ただ守りたい…〜大事な人を守るには、金と権力と腕っ節…あと諦めない心が必要です〜

ドラると

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第5章 夏休み編

第169話「隠し強キャラ」

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翌日




守里の家



守里: 結真姉さん。これ、香蓮からのプレゼントなんだけど…はい!



家族みんなでお祝いし、ケーキも食べ終わって、プレゼントも渡し終わったあと、守里は昨日、梅澤から受け取っていたプレゼントを結真に渡す。



結真: あら、これ、梅ちゃんから?


守里: そう。昨日、香蓮から頼まれてたんだ。


美月: ん?昨日、香蓮と会ったの?


蓮花: うん。映画見たあとに、梅澤先輩のお家にお呼ばれしたの!


美月: ふ~ん(私には家がどこか教えてくれないんだけど…)


守里: 自分で渡しなよって言ったんだけど、まだ目を見れないって言ってね笑


結真: そっか笑、残念。梅ちゃんから直接貰いたかったな~


蓮花: 大丈夫!来年は手渡しするって約束しといたから!


桜: ほんと、梅澤先輩ってお姉ちゃんには弱いよね。


守里: うん笑、もはや天敵。


結真: あの梅刺奴欺の天敵って、強そうで良くない?笑


美月: 名前だけじゃん笑


結真: そんなことないよ、私だって!



力こぶを見せようとしているのか、腕まくりをし、腕を曲げ、力を入れる。



守里: う~ん…細くて綺麗な腕って感想かな笑


結真: くっそ~


蓮花: 蓮花は?!


守里: 同じ笑


美月: 私は…オリャ!!


守里: 細くて綺麗だよ笑


美月: ガーン


蓮花: え~お兄ちゃんは?!


守里: 僕?


結真: 見せて見せて!


桜: ジー


守里: う、うん…



3人にせがまれ、桜にじっと見られて、守里は渋々、腕に力を入れる。


すると、二の腕に力こぶができる。



守里: どう?期待に応えられた?


結真: おぉ~


美月: さすが!守里!!


蓮花: すっごい!!お兄ちゃん!!


桜: ウンウン


守里: そんな見なくても…はい、終わり。



4人の視線に耐えかねて、腕を下ろす。



結真: えぇ~もうちょっと見たかった。


美月: じゃあ、次は腹筋!!


蓮花: 良いね!!


桜: ウンウン


守里: 嫌だよ。


美月: 別に減るもんじゃないしさ~



そう言って、守里のお腹に美月が抱きつく。



守里: なんか嫌なの。美月の目が怖いし。


美月: なっ…フッフッフ…そうか、怖いか…なら、もっと見つめてあげるよ!ジーーーーー


守里: クッ…隠せば勝ちだ笑



美月の視線を遮るように、美月の顔に手を被せる。



美月: やめろ~笑


守里: じゃあ、抱きつくのやめて、自分で手を外すんだな笑


美月: どうすれば…


結真: ほんと、仲良いわ。


蓮花: フッ、お姉ちゃんは子供だね。


結真: あら、蓮花は行かなくていいの?


蓮花: うん。だって、わざわざお姉ちゃんと争わなくても、お姉ちゃんがいない時に、たくさんお兄ちゃんに抱きつけば良いだけだもん。


結真: フフッ、大人になった?わね。


蓮花: フフンッ


桜: いや、大人ではなくない?


守里: さぁどうする?観念して、手を離しなさい笑


美月: う~ん…あ笑


守里: ん?


美月: ペロッ


守里: うわっ!!



手への、感じたことの無い感覚に、守里は驚いて、美月の顔から手を離してしまう。



美月: 私の作戦通り笑


守里: 何やってんの?!美月!


美月: ちゃんと麻痺ったかな?笑


守里: は?


美月: また、手を被せても舐め続けてやる!


守里: いやいやいや…


美月: 大人しく、私の言うことを聞くんだ!


守里: …



美月は勝ち誇ったような表情で、守里は困惑したような表情で見合う。



結真: はいはい、もう終わり。


蓮花: そうだよ、お姉ちゃん。子供じゃないんだから笑


美月: な…



予想外の言葉に、美月は守里から手を離し、呆然とする。



桜: 効果抜群だね笑


守里: ふぅ~助かった。


結真: ほら、美月。しっかりして笑


美月: こ、子供…私が…蓮花に…


蓮花: ヘヘッ


桜: お兄ちゃん、慰めてみてよ笑


守里: え?うん…まぁまぁ美月。そう落ち込まないの。



子供?と呟き続ける美月の頭に手を乗せようとすると…



美月: はっ…フンッ!



守里の手が頭上に来た瞬間に、美月の目に光が灯り、顔を上に向け、舌を伸ばした。



守里: あぶねっ!



間一髪、守里は手を上げ、それを避ける。



美月: あともう一歩だったか…


守里: 復活早くない?


桜: お姉ちゃんは、お兄ちゃんが近づいただけで回復するから。


結真: ゲームの敵キャラだったら厄介ね笑


美月: 守里のおかげで、新しい必殺技を習得できたよ。楽しみにしといて笑


守里: いや、その必殺技はやめた方が良いって!


美月: フッフッフ…


結真: まぁともかく、みんなありがとうね。お祝いしてくれて。


蓮花: 当然だよ!家族だもん!


桜: うん。


守里: 蓮花の言う通り。


美月: だね!


結真: フフッ、じゃあ、そろそろ洗い物しようかな。


守里: いやいや、僕がやるから、結真姉さんは休んでて。


結真: あら、そう?ありがと。


美月: 先に、お風呂入ってきたら?


結真: う~ん、私はまだいいから、他の…


蓮花: ってかさ、桜お姉ちゃんだけ、さっきの流れやってないよね?


桜: ん?


結真: 流れ?


蓮花: 力こぶ見せるやつ。


守里: あぁ笑


美月: 確かに笑


桜: え~


蓮花: ほら、お姉ちゃんだけやってないんだから、やって!


美月: まぁ結果は分かってるけど…流れ的に笑


守里: ほらほら2人とも、無理強いはしないよ笑


蓮花: でも~


結真: 笑、桜。少しだけ、ね。


桜: …うん。



お、やるのか…

でも、桜はこの中でも、1番力無さそうなんだよな。


多分、みんなと同じく細くて…



桜: フンッ…


守里: え?


蓮花: お姉ちゃん?


結真: マジ?笑


美月: ま、負けた…


桜: はい、もう良いでしょ。お風呂誰も入んないんだよね。じゃあ、さくが入るね。


守里: う、うん…



そう言って、桜はスタスタとリビングを出て行った。


その後、しばらくの間、守里達の中の衝撃は消えなかった。


◇◇◇◇◇◇◇


翌週

水曜日



守里: Aエリアは、いつもの見回りコースと被ってるから、気が楽だね。


美月: それ。見慣れた景色だよ。



守里と美月の2人は、風紀委員として、夏休み最後の見回りを行っていた。



守里: まぁ、逆にBエリアもCエリアも、あんまり見たことない景色だったから、やってて楽しかったけど。


美月: うん笑。ってかどうする?せっかくだし、BINGO!に寄る?


守里: どうしようかな…


美月: お客さんが増えたBINGO!を見てみたいんだよね笑


守里: 僕達が行ったら、余計、みんながキツくなるじゃん笑


美月: 今日は、奈々未さんいるんでしょ?だったら大丈夫だって。


守里: う~ん…あと、七星さんもいるし、午後からは祐希も入るから…


美月: じゃあ絶対大丈夫。行こ!


守里: 分かった笑


美月: やった!


守里: どれだけ行きたかったんだよ笑


美月: よし、BINGO!付近までの見回りを早く終わらせよう!


守里: はいはい笑



こうして2人は、カフェBINGO!まで急いで見回りを行った。


◇◇◇


カフェBINGO!


ガチャ



七星: いらっしゃいませ~


守里: あ、こんにちは。


美月: こんにちは!七星先輩!


七星: あれ、守里に美月やん。ってことは、風紀委員の見回りの途中やな笑


守里: はい。今日は…



店内を見回す守里。



美月: すごい…あのBINGO!が…


守里: 今日も、お客さんたくさんですね。



2つのテーブルと3つのカウンター席を残して、他はお客さんで埋まっていた。



七星: まぁええわ。2名様ですね。ご案内します。


守里: はい笑


美月: 七星さんって、標準語話せるんだボソッ


七星: 当たり前や笑


美月: あ、聞こえてましたか笑


七星: 笑



2人は七星に案内されて、テーブルに座り、メニューを受け取る。



七星: ご注文がお決まりになりましたら、お呼びください。


守里: はい。


「あの…」


七星: はい、ご注文ですか?



すぐに七星は、別のテーブル席に向かった。



守里: さすがだな~七星さん。


美月: そうだね笑。よし、注文決めよ。


守里: お昼だからガッツリ…


美月: 見回りで歩いてきたから、お腹も空いてるし…


奈々未: じゃあ、このメガ盛りプレートとかいかがでしょうか?笑


守里: あ、奈々未さん。



キッチンの方から出てきた奈々未が、守里達に話しかける。



美月: こんにちは!3週間ぶりぐらいですか?


奈々未: そうね。夏休み前の見回りの時以来だから。


美月: はい。


守里: それで挨拶がてらに、ここで1番高い料理をおすすめするなんて、やっぱ奈々未さんです。


奈々未: 私はお店のことを考えてるの。


美月: メガ盛りプレート……マジですか…


守里: いや、今これ頼んだら、店長が枯れ果てちゃいますよ。疲れ過ぎて笑


奈々未: 笑、それもそうね。じゃ、よろしく。



そう言って、奈々未はキッチンの方に戻った。



守里: あのよろしくは、高いやつよろしくって意味だな。絶対。


美月: 確かに笑


守里: よし、早く決めよ。


美月: うん。なら私は…



その後すぐに、守里達は注文を七星に伝え、料理の到着を待った。




to be continued



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