上 下
201 / 305
第6章 修学旅行編

第201話「いつの間にかの危機」

しおりを挟む
祇園商店街



守里: 色々あるな~これは、見て回るのに時間がかかりそう。


美月: 集合時間、30分後じゃなくて、1時間後にして正解だった。


陽芽叶: だね。あ、これ美味しそう~


守里: どれ?おぉ…確かに…


美月: これ買う?


守里: う~ん……候補には入れとこう。


陽芽叶: あっちは置物系だね。


守里: 置物か~


美月: 笑、この置物、キモカワなんだけど。


陽芽叶: どれどれ?


美月: これ笑


陽芽叶: 笑、ウケる。


守里: …



よく分からん…



美月: でもこれがお土産はね笑


陽芽叶: ちょっと違うかな笑


守里: …あ。


美月: どうしたの?


守里: ねぇ、このキーホルダーって…


陽芽叶: …私達が持ってるのと同じだ。


美月: やっぱり、京都のご当地キャラだったんだね。


守里: 名前は…そうそう、まゆまろだ。


美月: ふ~ん、君は、まゆまろって言うのか…


陽芽叶: なんかご当地キャラって良いよね。


守里: なんで?


陽芽叶: 地域の象徴になるし、使い勝手が良いじゃん。看板作る時も、グッズ作る時も、このキャラクターを使えば良いんだから。


守里: なるほど笑


美月: なら、能高にもご当地キャラ、作ってみる?笑


守里: 能高のご当地キャラか笑……ってか、もう良い感じのヤツがいるんじゃない?


美月: え?


守里: 大々的には表に出してないけど、ほら、七星さんが描いてるあのキャラクター。


美月: あぁ笑~どいやさんだっけ?


陽芽叶: どいやさん?


守里: そういうのがいるんだよ。アレだったら、能高のご当地キャラ…それだと変か…学校キャラ?みたいなのに実際になれるかも。


陽芽叶: へぇ~


美月: 生徒会に提案してみたら?笑


守里: そうだね笑


美月: うん笑……って、1つにこんなに時間かけてたら、間に合わないよ!


守里: おっと、そうだった…早くしなければ…


陽芽叶: お土産で、買ってきて欲しい物とか言われてないの?


守里: ん?それは言われてるけど。


陽芽叶: じゃあ、先にそれを買ってからの方が、効率的に回れるんじゃないかな?


守里: それもそうか。


美月: じゃあ、桜用のみたらし団子を1番に選ばないと笑


守里: うん笑


陽芽叶: みたらし団子か~あ、あっちにお団子屋さんがあるよ。


守里: ほんとだ。行ってみよう。



こんな感じで、守里達はお土産を選んで行くのだった。




40分後…



守里: これで十分かな。


陽芽叶: うん。こっちもOK。


美月: いや~たくさん買っちゃった笑


守里: 笑、これだけあれば、みんな満足してくれるでしょ。


美月: 結局、奈々未さんへのお土産選びに、一番時間かかったね笑


守里: だって要望が、私の好きそうな物、とか言ってたんだよ。これでもし、好きじゃない物を選んで行ったら、どうなることか…


陽芽叶: まぁまぁ、大丈夫だって。守里が時間かけて、真剣に選んだんだから。


守里: そう信じる。


美月: 笑、よし、バス停に向かおう!


守里: うん。


陽芽叶: そうだね。



と、春時達と待ち合わせしているバス停へ、歩き始めたところで…




ビリッ




陽芽叶: っ!!守里、美月、逃げなきゃ!!



そう言って、2人の手を引っ張る陽芽叶だったが…



美月: え?


守里: どうしたの?……っ!!


中位A: ww、気づくのが遅かったな。


中位B: おい、本当にコイツにやられたのか?w


中位C: てめぇが弱すぎるだけなんじゃ……って、聞いてた通り、すげぇ可愛いじゃんww


美月: っ!!き、昨日の…


陽芽叶: …


中位A: おw、覚えててくれたか。それにしても、俺らに囲まれてたことに気づかないとはw、油断してたな。まぁ、人が多くて助かったよ。


守里: クソッ…



いつの間にか、守里達はアンチの構成員数十人に、囲まれてしまっていた。



中位A: さすがにこの人数差じゃ、どうしようもないだろう。大人しくついて来い。



あぁもう!何やってんだ僕!

ここまでアンチの接近に気づかないなんて…


それに、今は防衛団用の携帯をリュックに入れてるから、森田さん達に連絡することもできないし!


ふぅ…

落ち着け。


まずは、美月と陽芽叶さんを逃がさないと…


守るために!




カチ




守里: どけ!!


中位A: させるかってww、お前ら!!固めろ!!



その言葉で、下位構成員が壁としての役割を強めるが…



守里: 道を開けろ!!


ドンッ!!



1発の蹴りで、数人が吹き飛び、逃げ道が開けた。



守里: 美月、陽芽叶さん!!逃げろ!!


美月: え、え?


陽芽叶: …行くよ!!



すぐに美月の腕を掴み、守里が作り出した穴から、アンチの壁を突破する陽芽叶。



美月: ちょっと、守里!!


陽芽叶: いいから今は、守里の言う通りに逃げるの!!


中位A: なんちゅう馬鹿力だよ…


中位B: こりゃすげぇなw……でも、なんでお前は逃げないんだ?


守里: 俺は、お前らを倒さないといけないからな。


中位C: へぇ~俺らを倒すね~この人数差でw


守里: 関係ない…ここで俺が……




カチ




守里: なっ…


中位A: まぁいい!お前ら、あの女達を追いかけろ!捕まえたら、例の場所に連れてこい!!


下位b: はい!


守里: 行かせるかって!……クッ



逃げた2人を追おうと走り出す下位構成員達に、殴りかかった守里だったが、途中で動きを止めた。


体を動かす…

いや、攻撃することができなかった。



中位A: ww、どうしたんだ、いきなり固まって。ビビったのか?


守里: …



なんで異能が切れたんだ…

これじゃあ、コイツらを……倒せない……



中位A: おいおい、さっきまでの威勢はどこにいったんだよw


中位B: あの女共も捕まえられるだろうから、先にコイツで楽しんどこうぜ。なんか、大人しくなったし。


中位C: だな。遊び場に連れて行こう。



僕はどうすればいいんだ…

人数は少なくなったけど、今の僕じゃ、この囲いを抜け出すことはできないし…


なんとか、防衛団に連絡を…



中位A: おう。よしお前、まずは荷物を下ろせ。あとポケットの中身も出すんだ。


守里: っ!……分かった。



ここは言うことを聞くしかない…


守里は、中位Aの言う通りに、リュックを下ろし、ポケットに入っていた携帯を地面に置いた。



中位A: ww散々イキってた奴が、こうやって言うことを聞いてるのを見ると、楽しいもんだなww


中位B: 携帯壊しとくか?


中位C: う~ん、なんか使えるかもだし、持ってこうぜ。


中位B: 確かに。女を呼び出すのに使えるな。コイツ、あの2人以外にも、女と一緒にいたんだろ?


下位c: はい。いました。


中位B: じゃあお前、携帯だけ持っていけ。


下位c: 了解しました。他の荷物は…


中位B: ここに置いといて良いだろw


下位c: 分かりました。


中位C: じゃ、そろそろ行こうぜ~


中位A: あぁ。お前、黙ってついて来い。


守里: …


中位A: だから来いって!



腕を引っ張り、無理やり守里を移動させ始める。



守里: …分かったから、腕を離せ。歩きにくい。


中位A: なっ…このクソガキ…


中位B: 落ち着けって、自分で歩くっつってんだから、良いだろ。


中位A: チッ…



昨日のことが、まだ頭に鮮明に残っている中位Aは、守里の言う通りに腕を離した。



中位C: その代わり、ちゃんと歩けよ?


守里: …あぁ。



そうして、守里はアンチの構成員に囲まれた状態で、祇園の町を歩き…



中位A: ここだ。



ある建物の目の前で止まる。



守里: …ここは…


中位A: ここはな、俺達アンチが手を貸してる店なんだよ。だから、この中で何があっても黙っといてくれるし、外に漏れることもない。この意味が分かるか?ww


守里: …


中位A: この中でお前をどうしたところで、誰も気づきもしないし、助けにも来ないってことだよww



ガチャ



中位A: おい、お前ら、全員出ていけ。


店員: は、はぁ?


中位A: なんだ逆らうのか?w


店長: なにごと……って、これはこれは…どうもお世話になっております。


中位A: 客はいるのか?


店長: いえ、今は準備中でございまして…


中位A: ならちょうどいい。従業員を全員、外に出せ。


店長: …分かりました。おい、今日はもう終わりだ。帰れ。


店員: ちょっと店長~


店長: 今日の分の給料は払うから。


店員: 了解です!


店長: ったく……では、もう少しお待ち下さい。


中位A: あぁw…もうちょっとでお待ちかねの時間だぞ~


守里: …



少しして、店の中はアンチの構成員数十人と、守里だけとなった。


ガチャ



下位a: 扉閉めました!


中位A: よし、準備完了。これで、外から中の様子は見えないし、外に音も響かないから、やりたい放題だw


中位B: やっとか~ww、こんな仏頂面をボコボコにできるのが待ち遠しくてたまらなかったんだよ。


中位C: でもまぁ、警戒しながらだけどなw


中位A: さぁ…始めるぞ。


守里: …




to be continued


しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

愛していました。待っていました。でもさようなら。

彩柚月
ファンタジー
魔の森を挟んだ先の大きい街に出稼ぎに行った夫。待てども待てども帰らない夫を探しに妻は魔の森に脚を踏み入れた。 やっと辿り着いた先で見たあなたは、幸せそうでした。

ヤケになってドレスを脱いだら、なんだかえらい事になりました

杜野秋人
恋愛
「そなたとの婚約、今この場をもって破棄してくれる!」 王族専用の壇上から、立太子間近と言われる第一王子が、声高にそう叫んだ。それを、第一王子の婚約者アレクシアは黙って聞いていた。 第一王子は次々と、アレクシアの不行跡や不品行をあげつらい、容姿をけなし、彼女を責める。傍らに呼び寄せたアレクシアの異母妹が訴えるままに、鵜呑みにして信じ込んだのだろう。 確かに婚約してからの5年間、第一王子とは一度も会わなかったし手紙や贈り物のやり取りもしなかった。だがそれは「させてもらえなかった」が正しい。全ては母が死んだ後に乗り込んできた後妻と、その娘である異母妹の仕組んだことで、父がそれを許可したからこそそんな事がまかり通ったのだということに、第一王子は気付かないらしい。 唯一の味方だと信じていた第一王子までも、アレクシアの味方ではなくなった。 もう味方はいない。 誰への義理もない。 ならば、もうどうにでもなればいい。 アレクシアはスッと背筋を伸ばした。 そうして彼女が次に取った行動に、第一王子は驚愕することになる⸺! ◆虐げられてるドアマットヒロインって、見たら分かるじゃんね?って作品が最近多いので便乗してみました(笑)。 ◆虐待を窺わせる描写が少しだけあるのでR15で。 ◆ざまぁは二段階。いわゆるおまいう系のざまぁを含みます。 ◆全8話、最終話だけ少し長めです。 恋愛は後半で、メインディッシュはざまぁでどうぞ。 ◆片手間で書いたんで、主要人物以外の固有名詞はありません。どこの国とも設定してないんで悪しからず。 ◆この作品はアルファポリスのほか、小説家になろうでも公開します。 ◆過去作のヒロインと本作主人公の名前が丸被りしてたので、名前を変更しています。(2024/09/03) ◆9/2、HOTランキング11→7位!ありがとうございます! 9/3、HOTランキング5位→3位!ありがとうございます!

冤罪をかけられ、彼女まで寝取られた俺。潔白が証明され、皆は後悔しても戻れない事を知ったらしい

一本橋
恋愛
痴漢という犯罪者のレッテルを張られた鈴木正俊は、周りの信用を失った。 しかし、その実態は私人逮捕による冤罪だった。 家族をはじめ、友人やクラスメイトまでもが見限り、ひとり孤独へとなってしまう。 そんな正俊を慰めようと現れた彼女だったが、そこへ私人逮捕の首謀者である“山本”の姿が。 そこで、唯一の頼みだった彼女にさえも裏切られていたことを知ることになる。 ……絶望し、身を投げようとする正俊だったが、そこに学校一の美少女と呼ばれている幼馴染みが現れて──

初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と叫んだら長年の婚約者だった新妻に「気持ち悪い」と言われた上に父にも予想外の事を言われた男とその浮気女の話

ラララキヲ
恋愛
 長年の婚約者を欺いて平民女と浮気していた侯爵家長男。3年後の白い結婚での離婚を浮気女に約束して、新妻の寝室へと向かう。  初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と愛する夫から宣言された無様な女を嘲笑う為だけに。  しかし寝室に居た妻は……  希望通りの白い結婚と愛人との未来輝く生活の筈が……全てを周りに知られていた上に自分の父親である侯爵家当主から言われた言葉は──  一人の女性を蹴落として掴んだ彼らの未来は……── <【ざまぁ編】【イリーナ編】【コザック第二の人生編(ザマァ有)】となりました> ◇テンプレ浮気クソ男女。 ◇軽い触れ合い表現があるのでR15に ◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。 ◇ご都合展開。矛盾は察して下さい… ◇なろうにも上げてます。 ※HOTランキング入り(1位)!?[恋愛::3位]ありがとうございます!恐縮です!期待に添えればよいのですがッ!!(;><)

RUBBER LADY 屈辱の性奴隷調教

RUBBER LADY
ファンタジー
RUBBER LADYが活躍するストーリーの続編です

【完結】私だけが知らない

綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。 優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。 やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。 記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。 【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ 2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位 2023/12/19……番外編完結 2023/12/11……本編完結(番外編、12/12) 2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位 2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」 2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位 2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位 2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位 2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位 2023/08/14……連載開始

「お前は彼女(婚約者)に助けられている」という言葉を信じず不貞をして、婚約者を罵ってまで婚約解消した男の2度目は無かった話

ラララキヲ
ファンタジー
 ロメロには5歳の時から3歳年上の婚約者が居た。侯爵令息嫡男の自分に子爵令嬢の年上の婚約者。そしてそんな婚約者の事を両親は 「お前は彼女の力で助けられている」 と、訳の分からない事を言ってくる。何が“彼女の力”だ。そんなもの感じた事も無い。  そう思っていたロメロは次第に婚約者が疎ましくなる。どれだけ両親に「彼女を大切にしろ」と言われてもロメロは信じなかった。  両親の言葉を信じなかったロメロは15歳で入学した学園で伯爵令嬢と恋に落ちた。  そしてロメロは両親があれだけ言い聞かせた婚約者よりも伯爵令嬢を選び婚約解消を口にした。  自分の婚約者を「詐欺師」と罵りながら……──  これは【人の言う事を信じなかった男】の話。 ◇テンプレ自己中男をざまぁ ◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。 ◇ご都合展開。矛盾もあるかも。 ◇なろうにも上げる予定です。 <!!ホットランキング&ファンタジーランキング(4位)入り!!ありがとうございます(*^^*)!![2022.8.29]>

寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい

白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。 私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。 「あの人、私が

処理中です...