ただ守りたい…〜大事な人を守るには、金と権力と腕っ節…あと諦めない心が必要です〜

ドラると

文字の大きさ
上 下
132 / 340
第5章 夏休み編

第132話「期待と不安の助っ人」

しおりを挟む
夏休みに入り、ポスター効果もあってか、突然急増したお客さんを、なんとか捌ききった守里達。

休憩に入った奈々未と珠美に対し、店長と守里は、キッチンで作業を続けていた。



店長: 森崎君も休まないとだよ笑


守里: 店長も一緒ですって笑


店長: でも、森崎君の言う通り、さすがにこれからの時間で来るお客さんは、あんまりいないだろうし、大変な波は乗り越えられたかな。


守里: おそらく…


店長: う~ん、バイトの増員は真剣に考えた方が良さそうだね。


守里: でも、今から募集して面接してってやってたら、持ちます?


店長: …それでなんだけど、森崎君の知り合いで即戦力いない?


守里: 即戦力と言うと、接客ができる人ってことですか?


店長: うん、まぁ経験があるか、得意な子。


守里: …



守里は考える。


まぁ、まず、日向子と祐希は論外。

あと、飛香も既にバイトしてるから除いたとして…


春時…一応聞いてみるか。



守里: 了解です。できそうな人に聞いときます。


店長: 笑、ありがとう。


守里: それにしても、一気に忙しくなり過ぎですよ笑


店長: 僕もびっくり笑


守里: 明日は、奈々未さんと珠美ですか?


店長: そうなるね。今月のシフトは、いつも通り森崎君が月・木・土、中村さんが月・火・木・土、橘さんが月~土。ま、中村さんは木、橘さんは火・木・土が午後からなんだけど。


守里: 午前中は、珠美と店長だけで捌かないとなんですね。


店長: うん。なんとか頑張る。


守里: ほんと、頑張ってください笑


店長: 笑、あ、梅澤さん?に、用意できたって伝えといて。


守里: え?完成したんですか?


店長: 今朝ね。


守里: 新メニューの開発って、それだったんですか。


店長: 今回のは、これまで以上の自信作だから。


守里: 香蓮に声掛けときます。


店長: よろしく笑



ガチャ



店長: 森崎君。


守里: はい、いらっしゃいませ!



扉が開く音が聞こえ、守里が迎えに行くと、そこには…



??: 久しぶりに来たな~


守里: あれ?七星さん!


七星: あと、もう1人…



七星が後ろの方を見る。



祐希: もう!お姉ちゃん!置いてかないでよ!


守里: 祐希もか。


祐希: よっす!守里。



神田姉妹がいた。



七星: 笑、祐希が行こうって言ったから来たんや。


祐希: そういうこと!


守里: なるほど笑…2名様ですね。お好きな席にどうぞ。


七星: 笑


祐希: ここ~


店長: 確か小さい子は、前に来たことあるよね?勉強しに。


守里: 結構前にもう1人の方も、1回だけ来たことありますよ。


店長: そっか、覚えてないや。ってことは、二人共、森崎君の知り合い?


守里: 幼なじみです。


店長: 小さい子がお姉ちゃんって呼んで…森崎君の幼なじみ…もしかして、あの関西弁の子は、前に森崎君が言ってた幼なじみの先輩?


守里: 店長、凄いですね笑。そうです。


店長: あんまり僕を舐めてたらダメだよ笑。こう見えて僕はね~


守里: 店長、おそらく祐希は馬刺しとグレープフルーツジュース頼むんで、用意お願いします。


店長: あ、う、うん…


祐希: 守里~!


守里: …ご注文はお決まりになりましたか?


七星: うん、このたこ焼き2つと、コーヒー。


祐希: あと馬刺しとグレープフルーツジュース。


守里: はい、ありがとうございます。少々お待ちください。


奈々未: 守里君。私が代わるから、休憩がてら、あの子達と話してきたら?



裏から出てきた奈々未が、守里に提案する。



守里: 分かりました。お願いします、奈々未さん。


珠美: 珠美も働きますよ~


守里: 笑、よろしく。



そうして、守里は七星と祐希の元へ。



祐希: あれ?守里、どうしたの?


七星: サボりか?笑


守里: いやいや、休憩に入ったから来た。


祐希: 休憩って、必要なの?


守里: 笑、普段は別にいらないんだけど、今日はめちゃくちゃ忙しくてさ。


七星: そんなお客さん来たん?


守里: うん。今さっきまで、ずっと途切れずに来てた。


祐希: 確かここって、あんまりお客さん来ないんだよね?


守里: 少なくとも僕が働き始めて以降は、そのはずだったんだけど笑


七星: 笑、良いことやん。


祐希: おつかれ!守里。


守里: 笑、ほんとに…


七星: 改めて、良い店やな。雰囲気も良いし、メニューも多いし。何より、たこ焼きとうどんがある。


祐希: 馬刺しも、グレープフルーツジュースもあるし、最高~


守里: ありがと笑


祐希: でもさ、忙しくなったって言ってたけど、お店回せてるの?


守里: ん?


祐希: だって、ここで働いてるのって、店長さんと守里、奈々未さん、珠美ちゃんの4人だけだよね?


七星: え?そうなん?


守里: うん…ものすごく大変だった。だから、店長に即戦力な子を連れて来てって頼まれてるんだ。


七星: へぇ~で、守里は誰に頼もうって思ってんねん。


守里: 今のところ、春時に…


祐希: 祐希達は?


守里: は?


祐希: 祐希、夏休み中暇だし、ここなら…


守里: …



祐希か…



七星: 笑、祐希だけが心配なら、ななもバイトやんで。


祐希: ちょっとお姉ちゃん!でも、どう?守里。


守里: 祐希になぁちゃん…



祐希はともかく、なぁちゃんは適任じゃないか?

人当たりも良いし、物覚えもいいし、とにかく優秀。



守里: めちゃくちゃアリ!


七星: 笑、夏休み暇やったから、ちょうどええわ笑


祐希: 祐希も!


守里: ありがと笑、マジで!


七星: 笑、めっちゃキツかったみたいやな。その様子やと。


守里: じゃあ、早速店長に話してくるよ。


祐希: よろしく~



そう言って、守里が店長の元へ。



祐希: 本当にちょうど良いよね、お姉ちゃん。


七星: うん。ここならな。


守里: 店長!


店長: うおっと、どうしたの?いきなり大声出して。


奈々未: うるさいわよ、守里君。


珠美: 危うく、たこ焼きひっくり返しちゃうところでした!


守里: す、すみません。


店長: それでどうしたの?なんか問題?


守里: いや、あの、今さっきの2人がバイトに入ってくれるって。


店長: え?本当?


守里: はい!


奈々未: 七星と祐希ちゃんがか。


珠美: 嬉しいです!


店長: なら、これ持って行くついでに、色々とお話を…


守里: ですね。




数分後…



守里: お待たせしました、たこ焼きとコーヒー、馬刺しとグレープフルーツジュースです。


七星: ありがとな。


祐希: センキュー!じゃあ早速。


守里: あの食べながらで良いんだけど、バイトの話を店長としてくれない?


七星: 笑、良いで。


祐希: お願いします!


守里: 笑、店長!


店長: はーい。どうも。


七星: …あ、どうも、神田七星です。


祐希: 神田祐希です!モグモグ


店長: 2人とも、食べながらで良いからね笑。それで、2人はここで働いてくれるって聞いたんだけど。


七星: はい、働きたいです。


祐希: 祐希もです!


店長: そうか笑、ありがとう。じゃあ、その契約云々の話をしたいんだけど…



こうして、バイト雇用の話が始まった。



守里: あれ?そういえば、珠美は能高に入ってから、七星さんと会った?


奈々未: 笑、ここでまで、かしこまらなくて良いんじゃない?


守里: え?


奈々未: 普段、七星と二人きりとか、他人の目がないところでは、なぁちゃん呼びなんでしょ?


守里: あ、はい…



バレてやがる。



奈々未: 笑、私に隠し事は出来ないわよ。


守里: それで、あるの?珠美。


珠美: いや、それが無いんですよ!


守里: やっぱりそうだよね。


奈々未: 珠美ちゃんと、七星は同じ中学でしょ?


珠美: はい!守里先輩も祐希先輩も同じくです!


守里: 奈々未さんは…


奈々未: 私はちょっと前に…ほら、美月の一件の時に会ってる。


守里: あぁ、そうだったんですか。


珠美: まさか、祐希先輩と七星先輩と、一緒に働けるとは…


守里: 多分、夏休みだけのバイトになると思うけど…心強い。


奈々未: それは多分、七星だけでしょ?笑


守里: 笑、まぁ。


奈々未: 私が祐希ちゃんを鍛え上げるわ。


守里: それなら、何とかなりそうですね笑


奈々未: 珠美ちゃんも、バイトの先輩になるんだから、しっかり!


珠美: はっ!!珠美が…先輩…



珠美は先輩という響きを久しぶりに聞き、衝撃を受ける。



守里: 珠美?


珠美: 珠美!頑張ります!!!


奈々未: 笑、みんなで頑張りましょう。


守里: ですね。


店長: 話終わったよ~


七星: これから、よろしくお願いします。


祐希: お願いします!!


奈々未: 笑、2人とも、よろしく。


珠美: 先輩方!よろしくお願いします!!


守里: よろしく。


店長: これで、明日からも何とかなりそうだ。


守里: なぁちゃんと祐希はいつに入ったんですか?


店長: 全体でこんな感じ。



そう言って、店長は紙を掲げる。


月: (1日)守里、珠美、奈々未
火: (1日)珠美、七星 (午前)祐希 (午後)奈々未
水: (1日)奈々未、七星 (午後)祐希
木: (1日)守里、祐希 (午後)珠美、奈々未
金: (1日)奈々未 (午前)七星 (午後)祐希
土: (1日)守里、珠美 (午前)七星 (午後)奈々未



守里: なぁちゃんと祐希は、午前か午後が多いんだね。


七星: うん、まぁ生徒会の仕事もあるんよ。


祐希: 祐希は…


守里: 寝たい?


祐希: そう!


店長: 入ってくれるだけで、嬉しいから笑


奈々未: 店長、本当に嬉しそうですね。


店長: だって、今日はお客さんもたくさん来てくれたし、新しい子も入ってくれたし。最高。


奈々未: 笑


珠美: 珠美も最高です!


祐希: 笑、珠美ちゃん、色々と教えてね。


七星: 明日から早速、頼むな、珠美。


珠美: は、はい!頑張ります!!!


守里: 笑、リラックスだよ、珠美。


奈々未: じゃあ、今日のうちに、ある程度教えといた方が良いかも。


店長: そうだね。頼んでいい?


奈々未: もちろんです。


七星: よろしくお願いします、奈々未先輩。


祐希: お願いします!


奈々未: 笑、うん。じゃあ…



この後、お客さんが来ることはなく、七星と祐希に仕事を教えて、この日のバイトは終わった。




to be continued
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

削除予定です

伊藤ほほほ
ファンタジー
削除します

入れ替わった恋人

廣瀬純一
ファンタジー
大学生の恋人同士の入れ替わりの話

サンスクミ〜学園のアイドルと偶然同じバイト先になったら俺を3度も振った美少女までついてきた〜

野谷 海
恋愛
「俺、やっぱり君が好きだ! 付き合って欲しい!」   「ごめんね青嶋くん……やっぱり青嶋くんとは付き合えない……」 この3度目の告白にも敗れ、青嶋将は大好きな小浦舞への想いを胸の内へとしまい込んで前に進む。 半年ほど経ち、彼らは何の因果か同じクラスになっていた。 別のクラスでも仲の良かった去年とは違い、距離が近くなったにも関わらず2人が会話をする事はない。 そんな折、将がアルバイトする焼鳥屋に入ってきた新人が同じ学校の同級生で、さらには舞の親友だった。 学校とアルバイト先を巻き込んでもつれる彼らの奇妙な三角関係ははたしてーー ⭐︎毎日朝7時に最新話を投稿します。 ⭐︎もしも気に入って頂けたら、ぜひブックマークやいいね、コメントなど頂けるととても励みになります。 ※表紙絵、挿絵はAI作成です。 ※この作品はフィクションであり、作中に登場する人物、団体等は全て架空です。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

僕が美少女になったせいで幼馴染が百合に目覚めた

楠富 つかさ
恋愛
ある朝、目覚めたら女の子になっていた主人公と主人公に恋をしていたが、女の子になって主人公を見て百合に目覚めたヒロインのドタバタした日常。 この作品はハーメルン様でも掲載しています。

日本列島、時震により転移す!

黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

性転のへきれき

廣瀬純一
ファンタジー
高校生の男女の入れ替わり

処理中です...