149 / 340
第5章 夏休み編
第149話「真夏の海水浴 part1」
しおりを挟む
土曜日
海水浴当日
駅前
守里: 集合時間まで、残り3分。
春時: 来てないのは、日向子と祐希か。その守里が呼んだ助っ人は…
守里: 海水浴場で合流する予定。そっちの方が都合が良いらしくて。
春時: ふ~ん。
守里: はぁ…全くあの2人は。
美月: でも、予想できてたじゃん笑
守里: まぁね。
春時: 2人とも連絡がつかないんだよな。
梅澤: ヤバくね?それ。
守里: 祐希の方は、七星さんに頼んでるから、起きてるとは思うんだけど…
美月: 日向子の方は、何も手を打ってないの?
守里: うん。残念ながら。
春時: けど、アイツ、中々遅刻することはないから、大丈夫だとは思うんだよ。
梅澤: ふ~ん。
春時: 全く、後輩の前でカッコつかない先輩だな笑
守里: 笑、確かに。
柿谷: さぁちゃん、隈すごくない?
菊山: え?
紗耶: どうせ、昨日夜遅くまで、ゲームやってたんでしょ。
菊山: いやいや、2時には寝たよ。
桜: 遅いよ。
柿谷: はぁ…あんまり無理しないようにしないと。
菊山: いつもよりかは早いって。
珠美: じゃあ、いつもは何時ぐらい?
菊山: う~ん、6時に寝て、14時に起きる。
桜: 昼夜逆転してるじゃん。
紗耶: 長い休みの時は毎回こうなるって、さぁちゃんのお母さんに聞いてたから、そうならないように言ってはいたんだけど。さぁちゃん!
菊山: エヘヘ
紗耶: 笑い事じゃないから!
菊山: 今度から気をつけるって。
紗耶: もう!
珠美: まぁまぁやんちゃん。落ち着いて。
紗耶: …うん。
珠美: 次会った時に、改善されなかったら、どたまかち割ったりすればいいじゃん。
桜: え?
柿谷: 怖…たまちゃん。
紗耶: う、うん…そうだね~
珠美: でしょ?笑
菊山: (この子、本気だ…)気をつけさせていただきます!
飛香: (なんか、1年生の方、盛り上がってんな…)
2年生組と1年生組が、それぞれ固まって話している中、飛香は、特に2年生組から離れたところで、1人突っ立っていた。
春時: …どうしたんだろう、飛香。この前の誕生日の時も変だったけど。
梅澤: …分からん。
そんな飛香を気にしていた春時と梅澤。
春時: ちょっと話、聞いてこようかな。
梅澤: おう。
飛香: …
春時: なぁ、飛香。
後ろから近づき、飛香に話しかける春時。
飛香: うわっ!!
春時: え?そんな驚く?
飛香: なんだ春時かよ。
春時: 守里の方が良かった?
飛香: は、はぁ?///守里?
春時: …(え、何、この反応。)
飛香: い、いや、なんでもない。別にむしろ春時でよかったというかなんというか…
春時: (もしかして、この前のやつで何かあったか?)
飛香: でなに?なんの用?
春時: 飛香さ、この前の守里とのお出かけでなんかあった?
轟速ストレートを飛香に投げる。
飛香: な、何も…///
春時: それは絶対にあったじゃん。
飛香: …別に何かあったわけじゃないけど…
春時: …飛香がこのままじゃ、上手いこと盛り上がらないだろうし。話してみ?男の俺に話すのが嫌なら、梅に代わるよ。
飛香: あ、うん、そうだな…梅に代わって。
春時: 了解笑
そうして、春時は梅澤に事情を話し、飛香の相談役を交代する。
梅澤: で、どうしたんだ?
飛香: あ、あのね…
梅澤: うん。
飛香: この前のお出かけのせいか、守里と顔を合わせるのが恥ずかしくて…///
梅澤: は?
飛香: ご、ごめん…
梅澤: い、いや、ちょっと驚いただけで…(マジか…)
飛香: そうだよね、変だよね…
梅澤: だから、そうじゃないって。(コイツ、めんどくせぇ…)
飛香: …
梅澤: 要するに、この前のデート…
飛香: ま、まだデートじゃない!
梅澤: …分かった、分かった。この前のお出かけの時に、飛香は守里のことを、幼なじみの大親友としてじゃなくて、好きな人として見ることが多かったから、それが抜けてないんだろ。
飛香: か、かもね…
梅澤: はぁ…(飛香は初恋みたいだし、そういう恋愛関係のことになると、ほんとバカというか子供になるっぽいんだよな。)
飛香: …
梅澤: じゃあ、飛香。切り替えろ。お前このままだと、他のやつ…1年生にも気づかれて、みんなからイジられるぞ。
飛香: …嫌。
梅澤: だろ?(今、飛香は守里のことしか頭にねぇ。だから他のことも意識させてやれば、どうにかなるはず…)
飛香: 絶対、嫌。
梅澤: 特に、美月とかニヤニヤしながらイジってくるんだろうな笑(実際、美月はデートの話も聞いてないみたいだから、全然違う反応だろうけど。)
飛香: クッ…
梅澤: 笑、よし、いってこい。
飛香: うん!
梅澤が飛香の背中を押し、飛香は守里の元へ。
守里: もう集合時間過ぎたぞ…
美月: どうしよっか。
飛香: おいおい!まだ来てないのか?2人は!
守里: え?
美月: いきなりどうしたの?飛香。
梅澤: (あ、ちょっとキャラが違う……しばらくしたら治るか。)
春時: 笑、さすが梅。
梅澤: 別に。ただ飛香が子供だっただけ。
春時: それでもだよ。ありがと、梅。
梅澤: フン…///
こちらも褒められる時だけは子供であった。
守里: うん。日向子と祐希がまだ。
飛香: 相変わらず時間にルーズだな!あのバカ達。
守里: だね笑
美月: いやいや、今さっきまで、なんかすごい元気なかったじゃん。
飛香: え?そうだった?
美月: だったよね?守里?
守里: まぁ確かにそうだったけど。もう大丈夫なんでしょ?
飛香: もちろん!通常運転だぜ!飛香ちゃんは!
守里: 笑、ならOK。
美月: …(通常運転どころか、速度超過みたいだけど…)
ドドドドド
守里: ん?なんか足音が…
美月: 足音ぐらいなら…
守里: いや、すごい勢いのが…2つ?
美月: え?そんなん聞こえないけど…
飛香: 私も。
守里: う~ん…
ドドドドドドドドドド
守里: やっぱり聞こえる。
美月: 守里、耳良すぎでしょ。
飛香: うん。
「負けるか!!」
「うぉーー!!」
守里: あ、なんか声も…
飛香: それは私も聞こえた。
美月: すごい聞き覚えが…
柿谷: ん?っ!!先輩!アレ!
視線の先の異変に気づいた柿谷が叫ぶ。
守里: かっきー?
柿谷が見ている方向を見る守里達。
紗耶: あれは…
桜: 確実に…
珠美: うん…
菊山: ごめん、目がしょぼしょぼして遠くまでは見えない…
柿谷: (重症じゃん…海に着くまでに治るかな…)
「ラスト100m!!」
「勝負だ!!」
春時: はぁ…
梅澤: 朝から元気だな。
美月: レースでもしてるの?笑
飛香: どうせ、2人とも走ってきてた途中で、偶然鉢合わせたから、日向子が競走とか言い出したんでしょ。
守里: だろうね。
お、どうやら飛香は、いつもの感じに戻ったみたいだ。
日向子: ラストスパート!!
祐希: フンヌーーー!!
猛ダッシュで駅前の広場に走り込む2人。
珠美: さぁちゃん!ゴールラインやろ!
菊山: え?
珠美: ほら、ここに立って。
菊山: う、うん。
珠美: よし…先輩!!ここがゴールです!!
日向子: よくやった!たまちゃん!!
祐希: あとちょっと!!
美月: どっちが勝つかな?
飛香: 今は、そんなことどうでもいいでしょ。遅刻なんだから。まぁでも…日向子じゃない?
美月: じゃあ私、祐希。
守里: 残り10m…
とうとう、日向子と祐希はゴールラインへ。
日向子: デリャァァアア!!!
祐希: ダァァァアアア!!!
春時: (すごい声だな。)
梅澤: (2人とも足速…)
珠美: ゴールです!!!!
日向子: どっち?!!
祐希: どうだった?!
珠美と菊山の間を走り抜いた2人は、すぐに急停止し、後ろを振り向く。
珠美: 勝者は…
日向子 祐希: …ゴクン…
珠美: 日向子先輩です!!
日向子: やったーー!!!!
祐希: くっそ~!!
珠美: 惜しかったですね~祐希先輩。まぁ身長的に鬼ギリギリ、日向子先輩の頭が早くゴールラインを通過したって感じです。
菊山: た、たまちゃん…
柿谷: (怖っ…無意識に地雷を踏み抜くたまちゃん。)
桜: (祐希先輩の顔…笑)
祐希: チーン
紗耶: せ、先輩!元気だして下さいよ!
落ち込む祐希を、紗耶が励まそうとする。
春時: そうだぜ。祐希。
梅澤: もうしょうがない事だ。諦めろ。
春時と梅澤もフォローに回る。
柿谷: (梅澤先輩のは、フォローになってない笑)
日向子: いぇーい!!勝ったよ!!
そう言いながら、ニッコニコの笑顔で守里の方に近づいてくる日向子。
守里: はぁ…
飛香: 日向子…状況分かってる?
美月: うんうん。
日向子: 状況?私が祐希にレースで勝ったんだけど…
飛香: 今、何時?
日向子: なんだよ、あっしゅん。時間聞きたかったの?えーっとね…………あ。
ここでようやく、日向子は現状を理解する。
飛香: 一言目、やり直そっか。祐希と一緒に。
日向子: 了解です!
美月: さすが、飛香。よっ冷酷女王!
飛香: あ?
守里: 笑
祐希: またしても、身長差…
日向子: 祐希ちゃん…
未だに珠美の一言によって、項垂れている祐希の元に、日向子が駆け寄る。
祐希: 日向子…祐希はもう…
日向子: うん。そんなことよりもね…ゴニョゴニョゴニョ
祐希: いや、そんなことって………ウン………あ。
日向子: …
祐希: …
2人はお互いに無言で頷き、立ち上がる。
紗耶: えーっと…大丈夫ですか?
春時: 紗耶、一歩下がって見とこ。
紗耶: え?う、うん。
梅澤: 笑
菊山: ちょっとたまちゃんボソッ
珠美: ん?なに?
柿谷: さぁちゃん。多分無理っぽい。
桜: うん。たまちゃんはそのままが良い。
菊山: …そうだね。なんでもないよ。たまちゃん。
珠美: うん?
柿谷: ほら、なんか先輩たちがやるみたいだから見とこ。
日向子: せーのっ…
日向子 祐希: 遅れて!すみませんでした!!
2人が声を合わせ謝りながら、体を90度に曲げる。
守里: はい!分かった。今度からは遅れないようにね。
日向子: もちろん!
祐希: うん!
守里: これで良い?みんな。
飛香: 問題なし。
美月: 私も~
春時: まぁ、遅刻魔だからな笑、2人は。
珠美: そうなんですね!
梅澤: ぽいよな。
紗耶: 紗耶もOKです!
桜: うん。
柿谷: はい!それに私も遅刻しちゃう時あるし。ね、さぁちゃん。
菊山: そ、そんなこと……いえ…はい。
日向子: みんな!ありがとう!!
祐希: いや~良かった良かった。
守里: じゃ、みんな揃ったし。出発しよっか。
こうして、守里達は駅前の広場を出発した。
to be continued
海水浴当日
駅前
守里: 集合時間まで、残り3分。
春時: 来てないのは、日向子と祐希か。その守里が呼んだ助っ人は…
守里: 海水浴場で合流する予定。そっちの方が都合が良いらしくて。
春時: ふ~ん。
守里: はぁ…全くあの2人は。
美月: でも、予想できてたじゃん笑
守里: まぁね。
春時: 2人とも連絡がつかないんだよな。
梅澤: ヤバくね?それ。
守里: 祐希の方は、七星さんに頼んでるから、起きてるとは思うんだけど…
美月: 日向子の方は、何も手を打ってないの?
守里: うん。残念ながら。
春時: けど、アイツ、中々遅刻することはないから、大丈夫だとは思うんだよ。
梅澤: ふ~ん。
春時: 全く、後輩の前でカッコつかない先輩だな笑
守里: 笑、確かに。
柿谷: さぁちゃん、隈すごくない?
菊山: え?
紗耶: どうせ、昨日夜遅くまで、ゲームやってたんでしょ。
菊山: いやいや、2時には寝たよ。
桜: 遅いよ。
柿谷: はぁ…あんまり無理しないようにしないと。
菊山: いつもよりかは早いって。
珠美: じゃあ、いつもは何時ぐらい?
菊山: う~ん、6時に寝て、14時に起きる。
桜: 昼夜逆転してるじゃん。
紗耶: 長い休みの時は毎回こうなるって、さぁちゃんのお母さんに聞いてたから、そうならないように言ってはいたんだけど。さぁちゃん!
菊山: エヘヘ
紗耶: 笑い事じゃないから!
菊山: 今度から気をつけるって。
紗耶: もう!
珠美: まぁまぁやんちゃん。落ち着いて。
紗耶: …うん。
珠美: 次会った時に、改善されなかったら、どたまかち割ったりすればいいじゃん。
桜: え?
柿谷: 怖…たまちゃん。
紗耶: う、うん…そうだね~
珠美: でしょ?笑
菊山: (この子、本気だ…)気をつけさせていただきます!
飛香: (なんか、1年生の方、盛り上がってんな…)
2年生組と1年生組が、それぞれ固まって話している中、飛香は、特に2年生組から離れたところで、1人突っ立っていた。
春時: …どうしたんだろう、飛香。この前の誕生日の時も変だったけど。
梅澤: …分からん。
そんな飛香を気にしていた春時と梅澤。
春時: ちょっと話、聞いてこようかな。
梅澤: おう。
飛香: …
春時: なぁ、飛香。
後ろから近づき、飛香に話しかける春時。
飛香: うわっ!!
春時: え?そんな驚く?
飛香: なんだ春時かよ。
春時: 守里の方が良かった?
飛香: は、はぁ?///守里?
春時: …(え、何、この反応。)
飛香: い、いや、なんでもない。別にむしろ春時でよかったというかなんというか…
春時: (もしかして、この前のやつで何かあったか?)
飛香: でなに?なんの用?
春時: 飛香さ、この前の守里とのお出かけでなんかあった?
轟速ストレートを飛香に投げる。
飛香: な、何も…///
春時: それは絶対にあったじゃん。
飛香: …別に何かあったわけじゃないけど…
春時: …飛香がこのままじゃ、上手いこと盛り上がらないだろうし。話してみ?男の俺に話すのが嫌なら、梅に代わるよ。
飛香: あ、うん、そうだな…梅に代わって。
春時: 了解笑
そうして、春時は梅澤に事情を話し、飛香の相談役を交代する。
梅澤: で、どうしたんだ?
飛香: あ、あのね…
梅澤: うん。
飛香: この前のお出かけのせいか、守里と顔を合わせるのが恥ずかしくて…///
梅澤: は?
飛香: ご、ごめん…
梅澤: い、いや、ちょっと驚いただけで…(マジか…)
飛香: そうだよね、変だよね…
梅澤: だから、そうじゃないって。(コイツ、めんどくせぇ…)
飛香: …
梅澤: 要するに、この前のデート…
飛香: ま、まだデートじゃない!
梅澤: …分かった、分かった。この前のお出かけの時に、飛香は守里のことを、幼なじみの大親友としてじゃなくて、好きな人として見ることが多かったから、それが抜けてないんだろ。
飛香: か、かもね…
梅澤: はぁ…(飛香は初恋みたいだし、そういう恋愛関係のことになると、ほんとバカというか子供になるっぽいんだよな。)
飛香: …
梅澤: じゃあ、飛香。切り替えろ。お前このままだと、他のやつ…1年生にも気づかれて、みんなからイジられるぞ。
飛香: …嫌。
梅澤: だろ?(今、飛香は守里のことしか頭にねぇ。だから他のことも意識させてやれば、どうにかなるはず…)
飛香: 絶対、嫌。
梅澤: 特に、美月とかニヤニヤしながらイジってくるんだろうな笑(実際、美月はデートの話も聞いてないみたいだから、全然違う反応だろうけど。)
飛香: クッ…
梅澤: 笑、よし、いってこい。
飛香: うん!
梅澤が飛香の背中を押し、飛香は守里の元へ。
守里: もう集合時間過ぎたぞ…
美月: どうしよっか。
飛香: おいおい!まだ来てないのか?2人は!
守里: え?
美月: いきなりどうしたの?飛香。
梅澤: (あ、ちょっとキャラが違う……しばらくしたら治るか。)
春時: 笑、さすが梅。
梅澤: 別に。ただ飛香が子供だっただけ。
春時: それでもだよ。ありがと、梅。
梅澤: フン…///
こちらも褒められる時だけは子供であった。
守里: うん。日向子と祐希がまだ。
飛香: 相変わらず時間にルーズだな!あのバカ達。
守里: だね笑
美月: いやいや、今さっきまで、なんかすごい元気なかったじゃん。
飛香: え?そうだった?
美月: だったよね?守里?
守里: まぁ確かにそうだったけど。もう大丈夫なんでしょ?
飛香: もちろん!通常運転だぜ!飛香ちゃんは!
守里: 笑、ならOK。
美月: …(通常運転どころか、速度超過みたいだけど…)
ドドドドド
守里: ん?なんか足音が…
美月: 足音ぐらいなら…
守里: いや、すごい勢いのが…2つ?
美月: え?そんなん聞こえないけど…
飛香: 私も。
守里: う~ん…
ドドドドドドドドドド
守里: やっぱり聞こえる。
美月: 守里、耳良すぎでしょ。
飛香: うん。
「負けるか!!」
「うぉーー!!」
守里: あ、なんか声も…
飛香: それは私も聞こえた。
美月: すごい聞き覚えが…
柿谷: ん?っ!!先輩!アレ!
視線の先の異変に気づいた柿谷が叫ぶ。
守里: かっきー?
柿谷が見ている方向を見る守里達。
紗耶: あれは…
桜: 確実に…
珠美: うん…
菊山: ごめん、目がしょぼしょぼして遠くまでは見えない…
柿谷: (重症じゃん…海に着くまでに治るかな…)
「ラスト100m!!」
「勝負だ!!」
春時: はぁ…
梅澤: 朝から元気だな。
美月: レースでもしてるの?笑
飛香: どうせ、2人とも走ってきてた途中で、偶然鉢合わせたから、日向子が競走とか言い出したんでしょ。
守里: だろうね。
お、どうやら飛香は、いつもの感じに戻ったみたいだ。
日向子: ラストスパート!!
祐希: フンヌーーー!!
猛ダッシュで駅前の広場に走り込む2人。
珠美: さぁちゃん!ゴールラインやろ!
菊山: え?
珠美: ほら、ここに立って。
菊山: う、うん。
珠美: よし…先輩!!ここがゴールです!!
日向子: よくやった!たまちゃん!!
祐希: あとちょっと!!
美月: どっちが勝つかな?
飛香: 今は、そんなことどうでもいいでしょ。遅刻なんだから。まぁでも…日向子じゃない?
美月: じゃあ私、祐希。
守里: 残り10m…
とうとう、日向子と祐希はゴールラインへ。
日向子: デリャァァアア!!!
祐希: ダァァァアアア!!!
春時: (すごい声だな。)
梅澤: (2人とも足速…)
珠美: ゴールです!!!!
日向子: どっち?!!
祐希: どうだった?!
珠美と菊山の間を走り抜いた2人は、すぐに急停止し、後ろを振り向く。
珠美: 勝者は…
日向子 祐希: …ゴクン…
珠美: 日向子先輩です!!
日向子: やったーー!!!!
祐希: くっそ~!!
珠美: 惜しかったですね~祐希先輩。まぁ身長的に鬼ギリギリ、日向子先輩の頭が早くゴールラインを通過したって感じです。
菊山: た、たまちゃん…
柿谷: (怖っ…無意識に地雷を踏み抜くたまちゃん。)
桜: (祐希先輩の顔…笑)
祐希: チーン
紗耶: せ、先輩!元気だして下さいよ!
落ち込む祐希を、紗耶が励まそうとする。
春時: そうだぜ。祐希。
梅澤: もうしょうがない事だ。諦めろ。
春時と梅澤もフォローに回る。
柿谷: (梅澤先輩のは、フォローになってない笑)
日向子: いぇーい!!勝ったよ!!
そう言いながら、ニッコニコの笑顔で守里の方に近づいてくる日向子。
守里: はぁ…
飛香: 日向子…状況分かってる?
美月: うんうん。
日向子: 状況?私が祐希にレースで勝ったんだけど…
飛香: 今、何時?
日向子: なんだよ、あっしゅん。時間聞きたかったの?えーっとね…………あ。
ここでようやく、日向子は現状を理解する。
飛香: 一言目、やり直そっか。祐希と一緒に。
日向子: 了解です!
美月: さすが、飛香。よっ冷酷女王!
飛香: あ?
守里: 笑
祐希: またしても、身長差…
日向子: 祐希ちゃん…
未だに珠美の一言によって、項垂れている祐希の元に、日向子が駆け寄る。
祐希: 日向子…祐希はもう…
日向子: うん。そんなことよりもね…ゴニョゴニョゴニョ
祐希: いや、そんなことって………ウン………あ。
日向子: …
祐希: …
2人はお互いに無言で頷き、立ち上がる。
紗耶: えーっと…大丈夫ですか?
春時: 紗耶、一歩下がって見とこ。
紗耶: え?う、うん。
梅澤: 笑
菊山: ちょっとたまちゃんボソッ
珠美: ん?なに?
柿谷: さぁちゃん。多分無理っぽい。
桜: うん。たまちゃんはそのままが良い。
菊山: …そうだね。なんでもないよ。たまちゃん。
珠美: うん?
柿谷: ほら、なんか先輩たちがやるみたいだから見とこ。
日向子: せーのっ…
日向子 祐希: 遅れて!すみませんでした!!
2人が声を合わせ謝りながら、体を90度に曲げる。
守里: はい!分かった。今度からは遅れないようにね。
日向子: もちろん!
祐希: うん!
守里: これで良い?みんな。
飛香: 問題なし。
美月: 私も~
春時: まぁ、遅刻魔だからな笑、2人は。
珠美: そうなんですね!
梅澤: ぽいよな。
紗耶: 紗耶もOKです!
桜: うん。
柿谷: はい!それに私も遅刻しちゃう時あるし。ね、さぁちゃん。
菊山: そ、そんなこと……いえ…はい。
日向子: みんな!ありがとう!!
祐希: いや~良かった良かった。
守里: じゃ、みんな揃ったし。出発しよっか。
こうして、守里達は駅前の広場を出発した。
to be continued
0
お気に入りに追加
18
あなたにおすすめの小説

日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。

凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

のほほん異世界暮らし
みなと劉
ファンタジー
異世界に転生するなんて、夢の中の話だと思っていた。
それが、目を覚ましたら見知らぬ森の中、しかも手元にはなぜかしっかりとした地図と、ちょっとした冒険に必要な道具が揃っていたのだ。

最強無敗の少年は影を従え全てを制す
ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第三章フェレスト王国エルフ編
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる