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第5章 夏休み編
第138話「飛香とのデート 後編」
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水族館に来た、飛香と守里。
飛香: 次は…お、ペンギンゾーンじゃん。
守里: 外に出るのか。
飛香: ん?ちょうどペンギンショーが始まるみたい。
守里: ほんとだ。早く行こ。
飛香: うん!
2人は他のお客さんが多くいる中、空いている席を見つけ、そこに座る。
「ペンギンショーのスタートです!」
飛香: 見て!ペンギン出てきた笑
守里: トコトコ歩いてる…ん?(トコトコ?)
飛香: かわいい笑
守里: (なんか既視感が…)
1列になって歩くペンギンを見ながら、考える守里。
飛香: へぇ~あんな感じで…
守里: あ…笑(飛香に似てるのか。)
飛香: 守里?
守里: ど、どうした?笑
飛香: なんか…失礼なこと考えてない?
守里: え…ぜ、全然、そんなことないよ。
飛香: そう?ならいいや。うわ~
守里: (前言撤回、飛香はペンギンじゃなくて、あの悪魔…)
「悪魔?」
守里: ブルブル(遠隔の威嚇…申し訳ございません…)
飛香: 見て、魚丸呑みしてるんだけど笑
守里: あんな可愛いなりして、食事はアレだな笑
飛香: 丸呑みタイプ笑
守里: 祐希と真反対だ笑
飛香: あの子はちょこちょこ食べつつ、ほっぺを満杯にするタイプだもんね。
守里: じゃあ、リスタイプか笑
飛香: なるほど笑。祐希はリスタイプ…なら誰か、ペンギンタイプも見つけないと笑
守里: いるかな?笑
こんな感じで2人でペンギンショーを楽しんだ。
◇◇◇
飛香: 結構見てきたよね。
守里: だね。多分そろそろラストなんじゃない?
飛香: うん…大トリは…あ、やっぱり…
守里: イルカだ。
飛香: 守里知ってる?
守里: 何を?
飛香: イルカとシャチとクジラの主な違いって体の大きさだけなんだって。
守里: え?マジ?初耳。
飛香: 笑、少し前に本で読んだんだ~
守里: へぇ~
飛香: あぁ…出口って書いてある。
守里: やっぱり終わりだったか。
飛香: あっという間だった。
守里: 確かに笑
飛香: 今、ちょうどお昼じゃん。
守里: そうだね…っと、飛香が言ってたレストランじゃない?あれ。
飛香: あ、そうそう。とりんぎょ亭。
守里: とりんぎょ亭?
飛香: うん。とりんぎょ亭。ほら、看板にも書いてある。
守里: ほんとだ…
飛香: まぁちょうどお腹も空いてきたし、入ろ。
守里: うん。
2人はレストランに入った。
守里: メニュー表…色々あるね。
飛香: なんか、守里んとこのカフェみたい。
守里: 笑、うちの方がメニュー多いよ。
飛香: よくアレで店回せるよね笑
守里: それがさ、前はまだお客さん少なかったから良かったんだけど…あ、この魚ハンバーグ美味そう。
飛香: え、どれ?
守里: これ。
飛香: うわ、マジじゃん…
守里: 飛香はどうする?
飛香: どれにしよう…そのハンバーグも美味しそうだけど、この海鮮丼も捨てがたい…
守里: 笑、僕の分けてあげるから。
飛香: ありがと笑。じゃあ海鮮丼にしよ!
守里: 注文しよっか。
そうして、守里と飛香は料理を注文し…
守里: 2人分揃ったし、食べよう。
飛香: うん!いただきます。
守里: いただきます。
飛香: パク…うまい。
守里: やっぱ、魚最高…
飛香: 笑、さっきまで綺麗綺麗言って、魚を見てたのに、もう美味い美味い言って、魚を食べてるの面白い。
守里: しょうがないよ笑
飛香: 笑…それで、さっきの続きは?モグモグ
守里: え?
飛香: ほら、この前まではお客さんが少ない~みたいなのの続き。
守里: あぁ。それがさ、なんと夏休み入ってから、お客さんがめちゃくちゃ来るようになって。
飛香: え?あのカフェに?
守里: うん。僕もびっくりして、あの時はほんと大変だった。
飛香: どうにかはなったんだ…でも、店長さん含めて、4人しかいないんでしょ?これからキツいんじゃない?
守里: そうだったんだけど…バイトが増えて、なんとかなりそうだよ。
飛香: 新しいバイト入れたんだ。
守里: そう、飛香も知ってる人。
飛香: え?誰?
守里: 七星さんと祐希。
飛香: は?ほんとに言ってる?
守里: うん。この前、カフェに来てくれた時に、その忙しいってことを相談したら、夏休み期間中だけ、バイトに入ってくれることになったの。
飛香: …
守里: 珠美に聞いた感じ、2人とも凄い仕事できるみたいだから、安心したよ笑モグモグ
飛香: へ、へぇ…良かったじゃん…
まさか七星先輩と祐希が、あそこでバイトすることになるとは…
夏休み期間中だけって言っても…
やっぱり、会う機会が多くなるってことは、それだけ…
飛香: …
守里: ?どうしたの?飛香?
飛香: っ!!え?な、なんでもないよ。
守里: …あ、ごめんごめん笑、忘れてた。
飛香: ん?
守里: はい、分けてあげる約束だったね。
飛香: あぁ。
守里はハンバーグを切り分け始め、飛香もそれに反応するが…
海鮮丼の皿にハンバーグ置くわけにもいかないよね…
どうしよう…
店員さんに小皿をもらおっかな…
守里: はい、飛香。
守里はフォークに刺したハンバーグを、飛香の元へ。
飛香: ちょっと待って、店員さんに…
守里: え?ほら、口開けて。
飛香: は?ちょっ…////
守里: あ~ん。
飛香は思わず口を開けてしまう。
守里: ほい。
飛香: パク…/////
飛香の開いた口の中に、ハンバーグを突っ込む守里。
飛香: /////モグモグ
守里: どう?
飛香: お、美味しい…//////
守里: でしょ?笑モグモグ
な、なにやってんの?!!!守里!!!!
と、突然あ~んだなんて…
守里につられて、思わず受け入れちゃったけど…
恥ずかしい!!!!
で、でも、嬉しい!!!!!
頭の中で叫び続ける飛香であった。
守里: (なんか飛香、顔赤い?いや、ライトが反射してるだけか……にしても美味い、この魚ハンバーグ…家で再現できるかな?)
しばらくして…
飛香: パク…パク…
守里: ふぅ…
守里は食べ終わり、飛香は少しずつ海鮮丼を食べ進めていた。
守里: 笑、ちょっと量多かった?残り食べよっか?
飛香: 問題ない…全部私が食べる。
守里: そう笑…この後ってさ~
ピンポンパンポーン
守里: ん?なんだろ。
飛香: パク…
「15分後にイルカ広場で、イルカショーが始まります。元気いっぱいなイルカ達が…」
守里: おい、飛香。イルカショーだってよ!
飛香: …行く。
守里: なら、早く食べな!えーっと、イルカ広場は…
飛香: うん…モグモグ
飛香はアナウンスを聞いて、食べるペースを上げ、守里はカバンの中にしまったルーズリーフを取り出し、イルカ広場の場所を確認する。
守里: あ、あった。さっきのペンギンショーがあったとこの近くだ。確か、再入場はこのブレスレットがあれば問題なかったよな、飛香。
飛香: うん…モグモグ…
守里: 笑、パンパンじゃん。
飛香: …////うるさい…
守里: ほら、早く食べて。間に合わないよ笑
飛香: 分かってる!モグモグ
すぐに飛香は食べ終わり、2人は急いでイルカ広場に向かった。
◇◇◇
守里: はぁ…何とか間に合ったな。
飛香: ハァハァハァ…
守里: 息切れすぎ笑
飛香: 私は体力がないんだって…
守里: でも、ここの席、ちょっと心配じゃない?
飛香: しょうがないでしょ。ここしか空いてなかったんだから。
守里: そうだけど…最前列だよ。
飛香: …まぁ、水が飛んできそうになったら、このシートを被ればいけるって。
守里: う、うん…(そんな一瞬の反応が飛香にできるだろうか。)
飛香: …ふぅ…
守里: ほんとに飛香、いけるか?
飛香: ………無理。守里、守って。
守里: 了解笑(今日はなんか…素直だな。)
飛香: …///
守里: あ、トレーナーさん出てきた。
飛香: もうそろそろ始まりそう。
「それでは!イルカショースタートです!!」
イルカショーが始まり、4頭のイルカが、トレーナーさんと協力して、様々な技を披露していく。
守里: 凄い…
飛香: ほんと…
そして、イルカショーも終盤に入り…
「ここで、お客様のどなたかに、協力してもらおうと思います!」
守里: トレーナーさんを手伝うのかな?
飛香: ボール持ったりするんじゃない?
「では、最前列にいるカップルさん!」
守里: ん?トレーナーさん、僕達のこと指してない?
飛香: いや、私達カップルじゃないし。
守里が自分に指をさして、自分ですか?みたいなジェスチャーをすると…
「はい!そこのカップルさんです!前にどうぞ!」
そう言って、トレーナーさんが近づいてくる。
飛香: いや、私達カップルじゃ…
飛香がそう言い切ろうとしたが…
守里: まぁ良いじゃん笑。ここは楽しも!飛香!
飛香: っ!!守里…うん!!
そうして、2人は前に出て、イルカと1つの技を成功させた。
「ありがとうございました!!皆さん、素敵なカップルさんに拍手を!!」
パチパチパチパチパチ!!!
広場に拍手が鳴り響く。
守里: 成功して良かった笑
飛香: 笑、なんか恥ずかしいね。
守里: 確かに笑
少し俯きながら、2人は元の席に戻った。
そんな飛香の顔はものすごく赤かった。
「では、最後の大技です!!最前列の方、水が飛ぶので、技を繰り出す時には、お持ちいただいてる透明なシートを被ってください!」
守里: だってよ、飛香。
飛香: ニヤニヤ
守里: 良かったな。事前に注意してくれて。
飛香: ニヤニヤ
守里: ほら、準備しよ。
飛香: ニヤニヤ
守里: え?飛香?
飛香: ニヤニヤ
飛香はさっきのカップルと呼ばれたことが嬉しすぎで、笑顔のまま、妄想の世界に旅立っていた。
「では、行きます!!」
守里: お、おい!
バッシャーーーーン
最前列に水が飛ぶ。
「成功です!!皆さん、拍手を!!!」
パチパチパチパチパチ!!
飛香: え?あ、守里?!///
拍手の音で、現実世界に戻ってきた飛香は、自分に覆いかぶさる守里に驚く。
守里: 濡れては…ないな。
飛香: な、なにを///
守里: いや、飛香が全然シート被ろうとしないからさ、僕のシートを一緒に被ったんだけど…
飛香: あ、あぁ、ごめん///
守里: 笑、2人とも濡れなかったんだから、良いよ。
飛香: …
守里: これで、飛香の命令も達成だ。
飛香: 命令?
守里: ほら、初めに言ってたじゃん、私を守ってって。
飛香: そ、そんなこと言った?///
守里: 言った笑
「これでイルカショーを終わります!ありがとうございました!!」
パチパチパチパチパチ!!!
守里: よし、行こ。
飛香: うん。
守里: さ、どうする?次は。
飛香: う~ん…帰るか。
守里: 笑、OK。
飛香: なんか、また見たいやつでもあった?
守里: いや、ないよ笑…あ、でもちょっと待って。
飛香: ん?
守里: お土産コーナーに行きたい。
飛香: 誰かに買うの?
守里: うん。結真姉さんと桜に、お土産待ってるって言われちゃったから笑
飛香: そっか笑、じゃあ行こう!
そうして、2人はお土産コーナーへ。
守里: 適当に買ってくるから、ちょっと待ってて。
飛香: うん。
守里は家族へのお土産を探しに行った。
飛香: …
本当は、まだ守里と一緒にいたいけど…
正直、もう私がもたないよ///
あの、ハンバーグをあ~んされたところから、ずっと心臓バクバクいってるし…
私、このまま心臓破裂するんじゃ…
いやいや、ダメダメ…
こんなとこでお亡くなりになるわけにはいかない!
だから、今日はこの辺にしておいてやるんだ。
うん、そうするのが良い!
守里、まだかな~
ふ~ん、結構、色んなお土産がある…
飛香も周りのお土産を見始める。
飛香: キーホルダーにぬいぐるみ…って、え?
すごく目を惹かれた被り物を手に取る。
飛香: とり…んぎょ?…ん?とりんぎょ?
あのレストランの名前じゃん。
なんかちょっと…かわいい笑
日向子に似合うかも笑
と、飛香が被り物を眺めていると…
守里: なに、飛香。それ欲しいの?笑
お土産を買い終わった守里が、飛香のところに帰ってきた。
飛香: ち、違うよ!ちょっと可愛いなって見てただけ!
守里: ふ~ん。なんかこれさ、日向子に似合いそうじゃない?
飛香: 笑、そうだね。
全く同じ感想かい笑
守里: でも、これプレゼントするのもな…笑
飛香: 確かに。
守里: よし、帰る?
飛香: う、うん…
このまま帰るのか…
寂しい…
守里: …ねぇ、このキーホルダー買ってかない?
飛香: え?
守里: 思い出としてさ。このキャラクター、飛香のお気に入りなんでしょ?この鳥なのか魚なのか分からないやつ。
飛香: 良いの?
守里: もちろん笑。じゃ、買ってくるから。
そう言って、守里はキーホルダーを2つ手に取ってレジへ。
守里…やっぱり優しい…
思い出としてか…嬉しいな~
守里と2人だけの思い出…
守里: はい、これ飛香の。
飛香: ありがとう。
守里: どこに付けようかな~
飛香: カバンとか?
守里: そうだね笑
そして、2人は水族館を出て、帰路に着いた。
◇◇◇◇
飛香の家の前
飛香: …
もう着いちゃった…
早かったな~
まだ一緒に…
守里: 今日は誘ってくれてありがとう。
飛香: ううん…私の方こそ。
守里: 飛香は楽しかった?
守里は飛香の目を見て聞く。
飛香: …もちろん…すっごい、楽しかったよ!!ニコッ
守里: っ!!//
飛香: じゃあね!!
バタン
飛香: はぁ…笑
本当に…楽しかった。
守里の好きな人に1歩、近づけたかな?
…
このキーホルダー、大切にしよう。
to be continued
飛香: 次は…お、ペンギンゾーンじゃん。
守里: 外に出るのか。
飛香: ん?ちょうどペンギンショーが始まるみたい。
守里: ほんとだ。早く行こ。
飛香: うん!
2人は他のお客さんが多くいる中、空いている席を見つけ、そこに座る。
「ペンギンショーのスタートです!」
飛香: 見て!ペンギン出てきた笑
守里: トコトコ歩いてる…ん?(トコトコ?)
飛香: かわいい笑
守里: (なんか既視感が…)
1列になって歩くペンギンを見ながら、考える守里。
飛香: へぇ~あんな感じで…
守里: あ…笑(飛香に似てるのか。)
飛香: 守里?
守里: ど、どうした?笑
飛香: なんか…失礼なこと考えてない?
守里: え…ぜ、全然、そんなことないよ。
飛香: そう?ならいいや。うわ~
守里: (前言撤回、飛香はペンギンじゃなくて、あの悪魔…)
「悪魔?」
守里: ブルブル(遠隔の威嚇…申し訳ございません…)
飛香: 見て、魚丸呑みしてるんだけど笑
守里: あんな可愛いなりして、食事はアレだな笑
飛香: 丸呑みタイプ笑
守里: 祐希と真反対だ笑
飛香: あの子はちょこちょこ食べつつ、ほっぺを満杯にするタイプだもんね。
守里: じゃあ、リスタイプか笑
飛香: なるほど笑。祐希はリスタイプ…なら誰か、ペンギンタイプも見つけないと笑
守里: いるかな?笑
こんな感じで2人でペンギンショーを楽しんだ。
◇◇◇
飛香: 結構見てきたよね。
守里: だね。多分そろそろラストなんじゃない?
飛香: うん…大トリは…あ、やっぱり…
守里: イルカだ。
飛香: 守里知ってる?
守里: 何を?
飛香: イルカとシャチとクジラの主な違いって体の大きさだけなんだって。
守里: え?マジ?初耳。
飛香: 笑、少し前に本で読んだんだ~
守里: へぇ~
飛香: あぁ…出口って書いてある。
守里: やっぱり終わりだったか。
飛香: あっという間だった。
守里: 確かに笑
飛香: 今、ちょうどお昼じゃん。
守里: そうだね…っと、飛香が言ってたレストランじゃない?あれ。
飛香: あ、そうそう。とりんぎょ亭。
守里: とりんぎょ亭?
飛香: うん。とりんぎょ亭。ほら、看板にも書いてある。
守里: ほんとだ…
飛香: まぁちょうどお腹も空いてきたし、入ろ。
守里: うん。
2人はレストランに入った。
守里: メニュー表…色々あるね。
飛香: なんか、守里んとこのカフェみたい。
守里: 笑、うちの方がメニュー多いよ。
飛香: よくアレで店回せるよね笑
守里: それがさ、前はまだお客さん少なかったから良かったんだけど…あ、この魚ハンバーグ美味そう。
飛香: え、どれ?
守里: これ。
飛香: うわ、マジじゃん…
守里: 飛香はどうする?
飛香: どれにしよう…そのハンバーグも美味しそうだけど、この海鮮丼も捨てがたい…
守里: 笑、僕の分けてあげるから。
飛香: ありがと笑。じゃあ海鮮丼にしよ!
守里: 注文しよっか。
そうして、守里と飛香は料理を注文し…
守里: 2人分揃ったし、食べよう。
飛香: うん!いただきます。
守里: いただきます。
飛香: パク…うまい。
守里: やっぱ、魚最高…
飛香: 笑、さっきまで綺麗綺麗言って、魚を見てたのに、もう美味い美味い言って、魚を食べてるの面白い。
守里: しょうがないよ笑
飛香: 笑…それで、さっきの続きは?モグモグ
守里: え?
飛香: ほら、この前まではお客さんが少ない~みたいなのの続き。
守里: あぁ。それがさ、なんと夏休み入ってから、お客さんがめちゃくちゃ来るようになって。
飛香: え?あのカフェに?
守里: うん。僕もびっくりして、あの時はほんと大変だった。
飛香: どうにかはなったんだ…でも、店長さん含めて、4人しかいないんでしょ?これからキツいんじゃない?
守里: そうだったんだけど…バイトが増えて、なんとかなりそうだよ。
飛香: 新しいバイト入れたんだ。
守里: そう、飛香も知ってる人。
飛香: え?誰?
守里: 七星さんと祐希。
飛香: は?ほんとに言ってる?
守里: うん。この前、カフェに来てくれた時に、その忙しいってことを相談したら、夏休み期間中だけ、バイトに入ってくれることになったの。
飛香: …
守里: 珠美に聞いた感じ、2人とも凄い仕事できるみたいだから、安心したよ笑モグモグ
飛香: へ、へぇ…良かったじゃん…
まさか七星先輩と祐希が、あそこでバイトすることになるとは…
夏休み期間中だけって言っても…
やっぱり、会う機会が多くなるってことは、それだけ…
飛香: …
守里: ?どうしたの?飛香?
飛香: っ!!え?な、なんでもないよ。
守里: …あ、ごめんごめん笑、忘れてた。
飛香: ん?
守里: はい、分けてあげる約束だったね。
飛香: あぁ。
守里はハンバーグを切り分け始め、飛香もそれに反応するが…
海鮮丼の皿にハンバーグ置くわけにもいかないよね…
どうしよう…
店員さんに小皿をもらおっかな…
守里: はい、飛香。
守里はフォークに刺したハンバーグを、飛香の元へ。
飛香: ちょっと待って、店員さんに…
守里: え?ほら、口開けて。
飛香: は?ちょっ…////
守里: あ~ん。
飛香は思わず口を開けてしまう。
守里: ほい。
飛香: パク…/////
飛香の開いた口の中に、ハンバーグを突っ込む守里。
飛香: /////モグモグ
守里: どう?
飛香: お、美味しい…//////
守里: でしょ?笑モグモグ
な、なにやってんの?!!!守里!!!!
と、突然あ~んだなんて…
守里につられて、思わず受け入れちゃったけど…
恥ずかしい!!!!
で、でも、嬉しい!!!!!
頭の中で叫び続ける飛香であった。
守里: (なんか飛香、顔赤い?いや、ライトが反射してるだけか……にしても美味い、この魚ハンバーグ…家で再現できるかな?)
しばらくして…
飛香: パク…パク…
守里: ふぅ…
守里は食べ終わり、飛香は少しずつ海鮮丼を食べ進めていた。
守里: 笑、ちょっと量多かった?残り食べよっか?
飛香: 問題ない…全部私が食べる。
守里: そう笑…この後ってさ~
ピンポンパンポーン
守里: ん?なんだろ。
飛香: パク…
「15分後にイルカ広場で、イルカショーが始まります。元気いっぱいなイルカ達が…」
守里: おい、飛香。イルカショーだってよ!
飛香: …行く。
守里: なら、早く食べな!えーっと、イルカ広場は…
飛香: うん…モグモグ
飛香はアナウンスを聞いて、食べるペースを上げ、守里はカバンの中にしまったルーズリーフを取り出し、イルカ広場の場所を確認する。
守里: あ、あった。さっきのペンギンショーがあったとこの近くだ。確か、再入場はこのブレスレットがあれば問題なかったよな、飛香。
飛香: うん…モグモグ…
守里: 笑、パンパンじゃん。
飛香: …////うるさい…
守里: ほら、早く食べて。間に合わないよ笑
飛香: 分かってる!モグモグ
すぐに飛香は食べ終わり、2人は急いでイルカ広場に向かった。
◇◇◇
守里: はぁ…何とか間に合ったな。
飛香: ハァハァハァ…
守里: 息切れすぎ笑
飛香: 私は体力がないんだって…
守里: でも、ここの席、ちょっと心配じゃない?
飛香: しょうがないでしょ。ここしか空いてなかったんだから。
守里: そうだけど…最前列だよ。
飛香: …まぁ、水が飛んできそうになったら、このシートを被ればいけるって。
守里: う、うん…(そんな一瞬の反応が飛香にできるだろうか。)
飛香: …ふぅ…
守里: ほんとに飛香、いけるか?
飛香: ………無理。守里、守って。
守里: 了解笑(今日はなんか…素直だな。)
飛香: …///
守里: あ、トレーナーさん出てきた。
飛香: もうそろそろ始まりそう。
「それでは!イルカショースタートです!!」
イルカショーが始まり、4頭のイルカが、トレーナーさんと協力して、様々な技を披露していく。
守里: 凄い…
飛香: ほんと…
そして、イルカショーも終盤に入り…
「ここで、お客様のどなたかに、協力してもらおうと思います!」
守里: トレーナーさんを手伝うのかな?
飛香: ボール持ったりするんじゃない?
「では、最前列にいるカップルさん!」
守里: ん?トレーナーさん、僕達のこと指してない?
飛香: いや、私達カップルじゃないし。
守里が自分に指をさして、自分ですか?みたいなジェスチャーをすると…
「はい!そこのカップルさんです!前にどうぞ!」
そう言って、トレーナーさんが近づいてくる。
飛香: いや、私達カップルじゃ…
飛香がそう言い切ろうとしたが…
守里: まぁ良いじゃん笑。ここは楽しも!飛香!
飛香: っ!!守里…うん!!
そうして、2人は前に出て、イルカと1つの技を成功させた。
「ありがとうございました!!皆さん、素敵なカップルさんに拍手を!!」
パチパチパチパチパチ!!!
広場に拍手が鳴り響く。
守里: 成功して良かった笑
飛香: 笑、なんか恥ずかしいね。
守里: 確かに笑
少し俯きながら、2人は元の席に戻った。
そんな飛香の顔はものすごく赤かった。
「では、最後の大技です!!最前列の方、水が飛ぶので、技を繰り出す時には、お持ちいただいてる透明なシートを被ってください!」
守里: だってよ、飛香。
飛香: ニヤニヤ
守里: 良かったな。事前に注意してくれて。
飛香: ニヤニヤ
守里: ほら、準備しよ。
飛香: ニヤニヤ
守里: え?飛香?
飛香: ニヤニヤ
飛香はさっきのカップルと呼ばれたことが嬉しすぎで、笑顔のまま、妄想の世界に旅立っていた。
「では、行きます!!」
守里: お、おい!
バッシャーーーーン
最前列に水が飛ぶ。
「成功です!!皆さん、拍手を!!!」
パチパチパチパチパチ!!
飛香: え?あ、守里?!///
拍手の音で、現実世界に戻ってきた飛香は、自分に覆いかぶさる守里に驚く。
守里: 濡れては…ないな。
飛香: な、なにを///
守里: いや、飛香が全然シート被ろうとしないからさ、僕のシートを一緒に被ったんだけど…
飛香: あ、あぁ、ごめん///
守里: 笑、2人とも濡れなかったんだから、良いよ。
飛香: …
守里: これで、飛香の命令も達成だ。
飛香: 命令?
守里: ほら、初めに言ってたじゃん、私を守ってって。
飛香: そ、そんなこと言った?///
守里: 言った笑
「これでイルカショーを終わります!ありがとうございました!!」
パチパチパチパチパチ!!!
守里: よし、行こ。
飛香: うん。
守里: さ、どうする?次は。
飛香: う~ん…帰るか。
守里: 笑、OK。
飛香: なんか、また見たいやつでもあった?
守里: いや、ないよ笑…あ、でもちょっと待って。
飛香: ん?
守里: お土産コーナーに行きたい。
飛香: 誰かに買うの?
守里: うん。結真姉さんと桜に、お土産待ってるって言われちゃったから笑
飛香: そっか笑、じゃあ行こう!
そうして、2人はお土産コーナーへ。
守里: 適当に買ってくるから、ちょっと待ってて。
飛香: うん。
守里は家族へのお土産を探しに行った。
飛香: …
本当は、まだ守里と一緒にいたいけど…
正直、もう私がもたないよ///
あの、ハンバーグをあ~んされたところから、ずっと心臓バクバクいってるし…
私、このまま心臓破裂するんじゃ…
いやいや、ダメダメ…
こんなとこでお亡くなりになるわけにはいかない!
だから、今日はこの辺にしておいてやるんだ。
うん、そうするのが良い!
守里、まだかな~
ふ~ん、結構、色んなお土産がある…
飛香も周りのお土産を見始める。
飛香: キーホルダーにぬいぐるみ…って、え?
すごく目を惹かれた被り物を手に取る。
飛香: とり…んぎょ?…ん?とりんぎょ?
あのレストランの名前じゃん。
なんかちょっと…かわいい笑
日向子に似合うかも笑
と、飛香が被り物を眺めていると…
守里: なに、飛香。それ欲しいの?笑
お土産を買い終わった守里が、飛香のところに帰ってきた。
飛香: ち、違うよ!ちょっと可愛いなって見てただけ!
守里: ふ~ん。なんかこれさ、日向子に似合いそうじゃない?
飛香: 笑、そうだね。
全く同じ感想かい笑
守里: でも、これプレゼントするのもな…笑
飛香: 確かに。
守里: よし、帰る?
飛香: う、うん…
このまま帰るのか…
寂しい…
守里: …ねぇ、このキーホルダー買ってかない?
飛香: え?
守里: 思い出としてさ。このキャラクター、飛香のお気に入りなんでしょ?この鳥なのか魚なのか分からないやつ。
飛香: 良いの?
守里: もちろん笑。じゃ、買ってくるから。
そう言って、守里はキーホルダーを2つ手に取ってレジへ。
守里…やっぱり優しい…
思い出としてか…嬉しいな~
守里と2人だけの思い出…
守里: はい、これ飛香の。
飛香: ありがとう。
守里: どこに付けようかな~
飛香: カバンとか?
守里: そうだね笑
そして、2人は水族館を出て、帰路に着いた。
◇◇◇◇
飛香の家の前
飛香: …
もう着いちゃった…
早かったな~
まだ一緒に…
守里: 今日は誘ってくれてありがとう。
飛香: ううん…私の方こそ。
守里: 飛香は楽しかった?
守里は飛香の目を見て聞く。
飛香: …もちろん…すっごい、楽しかったよ!!ニコッ
守里: っ!!//
飛香: じゃあね!!
バタン
飛香: はぁ…笑
本当に…楽しかった。
守里の好きな人に1歩、近づけたかな?
…
このキーホルダー、大切にしよう。
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