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第6章 修学旅行編

第174話「願いが飛び交う席替え」

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二学期初日の朝の時間、いつメンでわちゃわちゃと楽しくおしゃべりをしている中、飛香と美月の追求の視線に耐えられなくなった春時が、夏祭りの話題を振る。



春時: そ、それで夏祭りはどうだったんだ?みんな。


守里: 夏祭り?楽しかったよ。花火も綺麗だったし。ね、日向子。


日向子: うん!!いつものとこで見たんだ!


春時: そっか笑


美月: 私も楽しかったな。香蓮と一緒に回れたし。


秋吉: みなみも澪奈と一緒にお祭り行ったよ!


東野: そういえば、美月と梅ちゃんが、春時の妹の紗耶ちゃん?達と一緒にいるのを見かけた。


美月: 偶然会ってさ。ちょっとだけ一緒に遊んでたんだよね。


春時: へぇ~そうだったのか。


美月: いや~ホント、楽しかった!



と、美月が言うと、飛香が表情を曇らせて…



飛香: はぁ…そうですか…楽しかったですか。


守里: あ、飛香。


飛香: どうせ私は、バイトしてましたよ。


日向子: え?!ごめん!!あっしゅん!


飛香: …


春時: (これは…)


東野: (さすが飛香だね~)


美月: (演技だな笑)


日向子: オロオロ


秋吉: ごめん!



2人に緊張が走るが…



飛香: 笑、別に良いよ。気にしてないし。


日向子: え?!


秋吉: そうなの?


飛香: そりゃそうでしょ笑。気にしてたら、春時が夏祭りの話題を振った時点で、口を封じてるって。


春時: いや、言い方笑


東野: 名演技だったよ笑


美月: 私的には、分かりやすかったけど笑


秋吉: え、みんなは気づいてたの?


守里: まぁ、なんとなく。


春時: そんなことを飛香が気にするかって笑


東野: 飛香は人混みが嫌いだから、そもそも夏祭りも、あんまり好きじゃないだろうし。


日向子: もう!あっしゅん、ひどい!!


秋吉: そうだよ!


飛香: ごめんごめん笑、ついね。


日向子: 今さっきのやり返しをしてやる!


飛香: なっ…守里!


守里: 笑、ここは受けてやりなよ。飛香が悪いんだし。


飛香: え~


日向子: 嘘をつくあっしゅんには、こちょこちょだ!!


飛香: クッ…逃げるが勝ち!



と、飛香は机を上手いこと使って、日向子から逃げようとするが…



春時: いや、この距離で逃げるのは無理だろ笑


東野: 日向子にハンデなしの追いかけっこで勝てるのは、この中だと守里君と、あとは…ギリギリで私とみなみかな笑


美月: え?澪奈とみなみも?


秋吉: だって運動部だもん!


春時: アクション部と陸上部なら、確かに勝てるか。


東野: うんうん笑



得意げに頷く東野。



守里: あ、捕まる。


日向子: 堪忍しろ!!!


飛香: いーやーだー!!!



間一髪、捕まえようと伸ばされた日向子の手を回避して、教室の扉にたどり着く飛香。



飛香: じゃあな!


日向子: 待て!!



ガラガラ!!


扉を勢いよく開け、飛香は廊下に飛び出そうとしたが…



バフッ


飛香: うわっ!!


??: っおう…



柔らかいクッションのようなものにぶつかり、飛香は教室の中に弾き戻された。



飛香: な、なんだ?…



驚きつつも、自身の逃走進路を防いだものを見上げる。



??: 朝からどうしたの?飛香。元気だね~


飛香: ゆ、祐希…(ぶつかったのが、祐希で良かった…)


祐希: おはよう~


日向子: おはよう!祐希ちゃん!早速なんだけど、あっしゅんを捕まえて!!


祐希: え?捕まえるの?


飛香: ず、ズルいぞ!日向子!!


日向子: ヘッヘッヘ笑


祐希: まぁ、よく分からないけど…



そう言って、祐希が飛香を捕まえようと、手を伸ばすと…



??: コラ!朝から何騒いでるの?!



祐希の後ろから、叱責が飛ぶ。



春時: やべ、この声は…


美月: 笑、春時はまだ苦手なの?


守里: もう1人の学級委員の登場だ笑


川嶋: 祐希ったら、目を離したらすぐに、寝ちゃうか、騒ぎを起こすかしちゃうんだから…全くもう!


祐希: う~ん、今回は祐希のせいじゃないって。


川嶋: ん~?


飛香: あ、あの、ごめん。私が悪いの。ほら、日向子!


日向子: ごめんなさい!!


川嶋: 日向子ちゃんに、飛香も?教室で暴れちゃダメでしょ。


飛香 日向子: はい…


祐希: うんうん笑


美月: 祐希は、なんであんなに、ドヤ顔で頷いてるの?笑


守里: 笑、分からん。


川嶋: 危ないから、今度から絶対にやらないようにね!


飛香: 気をつける。


日向子: はーい…


東野: お話は終わった?笑。志帆ちゃん、おはよう。


秋吉: おはよう~


川嶋: 澪奈ちゃんとみなみちゃん。おはよう。


美月: 相変わらず、今日も白いね笑


川嶋: ん?


東野: どうやって、美白を保ってるの?


川嶋: え、いや、その…



美月の言葉をきっかけに、美容に強い関心がある東野が、川嶋にグイグイ行く。



東野: 触っていい?


川嶋: う、ううう、うう、うん…



志帆、動揺し過ぎでしょ笑

香蓮と同じ……いや、香蓮よりも酷いな笑



プニプニ


東野: うわぁ~モチモチ!


川嶋: う、うぅ…///


秋吉: え~みなみも触る!


祐希: 祐希も!!


美月: じゃあ、私も!


プニプニプニプニプニプニプニプニ…


川嶋: ……



みんなに囲まれ、されるがままとなった川嶋は…



川嶋: プシュー///


美月: あらら笑、今度は真っ赤になっちゃった。


東野: あ、ごめん。志帆ちゃん。


川嶋: う、うん…



と、川嶋を中心にワイワイしている中…



春時: 怒られたな笑、日向子、飛香。


飛香: いや、マジ反省だわ。ふざけ過ぎた。


日向子: そうだね…


守里: おぉ…



この2人…特に日向子が落ち込んでるのは、久しぶりに見た。



春時: まぁまぁ、元気出そうぜ。ここは、俺らも含めて、しっかり反省して、次だ。次。


守里: うん。


飛香: 分かってる…


日向子: …ううぅぅぅうう!よし!反省完了!!


守里: 笑


春時: じゃあ…って、もうそろそろホームルームが…


川嶋: はい、みんな!もう時間だから、席着こう!


春時: …(台詞取られた…さすが川嶋さん。)


美月: はーい。


祐希: 我がベッド…


飛香: いや、寝るには早すぎだって。


東野: 今日のホームルームは起きといた方が良いかもね。席が1つ増えてるし、絶対なんかあるから。


秋吉: あ、確かに!みなみ気づかなかった。


日向子: 転校生かな!


美月: え?それなら、とうとう私よりも新参者が!


守里: 新参者って笑、まぁそうなるのか。


日向子: 楽しみだ!!!


川嶋: いいから…


春時: あ…


川嶋: 座りなさーい!!




そうして、全員が着席して…


キンコンカンコーン


ガラガラ



剣崎: みんな、おはよう!


「おはようございます!」


剣崎: お、ちゃんとみんな揃ってるね~



教室を見渡しながら、剣崎が教壇に立つ。



剣崎: 夏休みはどうだったかな?楽しめた?笑、木村君。


春時: え、は、はい!楽しめました!


剣崎: うんうん、それなら良かった。ってことで、夏休みで蓄えたエネルギーを、二学期でめいいっぱい発揮してね!


「はい!!」


剣崎: よし、良い返事。じゃあ、まずは…チラッ…(まだ来てない…か…)



教室の扉の方を確認する剣崎。



守里: ?



どうしたんだろう?

誰かいるのかな。



剣崎: えーっと、席替えやります!


「うぉぉおお!」


「席替えだ!!」


「あの子の隣に!!」


「お願いします、お願いします、お願いします…」


剣崎: はいはい、落ち着いて。今回は、くじ引きでやるよ。学級委員、前に出てきて。


川嶋 春時: はい!


剣崎: 私が黒板に席と番号を書いてる間に、2人でくじ引きを進めてて。



そう言って、剣崎はくじの入った箱を春時に渡し、チョークを持って、黒板に向かう。



春時: えっと…


川嶋: はい、じゃあ、くじ引く順番を決めます!そうだな…席順で行こうか。澪奈ちゃんと美月、じゃんけんして。



黒板に向かって、1番右前と、左後ろに座っていた2人にじゃんけんをさせる。



東野: 美月~最初はグー!


美月: 笑、じゃんけん、ポン!


東野: フッ笑


美月: 負けた~!


川嶋: なら、澪奈ちゃんから、こうグネグネに行こうか。


東野: 分かった笑、グネグネね。


春時: みんな、まだくじの中身は見ないようにな!


川嶋: じゃ、どうぞ!



という感じで、くじ引きが始まり…




川嶋: よし、みんな引き終わったね!


春時: 剣崎先生。


剣崎: こっちもちょうど終わったよ。ってことで、みんな自分のくじを開いて、くじの番号と、黒板に書いてある席の番号を確認してね。


「はーい!」



そうして、全員が番号を見る。



守里: えーっと僕は……あ、今度は右後ろだ。


飛香: ガーン(…左側…離れちゃった…)



守里の呟きが聞こえていた飛香が、密かに落ち込む。



剣崎: みんなOK?じゃあ、席移動開始!



ガタガタガタ


クラス全員が、一気に席を移動し始める。

 
そして、二学期中の席にみんなが着く。



守里: お…笑


祐希: やっほ~守里。


守里: 祐希が隣か笑、大変だ。


祐希: 何が大変なの?


守里: 起こすのがだよ笑


祐希: うっ…



と、守里と祐希が盛り上がっている?一方…



飛香: …(私の特権が~)


美月: …(わ、私の…ハンドパワー)


日向子: 2人とも!よろしく!!


川嶋: なんで、2人はそんなテンション低いのよ。


春時: 澪奈とみなみは、また隣か笑


東野: なんでだろうね?笑


秋吉: 奇跡?笑



偶然が必然か、守里と祐希、飛香と美月と日向子に川嶋、そして春時、東野、秋吉のそれぞれが固まった。



剣崎: 笑、挨拶は終わったかな?ということで、この席で二学期は行くから、よろしく……チラッ



再び、扉の向こうを確認する剣崎。



守里: …ん?扉の向こうに誰かボソッ


祐希: ふぁ~あ…


剣崎: 良いタイミング…か……じゃあ、みんな気になっているであろう話に移ります!


春時: はい!先生!


剣崎: 何かな?笑、木村君。


春時: それって、守里の隣の空席の話ですか?



そう、祐希とは反対側の守里の隣の席には、誰も座っていなかった。



剣崎: うん。そうだよ。


日向子: 転校生ですか!!キラキラキラ


剣崎: 正解!南雲さん!


川嶋: あの、うちのクラスに転校生が2人目って…


剣崎: おぉっと、さすが川嶋さん。良いとこ付くね~笑。けど、そこは気にしない方向で!


川嶋: は、はい。


剣崎: じゃあ、みんな待望の転校生を紹介します!


「おぉぉおお!!」


「男の子かな?女の子かな?」


「ってか、また森崎の隣…これが、主人公というヤツか…」


「可愛い子だといいな~」



と、クラス中が盛り上がる。



守里: どんな子だろう。


祐希: …気になるの?笑


守里: そりゃあね笑


剣崎: じゃあ、転校生ちゃん!入ってきて!



ちゃん?

女の子なのかな?


ガラガラ




to be continued
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