ただ守りたい…〜大事な人を守るには、金と権力と腕っ節…あと諦めない心が必要です〜

ドラると

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第5章 夏休み編

第152話「真夏の海水浴 part4」

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守里: えーっと…



美月、飛香、紗耶、珠美の視線が集まる中、美月が言ってることの意味に悩む守里。

すると、その視線の先、女子達が集まる後ろで、桜がため息をつきつつ、自分の着ている水着を指さす。


桜………服?

はっ…



「女の子の服は褒めないとだよ。守里。」



頭の中で、ある言葉が思い浮かべられる。



守里: みんな、水着似合ってるね!


美月: …どんな風に?



もうちょっと詳しく言わないといけないのか…



守里: まず美月は…



必死に頭を回しながら、守里は女子全員の水着の感想を言っていった。




美月: ありがと!


飛香: …///


梅澤: ふ~ん、ちゃんと言えるじゃん。


祐希: …ウトウト


日向子: でしょ!可愛いでしょ!この水着!!


紗耶: 先輩!!///


珠美: に、似合ってますか~///


柿谷: ありがとうございます笑


菊山: やっぱり褒められると嬉しいね~


桜: うんうん…(お兄ちゃん、ナイス。)


守里: ふぅ…



なんか疲れた…



春時: あ、もちろん俺も似合ってると思うぞ。(おつかれ、守里。良くやった。)


新里: 僕もです!!(僕じゃ無理だな。あんなスラスラと感想言うの…さすが先輩!)


美月: 笑、2人もありがと。


日向子: いや~この犬柄可愛いよね~


春時: まさか、水着まで犬だとは。


日向子: この前みんなで買いに行った時に、たまたま見つけてさ!


飛香: 良くもまぁサイズがあったよ。本当に。


梅澤: だな笑


柿谷: 美月先輩は、まだ上脱がないのかな?ボソッ


菊山: 大事なところまでとっとくんじゃないボソッ


柿谷: 守里先輩も絶対びっくりするよボソッ


桜: 全くお姉ちゃんはボソッ


菊山: 更衣室でも、みんなびっくりしてたもんね。特に飛香先輩とやんちゃんとたまちゃんボソッ


桜: 梅澤先輩は苦笑いだったボソッ


柿谷: 美月先輩の作戦、成功するといいな~ボソッ


祐希: ねぇ~守里。拠点作ろ。


守里: あぁそうだね。


飛香: 祐希は寝たいだけでしょ。


祐希: す、少しだけ…


守里: 良いんじゃない?まだまだ時間はあるし。それに、テントとベンチも持ってきたし。


珠美: 珠美も手伝います!


守里: 笑、ありがと。



そうして、守里達は浜辺まで行き、ビーチシートを引いてテントを立て、ベンチを置き、拠点を作った。



祐希: では、ちょっくら寝ます。


守里: うん。お昼時になったら…


祐希: zzzzz


守里: 相変わらず早いな笑



ベンチの上に横になった瞬間に、祐希は夢の世界に旅立った。



春時: 昼時になったら勝手に起きるだろ。


飛香: だね。この子が起きたら、お昼ご飯を食べに行くぐらいの感覚で良いでしょ。


守里: うん笑


美月: ねぇ~守里~


守里: ん?


美月: 日焼け止め…


飛香: 私が塗ってあげるよ。



この時のために考えてきた作戦の1つを実行しようとした美月の言葉を、飛香は察知し、すぐに遮る。



美月: いや…


飛香: 私、塗るの上手いからさ。任せなニコッ


美月: …クッ…


日向子: えー!!なら私も!!


珠美: 珠美もお願いします!!


飛香: あ、いや…


春時: 飛香、諦めろ。


飛香: …うん。


梅澤: 美月、作戦失敗だな笑


守里: 作戦?


梅澤: まぁまぁ、守里は気にしなくていいから。


紗耶: まさか、あんな大胆な作戦を…


柿谷: 更衣室で塗っちゃったからね。私達は。


桜: お姉ちゃん、これを狙って塗ってなかったのか。


新里: なるほど、これは守里先輩…


菊山: 新里君も分かった?守里先輩の鈍感さと、それに振り回されるみんなを見る面白さに。


新里: うん笑


菊山: そっかそっか笑。新里君さ、私達の仲間にならない?


新里: 仲間?


菊山: そう!守里先輩見守り隊。


柿谷: メンバーは、私とさぁちゃんとさくちゃん…あと、ここだけの話、梅澤先輩も誘おうって思ってる。


新里: なるほど…笑


柿谷: 新里君もどう?


新里: 喜んで笑


菊山: やった!仲間が増えた。


柿谷: みんなにはバレないようにね。


新里: もちろん笑


菊山: あと、私のことはさぁちゃんって呼んでよ。


柿谷: じゃあ私は、かっきー。


桜: さくは…下の名前だったらなんでも…


新里: 分かった笑


菊山: 今呼んで!


新里: え?


菊山: 呼んで!


柿谷: そうだよ!


春時: (とうとう優太も、あのグイグイ系の後輩2人の餌食に…)


梅澤: (あの2人、結構強気なんだな。)


守里: よし、遊ぶか!


春時: だな。


飛香: 私はこの3人に、日焼け止めを塗ってから合流するよ。


美月: 守里~


日向子: よろしく!あっしゅん!


珠美: よろしくお願いします!


春時: じゃあ、俺がこっちにつくから、守里と優太は行ってこい。


守里: ありがと笑、みんな行くでしょ?


紗耶: はい!


柿谷: もちろんです!


桜: うん。


菊山: ね、優太。


新里: う、うん…かけ…


菊山: 優太。


新里: …さぁちゃん。


菊山: ニコッ



うわ…久しぶりの狂気の笑顔…


やっぱり、優太君に教えとくべきだったか。

外見の特徴じゃないから、実際伝えはしなかったんだけど、迷いはしたんだよね。



春時: 梅は?


梅澤: あぁ、私も行く。


守里: じゃあ、先行ってる。


春時: おう。


飛香: うん。


美月: 守里~!!



そうして、守里、梅澤、桜、紗耶、柿谷、菊山、優太の、海に遊びに行くグループと、飛香、美月、日向子、珠美、春時、祐希の、拠点に残るグループに分かれた。




守里グループ



紗耶: 海だー!!


守里: 紗耶ちゃん。楽しそうだね。


紗耶: はい!紗耶、海大好きなんです。


守里: へぇ~


菊山: やんちゃん、なんでも好きって言うじゃん笑


紗耶: そんなことないよ~


柿谷: 海に来たらまずやること!ホレッ!



ビシャッ



突っ立っていた菊山と紗耶に、水をぶっかける柿谷。



紗耶: キャッ


菊山: うわっ!やったな~かっきー!!オリャッ



ビシャン



柿谷: 笑、まだまだ行くぞ!!


紗耶: 負けてらんない!!



3人は水を掛け合う。


そんな和気あいあいとした様子を見て…



守里: 若いな~


梅澤: いや、1個しか変わんねぇだろ。


守里: でも、なんか良くない?アレ。


梅澤: そうか?


新里: 分かります!


守里: お、優太君は分かるか。あの漫画で見るような光景。


新里: はい!あの、可愛い女の子達が海に来て、キャッキャウフフと水を掛け合う感じ。最高です!


守里: お、おぉう…


梅澤: 私、漫画とか読んだことないから…


守里: え?そうなの?


梅澤: あぁ。


守里: じゃあ、今度漫画貸してあげるよ。


梅澤: いや…


守里: まぁまぁ良いから良いから。1回読んでみて。


梅澤: …分かった。今度な。


守里: うん…チラッ


新里: ん?



梅澤の隣に立つ守里は、梅澤の背面から、新里に視線を送り、新里はすぐにそれに気づく。

それを確認して、一旦柿谷達の方に視線を向けたあと、梅澤に視線を向け、再び新里に視線を戻す。



新里: …はっ…ブンブン



守里の思惑に気づいたらしい新里は、一生懸命に首を横に振る。



守里: …ジー


新里: …ゴクン…(先輩が責任取ってくださいよ…)



覚悟を決めた新里。


頑張れ、優太君。



梅澤: …あれが漫画みたいな光景なのか…



そうつぶやき、柿谷達のやり取りを眺めている梅澤の真後ろに、新里は移動する。



新里: ふぅ…オリャッ



バシャッ



梅澤: キャッ



新里は思いっきり腕を振り上げ、海水を梅澤の背中にかける。

不意に水をかけられた梅澤は、柄にもない女の子らしい声をあげた。



新里: 守里先輩!


守里: 笑



新里に向けて、グッドサインを掲げる守里。



梅澤: お前ら…やりやがったな…


守里: あ、いや、違うんだ…香蓮…


新里: 守里先輩がやれって言ったんですよ!


梅澤: 両方ともだ…オリャッ!!!



バッシャンッ!!!!



短パン型の水着から伸びる、程よい筋肉のついた長く美しい脚を、思いっきり斜めに振り上げ、大量の水を守里と新里に飛ばす。



守里: うわっ!


新里: 足技っ!!


梅澤: まだまだ!!



そう言って、梅澤は追い討ちをかけるように、水を飛ばし続ける。



守里: やられてばっかでいられるか!やるよ!優太君!!


新里: いえ!僕は守里先輩にも行きます!!


守里: えっちょっ!



そうして、乱戦が始まる。



3人はお互いに水を掛け合い、それは段々と、柿谷達の所に近づいていき、とうとう接触した。



新里: くらえっ!!



バシャッ!



梅澤: クッ!!


柿谷: キャッ!


菊山: ちょっと!



新里の梅澤に向けて飛ばした水が、その後ろにいた柿谷と菊山にかかる。



梅澤: やり返してやる!


柿谷: 優太?


菊山: やったな…


新里: あ、いや…(梅澤先輩と守里先輩の2人を相手するだけでもキツいのに…)


柿谷: 梅澤先輩、手伝います。


菊山: 一緒に、優太をぶっ倒しましょう。


梅澤: おう。


新里: 守里先輩~!!助けてください!!


守里: うん、これは協力した方が良いかも…紗耶ちゃん!


紗耶: はい?なんです?!



柿谷と菊山のさらに向こうにいた紗耶に、守里は呼びかける。



守里: 僕達の仲間にならない?


紗耶: え?!なります!なります!!



そう言って、紗耶は柿谷と菊山の間を駆け抜け、守里と新里の元へ。



柿谷: うわっと…


菊山: さすがバスケ部…


梅澤: 水の中であの速さ…やるな笑


守里: これで3対3だ!やるぞ!!香蓮、かっきー、さぁちゃん!


新里: 容赦はしません!!


紗耶: 頑張ります!!


柿谷: こっちだって負けません!


菊山: 優太!守里先輩!やんちゃん!覚悟!!


梅澤: おう!上等だ!!



こうして、雪合戦ならぬ、海水掛け合戦が始まった。




to be continued
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