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第5章 夏休み編

第148話「お父さんと話そう」

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白城父の墓



結真: 1年ぶり!お父さん。



そう言って、結真は角台を撫でる。



美月: お父さ~ん。



それに習って、美月も触ろうとするが…



美月: 熱っ!!


結真: そりゃ熱いでしょ。日が当たってる所なんだから。よく見なさい笑


桜: 久しぶり~


蓮花: 今年も来たよ!


守里: これが、お義父さんの…



かなり大きいな。

立派なお墓だ。



守里: えーっと、新しく家族にならせて頂きました。森崎守里です。よろしくお願いします。



お墓に向かって深くお辞儀をする。



結真: 笑、固すぎじゃない?


美月: そうだよ!


守里: でもさ、初対面なんだから。


桜: 対面?まぁそう言われたら、そうだね笑


結真: よし!それぞれ一言挨拶も済ませたところで、掃除しましょ。


守里: うん。


美月: はーい!


桜: じゃあ、さくは周りの草毟りするね。


蓮花: 蓮花は床を掃く!


結真: OK。守里はバケツに水を汲んできてくれない?


守里: 了解。水道の場所は?


結真: うん。この花立と水鉢洗う係の美月について行って。


美月: 案内役任されました!!行こ!守里。


守里: うん。


結真: 私はまず、お花の準備。



こんな感じで、手分けをして清掃をし…


40分後…



結真: よし!お参りしよ。


美月: うん。


桜: お線香どうぞ。


蓮花: ありがと!蓮花からやる!



まずは、蓮花がお線香を持って、参道に進み、火をつけ香炉に置く。


そして、手を合わせる。



蓮花: (お父さん、蓮花ね、お兄ちゃんができたり、新しいお家に引っ越したり、色々あったけど、ものすごく楽しいんだ!お兄ちゃんも優しいし。新しいお友達もできたし。あと、今年は受験があるから、能高に入れるよう頑張る!お父さんも天国で応援しててよ!)



そして、桜、美月の順で後に続く。



桜: (お父さん、天国で元気にしてるかな?蓮花が言ったと思うから、知ってると思うけど、新生活が始まったんだ~あ、あと、さくは高校生になったよ。もちろん、お友達もちゃんとできました。お勉強、少し難しいけど、みんなのおかげでなんとか、ついていけてる。だから心配しないで、のんびり見守っててね。)


美月: (やっほ~美月だよ。ごめんね、去年は来れなくて。色々あったんだ。でもね、大好きな家族と、お友達と、あと…私の大好きな守里のおかげで、前に進むことができたよ。これまで、私が支えられた分、これからは私がみんなを支えていこうって思ってるんだ。だから、その…見てて。私、頑張るから。)


結真: 次は…


守里: 僕が行くよ。本当は、僕が最初の方が良かったんだろうけど。


結真: 笑、了解。



そうして、守里も火をつけたお線香を香炉に置き、合掌する。



守里: (改めて、お義父さん、こんにちは。新しく家族にならせて頂きました、森崎守里と言います。家族みんな優しくて、僕も一緒に過ごしてて、すごく幸せです。この幸せな時間を守れるよう、大切な家族を守れるよう全身全霊で頑張ります。お義父さんもどうか、みんなを見守ってあげてて下さい。)


結真: よし、最後は…


美月: お姉ちゃんだよ!


結真: 笑(お父さん。私ね、お母さんと離れて暮らすようになって、家の中じゃ、1番年上になったんだ。だから、お母さんの代わりに、みんなの面倒を見なきゃって思って頑張ってたんだけど、中々上手くいかないんだ。どうしたらいいと思う?…笑、お父さんに聞いたら、同じ答えしか返ってこないか笑。みんなで助け合って、だよね。分かってるよ。今は、美月も桜も蓮花も、そして守里も私を助けてくれるから、なんとか良い感じに暮らせてます笑。だから安心して。あ、でも、私だってもう20歳になるんだから、ちゃんとできるように頑張るよ笑。最後に、お父さんも天国から、みんなを守ってて笑)


蓮花: 全員、終わったね!


桜: うん。


結真: みんな、お父さんに話し忘れたこととかない?笑


美月: もちろん!


桜: あ、美味しいみたらし団子屋さん見つけたの、報告し忘れた。


蓮花: あらら笑、もう1回話しとく?


桜: うん!



再びお墓の前で手を合わせる桜。



結真: 桜のみたらし団子好きは、お父さん譲りなんだよ。


守里: そうだったんだ。


美月: 昔は、毎日、お父さんがみたらし団子を買ってきてね。桜はそれをずっと食べてたの。


守里: それで、こんなみたらし団子モンスターが産まれたのか。


桜: モンスター?


結真: 報告は終わったの?


桜: うん。


美月: あ、次の時にそのみたらし団子、お供えしてあげたら?


桜: そうね。またさらに美味しいみたらし団子が発見されない限りは、そうする。


結真: うん笑、そうしな。


蓮花: 蓮花はお気に入りのチョコレートお供えしたい!


美月: え、さすがに溶けるんじゃ…


守里: クーラーボックスかなんかに入れて、持ってきたら、少しの間ぐらい大丈夫なんじゃない?


蓮花: ナイスアイデア!お兄ちゃん!!


結真: そうすると、また荷物が増えるよ。


蓮花: 確かに…


守里: 問題ないって。来年も荷物は僕が持つから。クーラーボックスの1つぐらい追加で持てる。


美月: 頼もしい!


蓮花: ありがとう!!


桜: さくのみたらし団子も入れてもらおう。


結真: え?さくの?


桜: ギクッ…間違った、お父さんの分だよ。


結真: 笑、まぁいいわ。じゃあ、帰ろっか。


美月: うん!


蓮花: はーい!


桜: 帰りは降りるだけだから、楽。


守里: 笑、そうだね…



お父さんとお話か…


僕も、ちゃんと話さないと。

父さんと。



こうして、守里達はお墓参りを終え、家に帰った。


◇◇◇◇


守里の家



結真: 明後日が、みんなで海に行く日だったよね?


美月: そうだよ!


結真: 結局、誰誰で行くの?


美月: う~んとね、私、守里、桜、飛香、日向子、春時、祐希、香蓮、かっきー、さぁちゃん、やんちゃん、たまちゃん。


結真: 仲良しグループか笑


守里: ま、そうだね。


美月: ほんと楽しみ!


結真: 笑、水着は買った?


美月: もちろん!女子はみんなで買いに行ったんだ。


結真: そう笑、守里達は?


守里: 僕と春時は、元々持ってたからね。


結真: にしても男子が2人だけとは、ハーレムじゃん。


守里: 笑、確かに。でもそんなことよりも、面倒を見るのが大変そうで、もう今から不安だよ。


結真: あ~なるほど。メンツを考えると不安か笑


美月: 大丈夫だって守里!私もいるし。


守里: いや、美月はどちらかと言うと、面倒を見るのが大変な方だよ。


美月: え?


結真: 笑、面倒を見る方は、守里と春時君、飛香ちゃん、梅ちゃん、柿谷ちゃんぐらいかな。


守里: うん。僕もそう考えてる。あとはまぁ、紗耶ちゃんも、こっち側だと思う。


結真: ふ~ん。


美月: 私だって、しっかりしてるんだから、大丈夫だって!!


守里: 笑、分かった。期待しとく。


結真: うーん、あとは、アレが心配だね。


美月: アレ?


結真: ナンパ。


美月: ナンパ?そんなの来ないって。


結真: いや、絶対来るよ。だって、何故かは分からないけど、その仲良しグループの女子、みんな可愛いから。


美月: そう?守里、可愛いと思う?


守里: まぁ、そうだね。確かに、狙われる可能性はかなり高いかも…


美月: へぇ~ニヤニヤ


結真: 美月、顔が緩んでるわよ。


美月: 笑、だって嬉しいんだもん!


結真: 私も海とか行ったら、よくやられてたんだ。


守里: でしょうね笑。ちなみにその時はどうやって対処したの?


結真: 私の場合は、ほら、ななみんがいたから。


守里: あ、なるほど。絶対安心だ。


結真: それと、みんな気が強めだったからね。


美月: じゃあ、私達も強気でいれば大丈夫?


結真: 絶対に相手の押しに負けないよう言い返すのが大事かな。


美月: 勉強になります!


守里: 男子が2人しかいないから、できるだけ固まって動きつつ、別行動する時も、絶対に僕か春時がついて行くようにすれば、どうにかなるか…


美月: あとは、香蓮もその役割担えるんじゃない?


守里: 笑、だね。香蓮も護衛に回ってもらお。


結真: いや~1番スタイルが良くて、美人な梅ちゃんが、護衛とは、ナンパ師達も思わないだろうね。


美月: 笑、確かに。


守里: それでも3人…


結真: まだ心配?


守里: うん…あと1人男子、誘うか?


美月: え?でも、誰か誘えそうな人いる?


守里: みんなとある程度面識があって、信頼できる男となると………あ、1人いた。


美月: 誰?


守里: 笑、それは…


◇◇◇


守里の部屋


よし、追加の男子にも連絡して、OKもらえた。

あとは…



守里: 父さん…



前々から話さないととは思ってたけど、さすがにもう連絡取らないと、どんどん後回しになってきそうだから。


普段使いの携帯とは別の、防衛団と連絡を取る専用の携帯を取り出す。



守里: ふぅ…



ブーブー


繋がらないかな。

防衛団の団長だから、忙しいだろうし…


また今度…


ピ


繋がった?



守里 T: もしもし?


景信 T: よっ!守里。久しぶり。


守里 T: 父さん。久しぶり。


景信 T: 話すのどんぐらいぶりだ?4ヶ月ぶりぐらいか?


守里 T: そうだね。


景信 T: 笑、最近どうだ?美月ちゃん達とは仲良くやれてる?


守里 T: うん。みんな仲良しだよ。


景信 T: そうかそうか笑、じゃあ学校は?


守里 T: いつものごとく、みんなでワイワイと楽しく過ごしてるよ。あ、勉強も良い感じ。


景信 T: おう!さすが俺の息子だ。


守里 T: 笑


景信 T: 笑、まぁ雑談はここまでにするか。


守里 T: …うん。


景信 T: なにか聞きたいことがあるんだろ?


守里 T: そう。聞きたいことがある。


景信 T: それは、電話越しじゃ無理なやつだろうな。俺の予想だと。


守里 T: 笑、正解。だから会って話したい。


景信 T: 分かった。ちょうど俺も会って話さないとと思ってたから。


守里 T: そうなんだ。


景信 T: で、何時がいい?


守里 T: お盆の最後は?


景信 T: 16日か。うん。問題ない。


守里 T: じゃあ、その日が良い。


景信 T: 了解。


守里 T: 行く方法は?


景信 T: この前と同じで行くか。だから、そうだな…朝10時にギフトモールの地下駐車場に来てくれ。森田と矢口に迎えに行かせるから。


守里 T: うん。


景信 T: じゃ、そういうことで。あと話すことは?


守里 T: ないよ。


景信 T: 笑、また今度な。


守里 T: またね。



ピ


明明後日か…


僕のこの力のことを、父さんなら絶対に知ってる。


みんなを守るために、この力をちゃんと理解しとかないとだからな。

それに、防衛団についても、もっと知らないとだし。


父さんと面と向かって、ちゃんと話そう。




to be continued
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