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第5章 夏休み編
第137話「飛香とのデート 前編」
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8時30分頃
駅前広場
◈◈◈
守里: ちょっと早く着きすぎちゃったかな。
集合時間より30分も早く、集合場所に到着した守里。
守里: ま、適当に待っとくか。
そして5分後…
守里: …ん?
守里は、仕事へと向かう大人達が少し小走りで移動する中、キョロキョロしながら、こちらに向かって歩いている、顔の小さい女子を見つける。
守里: あ!飛香~
飛香: え?守里!
早く来すぎちゃったって思ってたのに…
守里: 飛香も早かったな笑
飛香: う、うん。守里はなんで?
守里: いや、普通に早く到着しすぎた。楽しみで。
飛香: そ、そう…
楽しみ…
守里もそう思って…
守里: ってかなんか、飛香…いつもと雰囲気違うね。
飛香: 変…かな?
守里: 笑、全然。いつものクール系と違って、可愛い系で、凄い似合ってる!
飛香: ///ありがとボソッ…
守里: どうする?もう出発する?
飛香: そうだね、早く行った方が良いだろうし。
守里: え?水族館って、ここの近くの水族館だよね?
飛香: 違うよ。
守里: あ、そうだったんだ。
飛香: ほら、行こ。
守里: うん。
そうして、飛香と守里は駅の中に入って行く。
守里: 飛香は、今から行く水族館に行ったことあるの?
飛香: いや、ないよ。
守里: ふ~ん。
飛香: 守里は?
守里: 僕もない。
飛香: そっか…
守里: …
飛香: …
守里: なんか、口コミとか見てる感じ、凄い楽しそう。
飛香: そうだね。
守里: …
飛香: …
守里: あ、ここ、ペンギンいるんだ。
飛香: へぇ~
守里: …
飛香: …
ど、どうしよう!
会話が全然続かない!!
いつも守里と一緒にいるはずなのに、めちゃくちゃ緊張する…
で、でも、ちゃんと話さないと…
いつも通り…いつも通り…
守里 飛香: あのさ!
被っちゃった!
飛香: あ、ごめん…先いいよ。
守里: うん。飛香、大丈夫?
飛香: え?
守里: なんかいつもと違うし、若干顔も赤い気がするし、体調悪いんじゃないかなって思って…
もう、なにやってんの?!私…
守里に心配させちゃって…
今更、緊張しちゃったら、せっかくのチャンスが勿体ないでしょ!
飛香: 笑、なんでもないよ。
守里: ほんと?
飛香: うん。お昼ご飯何食べよっかなって、考えてただけ。
守里: 笑、気が早すぎじゃない?まだ、9時前だよ。
飛香: いや、朝、あんまり食べてこなかったからさ。
守里: じゃあ、お昼、早めに食べよっか。
飛香: うん。今から行く水族館には、レストランがあるらしくて、そこの料理が美味しそうだったんだ。
守里: へぇ~楽しみ。
飛香: 私も笑
ここで、絶対にリードするんだ。
いつも通りに、私らしく…
だよね!
◆◆◆◆◆
昨日の夜
飛香の部屋
飛香: 明日、どうすれば…
守里を誘えたは良いものの…
私、こういうの全然分からない…
だ、誰か、こういうの得意な人…
守里に連絡した後、若干キャラ崩壊を起こしていた飛香は、誰かしら相談相手が欲しいと考え、必死に携帯の連絡先を漁る。
って、まず私、そこまで登録してる人、多くないじゃん!
う~ん…
誰が1番適任か…
まぁ、日向子とか祐希、やんちゃん、珠美は、色んな意味で論外として…
春時も嫌だ。
あとは、かっきーにさぁちゃん…でも、年下に相談するのは…
う~ん…
あ、コイツなら…
飛香 M: ねぇ、ちょっと相談があるんだけど。
10時過ぎてるけど、まぁ、起きてるでしょ。
飛香がメッセージを送ってすぐ…
ピロン
飛香: さっすが、返信早い。
東野 M: 相談?飛香が連絡してくるの珍しいね。
飛香が相談相手に選んだのは、東野であった。
飛香 M: ちょっと、色々あって。
東野 M: で、相談って?
あ、待って、どう相談しよう…
具体的に私の話をするのもアレだし…
飛香 M: 例えばなんだけど、澪奈が異性とお出かけするなら、どんな服装で行く?
こんな感じなら、大丈夫なはず…
東野 M: あぁ、飛香、守里君とデートするの?
は?!!!
で、デートじゃないし!
ってか、なんでそんな…
東野 M: よく誘えたね笑、頑張ったじゃん。
と、とにかく返信しないと…
飛香 M: そんなじゃないし。
東野 M: ふ~ん笑。それで誘えたは良いものの、どうすれば分からないから、私に連絡してきたって感じか。
めちゃくちゃ当たってる!
澪奈ってこんな頭良かったっけ?
私よりも、絶対賢い。
東野 M: 飛香っぽいわ笑
クソ…誤魔化しようがないじゃないか…
もう普通に相談しよ…
飛香 M: うん。
東野 M: 笑、認めたね。
な、ちょっとムカつく。
飛香 M: 良いから、質問に答えてよ。
東野 M: はいはい笑。デートの服装か。飛香は普段、黒多めで、クール系の服装が多いじゃん。
飛香 M: うん。
東野 M: だったら、いつもと違う、明るめのガーリーな服装とかどう?
ガーリーな服か…
飛香はクローゼットを開く。
確か、前に日向子と買い物行った時に…
あ、あった。
東野 M: 飛香、持ってる?
飛香 M: うん。トップス1着だけ持ってた。
東野 M: それに合わせる感じで、他の服とかアクセサリーは、選んでみたら?そういうセンスは飛香、抜群だし。
飛香 M: 分かった。
東野 M: 他に何かある?
その後も、色々と相談して…
東野 M: やっぱり、飛香、可愛いね。
飛香 M: なに言ってんの。
東野 M: いや~にしても、私に相談してくれるなんて、嬉しいな。
飛香 M: 私の持ってる連絡先の中で、唯一相談できそうなのが、澪奈しかいなかっただけ。
東野 M: 笑、それでもだよ。
飛香 M: 相談したいことはこれぐらいかな。
東野 M: そう?まだまだ聞いてあげるけど。
飛香 M: うん、あとは実際行ってみてから、考える。
東野 M: 飛香にそれができる?笑
飛香 M: は?できるよ。
東野 M: この調子じゃ、どうせ緊張して、何も考えられなくなるって。
う~ん、確かに一理ある…
飛香 M: どうすればいい?
東野 M: 笑、最初からちゃんと聞いときなさい。
飛香 M: ごめんって、それでどうすれば良いの?
東野 M: 飛香の場合は、いつも通りやってれば良いのよ。
飛香 M: いや、いつも通りって、違うでしょ。
東野 M: 違くない。絶対その方が良い。
飛香 M: なんで?
東野 M: そっちの方が変に空回りしないだろうし、飛香も気が楽でしょ。
飛香 M: うん。
東野 M: だから、初めてのデートなんだったら、基本はいつも通りな感じで、守里君と過ごせばいいから。
飛香 M: 本当に、いつも通りで良いんだね。
東野 M: そう。
いつも通りか…
東野 M: でも、一つだけ意識して。
飛香 M: ?
東野 M: いつもより、少しだけ素直になるの。
飛香 M: 素直に?
東野 M: 自分が思ったことを、ちゃんと表情とか言葉に出すようにしてってこと。
飛香 M: 分かった。
東野 M: 飛香は普段、自分の気持ちを他人に隠そうとするでしょ。
まぁ、確かに…
東野 M: だから、基本はいつも通りな感じで良いけど!自分の思ったことは素直に表情に出して、言葉に出してみて。そうすれば、絶対に大丈夫!
飛香 M: 頑張ってみる。
東野 M: 笑、応援してるよ。
飛香 M: ありがとう。
その後、スタンプのやり取りをして、飛香は携帯を手放した。
飛香: いつも通り…あと素直にか…
◆◆◆◆◆
水族館前
守里: おっきい…
飛香: 笑、そうだね。大きい。
守里: 入ろっか。
飛香: うん。
2人は水族館に入館した。
守里: えーっと、ルート的には…
守里は入口で取ったルーズリーフを眺める。
飛香: 順路、こっちだって。
守里: うん。最初は…
飛香: まぁまぁ、良いから、行ってみよ!
守里: 笑、そうだね。
飛香は先に進み、守里は手に持っていたルーズリーフをカバンに入れ、飛香について行く。
飛香: 見て、ニ○だよ。
守里: クマノミね笑
飛香: ここは、熱帯魚かな。
守里: っぽいね。ほら、ここに書いてある。
飛香: 本当にイソギンチャクと共生してんだ。
守里: 熱帯魚って、カラフルで見てて楽しい。
飛香: それ。
守里: 隣はタツノオトシゴか。
飛香: 熱帯魚の隣にタツノオトシゴ…
守里: 暖かい海シリーズなんじゃない?
飛香: なるほど。
守里: タツノオトシゴの尻尾に指を巻かれると、なんか幸運になるみたいなこと、聞いたことある。
飛香: へぇ~どこ情報?
守里: 覚えてない。
飛香: 笑、そっか。あ、ネコザメだ。
守里: ネコザメ…(日村おじさんに、似てるか?)
飛香: なんでネコザメなんだろう…顔が猫に似てるから?
飛香 守里: …
2人はじっと眺める。
飛香 守里: いや、そんなことないでしょ…笑
守里: 揃っちゃったね笑
飛香: 全く同じ感想笑
◇◇◇
守里: 一気に暗くなったな。
飛香: 笑、後ろから刺されないように。
守里: そんな縁起でもない冗談やめてよ笑
飛香: ごめんごめん笑
守里: あ、クラゲだ!
飛香: 映える…
守里: へぇ~ほぼ透明なのに…不思議。
飛香: 確かに…綺麗。
守里: クラゲってさ、毒持ってて危ないみたいなイメージしかなかったけど。
飛香: うん。
守里: 良いよね笑
飛香: どういう感想?まぁでも分かるわ。
守里: 笑、ほぼ同じにしか見えないのに、これもこれも種類が違うんだ~
飛香: 素人目には全く分からない。
守里: ふ~ん…ん?あれって…
飛香: ?
守里: イカが光ってる!
飛香: イカ?
守里: うん!ほら、見てよ。
飛香: ほんとだ…イカが光ってる。
守里: イカって光るんだ…イカは好きだけど知らなかったな…
飛香: それは食べるのがでしょ笑
守里: うん笑。でもイカ好きとして、これを知れてよかったよ。
飛香: 左様でございますか笑
守里: 光るシリーズはここまでっぽい。
飛香: だね。
守里: と次は、カニか。
飛香: あぁ~早く1月にならないかな。
守里: え?なんで?
飛香: なんか食べたくなって。カニを。
守里: 笑、水族館でカニを見ながら言うことじゃないよ。
飛香: 笑
◇◇◇
守里: 小さい魚の水槽か。
飛香: なんか美術館みたい笑
守里: こう、長い通路の両サイドに展示物が並べられてる感じね笑
飛香: うん笑
守里: それを狙ってなのか分からないけど、説明のところ額縁みたいなのに入ってるし笑
飛香: まんまとスタッフさんの思惑に引っかかってたのか…
守里: 飛香、残念笑
飛香: もう…
守里: 笑、待ってって。
飛香はトコトコと通路を進んでいき、開けた空間の前で立ち止まる。
飛香: …
守里: どうしたんだ?…おぉ…
暗い通路の先には、きらびやかな海の風景があった。
飛香: きれい…
一面に広がる水槽に近づいていく飛香。
守里: ほんと…すごい…
そして、ガラスの壁に手を付けながら、食い入るように風景を見る。
飛香: …
その1歩後ろから、守里も水槽を眺める。
守里: …
飛香の真ん丸で大きな目には、綺麗な海の風景が反射していた。
飛香: うわぁ…
そんな様子の飛香に、自然と目が引かれた守里。
守里: …笑
守里も飛香の隣まで歩みを進める。
飛香: 見て見て守里!あの魚!
守里: 笑、どれ?
飛香: あれだよあれ!
守里: どこだって笑
守里は、一生懸命、水槽の中の魚に指を指す、隣の飛香を見る。
飛香: だから、アレ!綺麗だよ!
守里: っ!!…
飛香: ねぇってば、見てる?
守里: …う、うん…
飛香: ほんと?笑
守里: 笑、ごめん、分かんない。
飛香: ほら、あそこの岩陰にいる!
守里: えーっと、あぁ!あの青いヤツか!
飛香: そうそう!
守里: 確かに綺麗だな。
飛香: 他にも、魚いっぱい…
守里: 笑
飛香: なに?
守里: いや笑
飛香: なによ!
守里: 子供っぽいなって思って笑
飛香: な///子供っぽいって言うな!
守里: ごめんごめん笑
飛香: もう行くよ!
守里: はーい笑
to be continued
駅前広場
◈◈◈
守里: ちょっと早く着きすぎちゃったかな。
集合時間より30分も早く、集合場所に到着した守里。
守里: ま、適当に待っとくか。
そして5分後…
守里: …ん?
守里は、仕事へと向かう大人達が少し小走りで移動する中、キョロキョロしながら、こちらに向かって歩いている、顔の小さい女子を見つける。
守里: あ!飛香~
飛香: え?守里!
早く来すぎちゃったって思ってたのに…
守里: 飛香も早かったな笑
飛香: う、うん。守里はなんで?
守里: いや、普通に早く到着しすぎた。楽しみで。
飛香: そ、そう…
楽しみ…
守里もそう思って…
守里: ってかなんか、飛香…いつもと雰囲気違うね。
飛香: 変…かな?
守里: 笑、全然。いつものクール系と違って、可愛い系で、凄い似合ってる!
飛香: ///ありがとボソッ…
守里: どうする?もう出発する?
飛香: そうだね、早く行った方が良いだろうし。
守里: え?水族館って、ここの近くの水族館だよね?
飛香: 違うよ。
守里: あ、そうだったんだ。
飛香: ほら、行こ。
守里: うん。
そうして、飛香と守里は駅の中に入って行く。
守里: 飛香は、今から行く水族館に行ったことあるの?
飛香: いや、ないよ。
守里: ふ~ん。
飛香: 守里は?
守里: 僕もない。
飛香: そっか…
守里: …
飛香: …
守里: なんか、口コミとか見てる感じ、凄い楽しそう。
飛香: そうだね。
守里: …
飛香: …
守里: あ、ここ、ペンギンいるんだ。
飛香: へぇ~
守里: …
飛香: …
ど、どうしよう!
会話が全然続かない!!
いつも守里と一緒にいるはずなのに、めちゃくちゃ緊張する…
で、でも、ちゃんと話さないと…
いつも通り…いつも通り…
守里 飛香: あのさ!
被っちゃった!
飛香: あ、ごめん…先いいよ。
守里: うん。飛香、大丈夫?
飛香: え?
守里: なんかいつもと違うし、若干顔も赤い気がするし、体調悪いんじゃないかなって思って…
もう、なにやってんの?!私…
守里に心配させちゃって…
今更、緊張しちゃったら、せっかくのチャンスが勿体ないでしょ!
飛香: 笑、なんでもないよ。
守里: ほんと?
飛香: うん。お昼ご飯何食べよっかなって、考えてただけ。
守里: 笑、気が早すぎじゃない?まだ、9時前だよ。
飛香: いや、朝、あんまり食べてこなかったからさ。
守里: じゃあ、お昼、早めに食べよっか。
飛香: うん。今から行く水族館には、レストランがあるらしくて、そこの料理が美味しそうだったんだ。
守里: へぇ~楽しみ。
飛香: 私も笑
ここで、絶対にリードするんだ。
いつも通りに、私らしく…
だよね!
◆◆◆◆◆
昨日の夜
飛香の部屋
飛香: 明日、どうすれば…
守里を誘えたは良いものの…
私、こういうの全然分からない…
だ、誰か、こういうの得意な人…
守里に連絡した後、若干キャラ崩壊を起こしていた飛香は、誰かしら相談相手が欲しいと考え、必死に携帯の連絡先を漁る。
って、まず私、そこまで登録してる人、多くないじゃん!
う~ん…
誰が1番適任か…
まぁ、日向子とか祐希、やんちゃん、珠美は、色んな意味で論外として…
春時も嫌だ。
あとは、かっきーにさぁちゃん…でも、年下に相談するのは…
う~ん…
あ、コイツなら…
飛香 M: ねぇ、ちょっと相談があるんだけど。
10時過ぎてるけど、まぁ、起きてるでしょ。
飛香がメッセージを送ってすぐ…
ピロン
飛香: さっすが、返信早い。
東野 M: 相談?飛香が連絡してくるの珍しいね。
飛香が相談相手に選んだのは、東野であった。
飛香 M: ちょっと、色々あって。
東野 M: で、相談って?
あ、待って、どう相談しよう…
具体的に私の話をするのもアレだし…
飛香 M: 例えばなんだけど、澪奈が異性とお出かけするなら、どんな服装で行く?
こんな感じなら、大丈夫なはず…
東野 M: あぁ、飛香、守里君とデートするの?
は?!!!
で、デートじゃないし!
ってか、なんでそんな…
東野 M: よく誘えたね笑、頑張ったじゃん。
と、とにかく返信しないと…
飛香 M: そんなじゃないし。
東野 M: ふ~ん笑。それで誘えたは良いものの、どうすれば分からないから、私に連絡してきたって感じか。
めちゃくちゃ当たってる!
澪奈ってこんな頭良かったっけ?
私よりも、絶対賢い。
東野 M: 飛香っぽいわ笑
クソ…誤魔化しようがないじゃないか…
もう普通に相談しよ…
飛香 M: うん。
東野 M: 笑、認めたね。
な、ちょっとムカつく。
飛香 M: 良いから、質問に答えてよ。
東野 M: はいはい笑。デートの服装か。飛香は普段、黒多めで、クール系の服装が多いじゃん。
飛香 M: うん。
東野 M: だったら、いつもと違う、明るめのガーリーな服装とかどう?
ガーリーな服か…
飛香はクローゼットを開く。
確か、前に日向子と買い物行った時に…
あ、あった。
東野 M: 飛香、持ってる?
飛香 M: うん。トップス1着だけ持ってた。
東野 M: それに合わせる感じで、他の服とかアクセサリーは、選んでみたら?そういうセンスは飛香、抜群だし。
飛香 M: 分かった。
東野 M: 他に何かある?
その後も、色々と相談して…
東野 M: やっぱり、飛香、可愛いね。
飛香 M: なに言ってんの。
東野 M: いや~にしても、私に相談してくれるなんて、嬉しいな。
飛香 M: 私の持ってる連絡先の中で、唯一相談できそうなのが、澪奈しかいなかっただけ。
東野 M: 笑、それでもだよ。
飛香 M: 相談したいことはこれぐらいかな。
東野 M: そう?まだまだ聞いてあげるけど。
飛香 M: うん、あとは実際行ってみてから、考える。
東野 M: 飛香にそれができる?笑
飛香 M: は?できるよ。
東野 M: この調子じゃ、どうせ緊張して、何も考えられなくなるって。
う~ん、確かに一理ある…
飛香 M: どうすればいい?
東野 M: 笑、最初からちゃんと聞いときなさい。
飛香 M: ごめんって、それでどうすれば良いの?
東野 M: 飛香の場合は、いつも通りやってれば良いのよ。
飛香 M: いや、いつも通りって、違うでしょ。
東野 M: 違くない。絶対その方が良い。
飛香 M: なんで?
東野 M: そっちの方が変に空回りしないだろうし、飛香も気が楽でしょ。
飛香 M: うん。
東野 M: だから、初めてのデートなんだったら、基本はいつも通りな感じで、守里君と過ごせばいいから。
飛香 M: 本当に、いつも通りで良いんだね。
東野 M: そう。
いつも通りか…
東野 M: でも、一つだけ意識して。
飛香 M: ?
東野 M: いつもより、少しだけ素直になるの。
飛香 M: 素直に?
東野 M: 自分が思ったことを、ちゃんと表情とか言葉に出すようにしてってこと。
飛香 M: 分かった。
東野 M: 飛香は普段、自分の気持ちを他人に隠そうとするでしょ。
まぁ、確かに…
東野 M: だから、基本はいつも通りな感じで良いけど!自分の思ったことは素直に表情に出して、言葉に出してみて。そうすれば、絶対に大丈夫!
飛香 M: 頑張ってみる。
東野 M: 笑、応援してるよ。
飛香 M: ありがとう。
その後、スタンプのやり取りをして、飛香は携帯を手放した。
飛香: いつも通り…あと素直にか…
◆◆◆◆◆
水族館前
守里: おっきい…
飛香: 笑、そうだね。大きい。
守里: 入ろっか。
飛香: うん。
2人は水族館に入館した。
守里: えーっと、ルート的には…
守里は入口で取ったルーズリーフを眺める。
飛香: 順路、こっちだって。
守里: うん。最初は…
飛香: まぁまぁ、良いから、行ってみよ!
守里: 笑、そうだね。
飛香は先に進み、守里は手に持っていたルーズリーフをカバンに入れ、飛香について行く。
飛香: 見て、ニ○だよ。
守里: クマノミね笑
飛香: ここは、熱帯魚かな。
守里: っぽいね。ほら、ここに書いてある。
飛香: 本当にイソギンチャクと共生してんだ。
守里: 熱帯魚って、カラフルで見てて楽しい。
飛香: それ。
守里: 隣はタツノオトシゴか。
飛香: 熱帯魚の隣にタツノオトシゴ…
守里: 暖かい海シリーズなんじゃない?
飛香: なるほど。
守里: タツノオトシゴの尻尾に指を巻かれると、なんか幸運になるみたいなこと、聞いたことある。
飛香: へぇ~どこ情報?
守里: 覚えてない。
飛香: 笑、そっか。あ、ネコザメだ。
守里: ネコザメ…(日村おじさんに、似てるか?)
飛香: なんでネコザメなんだろう…顔が猫に似てるから?
飛香 守里: …
2人はじっと眺める。
飛香 守里: いや、そんなことないでしょ…笑
守里: 揃っちゃったね笑
飛香: 全く同じ感想笑
◇◇◇
守里: 一気に暗くなったな。
飛香: 笑、後ろから刺されないように。
守里: そんな縁起でもない冗談やめてよ笑
飛香: ごめんごめん笑
守里: あ、クラゲだ!
飛香: 映える…
守里: へぇ~ほぼ透明なのに…不思議。
飛香: 確かに…綺麗。
守里: クラゲってさ、毒持ってて危ないみたいなイメージしかなかったけど。
飛香: うん。
守里: 良いよね笑
飛香: どういう感想?まぁでも分かるわ。
守里: 笑、ほぼ同じにしか見えないのに、これもこれも種類が違うんだ~
飛香: 素人目には全く分からない。
守里: ふ~ん…ん?あれって…
飛香: ?
守里: イカが光ってる!
飛香: イカ?
守里: うん!ほら、見てよ。
飛香: ほんとだ…イカが光ってる。
守里: イカって光るんだ…イカは好きだけど知らなかったな…
飛香: それは食べるのがでしょ笑
守里: うん笑。でもイカ好きとして、これを知れてよかったよ。
飛香: 左様でございますか笑
守里: 光るシリーズはここまでっぽい。
飛香: だね。
守里: と次は、カニか。
飛香: あぁ~早く1月にならないかな。
守里: え?なんで?
飛香: なんか食べたくなって。カニを。
守里: 笑、水族館でカニを見ながら言うことじゃないよ。
飛香: 笑
◇◇◇
守里: 小さい魚の水槽か。
飛香: なんか美術館みたい笑
守里: こう、長い通路の両サイドに展示物が並べられてる感じね笑
飛香: うん笑
守里: それを狙ってなのか分からないけど、説明のところ額縁みたいなのに入ってるし笑
飛香: まんまとスタッフさんの思惑に引っかかってたのか…
守里: 飛香、残念笑
飛香: もう…
守里: 笑、待ってって。
飛香はトコトコと通路を進んでいき、開けた空間の前で立ち止まる。
飛香: …
守里: どうしたんだ?…おぉ…
暗い通路の先には、きらびやかな海の風景があった。
飛香: きれい…
一面に広がる水槽に近づいていく飛香。
守里: ほんと…すごい…
そして、ガラスの壁に手を付けながら、食い入るように風景を見る。
飛香: …
その1歩後ろから、守里も水槽を眺める。
守里: …
飛香の真ん丸で大きな目には、綺麗な海の風景が反射していた。
飛香: うわぁ…
そんな様子の飛香に、自然と目が引かれた守里。
守里: …笑
守里も飛香の隣まで歩みを進める。
飛香: 見て見て守里!あの魚!
守里: 笑、どれ?
飛香: あれだよあれ!
守里: どこだって笑
守里は、一生懸命、水槽の中の魚に指を指す、隣の飛香を見る。
飛香: だから、アレ!綺麗だよ!
守里: っ!!…
飛香: ねぇってば、見てる?
守里: …う、うん…
飛香: ほんと?笑
守里: 笑、ごめん、分かんない。
飛香: ほら、あそこの岩陰にいる!
守里: えーっと、あぁ!あの青いヤツか!
飛香: そうそう!
守里: 確かに綺麗だな。
飛香: 他にも、魚いっぱい…
守里: 笑
飛香: なに?
守里: いや笑
飛香: なによ!
守里: 子供っぽいなって思って笑
飛香: な///子供っぽいって言うな!
守里: ごめんごめん笑
飛香: もう行くよ!
守里: はーい笑
to be continued
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これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!
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