ただ守りたい…〜大事な人を守るには、金と権力と腕っ節…あと諦めない心が必要です〜

ドラると

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第6章 修学旅行編

第184話「甘えん坊な2人」

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春時: これが毘沙門天か~


祐希: ここでは多聞天だって!


守里: 方角的に多聞天は、北を守ってるのかな。


祐希: じゃあ、さっきのやつは東?


春時: いや、西だろ。どうした祐希。さらに馬鹿さ加減に磨きがかかってないか?笑


祐希: なっ!!長距離移動で疲れてるだけ!


春時: ずっと寝てたのに?笑


祐希: グヌヌ…


守里: 笑


美月: 広目天が西で、多聞天が北。


守里: あ、美月。


美月: なんかさ、中央に一番偉い奈良の大仏があって、その両隣に部下の菩薩が2…チラッ



話すのを途中で止めた美月は、すごい眼力で、やっと追いついて来た川嶋を見る。



守里: 2?


川嶋: ……あぁ笑



少しして、美月の要望に気づいた川嶋は、美月に近づき…



川嶋: 仏様の数え方は尊ボソッ


美月: 部下の菩薩が2尊、そして周りに4尊の護法神って、よく配置も考えられてて凄いよね!!


守里: え?う、うん。



美月の勢いと、川嶋との変なやり取りに、守里は戸惑う。



陽芽叶: 惜しい笑


春時: え、どういうこと?ボソッ


陽芽叶: 美月ちゃんは、志帆ちゃんみたいに、守里に褒めてもらいたいんだって。


春時: なるほど笑


美月: 凄いよね!!



語気を強めて、さらに守里に接近する美月。



守里: ?


川嶋: はぁ……褒めてあげてボソッ



アドバイスを与える川嶋。



美月: キラキラ


守里: あ、ありがとう、美月。


美月: フフーン笑



その守里の言葉に、美月は満足気な表情を浮かべた。



春時: あれに対する褒め言葉で、ありがとうは違くない?笑


陽芽叶: 褒められたら、なんでもいいんでしょ笑


川嶋: 頭なでなでボソッ


守里: うん…


ナデナデ


美月: ニコ~



さらに顔が蕩ける美月。



川嶋: 美月のあんな表情は、中々見れないよ笑



2人から離れた川嶋が、そのやり取りを傍観していた陽芽叶と春時の元へ来る。



陽芽叶: 自身の欲望を満たせた幸福感と、作戦を成功させられた達成感、あと単純な嬉しさが合わさった結果だね笑



春時: あのまま行ったら、美月はドロドロに溶けるんじゃないか?笑


川嶋: 確かに笑…って、祐希は?


陽芽叶: 祐希ちゃん?


春時: 祐希なら………あ、ほら、守里の真後ろ。


祐希: ジー



若干困った顔をしつつ、美月の頭を撫でる守里と、目を瞑り、幸せを噛み締めている美月を、ただじっと見つめている祐希。



川嶋: 今さっきまで、あんなに元気だったのに。


春時: あぁ笑、あれは…


陽芽叶: 祐希ちゃんも、ナデナデしてもらいたいのかな?笑


祐希: フン


守里: え?



突然、真後ろから、美月を撫でていない方の手を引っ張られ、守里は驚く。



祐希: …


守里: どうしたの?祐希。


祐希: …



未だに蕩けまくってる美月を、首で指したあと、自分の頭を指で指す。



守里: ……あ、撫でてってことね。


祐希: ウンウン


守里: はいはい笑


ナデナデ


祐希: ふ~ん笑


川嶋: あらあら笑、祐希も満足気な表情だこと。


陽芽叶: なんか、あの光景は異様だよね笑。


春時: 甘えたいモードの日向子と祐希が揃ってる時は、だいたい、あんな風になるぞ。


川嶋: それは大変だ笑、守里も。


陽芽叶: だね笑


春時: あれを黙って見てるのも良いが、時間も時間だし、先に進もうぜ。


川嶋: ほんとだ。何気に、ここに来て30分以上経ってる。


陽芽叶: 他に見て回るところも多いし、鹿とも戯れたそうだから、もう行かないと。


春時: じゃ、行きますか。



そう言って、春時は未だに2人の頭を撫で続けている守里に近づく。



春時: おい、守里。


守里: ねぇ春時、そろそろやめてもいいと思う?


春時: それは、自分のタイミングでどうぞ笑


守里: なんか、この2人の表情見てるとさ笑


美月: ニタ~


祐希: フフ~ン


春時: 確かにな。でも、そろそろ行こう。


守里: 分かった。はい!終了!



2人の頭から手を離す。



美月: え~もうちょっと~


陽芽叶: もう十分でしょ笑


祐希: 守里エネルギーも満タンだぜ!!!


川嶋: なら、今の祐希は最強?笑


祐希: 最強!!


守里: よし、行こう。


美月: は~い…


陽芽叶: 落ち込み過ぎ笑


春時: 修学旅行は、まだ始まったばっかだっての笑


祐希: ルンルン!!


川嶋: (この元気……守里に撫でさせないようにするべきだったか…)




そして、守里達は如意輪観音の横にある、柱くぐりの所に来た。



守里: 柱くぐり?


春時: 柱に空いてる穴をくぐるのか。


川嶋: この穴は、盧舎那仏の鼻の穴と同じ大きさで、ご利益としては、無病息災。あと他には、願いが叶ったり、頭が良くなったりもするみたいだよ。


祐希: 大仏の鼻の穴をくぐる…


陽芽叶: いや、それぐらいの大きさってことだって笑


美月: 願いが叶う…か…


守里: 頭が良くなる………うん、祐希、いってらっしゃい。


祐希: え?


守里: これからのテストのため、祐希の将来のためだよ。あの穴をくぐって来て。



突然名前を呼ばれ、頭にはてなマークを浮かべた祐希の目をしっかりと見ながら、守里が言う。



祐希: もう、分かったよ!いってきます!


美月: 私も行ってくる!(願い…成就!!)


春時: 俺も行こっかな。頭が良くなるんなら。


陽芽叶: さすがに、春時君は無理じゃない?穴の大きさ的に。


守里: 春時は、ガタイ良いからな。


春時: いや、一応チャレンジしてみるよ。


川嶋: 私は…


守里: 個人的には行かないで欲しいかな。これ以上、頭が良くなられても…ね笑


川嶋: 笑、そういうことなら、私も行く。


守里: え~笑。陽芽叶さんはどうする?問題なく穴はくぐれると思うけど。


陽芽叶: う~ん、行く!


守里: 結局、みんな行くのか笑。ちょっと、僕はキツそうだし、みんなのを眺めとくよ。なんなら、写真も撮る。


陽芽叶: 分かった笑、よろしく!



穴の空いている柱の周りにある柵の外から、守里は、携帯を取りだし、列に並んだ面々の順番が来るのを待つ。


少しすると、順番が来て、守里を除く5班全員が柱くぐりに挑戦する。



守里: まずは美月か。まぁ、問題ないかな。


美月: よいしょ…(守里と付き合う……いや、結婚…幸せになれますように!)


守里: うん、行けたね。美月、こっち見て!


美月: あ、守里!



パシャ



守里: 笑、良いのが撮れたよ!


美月: ありがとう!



柱をくぐり抜けた美月の次は、祐希。



守里: 祐希も大丈夫でしょ。


美月: そうだね笑………いや…(もしかしたら…)


祐希: よっしゃ行くぞ!



元気よく、柱の穴の中に入ろうとする祐希だったが…



祐希: うぉっと……



途中で止まる。



守里: そのままの勢いで行けるかと思ったけど、どうしたんだ?


美月: (やはり…)


祐希: 気をつけねばな……よし、進め~!!


陽芽叶: 笑、すごいな~ほんと。


川嶋: え?何が?


春時: あの穴のサイズ……やっぱ、俺無理だろ。


祐希: 出れた~!!


守里: はい!祐希!


祐希: いぇーい!!



パシャ


その次は、春時だったのだが…



春時: …いや絶対無理。



柱の手前で、再度穴のサイズと自身の肩幅を比べて、断念した。



守里: しょうがないって、春時。


春時: 無念…


美月: また他のとこで、祈願だね。


祐希: 次は、志帆!


川嶋: 分かったから笑


美月: 志帆はスルッといけるでしょ。



と、美月が言った通り、川嶋は柱の穴をスムーズにくぐり抜けた。



守里: 志帆、こっち見て!


川嶋: え、なんかこの体勢恥ずかしいんだけど///



パシャ


少し赤面した川嶋が、穴から抜けた後、最後の陽芽叶が穴に入る。



守里: 陽芽叶さんも問題ないかな。


美月: 祐希と同じ、チビーズだからね笑


祐希: チビーズ?


陽芽叶: ヨイショ(なんかバカにされたような…)


川嶋: ねぇ守里、さっきの写真見せて!


守里: え?別に良いけど……あ、でも先に陽芽叶さんの撮ってからね。


陽芽叶: よし、行けた!守里!


守里: はーい。



パシャ



守里: よし、みんな写真確認する?


川嶋: うん。


美月: 私も見る!


陽芽叶: 見せて!


守里: まずは、美月。


春時: なんか、カメラ見てなくないか?


陽芽叶: どうせ、守里の方を見てたんでしょ笑


美月: 笑、かもね。


守里: カメラの方を見てよ笑。で、次が祐希。


美月: アトラクションに乗ってる子供じゃん笑


祐希: さっきから美月、失礼じゃないですか?!


陽芽叶: さっきから?……もしかして、私がやってた時もなんか言った?


美月: ギクッ……いや、なんでも…


守里: 笑、次は志帆。


川嶋: 見せて!………///


春時: 志帆、めちゃくちゃ顔赤いじゃん。


陽芽叶: 恥ずかしかったんだね笑



川嶋: クッ///………ふぅ…落ち着け……仕方の無いこと、過ぎたことだ……ふぅ……


美月: あ、真っ赤っかから、いつもの真っ白に戻った笑


陽芽叶: 言い方笑


守里: 最後は陽芽叶さん。


美月: 陽芽叶ちゃん、キマッてるね笑


陽芽叶: ちょっと恥ずかしいな笑


春時: あの一瞬で、ここまでキメるとは…


祐希: キメ顔のプロ?


川嶋: すごい笑


陽芽叶: 笑、やめてよ。


守里: ま、こんな感じかな。



撮った写真を見せ終わった守里は、携帯をポケットにしまう。



春時: よし、ここはだいたい見て回ったし、お土産コーナー寄ってから、出るか。


川嶋: そうだね。


美月: お土産ってどんなのがあるんだろう?


陽芽叶: 見た感じ、キーホルダー多めだけど。


守里: まぁ、行ってみよう。


祐希: レッツゴー!!!



こうして、守里達はお土産を一通り見た後、大仏殿を出た。




to be continued

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