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第5章 夏休み編

第155話「真夏の海水浴 part7」

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守里: もう、日向子、勝手に走り出さないでよ。


日向子: ごめんって~



ドーナツ屋の前の列で、日向子と合流した守里。



守里: 全く…で、どれ買う?


日向子: う~ん。


守里: まぁ僕達の番が来るまでに、選んどいて。


日向子: 了解!!




数分後…



日向子: シュガー2つとチョコ3つ、いちご2つお願いします!


店員: お、元気いいね~じゃあ、オマケにシュガー1個追加するよ笑


日向子: うわぁお!おじちゃん、最高!!


店員: 嬉しいね~良い彼女持ったね、彼氏さん笑


守里: そんなんじゃないですよ笑、ただの幼なじみです。


店員: おぉっとそうだったか笑、あまりに仲良さそうだったからよ。


日向子: 私達、最高の仲なんです!!ね!守里!!


守里: う、うん笑


店員: いや~良いね。はい、どうぞ。


日向子: ありがとうございます!!


店員: 980円ね。


守里: はい。日向子、先に飛香と合流してて。


日向子: 了解!バイバイ!おじちゃん!


店員: おう!ありがとな~


守里: すみません、ちょっと元気過ぎて笑


店員: あんぐらいの方が可愛いじゃないか笑。どうなんだ?狙ってんのか?


守里: いえ、ほんと仲の良い幼なじみです。


店員: もったいねぇな~笑


守里: 笑、どうぞ。


店員: お、ちょうどだな。大切にしろよ!!


守里: えーっと?はい!



何を、大切にしろよ、だったんだろう?

まぁ良いか。


飛香と日向子と合流しないと。

カレーライスは結構人が並んでたからな、まだ買えてないかも…


ってか、日向子はちゃんと飛香と合流できてるのだろうか?


と、心配しながら、守里がカレーライスの屋台の方に向かっていると…



「やめてよ!!」



聞き覚えのある大きな声が聞こえる。



守里: ん?これは日向子の声…何かあったのか?



声のした方を見る守里。


カレー屋とは違う方向だけど…



守里: 行かないと!




数分前…


カレー屋で、無事カレーライスを買った飛香は、守里と日向子を待つために、少し離れた人目につかない場所に立っていた。



飛香: まだかな~



それは、人目のつかないところだと、守里達が見つけられないという可能性もあったものの、その可能性に気づかず、人見知りという飛香の性格が存分に発揮された結果であった。


可愛らしい子が1人、人目に付きにくいところで立っている。

これはもう、お決まり展開が発動される他なかったのだ。



ナンパ男1: あの子、可愛くない?


ナンパ男2: 確かに、良い子発見!


ナンパ男3: 探してた甲斐があったな。


ナンパ男4: よし、行こうぜ。



という感じで、飛香はすぐさま、ガタイの良いナンパ男4人に囲まれた。



飛香: ちょっと、アンタらなに?


ナンパ男1: お嬢ちゃん、可愛いね。


ナンパ男2: 何歳?


飛香: はぁ?答えるわけないでしょ。


ナンパ男1: うんうん。お嬢ちゃんさ、俺達と遊ばない?


飛香: 嫌です。警察の人でも誘ってください。


ナンパ男2: まぁまぁ、そんなこと言わずに…


飛香: (うわ…守里が言ってた通りの展開になっちゃったじゃん…どうしよう…逃げられないし…)



と、飛香が困っていると…



日向子: お前達誰だーー!!!



そう叫びながら、日向子が突っ込んでくる。



ナンパ男3: うぉっと…お嬢ちゃん、元気だね。


飛香: 日向子…こいつらナンパ男。


日向子: え?守里が言ってた通りじゃん!


ナンパ男3: (こいつら、男連れか…いや関係ねぇ。)


ナンパ男4: お嬢ちゃん、お友達かな?


日向子: もちろん!大切な友達!!


飛香: いや、素直に答えてどうする?!


日向子: へ?


ナンパ男1: 良い子だね~


ナンパ男2: 2人とも一緒に遊ぼうよ。


日向子: 嫌だ!


ナンパ男3: そんなこと言わずにさ…



手を伸ばし、日向子の腕をつかもうとするが…



日向子: やめてよ!



その手を避ける日向子。



ナンパ男1: まぁまぁ良いじゃねぇか笑


ナンパ男2: そんな大きな声出さないでよ笑


飛香: あんた達が触ろうとするからでしょ。


ナンパ男2: 笑、だって言うこと聞いてくれないんだもん。


日向子: とにかく、どっか行って!


ナンパ男1: こんなに可愛い子達、放っておくのは、もったいないじゃん笑


ナンパ男3: ほら、俺達が良い事してあげるからさ。


ナンパ男4: そうそう。たくさん食べ物も買ってあげるし。


飛香: ナンパとか時代遅れのことしちゃって。大の大人がみっともない。


ナンパ男2: うわぁ~お。結構、毒舌だね笑、それも良いけど。


ナンパ男3: でもさ、俺達をあんまり怒らせない方がいいよ。


飛香: ダサっ…


ナンパ男3: な…


ナンパ男2: 言われてやんの笑。でも本当にそろそろさ。


飛香: …(どうするべきか…)


日向子: (こんなヤツら、手がふさがってなければ…)



大事なドーナツが入ってる紙袋を、両手に抱えている日向子。



ナンパ男1: ほら、行こうぜ。



そう言って、さらに一歩、ナンパ男達が2人に近づいた時…



守里: あなた達は?



日向子の声を聞いた守里が駆けつける。



ナンパ男1: あ?てめぇこそ誰なんだよ。


日向子: 守里!!


飛香: !!(あ、でも、守里だけじゃ…)


ナンパ男3: あぁ、この子達の連れの男か。


ナンパ男2: じゃあ、この子達と遊ぶから、そういうことで笑


ナンパ男4: 痛い目見たくなかったら、Uターンして、どっか行っときな。


守里: ナンパですか…


ナンパ男3: そんなんじゃないって笑


ナンパ男1: ね、お嬢ちゃん達も行こう。


ナンパ男2: そうそう。こんな冴えないやつなんかほっといてさ笑


日向子: 冴えないやつ?!


飛香: (どうにかして、春時か梅を呼んでこないと…)


ナンパ男1: はい、こっちおいで~



再び、日向子と飛香の腕を掴もうとする。



守里: …



その瞬間を見た守里は、日向子と飛香を囲む男達に割って入り、男達と向かい合う。



ナンパ男4: あ?俺達とやろうってのか?


ナンパ男3: 上等だ。やってやるよ。


ナンパ男2: 全く、お嬢ちゃん達の連れはバカだね~


ナンパ男1: 怪我せずにお家に帰れたのに笑


日向子: 守里!!


飛香: …


守里: …



日向子と飛香は僕が守る!!




カチ




守里: 舐めんな。


ナンパ男2: ちなみに、この1番体がデカい奴は、柔道で全国大会に…


ナンパ男4: グハッ!!


守里: …



その1番体が大きい男の鳩尾に、守里の掌底がめり込む。



ナンパ男3: な…


守里: どけ!



すぐさま、ナンパ男3の方に向き直る。



ナンパ男3: ガッ



そして、顎を裏拳で弾く。



守里: ふぅ…お前ら、まだやるか?



まだ残っている男2人を睨みつける。



ナンパ男1: う、嘘だろ…


ナンパ男2: ま、マジか…


日向子: …


飛香: 嘘でしょ…あの守里が…


守里: さっさとコイツら連れて失せろ!


ナンパ男1 2: は、はい!!



大きな返事をして、男2人は伸びてる男達を1人は抱えて、1人は引き摺って、海水浴場から出ていった。



守里: 大丈夫だったか?


飛香: しゅ、守里…アンタ…


日向子: すっごい!!強くなったね!!守里!!



キラキラとした目で、守里の背中を掴む日向子。



守里: 笑、お前らが無事そうで何よりだ。


飛香: (なんか、口調も違う…本当に守里なの?)


日向子: ワンパンだったね!!


守里: 楽勝だよ笑


日向子: はい、これ!ご褒美にドーナツあげる!



そう言って、持っていた紙袋の中から、1つドーナツを手に取って、守里に向ける。



守里: いや、良いよ、俺は。日向子が食べな。


日向子: 本当に良いの?


守里: おう笑


日向子: やった!パクッ…ん~美味しい!!


守里: そりゃよかった笑


飛香: いや、お前、ほんとに…




カチ




飛香: 守里なのか?


守里: え?うん。正真正銘、守里だけど。


飛香: でもアレは…


守里: うん、まぁ色々あったんだって笑


飛香: …


守里: それじゃ、納得できない?


飛香: そういうわけじゃないけど…守里は私達を助けてくれたし…


日向子: まぁまぁ、あっしゅん!良いじゃん!守里が、私達の大切な幼なじみなことに、変わりはないんだから。


飛香: 笑、そうだね。よし、みんなのところに戻ろ。


守里: OK。ところで、飛香はカレーライス買えたの?


飛香: もちろん、3人分。


守里: それで、スプーンは?


飛香: あ…


守里: …


日向子: パクッ、うま~




こうして、守里達はカレー屋でスプーンを取った後、みんなが集まる拠点に戻った。




to be continued


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