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第5章 夏休み編

第156話「真夏の海水浴 part8」

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昼食を買って、みんなが既に集まっている拠点に戻ってきた守里達3人。



守里: おまたせ~


新里: おかえりなさい!守里先輩、飛香先輩!日向子先輩!


守里: 笑、ただいま。


春時: 待たせすぎだ笑。ほら見てみろ、この食いしん坊を。


祐希: …お、お腹…空いた…



口から少し涎を垂らしながら、目の前の焼き芋を眺めつつ、シートの上に倒れている祐希。



守里: 先に食べてたら良かったのに。


美月: そしたら、3人の分もなくなりそうだったし、買ってきてくれてるわけだからさ。


紗耶: そうですよ!紗耶達が勝手に食べ始めて良いわけありません!


珠美: うんうん!ですよね!祐希先輩!


祐希: お、おぉ…


飛香: 祐希が限界みたい笑


日向子: ドーナツ買ってきたぞ~!!!


柿谷: ドーナツなんてあったんですか?


菊山: 珍しい。


桜: みたらしが…ある…ぐらいだから…ジュル


梅澤: 桜も祐希と同じじゃん笑


桜: そ、そんなこと…ジー



揶揄った梅澤に言い返すも、桜の視線はみたらし団子から離れなかった。



新里: さくちゃん、怖いよ…


桜: どこが…ジー


飛香: 桜に言ってるけど、優太も梅も、お腹は限界でしょ。2人ともかなり動いてたし。


梅澤: べ、別に…


新里: そんなことも…


グー



誰が飼ってる腹の虫かは分からないが、鳴き声が聞こえた。



梅澤: ///(や、やべ…)


新里: ぼ、僕じゃないですよ!(いや、分からん…)


紗耶: ///(お腹鳴っちゃった)


桜: (みたらし!!)


祐希: も、もう…限…か…い…


守里: 笑、限界の人がたくさんいるみたいだし、早く食べよっか。



そうして、帰ってきた3人は、寝そべる祐希を座らせつつ、自分達も座り…



守里: じゃあ…いただきます。


「いただきます!」


祐希: 焼き芋!!!!バクッ


桜: みたらし!!!!パクッ



涎を垂らしていた2人が勢いよく、好物にガッツく。



守里: 笑、そんなに慌てなくても。


春時: かなり多めに買ったはずだから、遠慮せず自分の皿に取って食べなよ。


柿谷: はい!


菊山: ほら、かっきー、共食い。


柿谷: う、うん…


梅澤: まずは…焼きそば…あとカレー…このカレーライス、1つ貰っていい?


守里: どうぞ~


梅澤: よし。


新里: カレーライス1つですね!どうぞ。


梅澤: おう!ありがとな、優太。バクッ


守里: 良い食いっぷりだよ、香蓮は。


美月: 笑、見ててこっちもお腹空いてくる。


飛香: 私も食べよ…とうもろころし。


美月: ん?


飛香: え?


美月: とうも?


飛香: ろこし。


美月: これは?



焼きとうもろこしを飛香に見せる。



飛香: とうもろころし。


美月: いや飛香、違うじゃん。


飛香: どこが?


美月: とうもろこしをやっちゃってる。


飛香: …別にどうでも良くない?美味しさは変わらないし。パクッあ~おいし!


美月: …


春時: 飛香は昔からこうなんだ。


守里: 何故か、とうもろこしのあの呼び方は変わらないの笑


美月: へぇ~笑。飛香、とうもろこし美味しい?


飛香: うん。焼きとうもろころし美味しいよ。食べてみな。



そう言って、飛香は食べかけの焼きとうもろこしを美月に向ける。



美月: おぉ、ありがと…あ~



とうもろこしに向かって、口を開けて近づき、とうもろこしの側面が口の中に入った瞬間…



カッ



歯と歯がぶつかる音が聞こえる。



美月: …飛香!


飛香: 笑、あげるもんか。


美月: やったな~


春時: 飛香がそんなことやるかよ笑


守里: うんうん。


美月: クー!


日向子: イカ焼き!取って!


珠美: はい、どうぞ。


日向子: ありがとう!たまちゃん!


珠美: い~え。


柿谷: モグモグ…


菊山: どう?初めての牡蠣は?



その菊山の言葉を聞いて、食べ物に夢中の3人を除いた全員が、柿谷の反応に注目する。



祐希: モグモグ!!


桜: パクッ…パクッ!


日向子: バクバク!


柿谷: モグモグ…う~ん…


菊山: あんまし、合わなかった?笑


柿谷: なんか、海に居すぎた鯖?みたい。


春時: クッハッハッハッハッハ笑


新里: ブハッ…あ~やべ笑


守里: どういう感想笑


飛香: ブフッ笑


美月: え、かっきー、新しいギャグ?笑


梅澤: 笑、鯖はずっと海に居んだろ。


紗耶: さ、さすがかっきー笑


珠美: 笑


菊山: かっきー面白い!!笑


柿谷: え、えぇ~




こんな感じで、お昼ご飯の時間は過ぎていった。




40分後…



守里: よし、また遊びに出るか。


春時: 祐希、調子はどうだ?


祐希: もちろん、エンジン全開!!!



睡眠を取り、お腹いっぱい食べた祐希は、元気いっぱいになっていた。



新里: 本能の赴くままにって感じですね。


祐希: よっしゃ、いっぱい遊ぶぞー!!


春時: 動物感もあるけど、どっちかって言うと、精神が3歳児なんだよ笑ボソッ


新里: あぁ笑、なるほど…3歳児。


祐希: ん?今、3歳児って聞こえた…優太、今、3歳児って言った?ギロッ


新里: いえ!言ってません!!


祐希: 気のせいか~


新里: (え、こっわ…3歳児じゃない…春時先輩!)


春時: ニヤニヤ


守里: 笑、全く。


飛香: 食べた分、動かなければ…


美月: そんな食べてないでしょ。


飛香: 食べたよ。


日向子: 私もいっぱい食べた!


飛香: 日向子は食べ過ぎ。


日向子: そ、そんな…


珠美: 日向子先輩は、十分、スタイル良いですよ!


日向子: だよね!たまちゃん!


飛香: 珠美、そんな甘やかしてるとさ。


珠美: まぁまぁ良いじゃないですか。それに、ガリガリよりも健康的な体の方が良いですし!


美月: なんか、珠美が言うと、説得力あるわ笑


飛香: うん…(今日、日焼け止めを塗った時も思ったけど、珠美の体ってほんと、スタイルも良くて、程よく筋肉もついてて、最高なんだよね。)


美月: (何より、アレも結構…)


桜: ふぅ~


柿谷: たくさん食べてたね、さくちゃん。


桜: うん…食べた。


梅澤: 今さっきまでのガッツきは、どこに行ったんだよ笑


桜: え?


菊山: 梅澤先輩、しょうがないですよ笑。さくちゃんは、みたらし団子が関わるだけで、性格が変わるんですから。


梅澤: ほんと、見てて飽きないわ笑


柿谷: ですよね。


紗耶: かっきーもだよ。


柿谷: え?


紗耶: そうですよね?梅澤先輩!


梅澤: あぁ笑、かっきーも目が離せない。


菊山: あの感想は天才すぎるよ笑


紗耶: ほんとそれ笑


梅澤: うんうん。


柿谷: そうですか?


桜: 感想?なんのこと?


守里: なにする?


日向子: はいはい!!


守里: どうぞ!日向子!


日向子: これで遊ぼ!!



そう言って、買ってきたスイカの隣に積み上げてある浮き輪の中から、ビーチボールとビーチバレー用のネットを取り出す。



日向子: じゃじゃーん!


守里: ビーチバレー…いや、この人数なら普通のバレーか。


春時: なら、全員でやる?


日向子: やろう!!


守里: みんな、どうかな?


祐希: やってやるぜ!!


美月: 賛成!!!


飛香: 私は…


美月: 飛香は運動できなくて、弱弱だから、しょうがないか~


飛香: …やる。


梅澤: 私も。


柿谷: 私達もやります!


菊山: やります!


珠美: もちろんです!


桜: うん。


紗耶: カッコいいとこ魅せるぞ~


新里: 僕もやりたいです。


守里: なら、パパっと準備を…



すぐにコートの線を引き、ネットを立て、チーム分けを開始する。


その結果…

男子は3人のうち1人は審判、2人は各チームに交代で入ることとなり、女子は、Aチーム(日向子、祐希、美月、珠美、紗耶)と、Bチーム(飛香、梅澤、桜、柿谷、菊山)に分かれた。



守里: よし、分かれたね。じゃあ早速…


飛香: ん?なんかこのチーム分け…



ネットの向こうにいる相手チームの面々、特に顔から少し下の部分を、順々に見ていく飛香。



日向子: ん?


祐希: どうしたの?


珠美: なんですか?


紗耶: なんか変ですか?


飛香: …


美月: な~に?飛香笑


飛香: いや、美月がそっちにいるのはおかしいだろ!!


美月: え~神様がそう決めたんだから、仕方ないじゃない笑


飛香: クッこの…


梅澤: まぁまぁ飛香。


飛香: 梅は、気づかないの?


梅澤: もちろん…



飛香は梅澤の顔を見上げる。



梅澤: ニコッ


飛香: Oh…



口は笑いつつも、目が全く笑ってないことに、すぐ気づいた飛香。



梅澤: あの美月の様子を見てたら…ね?


美月: フフーン笑



周りの面々に負けないようにと思っているのか、美月は仰け反るように胸を張っている。



梅澤: 美月のことは、大事な友達だと思っているが……今回ばかりは…潰す。


飛香: (やば…)


梅澤: お前ら、やるぞ!!



後ろにいる1年生達に向かって叫ぶ梅澤。



菊山: もちろんです!!!ぶっ倒します!!


柿谷: 笑、はい。


桜: ?はい?



菊山はノリノリで、柿谷は苦笑いで、桜はわけも分からず、その声に返事をする。



梅澤: よっしゃー!!


飛香: (意外とこれは、梅の戦闘スイッチの1つだったのか…)



梅澤の勢いに、若干引いてしまった飛香。


しかし…



美月: まぁ、せいぜい頑張るのね、飛香。



胸を張り、笑いながら、そう言う美月を見た瞬間…



飛香: …○す…


日向子: なんか、みんな気合入ってるね!!私達も絶対に勝つよ!!


祐希: もちろん!全力で!!


珠美: 任せてください!!


紗耶: 勝ちましょう!!


美月: おーーー!!!!笑



女子達は一部殺気を飛ばしつつも、各チーム、ぶんぶんと腕を回していた。



守里: え?ただの遊びなんだけど…


春時: まぁまぁ笑。遊びでも、負けるのは嫌なんだろ。


守里: みんな、意外と負けず嫌いなんだね笑


春時: だな笑(おそらく、それだけじゃないが。)


新里: そうですね~(混ざるのが恐ろしい…特に、飛香先輩のチーム。)


守里: じゃあ、僕達も分かれよっか。


春時: じゃんけんだな。


新里: 了解です。


守里: 負けた人が審判で…


春時: 2番目に負けたヤツは……飛香チームな。


新里: …はい。(これは勝つしかない…)


守里: OK。


春時: 行くぞ。最初はグー、じゃんけん…


「ポン!」




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