ただ守りたい…〜大事な人を守るには、金と権力と腕っ節…あと諦めない心が必要です〜

ドラると

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第5章 夏休み編

第147話「お墓参り」

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夏休みの第二週


月曜日は、守里と一切目を合わせず、顔を真っ赤にしていた飛香の誕生日を盛大にお祝いし、バイトがある日は、祐希と七星が加わったこともあり、なんとか仕事をこなし、風紀委員の見回りも美月と一緒に楽しく行った守里。


そして、お盆に入ってすぐの頃…



結真: ねぇ、守里。



ソファに座り、お昼寝している蓮花を膝に乗せながら、テレビを見ている守里に、キッチンから話しかける結真。



守里: ん?なに?


結真: 明日さ、ちょっと私達出掛けるんだけど…


守里: 4人共?


結真: うん…


守里: 分かった。ちなみに、どこ行くか聞いても?


結真: えーっとね…


守里: あ、言い難い事だった?ごめん。


結真: いや、そういうわけでもないんだけど…あのね、お父さんのお墓参りに行こうと思ってるの。


守里: なるほど、確かに僕には言いづらいか笑


結真: ごめん。


守里: なんで謝るの?笑、別に大丈夫だって。


結真: ありがと笑


守里: 毎年行ってるの?


結真: お墓ができてからは、度々お母さんと一緒に5人で行ってた。まぁ去年の夏からはアレだったけど…


守里: そっか。かおりさん…いや、お義母さんとは連絡取れたの?明日行くっていう。


結真: それが、一緒に行くのは無理って言われちゃってね。



まぁ、そうだよな。

おそらくだけど、お義母さんは防衛団でも中々の地位についてるみたいだし。

アンチが片付くまでは、みんなで出掛けるみたいなことはできないか…



守里: …


結真: どうしたの?急に怖い顔になってたけど…


守里: え?いや、なんでもないよ。



おっと、顔に出ちゃってたか。



結真: そう?


守里: うん…あ、あのさ、僕もそのお墓参り行っちゃダメかな?


結真: 守里も?もちろんかまわないけど…


守里: 僕も結真姉さん達の家族として、挨拶しとかないと。


結真: 笑、OK。じゃあ一緒に行こ。


守里: うん!


蓮花: う、う~ん…zzzz


結真: 笑、蓮花も返事したね。


守里: だね笑ナデナデ


蓮花: フフフ…zzzz


結真: あら笑、本当は起きてるんじゃない?


守里: 笑、かもね。でも僕も、こんなに気持ち良さそうな寝顔見れてるから、嬉しいんだよ。


結真: ふ~ん、お兄ちゃんの役得だね笑


守里: ほんと可愛い笑


結真: 私は?笑


守里: そりゃもちろん、美人さんですよ、結真姉さんも笑


結真: 可愛くはないの?笑


守里: 結真姉さんはどちらかって言うと、可愛いじゃなくて、美しいって感じかな。


結真: へぇ~エヘヘ



守里の言葉に顔がとろけてしまう結真。



結真: 嬉しいな~


ギュッ



背もたれの後ろから、結真が守里に抱きつくと...



守里: 美月見てないよね?キョロキョロ



すぐに部屋の中と扉の方を確認する。



結真: 美月は今、部屋で梅ちゃんと電話中じゃん笑


守里: そうなんだけどさ。最近、結真姉さんとか蓮花が僕に引っ付いてると、美月がすごい勢いで突っ込んでくるから…


結真: あぁ笑、確かに。獲物を見つけた猪のように突っ込んでくるもんね。


守里: 別に僕は大丈夫なんだけど、あんな勢いで来たら、そばにいる人も美月自身も怪我しそうで、怖いんだよ。


結真: 笑、美月に気をつけるよう言っとく。


守里: うん、よろしく。美月はあんまり僕の言うこと聞いてくれないんだよね。私の事、嫌いなの?とか聞いてきて、上目遣いで見てくるんだよ。


結真: それで守里は、諦めるしかなくなるんだ笑


守里: 残念ながら、あの目で訴えかけられたら無理だって笑


結真: そうなんだ笑。守里も大変ね、あざとい姉を持つと。


守里: 姉…う、うん…そうだ…ね…


結真: 笑、まだ認めてないの?


守里: そういうわけじゃないんだけど、なんか拒絶反応というかなんというか。


結真: そっか笑


守里: 美月にどうしても姉要素を感じないんだよ。


結真: う~ん、私には妹として接してくるから、それは分からないんだよね。


守里: だよね~ま、全然良いんだけど。今の感じで。


結真: 姉と言い張る妹が?


守里: だって、楽しいし、美月といると笑


結真: へぇ~そりゃ良かった良かった。


守里: なに?その反応笑


結真: なんでもないよ~っと…



守里から手を離した結真は、その隣に座り、伸びをする。



結真: ん!ふぅ~


守里: あ、あの今人気のアニメ見ない?


結真: 良いよ!



そうして、2人はスヤスヤと眠る蓮花と共に、アニメ鑑賞をした。


◇◇◇◇◇


翌日



蓮花: お兄ちゃん!こっち!


守里: あんまり引っ張らないでよ、蓮花。


美月: あ~暑い…


結真: 真夏日なんだから、しょうがないって。我慢しな。


桜: お水…ゴクゴク



結真達の父のお墓参りに向かう守里一行は、強い日差しを浴びながら、山を登っていた。



結真: 蓮花!コケないように!


蓮花: 分かってるって!


守里: 元気だね~


美月: これが歳の差か…


桜: 2歳差じゃん。


結真: そのセリフを言うには早すぎ。


美月: お姉ちゃんなら大丈夫?笑


結真: …そんなこと言う気力があるなら、心配する必要はなさそうね笑


桜: 結真お姉ちゃん、笑顔が怖いよ。


結真: フフフ笑


蓮花: うわっ、蛇じゃん。



ドタバタ



守里: ほんとだ。ほら、見て…って。



後ろを振り返る守里。



守里: え、遠くない?



さっきまで真後ろにいたはずの3人は、数メートル後方で足を震わせながら、守里と蓮花の方を、ただじっと見つめていた。



蓮花: そんなにビビらなくても良いじゃん!笑


守里: 蓮花以外、ダメなんだね笑


美月: だって蛇なんだよ!噛まれるかもじゃん!


守里: こっちから何もしなければ大丈夫だって。


蓮花: お姉ちゃん達、蓮花よりも年上なのにビビり!笑


美月: な…



無意識に美月達を挑発する蓮花。



守里: まぁまぁ、蓮花。誰にでも苦手なものはあるんだからさ…え?


桜: …



無表情で近づいてくる桜。



守里: 大丈夫なの?


桜: うん…大丈夫。蓮花より大人だからボソッ



出たな笑、白城姉妹で1番の負けず嫌いが。

大人しそうに見えて、桜は結構強めの精神を持ってるんだよな。



美月: わ、私だって…フン



桜の後に続いて、美月も1歩を踏み出す。



結真: ブルブル



しかし、結真だけは動かなかった。



蓮花: あ、蛇行っちゃった。


守里: もう蛇いないよ~


美月: ふぅ~良かった~


蓮花: 結真お姉ちゃん!早く来て!



スタスタスタスタ



結真: よし、進もう。



すぐに守里達の真横まで来た結真が、そう言う。



美月: 切り替え早っ笑


蓮花: さすが、お姉ちゃん笑


桜: 笑


守里: あと、どのくらいなの?


結真: う~ん、10分ぐらいかな。


守里: そっか。



白城姉妹の父の墓は、守里の家から離れた山の中腹にあり、山の麓から30分程、舗装されていない山道を登る必要がある。


白城家はアンチに狙われてたから、お義父さんのお墓とか、他の白城家に関するものは、できるだけ人の目につかない場所に置いとく必要があったんだろうな。

結真姉さんの話じゃ、お義母さんがいつの間にかお墓を建ててたみたいだし。


いや~こう山に登るってのも、暑くはあるけど自然を感じられて良いもんだ。


ん?でも、僕の家も中々、木の生い茂った中にあるけど…

まぁいいか、山の中は山の中だけど、感じは全然違うしね。



美月: ねぇ、守里、重くない?


守里: ん?このぐらい大丈夫だよ笑


美月: ほんと?


守里: 問題ないって笑、軽いヤツばっかだし。


美月: 笑、さすが力持ち!


結真: 男手があると、やっぱり違うわね~


守里: 別にバケツとか箒とかだけで、重いヤツはないんだから笑


桜: 去年までは、みんなで手分けして持って行ってたんだ~


蓮花: お兄ちゃんのおかげで凄い楽だよ!


守里: だったら良かった笑



お花は結真が持っているが、その他の清掃道具や線香、お供え物などは、全て守里が持って運んでいる。



美月: よし!あともうちょっと。


桜: このお地蔵さんが目安なんだ~


蓮花: ちょっと笑ってるんだよ、そのお地蔵さん。


守里: ふ~ん。



道の脇に座っている地蔵の顔を覗き込む守里。



守里: ほんとだ、若干微笑んでる。


桜: 昼は良いんだけどさ、夜に見るとちょっと怖いんだよ笑


守里: え?夜に来たことあるの?


桜: うん、1回だけ。さくが忘れ物しちゃって、お母さんと一緒に来たんだ。


美月: お姉ちゃんじゃ無理だね。


結真: そ、そんなこと…


守里: 笑


蓮花: あ!後ろに変な手が!


結真: キャァァアアア!!



こうして、みんなでワイワイと歩いて行った。




to be continued


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