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第6章 修学旅行編

第180話「フラグ過ぎる報告」

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その日の夜


守里の家


夕食中



結真: 守里と美月の班は、自由行動でどこ回ることになったの?


守里: 嵐山と、あと金閣寺とか清水寺とか。


結真: へぇ~


蓮花: 金閣寺は知ってる!金ピカの建物でしょ?


守里: そう笑、金ピカの建物。


美月: あと、八坂神社にも行くんだ!


結真: 八坂神社って言うと…


美月: 美御前社があるところだよ!


桜: 美御前社?


守里: 美容祈願にご利益があるんだって。


美月: 肌につけたら綺麗になる美容水なるものが存在するらしい…


結真: …それは…気になるわね笑


蓮花: 蓮花もつけたい!


桜: …さくも。


守里: 春時が言ってた通り、女性はみんな気になるんだ笑


結真: 当たり前よ。女の子は絶対、心のどこかには美を求めている部分があるんだから。


美月: うんうん。


守里: へぇ~


結真: まぁ、好きな人がいる女の子は特にね笑


桜: お姉ちゃん、気合入ってる。


美月: 絶対に美容水を浴びるんだから!


守里: じゃあ、着替えも持っていく?笑


美月: あ、ナイスアイデア!守里!!


守里: え、いや、冗談だって…


美月: 着替えを余分に持ってかないと…ブツブツ


桜: お兄ちゃん、お姉ちゃんの心に火をつけちゃったね。


守里: なんというか、女性の強さを目の当たりにした感じ…


蓮花: 蓮花も行きたい!


結真: もしかしたら、蓮花の代の修学旅行は京都になるかもしれないよ。


蓮花: 蓮花の代?


結真: うん。能高は、連続で同じ場所に修学旅行で行くことはないから、桜は残念ながら、ね。


桜: しょうがないよね~


蓮花: じゃあ、楽しみ!!


結真: なら、能高に頑張って入らないと笑


蓮花: が、頑張ります。


守里: 笑


結真: (どうにかして行けないものか…美御前社…)


桜: (お兄ちゃん、いつか連れてってくれないかな~)


守里: そういえばさ、お土産で欲しいものとかある?


桜: 京都…和…和菓子…団子…みたらし団子!!


守里: 上手いこと繋げたね笑。分かった、買ってくる。


桜: ありがとう!!お兄ちゃん!!



相変わらず、みたらし団子のこととなると、勢いがすごい笑

八坂神社行った帰りに、祇園で良い感じのやつを買うか。 



結真: う~ん、京都のお土産と言ったら、やっぱり八ッ橋のイメージが強いけど……ここは、阿闍梨餅だね。


守里: 分かった笑


結真: たくさん食べたいから…よろしく。


守里: 多めに買ってきて欲しいんだね笑


蓮花: 蓮花はチョコレート系!


守里: チョコレートか…OK、任せといて。


美月: よし、これで大丈夫だな。


結真: 作戦は立て終わった?笑


美月: バッチリ!


守里: 笑、僕も準備を進めていかないと。再来週だし。


蓮花: 3日間は、お兄ちゃんと会えないのか~寂しい!


結真: 毎晩、テレビ電話よろしく笑


守里: え?


桜: よろしく。


蓮花: よろしく!!


守里: …善処します。


◇◇◇


守里の部屋


あとは寝るだけとなった守里は、修学旅行に持っていくものを、修学旅行のしおりに書き込んでいた。



守里: 部屋着は3日分は必須……予備も入れて4日分持ってけば十分か。あとは消臭スプレーも…



他には…う~ん、何がいるだろう。

今思いつく限りでは、こんなもんだけど。


春時に聞いてみるか。


そう思い、守里は机に上に置いていた、携帯を取ろうとするが…



守里: …あ。



それを見て、通学用カバンの中にある防衛団と連絡を取る用の携帯のことを、不意に思い出す。



守里: そういえば、森田さんと矢口さんはどうするんだろう。修学旅行にも、ついてくるのかな?でも、学校行事なわけだし……聞いてみよう。



自身の携帯とは違う、最新型の携帯をカバンの中から、引っ張り出す。


プルルルル


今の時間帯は、矢口さんが護衛についてるみたいだし、出るかな?


ピ



守里 T: もしもし。


矢口 T: こんばんわっす、坊ちゃん。


守里 T: 矢口さん、夜遅くにすみません。


矢口 T: いえいえ笑。それでどうしたんっすか?俺に電話とか初めてっすよね?


守里 T: ちょっと聞きたいことがあって。


矢口 T: 聞きたいことっすか。なんです?


守里 T: 今度の修学旅行なんですけど、森田さんと矢口さんは護衛でついてくるのかな~って思って。


矢口 T: あぁ、修学旅行。もちろん、ついて行くっすよ。坊ちゃんの護衛が俺達の仕事っすからね。


守里 T: そうですか。一応、学校行事だから、どうなのかなって思いまして。


矢口 T: なるほど笑。確かに、学校の人達が、坊ちゃんの近くにたくさんいる分、派手には動けなくなるっすけど、しっかりと護衛の任務は果たします。


守里 T: 分かりました。よろしくお願いします。


矢口 T: 任せてください。それで、修学旅行の行先はどこっすか?その辺の情報は集められてなくて。


守里 T: 奈良と京都です。


矢口 T: 奈良と京都…っすか……マジすか…


守里 T: どうしたんです?


矢口 T: ……坊ちゃんも、アンチの拠点が防衛団が守っている伊衛能以外にもあることを知ってるっすよね?


守里 T: はい…


矢口 T: そして、この前、坊ちゃんが捕まえたアンチの上位構成員。アイツ、アンチ上層部についての情報は、ほとんど持ってなかったんすけど、一つだけ、引き出した情報から、分かったことがありました。


守里 T: なんですか?


矢口 T: 大阪に、アンチの幹部がいるらしき大きな拠点があることっす。


守里 T: っ!!


矢口 T: どうやらアイツは、最近、その大阪にある大きな拠点から、こっちに移ってきたみたいなんすよ。


守里 T: …他に引き出せた情報とかは?


矢口 T: 残念ながら、その情報だけっす。捕まえたアンチは警察に引き渡さないとっすから、手荒な真似はできないんす。だから、うちの情報部は特別な手段を使って、捕まえたヤツらから情報を引き出してるみたいなんすけど、それ以上は引き出せなかったらしいっす。


守里 T: なるほど…その情報は確かなんですか?


矢口 T: はい。アンチから情報を引き出した後、情報部の団員を向かわせまして、それでアンチの下位、中位構成員を大阪で見つけています。


守里 T: その構成員は…


矢口 T: まだ捕まえてないっすよ。捕まえたら、相手の戦力も掴めてなくて、こっち側の準備を整ってないまま、戦うことになるっすから。今は泳がせて、情報にあった大きな拠点の場所の特定と、戦力の把握、そして関西にある他の拠点を探してるみたいっす。


守里 T: ってことは、大阪に大きな拠点があることは確定としても、他の関西方面のアンチの拠点については、正確な位置は分かってないんですよね?


矢口 T: 正確な位置とまでは言いませんが、京都、奈良、兵庫でアンチの構成員を発見しているので、少なくともそこには、小さな拠点があると思うっす。


守里 T: …気をつけないと。


矢口 T: まぁ、アンチ側に次期防衛団長が坊ちゃんだとバレてない今、坊ちゃんがピンポイントで狙われることはないと思うっすけど。


守里 T: 警戒しとくことに、越したことはないです。


矢口 T: ですね笑。俺達も色々と準備しとくっすから。


守里 T: 改めて、よろしくお願いします。


矢口 T: はい。でも、坊ちゃんはアンチのことなんか気にせず、一生に一度の高校の修学旅行を、思う存分、楽しんで下さい。


守里 T: 笑、了解です。では、また。


矢口 T: はい、失礼します。



ピ



守里: …はぁ……マジか。



矢口との電話を終えた守里は、机に突っ伏す。


奈良と京都に、アンチの拠点か…


まぁ、僕が住んでる伊衛能にも、アンチの拠点はあるけど…

向こうは言わば、味方の防衛団の縄張りじゃない、アウェーだからな。


矢口さんも言ってたように、アンチに狙われてるわけでもないから、向こうに行って、アンチと争うことになる可能性は低いけど…


不安だ。


それに、もし自由行動中に、アンチと搗ち合った場合、僕だけじゃなく、同じ班の志帆、陽芽叶さん、そして、春時に祐希、美月も巻き込まれてしまう。

森田さんや矢口さんが護衛についてると言っても、自由行動をしてる時は、まともに近づけない。

となると…


誰がアンチなのか、事前に察知することはできないけど、まず第1に、アンチと接触しない。

そして、もし、アンチと争うことになったら、その時は…



守里: ふぅ…



って、アンチのことばっかり考えてるけど、普通に変な奴に絡まれても、そこに変わりはない。


感覚的に、「解放」の第1.5段階は、結構思い通りに使えるようになってきたし、この力を持ってる以上、大切な人は必ず…



守里: 僕が守る。



と、守里が決心を固めていると…



コンコン


「ねぇ、守里。修学旅行で持ってくもので聞きたいことがあるんだけど、入っていい?」


守里: あ、美月?



おっと、こっちの携帯はしまっとかないと…


すぐに、最新型の携帯を元の場所にしまう。



守里: どうぞ!



ガチャ



美月: 失礼します!!  


守里: あんまり、大きな声を出さないの笑


美月: ごめんごめん笑。って、守里は机に向かって、まさかの勉強中?


守里: 違う違う笑。今は美月と同じように、修学旅行で必要そうなものを、しおりに書き出してたとこ。


美月: なるほど笑。ならちょうど良かった。一緒に考えよ!


守里: 分かった。これに座って笑


美月: はーい!



そうして守里は、2週間後の修学旅行に胸を踊らせつつ、若干顔が赤くなっている美月と一緒に、机に向かった。




to be continued
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