ただ守りたい…〜大事な人を守るには、金と権力と腕っ節…あと諦めない心が必要です〜

ドラると

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第6章 修学旅行編

第182話「修学旅行にレッツゴー!」

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陽芽叶: 守里~



前の方に立っている剣崎の出欠確認を終わらせた陽芽叶は、葵波と共に5班が集まっている所へ。



守里: おはよう、陽芽叶さん。


春時: おはよう。


陽芽叶: おはよう笑。他の子達は?


守里: そこにいるよ。


川嶋: あ、陽芽叶ちゃん、おはよう。


美月: おはよう!


祐希: おはよう~


陽芽叶: みんな、おはよう。


葵波: 挨拶は終わり…終わった?


陽芽叶: うん。



陽芽叶の後ろに、荷物を持ってついて来ていた葵波が、陽芽叶の前に移動する。



守里: 葵波さん、おはようございます。


葵波: おう!守里、春時、おはよう。


春時: おはようございます、葵波先輩。ところで、なんでここに?


葵波: いや、陽芽叶がついて来てって言ったもんだからさ。な?陽芽叶。


陽芽叶: うん!


守里: へぇ~


葵波: じゃあ、私も学校行かないとだから。これ荷物。


陽芽叶: ありがとう。


葵波: 修学旅行、楽しんでね。


陽芽叶: もちろん。


葵波: あと守里、春時。


守里: はい?


春時: なんですか?


葵波: 陽芽叶のこと、頼んだぞ。


春時: え?っと?


守里: 頼むって…


葵波: まぁ良いから、頼んだぞ。


守里: 分かりましたけど…


葵波: 春時は?


春時: 了解です。頼まれました。


葵波: 笑、その返事が聞けたからよし。ってことで、みんな楽しんで!バイバイ!!



そう言って、葵波は車の方に戻って行った。



守里: 最後のは、なんだったんだろう。


陽芽叶: 笑、気にしなくて良いよ。


川嶋: 伊藤先輩…って、陽芽叶ちゃんと、どんな関係なの?


陽芽叶: 親戚だよ。仲が良いんだ!


美月: へぇ~葵波先輩と。


祐希: ふ~ん。


春時: あのさ、陽芽叶さんってお嬢様?


陽芽叶: なんで?違うよ笑


春時: でも、あんな車から降りてくるし…


陽芽叶: あんな車って、普通じゃん笑


春時: 普通…


美月: まぁまぁ、そんなことは良いからさ!陽芽叶ちゃんは、なんかお菓子持ってきた?


陽芽叶: お菓子?え~っとね…


川嶋: 陽芽叶ちゃんが、どんなの持ってきたのか気になる。


祐希: おいしい?



と、陽芽叶は、すぐに女子トークに入っていった。



守里: 少し気になるけど、まぁ今は良いんじゃない?春時。


春時: そうだな笑。修学旅行中にもっと仲良くなって、どっかでまた聞ければいいや。


守里: だな笑




そして、10分が経ち、学年主任の声の元、全員が班ごとに整列し、教師陣が立つ方向を向く。



先生: 予定通り、そろそろ新幹線に乗って、奈良に向かうんだが、その前に、生徒会からの挨拶だ。生徒会庶務、倉田桃子。前に。


倉田: はい!


美月: 倉田さん…


川嶋: 庶務様だ…


守里: あ、志帆はまだ、その感じなんだ…


倉田: 皆さん、おはようございます。ご紹介に与りました、生徒会庶務の倉田桃子です。これから、待ちに待った修学旅行が始まります。この修学旅行は学びの場であると同時に、仲間との交流を深め、思い出を作る場です。よって、遊びたい、楽しみたいという気持ちは持ってもらっていても、全く構いません。が、能高生としての自覚を持ち、規律ある行動をするよう心がけ…いや、必ずして下さい。さもないと、天罰が降りますよ…これで挨拶を終わります。では、皆さん、修学旅行、楽しんでいきましょう。


川嶋: はい!!


「はい…」


春時: テンションの差よ笑


守里: 倉田さん、さすがに脅しすぎ笑


美月: なんか、ぽいけどね笑


陽芽叶: へぇ~


祐希: ……ウトウト



挨拶を終えた倉田は、皆の返事を聞き、少し満足気な表情を浮かべた後、一礼して列に戻って行った。



先生: よし、では出発するぞ。担任の指示に従って、1組から順に新幹線に乗って行け。あと、新幹線内では騒ぐなよ!


「はい!」


剣崎: じゃあ、移動するよ。3席の方に2列ずつ、前から、1から5班。2席の方に3列ずつ、6と7班。あと、8班と9班はごめんだけど、上手いこと7班の後ろに5列で座って。


美月: ほう…3席…


陽芽叶: 守里!隣で座ろ!


美月: 陽芽叶ちゃん?!…守里!私も!!


守里: え?まぁ僕は別に構わないけど…



2人の強引な誘いに、これで良いのかという視線を川嶋と春時に送る。



春時: それで良いんじゃないか?笑


川嶋: 私も問題なし。変に今ダメって言うと、後でうるさくなりそうだしね笑


祐希: 祐希は~


春時: 祐希は、寝れればどこでも良いだろ?


祐希: お!さすが春時。分かってる~


守里: なら、窓側から陽芽叶さん、美月、僕で良い?


美月: 良いよ!!


陽芽叶: ダメ!!隣って言ったでしょ!ぼ…私が窓側で真ん中に守里、廊下側に美月ちゃん!なんなら、窓側に守里で、私、美月ちゃんの順でも良いけど笑


美月: は、はぁ?(こ、この子、まさか!)


春時: …(この感じは…陽芽叶さんも…)


川嶋: ?……………あ、そういうこと笑(さらに混戦化するんだ笑)


祐希: …ウトウト


美月: 却下!!


守里: 笑、分かったから。ほら、行こ。


陽芽叶: はーい。


美月: チラッ(陽芽叶ちゃん…飛香以上に積極的…強敵…)


春時 起きろ~祐希。席についたら、昼飯まで寝てて良いから。


祐希: 頑張る…


川嶋: 一方はバチバチ、また一方はウトウトか笑




飛香: 日向子、行くよ。


日向子: アイアイサー!!!


東野: 次に降り立つ地は、もう奈良なのか~トナカイいるかな?


秋吉: トナカイ?鹿じゃない?




倉田: ふぅ…(噛まずに言えた…)




灰崎: 梅澤さん、出発だよ。 


梅澤: …分かってる。




鹿川: ツチノコ探検隊隊長!!ツチノコ探しに行って参ります!!!


西条: ちょっ鹿川さん?!(ツチノコ探検隊って……生徒会の子だから安心かと思ってたのに…ようやく、おバカ達から離れられたと思ったのに……なんで私の近くにはおバカが!!!)



こうして、守里達、伊衛能高校2年生の修学旅行は始まった。


◇◇◇


防衛団本部



日村: …了解。しっかりと守れよ!



ピ



景信: 森田達、出発したって?


日村: うん。予定通り、守里君達と同じ新幹線に乗った。


景信: そうか。


かおり: 無事に、修学旅行を楽しめれば良いけど…


河野: そのためにも、私達は仕事を果たしましょう。


景信: だな。よし、改めて敵の動きはどうなってる?情報部統括。



そう景信から呼ばれた瞬間に、かおりの雰囲気が変わる。



かおり: はい。現在、大阪府大阪市にて、下位、中位、そして上位構成員を、複数確認しており、先日捕えた上位構成員から得た情報も踏まえ、アンチの幹部がいる拠点が存在する可能性が極めて高いです。また、大阪府周辺の、京都府京都市、奈良県奈良市、兵庫県神戸市でもアンチの中位構成員を確認しており、そこにもアンチの拠点がある可能性が高いと思われます。


景信: 分かった。次に作戦部統括。関西方面のアンチに対する防衛団の戦力配置は?


河野: はい。まず、関西方面への直接的な対応には、作戦部の1級団員4名と、戦闘部の特級団員2名、1級団員5名、情報部の特級団員1名、1級団員2名を中心に、2級団員30名と3級団員50名を当たらせています。そして、現在、アンチの姿が確認できている京都、奈良、兵庫の都市にそれぞれ、作戦部1級団員1名、戦闘部1級団員1名、2級団員5名、3級団員10名を常駐させており、それ以外は全員、大阪でアンチの動向を探らせています。


日村: それと、今は、アンチとの接触を避け、構成員の追尾による情報収集を徹底させてる。


景信: 敵の戦力が曖昧な状態での戦闘は避けないとだからね。了解。みんな、報告ありがとう。


河野: それと、今回の守里君…いえ、次期団長の奈良と京都への修学旅行に合わせて、次期団長の護衛を勤めていた戦闘部1級団員と2級団員、そして大阪から戦闘部の1級団員1名と、2級団員5名を京都に移し、アンチの警戒に当たらせます。


景信: ということは、京都には作戦部の1級団員が1人、戦闘部の1級団員が3人、2級団員が11人、3級団員が10人いることになるわけだ。


かおり: あ、あと報告が遅れたけど、大阪にいた、うちの特級団員ちゃんも京都に向かわせたから。


河野: え?マジですか。


かおり: うん。挨拶させとこうって思って。それに、息子と娘には安全でいてもらいたいじゃん笑


日村: 笑、さすが、かおりさんってとこだね~


景信: 笑


河野: はぁ……残った1級団員には、ちゃんと引き継ぎをさせたんでしょうね?


かおり: もちろん!バッチリ。


河野: 守里君と美月さんが京都にいる短い間だけなら、良いでしょう。


かおり: やった笑


景信: やったも何も、もう移動させたんだろ笑


かおり: うん!


景信: 守里達が、アンチが関係するような危険な状況に巻き込まれる可能性は低いだろうし、守里も自衛の手段を得ているわけだから、情報部の特級団員を動かしてまで警戒する必要はないと思うんだけどな笑。正直、守里の護衛という点においては、過剰戦力だろ笑


日村: まぁまぁ、別に守里君の護衛だけが目的なわけじゃないし。京都のアンチの拠点を発見、場合によっては潰すための戦力なんだからさ。


河野: あと、親なら、子を過剰に心配しとくぐらいが、ちょうど良いんですよ笑


景信: お、子育ての先輩である河野がそうやって言うなら、そうしとかないとだな笑


かおり: さっすが、河野さん。頼りになる!


河野: いえいえ。


日村: かおりさんの、その、あの子を守里君に挨拶させとこうって言うのは…


かおり: 笑、日村さんの思っている通りよ。私は、あの子に仕事をさせている身だけど、それと同時に、あの子には…


景信: そういうことなら、守里は適任だろ。アイツの周りには、良い子が多いし。


かおり: うん。それに、同い歳だからね。あの子達。


河野: そういえばそうでしたね。


日村: 良い感じに転がると良いな笑


景信: …よし、会議を再開するぞ。


「はい。」


◇◇◇


大阪府大阪市

アンチ竹川組本拠点


ガチャ



??: 失礼します。こんにちは、竹川さん。


竹川: こんにちは、蒼君。まずは、ここに。



そう言って、近畿地方を任されているアンチの幹部構成員、"竹川風磨たけかわ ふうま"は、部下である戦闘専門の上位構成員"蒼孝介そう こうすけ"に、目の前の椅子に座るよう手で促す。



蒼: はい…


竹川: あ、後ろの紫雲君は、気にしないで。別件で呼んでるんだ。


蒼: 了解です。


紫雲: …



蒼は、竹川の後ろで壁に背を付け、窓の外をじっと眺めている"紫雲和麒しうん かずき"を、チラッと確認しつつ、椅子に座る。



竹川: ごめんね。急に呼び出して。


蒼: いえ。特に用事もありませんでしたので。


竹川: それなら、ちょうど良い。


蒼: ちょうど良い…ですか。


竹川: うん。君には、これから頼みたい仕事があるんだよ。


蒼: 仕事…なんでしょう。


竹川: 今から、京都に行ってくれないかな?


蒼: 京都と言うと、京都にある拠点にってことですね?


竹川: そういうこと。まぁ、色々とあって、勢力拡大を急がないとだからさ。京都の拠点での活動も、さらに活性化させるべきだと思って。


蒼: それで、私を京都にということですか。


竹川: どうかな?任されてくれる?この仕事。


蒼: もちろんです。任せて下さい!


竹川: 笑、良かった。じゃあ…



自身のデスクから立ち上がり、椅子に座る蒼の目の前まで歩みを進める。



蒼: …


竹川: 頼んだよ。蒼孝介君。



そう言いながら、蒼の前に手を伸ばし…



蒼: 分かりました。



すぐに、その手を両手で握りつつ、頭を下げる蒼。



竹川: うん。頑張って。じゃあ、話は以上だから。


蒼: はい!今日中には京都へ到着します。


竹川: 了解。またね。


蒼: 失礼します!



ガチャ



竹川: 上手くやってくれると良いな。ね、紫雲君。


紫雲: ふぅ~もう喋って良いんすか?


竹川: 笑、うん。


紫雲: ほんと、アイツバカ真面目っすよね。俺とは気が合わねぇ。


竹川: まぁまぁ、そんなこと言わずにさ。それで、君への仕事なんだけど…


紫雲: アイツ、そして京都にいる構成員の監視。


竹川: お、話が早くて助かるよ。蒼君も上位になって長いから、そろそろ別の仕事も任せていいかなって思ってさ。


紫雲: それで俺に、仕事の監視と評価の仕事が回ってきたってわけっすか…ダリぃ…


竹川: あと、京都の新人さん達は、ちょっと血の気が多いみたいだから、その辺もよろしく。


紫雲: はぁ~あ、なんで俺が…


竹川: …頼んだよ。



笑顔の竹川から、強烈な圧が飛ぶ。



紫雲: っ!!…了解。早速、いってきます。


竹川: うん笑、気をつけて。


紫雲: 失礼します。



ガチャ



紫雲: …(全く、あの人は計り知れん……が、そうだな~京都か。楽しいことがあれば良いな~)




to be continued
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