ただ守りたい…〜大事な人を守るには、金と権力と腕っ節…あと諦めない心が必要です〜

ドラると

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第5章 夏休み編

第160話「真夏の海水浴 Last part」

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拠点に残り、遊びに出ているみんなを待つ春時と飛香。



春時: そろそろ、みんな帰ってくるかな。


飛香: 帰る予定の時間の30分前…


春時: 守里と美月は大丈夫だろうが、あっちの方は…


飛香: ま、梅いるし、大丈夫でしょ。あとかっきーにやんちゃんも。


春時: ってか、飛香は随分、梅と仲良くなったよな。


飛香: そう?


春時: あぁ。


飛香: なんか梅とは気が合うんだよね。それに、同じくツッコミ役だし。


春時: 確かに笑


飛香: 梅が仲間になってくれて、ほんと助かったよ。


春時: 主に美月のおかげだな。


飛香: 笑、今頃楽しんでるんだろうね。その美月さんは。


春時: 楽しんでるでしょ。大好きな守里と2人きりなんだから。


飛香: 良いな~


春時: 飛香も誘えば良かったのに笑


飛香: 無理無理。この前、勇気を使い果たしちゃったので。今はチャージ中。


春時: 全く…そんなこと言ってると…


飛香: 分かってるから。


春時: はいはい笑


飛香: …春時はさ。


春時: ん?


飛香: 守里が強くなったのって知ってた?


春時: 強くなったの?元々、守里は強いだろ。


飛香: そういうことじゃなくて、喧嘩に強くなったことだよ。


春時: 守里が喧嘩に?いや、知らないけど…


飛香: 今日、春時達と別れて、私と守里と日向子でお昼ご飯を買ってた時に…



お昼の出来事を、飛香は春時に話す。



春時: そんなことが…


飛香: 私さ。守里のその変わりように、びっくりしちゃって。つい聞いちゃったの。お前は守里なのか?って。


春時: うん。


飛香: そしたら、守里だよって、色々あったんだって、返してきたんだ。


春時: そっか…


飛香: 私は、日向子に幼なじみの関係は変わらないって言われたから、その時は、頷いて流したけど…


春時: 今もまだ、納得できない?


飛香: うん…守里はさ、今年入ってからは特に多くなったけど、私達に隠し事するじゃん。それは私達を守るためにっていう守里の配慮だから、普段はあんまり気にしないよ。


春時: …


飛香: でもさ、ふと思うんだ。守里に話して欲しいなって。だって幼なじみなんだよ。小学生の時からずっと守里と一緒にいるのに。


春時: うん。


飛香: はぁ…自分は守里にとって、頼りないのかなって思っちゃう。


春時: そう…かもね。


飛香: …


春時: 守里からしたら、俺達は頼りなくて、守らないといけない存在なのかもしれない。だから守里は、問題を俺達に隠して、自分で解決しようとする。


飛香: 春時はそれに納得してるの?


春時: う~ん…納得は…してないのかもな。事実、俺は守里の助けとなれるよう、じいちゃんに鍛えてもらってるわけだし。


飛香: え?


春時: あぁ、最近、じいちゃんに敵と戦うための稽古をつけてもらってるんだ。


飛香: そうなんだ…


春時: ま、正直、守里には誰にも言えないような秘密があるんだと思うよ。飛香もそう思うでしょ?


飛香: そりゃ、守里の周りには不可解なことがいくつかあるし。


春時: うん。だから、俺はこう考えてる。いつか、守里にその秘密を話してもいいって思ってもらえるぐらいに、強くなろう、信頼されるようになろうって。そして、堂々と守里の隣に立っていられるようになろうって。


飛香: そのために稽古を?


春時: 笑、最近、守里の雰囲気が少し変わってたのも感じてたし、守里が怪我してくる頻度も増えてるからな。


飛香: へぇ~


春時: うだうだしてると、その考えが及び得ないようなところまで、守里は行ってしまうんじゃないかって思って。


飛香: …


春時: 俺だって、焦ってるんだぜ笑


飛香: じゃあ、私はどうすれば良いのかな?


春時: そのまま、頑張れば良いんだよ。


飛香: そのまま?


春時: だって、守里の彼女、奥さんになったら、隠し事なんかしないだろ、多分。


飛香: あ、確かに…


春時: だから、そのまま頑張ってアタックし続ければ良いの。


飛香: 笑…ありがと。話聞いてくれて。


春時: 悩みは解決しましたかね。


飛香: お陰様で笑


春時: そりゃ良かった。


飛香: 笑


春時: いや~にしても、こんな時代にナンパ野郎がいるのにも驚いたけどさ。


飛香: ほんとそれ。ありえない笑


春時: 笑、その話を聞いて、日向子はすげぇなって改めて思ったわ。


飛香: え、日向子?


春時: だってよ、俺達は守里が変わったことに対して、少なからず疑問を持って、不安を覚えたんだぜ。


飛香: うん。


春時: それなのにアイツは、幼なじみの関係は変わらないって言って、ニコニコの笑顔でドーナツ頬張ってたんだろ?


飛香: 満面の笑みだった。


春時: 日向子は思ったこと顔に出るタイプだから、その表情がそのまま心の内だとすると、日向子は守里の変化に対して、微塵も不安を覚えず、その変化を喜びとして受け入れたんだぞ。


飛香: なるほど…


春時: で、そんな事ができた理由が、幼なじみの関係性は変わらないから。


飛香: うわ…改めて考えると…


春時: だろ笑。守里への、1番の幼なじみへの信頼のデカさが凄い。


飛香: 私達だって、守里のことは信頼してるけどさ…


春時: 日向子のは、もはや依存なのかもな。自分の全てを守里に預けてるっていうレベルの。


飛香: 自分の全てをか…私は無理だな笑。幼なじみとは言え、自分の全てを任せるなんて。


春時: 日向子は良くも悪くもバカだからね笑



と、日向子の話題で盛り上がっていると…



日向子: バカとはなんだい!!バカとは!!



春時と飛香の後ろから大声が放たれる。



飛香: キャッ!


春時: うわっ!…っと、帰ってきてたのか日向子。


飛香: ちょっと、びっくりさせないでよ。


日向子: 今、私のこと、バカって言ってたよね?確かに私はバカだけどさ!陰口は良くないよ!!


春時: 笑、ごめんごめん。


飛香: ごめんね。でも、そのバカっていうのは、ある意味、日向子の良さだよねって話してたの。


日向子: え?そうだったの?!


春時: あぁ。日向子の武器だよなって。


日向子: なんだ~なら問題なし!!


飛香: 笑、日向子、1人だけ?


日向子: 2人を驚かそうって思って、先に走ってきた。


春時: なるほど。じゃあ、みんなもそろそろ帰ってくるかな。


日向子: あれ?守里と美月ちゃんは?


飛香: あぁ、2人は今、海に遊びに行ってる。


日向子: え?2人で?ズルい!!


春時: 2人で行ったのが?


日向子: 私も遊びたかった!


飛香: 笑、さっきまで梅達と遊んでたんじゃないの?


日向子: そうだけどさ~


守里: 帰ってきたよ。


美月: ただいま…


飛香: おかえりって、その様子だと上手くいかなかったみたいね笑


美月: 全作戦大失敗…


守里: え?作戦?


春時: まぁまぁ守里。日向子が言うには、他のみんなも帰ってくるみたいだから、片付けの準備しとこうぜ。


守里: 分かった。


飛香: ちょっと美月、全部聞かせてよ。


美月: え~どうしよっかな~


日向子: 私にも教えて!


紗耶: 日向子先輩!!


日向子: あ、やんちゃん!


紗耶: なんで急に走り出したんですか?


飛香: え、日向子、何も言わずに来たの?


日向子: テヘ?


飛香: はぁ…なんか、私と春時を驚かしたかったみたい。


紗耶: あぁ、なるほどです。


梅澤: ふぅ~疲れた~


飛香: 保護者、おつかれ笑


梅澤: 全くだよ笑


祐希: あ~眠い…ウトウト


柿谷: ちょっと祐希先輩!立ったままウトウトしないでくださいよ!


菊山: それにもう、帰るんですから!


珠美: 帰りのバスまで我慢です!



そんな1年生3人の大きな声を聞き…



祐希: が、頑張る…



若干、祐希の目が覚める。



桜: みたらし美味しかった~


新里: え?もう食べたの?今さっき買ったのに!


美月: 桜、また買ったの?


桜: うん。食べたくて。


新里: こっちに帰ってくる時に屋台で…って…



ここで初めて、新里は、美月の全身を視界に収めた。

その結果…



新里: ブフッ…


守里: っ!!おっと…



新里が赤いジェット噴射の反動で、後ろに倒れそうになったのを、守里が支える。



美月: え?優太?!


春時: ハッハッハッ、優太には刺激が強すぎたか笑


珠美: おい!優太!しっかりしろ!


桜: アワアワ


梅澤: 全くもう!飛香、ティッシュ!


飛香: はいよ笑


菊山: 今の、すごい勢いだったね笑


柿谷: さすが美月先輩…


紗耶: 赤のビキニが似合う…大人の女性…フムフム…


祐希: え?何が起こったの?


日向子: う~ん、分かんない!


新里: す、すみま…せん…



守里に抱えられた新里の顔は、まるで天国で遊んでいるかのように、幸せに満ち溢れた笑顔だったとか。


その後、慌ただしくも守里達はテントを片付けたり、ゴミを拾ったりして、海辺を出た。


◇◇◇


更衣室



守里: 優太君、大丈夫?


新里: はい。もう大丈夫です。ご心配お掛けしました。


春時: 笑、守里の近くにいるなら、耐性つけてかないと、持たないぞ。


守里: え?僕?


新里: そうですよね。今日、改めて実感しました。


春時: だろ笑


守里: 優太君はさ、楽しかった?


新里: 色々とハプニングはありましたけど、これまでにないぐらいに楽しかったです!


守里: なら、誘って良かった笑


春時: 他の1年生とも仲良くなれたか?


新里: はい!みんなと連絡先交換できました!


春時: ほぉ~笑


守里: うんうん笑、良い事だ。


春時: ちなみにだけど、誰か好きになったか?笑


新里: え?


守里: おいおい春時。いきなり、そんなことを聞くんじゃない笑


春時: まぁまぁ良いじゃないか笑。で、どうなんだ?


新里: う~ん、そうですね…皆さん、すごく可愛くて、良い人ですけど…


守里: うん。


新里: 正直、全然掴めませんでした!


春時: 性格を?


新里: はい。みんな、結構特殊で。


守里: あ~確かに笑


春時: ほぼ初対面で理解はムズいだろうな。


新里: 未だに、珠美の性格も、完全には掴めてませんし。


守里: 笑、珠美は特にね。


春時: じゃあ、これからだな。


新里: はい。もっと仲良くなれるよう頑張ります!


守里: 頑張れ笑



と、女子禁制の男子トークを繰り広げた後、着替え終わった女子達と合流した。




守里: よし、帰るか。


日向子: 帰ろう!!!


祐希: ウトウト…


飛香: 祐希、起きろ!


春時: 笑


新里: あの、じゃあ、僕はこの辺で。


守里: うん。改めてありがとうね。今日は。


新里: いえ、僕も楽しかったです笑


柿谷: ん?優太の家って、ここから近いの?


新里: そうだよ。


桜: だから、ここで合流だったんだ。


菊山: 海の近くの家か~良いな~


新里: 笑、そう?


珠美: なら、今度遊びに行っていい?


新里: え?


珠美: ほら、優太の家だったら、いつでも海に来れるじゃん!


新里: そっちがかまわないなら、僕も別に…


珠美: みんなも行きたくない?


紗耶: 行きたい!!


柿谷: じゃあ、私も!


菊山: ゲームある?!


桜: みたらし~


日向子: 私も!!!


パシッ


日向子: グヘッ


梅澤: …


春時: うんうん笑(グッジョブ!優太。それと梅!)


守里: 笑



さすが、珠美だな~

良かったね、優太君。


まぁ、さぁちゃんはゲーム、桜は屋台のみたらし団子目当てだけど…笑



新里: では皆さん!また!


守里: またね~


飛香: じゃあね。


日向子: 私も行くからねー!!!


祐希: バイバイ…


春時: またな!!!


珠美: 今度の見回り、忘れるなよ~!!!


梅澤: そうだぞ~!!!笑


紗耶: 元気で!


桜: バイバイ。


菊山: また!


柿谷: 耐性つけときなよ!!!



と、新里と別れた後、守里達も帰路に着いた。


こうして、色々とありつつも楽しかった海での1日が終わったのだった。




to be continued
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