ行くからな~
続いて、和地も奥の部屋へと向かった。
上位3: ほんとタイムリーだよ。
酒巻: 何が?
上位3: ちょうど防衛団の話をしてたんだ。
酒巻: へぇ~
上位3: 無茶苦茶にしてやりたいってな!!
床を蹴り、酒巻の襟を掴みにかかる。
酒巻: あっそ。
その伸びてきた手を避け、顔面目掛けて、拳を振るう。
上位3: …w、効かねぇよ!
顎でその拳を受け止めた上位3は、怯むことなく酒巻を抱き締めるように、両腕を動かすが…
酒巻: お前、柔道経験者か?
それを真後ろに跳んで避ける。
上位3: どうだろうなw
酒巻: (部屋広いし、敵はガタイもあって接近戦が得意…)笑、良い勝負になりそうだ。
奥の部屋
ガチャ
バンッ!!!
和地: …もっと歓迎しろよ笑
??: 俺なりの歓迎さ。
和地: 銃弾ぶち込むのが歓迎ね。頭のネジがぶっ飛んでやがんな。
??: 本当ならそのご立派な体に、ぶち込みたかったんだけど、残念。
和地: さっ、こっちもやるか!
??: いつまで弾を避けられ続けるかな!!
バンッ!!!
和地: ふっ!
部屋の中を駆け回り、銃弾を避ける和地。
??: ちなみに弾は全然あるから。
和地: 嫌な知らせだこと。
バンッ!!!
バンッ!!!
和地: チッ…
??: お前、接近戦が得意そうだもんな。ガタイからしてw
和地: お陰様で、中々近づけねぇよ!
??: ま、接近戦でも負けるつもりはねぇが、わざわざ、より疲れることはしたくないしw
バンッ!!!
和地: (部屋が狭い!!防弾付けてるっつっても、当たったら痛いだろうしな~まだ我慢だ。)
屋外
3級(情報部): アンチらしき男達が、この建物に向かって来ています。
1級(作): 了解。そのまま、持ち場で監視を続けて。
3級(情): はい。
椎名: 私もこの辺、見てこよっかな。
1級(作): いえ。椎名さんは、ここで待機でお願いします。屋内がいつ片付くかも分かりませんし。監視は3級に任せて下さい。
椎名: はーい。
1級(作): 階段下にいる2級団員。2人を残して、他は1階の入口付近で待機。応援のアンチを建物の中で迎え撃つ。
2級4: 分かった。
2級5: 俺とお前が残るぞ。
2級6: おう。
1級(作): 残った2人は、上の様子を伺いつつ、戦闘の支援。邪魔はするなよ。あと、3級は全員、階段下に向かって、上が片付いたら、2階フロアを制圧。
3級「はい!」
中位D: 攻められてるってマジかよ!
中位E: 外から見ても、よく分かんねぇが…入るぞ。
中位F: おう!
ガチャ!!
1級(作): 2級団員、部屋の中央まで進ませ、後方が完全に部屋の中に入ったら…
中位D: …誰もいねぇじゃねぇか!
中位F: もっと奥にいんのか?
中位E: よし、お前ら全員入って、探すぞ!
下位「はい!!」
応援で来たアンチが、全員、建物の中に入る。
1級(作): やれ。
上の階で激戦が繰り広げられている間に、1階でもアンチの中位、下位と、防衛団の2級団員達の乱戦が始まった。
◇◇◇
3階中央の部屋
酒巻: …
ビュンッ!!
上位3: おいおい、逃げてばっかか?w
酒巻: んなわけねぇだろ!
パシッ!!
伸びてきた右腕を、酒巻は半身で避け、そのまま回し蹴りを、顎目掛けて放つが、逆に足を掴まれてしまう。
上位3: やっと捕まえた。
酒巻: チッ…
上位3: フンッ!!
酒巻: うおっ!
力に任せて、掴んだ足を振り上げ、地面に叩きつける。
ダンッ!!
酒巻: グハッ!!
上位3: ww、まだまだだぜ。
ブンッ!!
そして、壁に向かって、酒巻を投げ飛ばす。
バキッ!!
酒巻: グッ…
上位3: あぁ~あ。高い棚や机をw
酒巻: …て、てめぇが投げたんだろ。
上位3: wまぁなっ!!
追撃に走る上位3は、壊れた棚や机の残骸の中で座り込む酒巻の顔目掛けて、蹴り込む。
ドンッ!!
酒巻: フッ…やっぱ、デケェだけあって、重いな。
その蹴りを、両腕で受け止める。
上位3: だろ?w
酒巻: ただな…動きがトロイんだよ!!オリャッ!
腕を横に振り、上位3の足を弾く。
上位3: それがどうした!!ww、この状況を見れば、どっちが優勢かなんて、分かりきってるこ…
さらに踏み込もうとすると、酒巻の方から、家具の残骸が飛んで来る。
酒巻: ここなら行ける。
上位3: 悪あがきしてんじゃねぇ!
酒巻: 悪あがき?笑…まぁ見てろ!!
上位3: 黙ってやられ…なっ…
大きな木の残骸が視界を遮ったと思ったら、目の前から酒巻の姿が消える。
酒巻: どこ見てんだ!!
上位3: 後ろだとっ!…
意識外の真後ろからの蹴りに反応できず、受け身も取れないまま蹴り飛ばされ、壁に手を着く。
酒巻: ありがとな、壁際に寄ってくれて!!
上位3: やばっ…
すぐに振り返り、真っ直ぐ走って来る酒巻を視界に入れ、瞬時に前方をガードするが…
酒巻: 素直過ぎだな!
接触する直前で、斜めに切り込み、床を蹴りつつ右回転し、右足で斜め下から、上位3の顔を蹴り抜く。
上位3: クハッ!!…
そして、着地した反動でバク宙し、真上から頭を蹴り下ろす。
上位3: ガッ…
ドサ
酒巻: ふぅ……終了っと。
1級(戦)1: 酒巻さん!
上位3を倒したところで、2階から1級団員の2人が上がってくる。
酒巻: そっちも終わった?
1級(戦)2: はい。
酒巻: いや~苦戦したよ。思ったより強かった。
1級(戦)1: いやいや笑(酒巻さんの傷から、最初は場所の不利もあって苦戦してたみたいだけど、このガタイの男をたった2撃で沈めるとは…)
1級(戦)2: (見事な逆転劇だったんだろうな。)
酒巻: よし、俺は和地のとこを覗きに行こうかな。
1級(戦)1: では俺達は…
酒巻: 下の加勢に行ってこい。で良いよな?
1級(作): はい。
1級(戦)2: 了解です。
1級(戦)1: いってきます。
酒巻: おう笑
そうして、1級団員は階段に向かい、酒巻は奥の部屋の方へ歩き始めた。
to be continued
防衛団仮拠点
ガチャ
??1: う~っす。
??2: みんな揃ってる?
1級(戦闘部)1: お2人とも、お疲れ様です。
1級(作戦部): お疲れ様です。今回の作戦に参加する団員は、椎名さん以外、揃ってます。
??1: あっそ笑。あの嬢ちゃんはどこにいんの?
1級(作): 次期団長をお見送りに、駅に行ってます。
??2: じゃあ、入れ違いだったんだ。
??1: 相当、坊ちゃんと仲良くなったんだな~笑
1級(戦)2: 唯一の友達だそうで。
??1: へぇ~笑
??2: よし、あの子は自分の役目も頭に入ってるだろうし、先に会議を始めよう。
1級(作): 了解です。ではまず、敵の拠点の間取りから…
と、守里達が京都を発った頃、大阪から応援として呼ばれた防衛団戦闘部特級団員で、戦闘部統括の日村正樹の側近である"和地勇太郎"と"酒巻翔太"を交えて、京都のアンチの拠点を潰す作戦会議が始まったのだった。
◇◇◇◇
深夜0時
アンチ拠点前
和地: そろそろ行くか~
酒巻: おう。改めて、中にいるのは?
1級(作): 情報部。
椎名: 昼からこの建物への出入りは全くなかったから、途中で捕らえた中位の話と、例の男の話から、幹部側近の上位構成員と、元から京都にいた上位構成員が3人いるはずよ。
和地: あれ、アンチに接触しないんじゃなかった?
椎名: もう今更でしょ。それに今日中に潰しちゃうんだし。
和地: 笑、だな。
酒巻: 姿をはっきりと確認できたわけじゃないんだろ?
椎名: うん。みんな引きこもりみたい。だから、さっきの情報…特に幹部の側近の話は、敵の言葉を信じるなら、って感じ。
和地: 分かった。
酒巻: 全員、作戦は理解しているな?
1級(戦)1: はい!
1級(戦)2: お2人を無事、幹部側近がいるところまで届けます。
和地: 荷物じゃねぇんだから笑。ま、頑張れ。
酒巻: 2級はフロア制圧が終わったら、すぐに階段の閉鎖だ。
「はい。」
椎名: ちゃんとアレは貰ってきたから、終わったら呼んでね。
和地: あぁ。外から見て、なんか異常があれば、すぐに言えよ。
椎名: OK。
酒巻: あと毎度恒例の質問だが……全員、遺書は書いてきたな?
「はい…」
酒巻: もちろん、作戦のために死ねとは言わない。ただ、そのぐらいの覚悟は必要だ。全員、気を引き締めろよ!
「はい。」
和地: ふぅ……開始だ。
1級(作): では、作戦を開始します。
この、インカムを通した作戦部1級団員の合図で、拠点襲撃作戦が始まった。
戦闘部に所属する団員達が、1つしかない入口から建物内に侵入して行く。
バタンッ!!
ガチャッ!!
先行した2級団員が、1階にある扉をどんどん開いていく。
2級1: 1階A、誰もいません!
2級2: 1階B、いません!!
2級3: 1階Cもいません!
2級4: 階段到着。
1級(作): 1階制圧、1階担当を残し、全員2階へ。3級は1階に入れ!
3級: 「はい!」
2級4: いきます。
和地: おう。
酒巻: 1階にいないってことは、情報通り、中位以下はみんな外に出てんな。
和地: 嬢ちゃんの情報は正しいみたいだ。
と、ここで…
1級(戦)1: 上から来ます!
2級4: っ!!
シュトッ!
先行していた2級4の頬を、ナイフが掠め、背後の壁に刺さる。
2級4: っぶな…
上位2: こんな夜更けに襲って来るとか、常識がねぇのかよ!
和地: アンチが常識を語んな笑
上位1: …お前ら、噂に聞く防衛団か。
酒巻: そういうお前は、上位構成員っぽいな。
1級(戦)1: 呼ぶまで下で待ってろ。
2級: 「はい!」
1級団員と特級2人が、階段の上にいる上位構成員達と睨み合ってる間に、2級団員は階段下へと退避する。
1級(戦)2: 俺らが相手するんで、先に上に上がってください。
和地: いけんの?
1級(戦)1: 笑、もちろんです。
酒巻: そう笑。じゃあ、行こう。
和地: ま、1発食らわせてからな。
そう言って、和地と酒巻が、階段を駆け上がる。
上位2: 舐められたもんだ……行かせるかっての!!
1番前にいた上位2が、その2人を迎え撃とうとしたが…
酒巻: その1発は俺がもらうぞ笑
横にある階段の手摺に足をかけ、空中に飛び上がった酒巻は、壁を蹴って、階段の上にいる上位2の顔面を殴り、2階に着地する。
和地: チッ…しゃあねぇ笑
上位1: な…
1級(戦)1: 今だ!俺達も上がるぞ!
1級(戦)2: おう!
和地: 階段は、左奥だったな。
酒巻: そのはずだ。
上位1: だから、行かせねぇっての!
1級(戦)1: てめぇらの相手は、俺達だ!
1級(戦)2: おい、あれだけで伸びたわけじゃねぇだろうな!
上位2: たりめぇだよ。あんなへなちょこパンチ…
酒巻: にしては、ふらついてんぞ笑
和地: 強がりだな笑
と言い残して、酒巻と和地は3階に続く階段へ向かった。
上位1: あの2人は、あの人に任せよう。
上位2: ちょうど、アイツも上にいるしな。
1級(戦)1: へぇ、もう1人の上位も上にいるのね。
1級(戦)2: その言い方だと、噂に聞いてた幹部側近の上位もいるみたい。
上位1: っ!お前ら、それをどこから…(昨日から連絡が取れねぇアイツから漏れたんじゃ…)
1級(戦)1: そろそろやるぞ。
1級(戦)2: 時間的に、下にも来そうだしな。
上位2: 正解。もう京都中の中位と下位を招集したから、お前らは終わりなんだよw
1級(戦)1: あんまり防衛団を舐めんな。全員まとめて豚箱に入れてやる。
上位1: 豚箱ねぇ。
上位2: ww、全員死ねや!!
その叫びと、振り下ろされたナイフにより、2階フロアでの防衛団vsアンチの火蓋が切られた。
和地: おっ、階段みっけ。
酒巻: …すぐ上にはいなさそうだな。
和地: 上がるぞ。
先行した2人は、3階への階段を上る。
酒巻: ここを上がれば、目の前に扉が1つ。その向こうの部屋の奥に扉が2つで、3階には部屋が計3つ。
和地: 死角を取られることはなさそうだ。
酒巻: あぁ。あと、幹部の側近と上位が1人いる。
和地: どっち相手する?
酒巻: そりゃもちろん…
和地: 笑、お前はさっき1発奪ったから、上位の方な。
酒巻: え…笑、分かったよ。
和地: さ、扉が見えた。
酒巻: あの扉を開けたら、目的の奴がすぐ目の前にいたりして笑
和地: かもな……開けるぞ。
酒巻: 気をつけろよ。
ガチャ!!
バンッ!!!
和地: うぉっ!
酒巻: ひゅ~
勢いよく扉を開けた瞬間に、銃声が聞こえ、間一髪2人は、横に飛ぶことで、銃弾を避けた。
和地: 笑、拳銃持ちか。
酒巻: さすが幹部の側近ってとこだな。
??: 外してんじゃねぇよ。
パシッ
上位3: すいません…
??: はぁ…返せ。
上位3: は、はい!
和地: 2人ともいるじゃん。
酒巻: そっちが残りの上位で、お前が幹部の側近か?
??: …誰から聞いた?
和地: それ気にすること?
??: あぁ。バラした奴は始末しないとだからw
酒巻: いや~怖いね~笑
??: で、教えてくれんの?
和地: もちろん、教えるつもりはない。
??: じゃあ、無理やり吐かせるしかねぇなw
和地: 約束通り、そっちの相手は頼むぞ。
酒巻: 良いのか?拳銃相手は、お前不利だろ。
和地: そんなん覆してやる笑
酒巻: ヤバくなったら、構わず言えよ。
和地: おう。
??: お前が俺の相手?なら、こっちに来いw
そう言って、??は奥の部屋に移動する。
和地: 行ってくる。
酒巻: すぐ行くからな~
続いて、和地も奥の部屋へと向かった。
上位3: ほんとタイムリーだよ。
酒巻: 何が?
上位3: ちょうど防衛団の話をしてたんだ。
酒巻: へぇ~
上位3: 無茶苦茶にしてやりたいってな!!
床を蹴り、酒巻の襟を掴みにかかる。
酒巻: あっそ。
その伸びてきた手を避け、顔面目掛けて、拳を振るう。
上位3: …w、効かねぇよ!
顎でその拳を受け止めた上位3は、怯むことなく酒巻を抱き締めるように、両腕を動かすが…
酒巻: お前、柔道経験者か?
それを真後ろに跳んで避ける。
上位3: どうだろうなw
酒巻: (部屋広いし、敵はガタイもあって接近戦が得意…)笑、良い勝負になりそうだ。
奥の部屋
ガチャ
バンッ!!!
和地: …もっと歓迎しろよ笑
??: 俺なりの歓迎さ。
和地: 銃弾ぶち込むのが歓迎ね。頭のネジがぶっ飛んでやがんな。
??: 本当ならそのご立派な体に、ぶち込みたかったんだけど、残念。
和地: さっ、こっちもやるか!
??: いつまで弾を避けられ続けるかな!!
バンッ!!!
和地: ふっ!
部屋の中を駆け回り、銃弾を避ける和地。
??: ちなみに弾は全然あるから。
和地: 嫌な知らせだこと。
バンッ!!!
バンッ!!!
和地: チッ…
??: お前、接近戦が得意そうだもんな。ガタイからしてw
和地: お陰様で、中々近づけねぇよ!
??: ま、接近戦でも負けるつもりはねぇが、わざわざ、より疲れることはしたくないしw
バンッ!!!
和地: (部屋が狭い!!防弾付けてるっつっても、当たったら痛いだろうしな~まだ我慢だ。)
屋外
3級(情報部): アンチらしき男達が、この建物に向かって来ています。
1級(作): 了解。そのまま、持ち場で監視を続けて。
3級(情): はい。
椎名: 私もこの辺、見てこよっかな。
1級(作): いえ。椎名さんは、ここで待機でお願いします。屋内がいつ片付くかも分かりませんし。監視は3級に任せて下さい。
椎名: はーい。
1級(作): 階段下にいる2級団員。2人を残して、他は1階の入口付近で待機。応援のアンチを建物の中で迎え撃つ。
2級4: 分かった。
2級5: 俺とお前が残るぞ。
2級6: おう。
1級(作): 残った2人は、上の様子を伺いつつ、戦闘の支援。邪魔はするなよ。あと、3級は全員、階段下に向かって、上が片付いたら、2階フロアを制圧。
3級「はい!」
中位D: 攻められてるってマジかよ!
中位E: 外から見ても、よく分かんねぇが…入るぞ。
中位F: おう!
ガチャ!!
1級(作): 2級団員、部屋の中央まで進ませ、後方が完全に部屋の中に入ったら…
中位D: …誰もいねぇじゃねぇか!
中位F: もっと奥にいんのか?
中位E: よし、お前ら全員入って、探すぞ!
下位「はい!!」
応援で来たアンチが、全員、建物の中に入る。
1級(作): やれ。
上の階で激戦が繰り広げられている間に、1階でもアンチの中位、下位と、防衛団の2級団員達の乱戦が始まった。
◇◇◇
3階中央の部屋
酒巻: …
ビュンッ!!
上位3: おいおい、逃げてばっかか?w
酒巻: んなわけねぇだろ!
パシッ!!
伸びてきた右腕を、酒巻は半身で避け、そのまま回し蹴りを、顎目掛けて放つが、逆に足を掴まれてしまう。
上位3: やっと捕まえた。
酒巻: チッ…
上位3: フンッ!!
酒巻: うおっ!
力に任せて、掴んだ足を振り上げ、地面に叩きつける。
ダンッ!!
酒巻: グハッ!!
上位3: ww、まだまだだぜ。
ブンッ!!
そして、壁に向かって、酒巻を投げ飛ばす。
バキッ!!
酒巻: グッ…
上位3: あぁ~あ。高い棚や机をw
酒巻: …て、てめぇが投げたんだろ。
上位3: wまぁなっ!!
追撃に走る上位3は、壊れた棚や机の残骸の中で座り込む酒巻の顔目掛けて、蹴り込む。
ドンッ!!
酒巻: フッ…やっぱ、デケェだけあって、重いな。
その蹴りを、両腕で受け止める。
上位3: だろ?w
酒巻: ただな…動きがトロイんだよ!!オリャッ!
腕を横に振り、上位3の足を弾く。
上位3: それがどうした!!ww、この状況を見れば、どっちが優勢かなんて、分かりきってるこ…
さらに踏み込もうとすると、酒巻の方から、家具の残骸が飛んで来る。
酒巻: ここなら行ける。
上位3: 悪あがきしてんじゃねぇ!
酒巻: 悪あがき?笑…まぁ見てろ!!
上位3: 黙ってやられ…なっ…
大きな木の残骸が視界を遮ったと思ったら、目の前から酒巻の姿が消える。
酒巻: どこ見てんだ!!
上位3: 後ろだとっ!…
意識外の真後ろからの蹴りに反応できず、受け身も取れないまま蹴り飛ばされ、壁に手を着く。
酒巻: ありがとな、壁際に寄ってくれて!!
上位3: やばっ…
すぐに振り返り、真っ直ぐ走って来る酒巻を視界に入れ、瞬時に前方をガードするが…
酒巻: 素直過ぎだな!
接触する直前で、斜めに切り込み、床を蹴りつつ右回転し、右足で斜め下から、上位3の顔を蹴り抜く。
上位3: クハッ!!…
そして、着地した反動でバク宙し、真上から頭を蹴り下ろす。
上位3: ガッ…
ドサ
酒巻: ふぅ……終了っと。
1級(戦)1: 酒巻さん!
上位3を倒したところで、2階から1級団員の2人が上がってくる。
酒巻: そっちも終わった?
1級(戦)2: はい。
酒巻: いや~苦戦したよ。思ったより強かった。
1級(戦)1: いやいや笑(酒巻さんの傷から、最初は場所の不利もあって苦戦してたみたいだけど、このガタイの男をたった2撃で沈めるとは…)
1級(戦)2: (見事な逆転劇だったんだろうな。)
酒巻: よし、俺は和地のとこを覗きに行こうかな。
1級(戦)1: では俺達は…
酒巻: 下の加勢に行ってこい。で良いよな?
1級(作): はい。
1級(戦)2: 了解です。
1級(戦)1: いってきます。
酒巻: おう笑
そうして、1級団員は階段に向かい、酒巻は奥の部屋の方へ歩き始めた。
to be continued
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