ただ守りたい…〜大事な人を守るには、金と権力と腕っ節…あと諦めない心が必要です〜

ドラると

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第5章 夏休み編

第149話「真夏の海水浴 part1」

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土曜日

海水浴当日


駅前



守里: 集合時間まで、残り3分。


春時: 来てないのは、日向子と祐希か。その守里が呼んだ助っ人は…


守里: 海水浴場で合流する予定。そっちの方が都合が良いらしくて。


春時: ふ~ん。


守里: はぁ…全くあの2人は。


美月: でも、予想できてたじゃん笑


守里: まぁね。


春時: 2人とも連絡がつかないんだよな。


梅澤: ヤバくね?それ。


守里: 祐希の方は、七星さんに頼んでるから、起きてるとは思うんだけど…


美月: 日向子の方は、何も手を打ってないの?


守里: うん。残念ながら。


春時: けど、アイツ、中々遅刻することはないから、大丈夫だとは思うんだよ。


梅澤: ふ~ん。


春時: 全く、後輩の前でカッコつかない先輩だな笑


守里: 笑、確かに。


柿谷: さぁちゃん、隈すごくない?


菊山: え?


紗耶: どうせ、昨日夜遅くまで、ゲームやってたんでしょ。


菊山: いやいや、2時には寝たよ。


桜: 遅いよ。


柿谷: はぁ…あんまり無理しないようにしないと。


菊山: いつもよりかは早いって。


珠美: じゃあ、いつもは何時ぐらい?


菊山: う~ん、6時に寝て、14時に起きる。


桜: 昼夜逆転してるじゃん。


紗耶: 長い休みの時は毎回こうなるって、さぁちゃんのお母さんに聞いてたから、そうならないように言ってはいたんだけど。さぁちゃん!


菊山: エヘヘ


紗耶: 笑い事じゃないから!


菊山: 今度から気をつけるって。


紗耶: もう!


珠美: まぁまぁやんちゃん。落ち着いて。


紗耶: …うん。


珠美: 次会った時に、改善されなかったら、どたまかち割ったりすればいいじゃん。


桜: え?


柿谷: 怖…たまちゃん。


紗耶: う、うん…そうだね~


珠美: でしょ?笑


菊山: (この子、本気だ…)気をつけさせていただきます!


飛香: (なんか、1年生の方、盛り上がってんな…)



2年生組と1年生組が、それぞれ固まって話している中、飛香は、特に2年生組から離れたところで、1人突っ立っていた。


春時: …どうしたんだろう、飛香。この前の誕生日の時も変だったけど。


梅澤: …分からん。



そんな飛香を気にしていた春時と梅澤。



春時: ちょっと話、聞いてこようかな。


梅澤: おう。


飛香: …


春時: なぁ、飛香。



後ろから近づき、飛香に話しかける春時。



飛香: うわっ!!


春時: え?そんな驚く?


飛香: なんだ春時かよ。


春時: 守里の方が良かった?


飛香: は、はぁ?///守里?


春時: …(え、何、この反応。)


飛香: い、いや、なんでもない。別にむしろ春時でよかったというかなんというか…


春時: (もしかして、この前のやつで何かあったか?)


飛香: でなに?なんの用?


春時: 飛香さ、この前の守里とのお出かけでなんかあった?



轟速ストレートを飛香に投げる。



飛香: な、何も…///


春時: それは絶対にあったじゃん。


飛香: …別に何かあったわけじゃないけど…


春時: …飛香がこのままじゃ、上手いこと盛り上がらないだろうし。話してみ?男の俺に話すのが嫌なら、梅に代わるよ。


飛香: あ、うん、そうだな…梅に代わって。


春時: 了解笑



そうして、春時は梅澤に事情を話し、飛香の相談役を交代する。



梅澤: で、どうしたんだ?


飛香: あ、あのね…


梅澤: うん。


飛香: この前のお出かけのせいか、守里と顔を合わせるのが恥ずかしくて…///


梅澤: は?


飛香: ご、ごめん…


梅澤: い、いや、ちょっと驚いただけで…(マジか…)


飛香: そうだよね、変だよね…


梅澤: だから、そうじゃないって。(コイツ、めんどくせぇ…)


飛香: …


梅澤: 要するに、この前のデート…


飛香: ま、まだデートじゃない!


梅澤: …分かった、分かった。この前のお出かけの時に、飛香は守里のことを、幼なじみの大親友としてじゃなくて、好きな人として見ることが多かったから、それが抜けてないんだろ。


飛香: か、かもね…


梅澤: はぁ…(飛香は初恋みたいだし、そういう恋愛関係のことになると、ほんとバカというか子供になるっぽいんだよな。)


飛香: …


梅澤: じゃあ、飛香。切り替えろ。お前このままだと、他のやつ…1年生にも気づかれて、みんなからイジられるぞ。


飛香: …嫌。


梅澤: だろ?(今、飛香は守里のことしか頭にねぇ。だから他のことも意識させてやれば、どうにかなるはず…)


飛香: 絶対、嫌。


梅澤: 特に、美月とかニヤニヤしながらイジってくるんだろうな笑(実際、美月はデートの話も聞いてないみたいだから、全然違う反応だろうけど。)


飛香: クッ…


梅澤: 笑、よし、いってこい。


飛香: うん!



梅澤が飛香の背中を押し、飛香は守里の元へ。



守里: もう集合時間過ぎたぞ…


美月: どうしよっか。


飛香: おいおい!まだ来てないのか?2人は!


守里: え?


美月: いきなりどうしたの?飛香。


梅澤: (あ、ちょっとキャラが違う……しばらくしたら治るか。)


春時: 笑、さすが梅。


梅澤: 別に。ただ飛香が子供だっただけ。


春時: それでもだよ。ありがと、梅。


梅澤: フン…///



こちらも褒められる時だけは子供であった。



守里: うん。日向子と祐希がまだ。


飛香: 相変わらず時間にルーズだな!あのバカ達。


守里: だね笑


美月: いやいや、今さっきまで、なんかすごい元気なかったじゃん。


飛香: え?そうだった?


美月: だったよね?守里?


守里: まぁ確かにそうだったけど。もう大丈夫なんでしょ?


飛香: もちろん!通常運転だぜ!飛香ちゃんは!


守里: 笑、ならOK。


美月: …(通常運転どころか、速度超過みたいだけど…)



ドドドドド



守里: ん?なんか足音が…


美月: 足音ぐらいなら…


守里: いや、すごい勢いのが…2つ?


美月: え?そんなん聞こえないけど…


飛香: 私も。


守里: う~ん…



ドドドドドドドドドド



守里: やっぱり聞こえる。


美月: 守里、耳良すぎでしょ。


飛香: うん。


「負けるか!!」


「うぉーー!!」


守里: あ、なんか声も…


飛香: それは私も聞こえた。


美月: すごい聞き覚えが…


柿谷: ん?っ!!先輩!アレ!



視線の先の異変に気づいた柿谷が叫ぶ。



守里: かっきー?



柿谷が見ている方向を見る守里達。



紗耶: あれは…


桜: 確実に…


珠美: うん…


菊山: ごめん、目がしょぼしょぼして遠くまでは見えない…


柿谷: (重症じゃん…海に着くまでに治るかな…)


「ラスト100m!!」


「勝負だ!!」


春時: はぁ…


梅澤: 朝から元気だな。


美月: レースでもしてるの?笑


飛香: どうせ、2人とも走ってきてた途中で、偶然鉢合わせたから、日向子が競走とか言い出したんでしょ。


守里: だろうね。



お、どうやら飛香は、いつもの感じに戻ったみたいだ。



日向子: ラストスパート!!


祐希: フンヌーーー!!



猛ダッシュで駅前の広場に走り込む2人。



珠美: さぁちゃん!ゴールラインやろ!


菊山: え?


珠美: ほら、ここに立って。


菊山: う、うん。


珠美: よし…先輩!!ここがゴールです!!


日向子: よくやった!たまちゃん!!


祐希: あとちょっと!!


美月: どっちが勝つかな?


飛香: 今は、そんなことどうでもいいでしょ。遅刻なんだから。まぁでも…日向子じゃない?


美月: じゃあ私、祐希。


守里: 残り10m…



とうとう、日向子と祐希はゴールラインへ。



日向子: デリャァァアア!!!


祐希: ダァァァアアア!!!


春時: (すごい声だな。)


梅澤: (2人とも足速…)


珠美: ゴールです!!!!


日向子: どっち?!!


祐希: どうだった?!



珠美と菊山の間を走り抜いた2人は、すぐに急停止し、後ろを振り向く。



珠美: 勝者は…


日向子 祐希: …ゴクン…


珠美: 日向子先輩です!!


日向子: やったーー!!!!


祐希: くっそ~!!


珠美: 惜しかったですね~祐希先輩。まぁ身長的に鬼ギリギリ、日向子先輩の頭が早くゴールラインを通過したって感じです。


菊山: た、たまちゃん…


柿谷: (怖っ…無意識に地雷を踏み抜くたまちゃん。)


桜: (祐希先輩の顔…笑)


祐希: チーン


紗耶: せ、先輩!元気だして下さいよ!



落ち込む祐希を、紗耶が励まそうとする。



春時: そうだぜ。祐希。


梅澤: もうしょうがない事だ。諦めろ。



春時と梅澤もフォローに回る。



柿谷: (梅澤先輩のは、フォローになってない笑)


日向子: いぇーい!!勝ったよ!!



そう言いながら、ニッコニコの笑顔で守里の方に近づいてくる日向子。



守里: はぁ…


飛香: 日向子…状況分かってる?


美月: うんうん。


日向子: 状況?私が祐希にレースで勝ったんだけど…


飛香: 今、何時?


日向子: なんだよ、あっしゅん。時間聞きたかったの?えーっとね…………あ。


ここでようやく、日向子は現状を理解する。



飛香: 一言目、やり直そっか。祐希と一緒に。


日向子: 了解です!


美月: さすが、飛香。よっ冷酷女王!


飛香: あ?


守里: 笑


祐希: またしても、身長差…


日向子: 祐希ちゃん…



未だに珠美の一言によって、項垂れている祐希の元に、日向子が駆け寄る。



祐希: 日向子…祐希はもう…


日向子: うん。そんなことよりもね…ゴニョゴニョゴニョ


祐希: いや、そんなことって………ウン………あ。


日向子: …


祐希: …



2人はお互いに無言で頷き、立ち上がる。



紗耶: えーっと…大丈夫ですか?


春時: 紗耶、一歩下がって見とこ。


紗耶: え?う、うん。


梅澤: 笑


菊山: ちょっとたまちゃんボソッ


珠美: ん?なに?


柿谷: さぁちゃん。多分無理っぽい。


桜: うん。たまちゃんはそのままが良い。


菊山: …そうだね。なんでもないよ。たまちゃん。


珠美: うん?


柿谷: ほら、なんか先輩たちがやるみたいだから見とこ。


日向子: せーのっ…


日向子 祐希: 遅れて!すみませんでした!!



2人が声を合わせ謝りながら、体を90度に曲げる。



守里: はい!分かった。今度からは遅れないようにね。


日向子: もちろん!


祐希: うん!


守里: これで良い?みんな。


飛香: 問題なし。


美月: 私も~


春時: まぁ、遅刻魔だからな笑、2人は。


珠美: そうなんですね!


梅澤: ぽいよな。


紗耶: 紗耶もOKです!


桜: うん。


柿谷: はい!それに私も遅刻しちゃう時あるし。ね、さぁちゃん。


菊山: そ、そんなこと……いえ…はい。


日向子: みんな!ありがとう!!


祐希: いや~良かった良かった。


守里: じゃ、みんな揃ったし。出発しよっか。




こうして、守里達は駅前の広場を出発した。




to be continued
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