上 下
130 / 336
第5章 夏休み編

第130話「対戦ゲームはみんな熱くなる」

しおりを挟む
お昼過ぎ


守里の家では、リビングで激しい戦いが繰り広げられていた。



結真: 爆破だ、爆破だ!!!


守里: 開幕早々、手榴弾連射か!


蓮花: 先にお姉ちゃん倒さないと!



結真姉さんは、蓮花を狙ってるみたいだし、ここは漁夫の利を狙った方が良さそう。



結真: 食らえ!蓮花!!


蓮花: そんな投げまくってても、当たらなかったら…


結真: いつまでも投げてると思うな!!



手榴弾の間をかいくぐって接近してきた恐竜を、おじさんが飛び込み前転で吹き飛ばす。



蓮花: クッ、そのDA強いんだよな。


結真: このまま行くぜ!!



結真姉さん、口調変わりすぎでしょ笑



蓮花: あ、ミスった…


結真: オラオラオラァ!!



蓮花が着地ミスした瞬間を狙い、集中砲火する結真。



守里: ここら辺で、蓮花を…


蓮花: 結構、喰らっちゃった。


結真: まだまだ!


守里: 一機もらいまーす!!


蓮花: あ!お兄ちゃん!!



恐竜が、飛んでくるミサイルを避けつつ復帰しようとしているところを、上手いこと狩った怪盗。



結真: 今度は、守里か。


守里: 笑、蓮花!結真姉さん倒そう!


蓮花: え~でも、お兄ちゃんに倒されたし。


守里: どっちにしろ、こんなに場が荒れてたら、勝負できないでしょ。


蓮花: 確かに…


守里: 行くぞ!


蓮花: …うん。分かった!


結真: そっちがその気なら…やってやんぜ!!



その後、恐竜とおじさんが熱い戦いを繰り広げる中、おじさんに持続ダメージをいやらしく与え続けた怪盗は…



蓮花: お互いに残り一機か。


結真: そうね。しかも100%越え…


守里: あと一歩だぞ~蓮花。


蓮花: ってあれ?お兄ちゃん、三機じゃん。



全くバーストされていなかった。



結真: うわっ、陰に隠れて…


守里: これぞ、漁夫の利。何気に結真姉さんは、ずっと僕がバーストしてるし笑


蓮花: やられた~


結真: ま、まだよ、蓮花。2人で力を合わせれば、守里を倒せる。


蓮花: そ、そうだよね。やるよ、お姉ちゃん。


結真: うん!守里!覚悟!!


守里: かかってこい!!



数秒後…



守里: 笑、残念でした。


結真: クソ~


蓮花: 負け…た…



おじさんはミサイルを反射されバースト、恐竜は崖外に出たところをメテオされた。



守里: これで、蓮花の全勝を止められた。


蓮花: なんか、お兄ちゃん上手くなってない?


守里: 笑、そりゃあ、ちょっと練習したもん。蓮花に負けっぱなしは嫌だったから。


結真: はぁ…ほんと、負けず嫌いね。


守里: 結真姉さんには言われたくないよ笑。今も、リベンジしたくて、ウズウズしてるみたいだし。


結真: あら、バレた?笑


蓮花: よし、蓮花もリベンジしたいから、もう1戦!


守里: OK!!


結真: じゃあ次は…コレ!


蓮花: う~ん、お兄ちゃんに勝つには…この子!


守里: どうせ2人相手だろうし、パワー系のおじさんで行こう。



結真は亀の王様、蓮花は腕が伸びる女の子、守里は魔王を選んだ。



蓮花: お姉ちゃん、絶対勝つよ。


結真: もちろん!


守里: …



勝負が始まった。



蓮花: なっ!開幕キック!


結真: 油断した!


守里: 笑



と、こんな感じで始まった戦いの結果は…



守里: 危ねぇ…


結真: また負けた~


蓮花: んもう!もう1回!!



亀に道連れされないようにと、先に亀を倒した魔王は、腕が伸びる女の子と1体1となり、善戦したものの、上手いこと距離を取れなかった女の子が吹き飛ばされ、魔王が勝った。



守里: 良いよ。気の済むまで相手をしよう!


結真: ふぅ…落ち着くのよ結真。焦ってはダメ。


蓮花: 次こそは絶対勝つ!!



こうして、結真と蓮花の守里への挑戦は続いた。


◇◇◇


数時間後…


ガチャ



美月: ただいま~


守里: あ、おかえり、美月。


結真: フゥーフゥー


蓮花: 次!!!


美月: え、お姉ちゃんと蓮花どうしたの?リモコンを握りしめてるけど。


守里: うん、ちょっとね。


蓮花: お兄ちゃん!早く!!


結真: 勝つ!!


守里: 2人とも待って。もう晩ご飯の用意を始めないと。


蓮花: まだお兄ちゃんに勝ててない!!


結真: 守里!逃げるの?!!



なんと、守里はずっと、勝負に勝ち続けていた。



美月: あぁ、なるほど笑


守里: そんなこと言ったって、もう時間も時間だしさ。


結真: え~


蓮花: お兄ちゃん!


守里: もうぶっ続けだよ。休まないと。


結真: …


蓮花: …


守里: 晩ご飯とか色々終わったら、またやろう。時間空ければ、勝てるかもしれないし笑


結真: …分かった。


蓮花: 約束だからね!!


守里: はいはい笑


美月: 楽しそうでなにより。


守里: 美月は楽しかった?


美月: うん!最高だったよ。


守里: 良かった笑。香蓮は楽しんでた?


美月: 見た感じは、結構楽しんでたと思う。他の子とも仲良くなれてたし。


守里: そっか~笑。後で香蓮に聞いとこ。


美月: うん笑


守里: よし、晩ご飯、作ろう!


美月: え?今日は、守里の晩ご飯?


守里: そのつもりだけど…



守里は結真を見る。



結真: よろしく。


蓮花: 楽しみにしてる。


守里: 笑、はーい。美月はお風呂に行く?


美月: うん、そうだね。お風呂に入ってくる。


守里: 分かった。


蓮花: 蓮花は少し練習を…


結真: 洗濯物…



各自が動き始め…




守里: 完成!!



守里が料理をテーブルに並べ終える。



美月: うわっ、美味しそう!!


守里: 店長に最近習った料理を作ってみました!


結真: これは…ズズズ…おっと、涎が…


守里: 蓮花、ゲーム一旦終了~


蓮花: はーい!



蓮花がゲームを中断して、ダイニングの方に来る。



結真: 桜を呼んでこないと。


守里: じゃあ僕が呼んでくるから、みんなは座ってて。


美月: OK!


結真: 早くね!!そうしないと、先に食べちゃいそう!


守里: 笑、ちゃんと待ってて。


蓮花: おいしそう~



守里は急いで、桜の部屋に向かう。


桜はまだ本を読んでるかな?



コンコン


守里: 桜~



シーン


あれ?反応がない…



コンコンコン


守里: 桜~寝てるの~?



シーン


しょうがない、入るか。


ガチャ



守里: 桜~っと…寝てる笑



桜は本の上に突っ伏して寝ていた。


本読んでて、眠気に勝てず、寝ちゃった感じか笑


微笑みながら、守里は桜に近づき…



トントントン


守里: 桜、起きて。



桜の肩をたたく。



桜: う、う~ん…


守里: 晩ご飯の時間だよ。


桜: ばんごはん~?


守里: うん、晩ご飯。リビングに行こ。


桜: わかった~



これは寝ぼけてるな笑


守里は完全に脳が覚めていないままの桜を、手を引いてリビングまで連れていく。



守里: 寝ぼけてる桜を連れてきました~


結真: 桜、寝てたんだ。


桜: う~ん…


美月: 笑、本当に寝ぼけてる。


蓮花: お姉ちゃん可愛い!


守里: はい、桜、ここに座って。


桜: は~い…


守里: よし、じゃあ、食べようか。


結真: うん!待ってた!!


美月: 早く早く!


蓮花: もう蓮花が言っちゃう!!せーのっ!


「いただきます!」


桜: ふぇっ!!なに?



みんなが合わせた声に、桜は驚き、完全に目を覚ます。



守里: 笑、おはよう、桜。晩ご飯だよ。


桜: あれ?いつの間に…まぁいいか。美味しそう~


結真: うまい!!!


蓮花: お兄ちゃん!この唐揚げおいしい!


美月: さっすが、守里~


守里: 笑、良かった。桜も食べて。


桜: うん。パク…うまっ!


守里: あ、そういえばだけど、朝にさ、家族でお出かけしたいって言ってたじゃん。


結真: うん。


美月: そんな話してたの?


守里: 美月が行った後に。


美月: へぇ~


守里: どこ行く?


結真: 予定合わせてになるけど…う~ん…みんな行きたいとこある?


美月: 私、遊園地行きたい!


蓮花: あ、良いね!遊園地!!


守里: 遊園地か~桜は?


桜: さくも遊園地。


結真: じゃあ、遊園地で決定?


美月: 決定!決定!!


守里: だって笑


結真: 分かった笑。来週ぐらいに行こう。


蓮花: やった!!遊園地だ!!


美月: じゃあさ、その遊園地の帰りにお寿司行かない?


結真: お寿司?別に良いけど。


美月: ほら、守里。この前さ、みんなでお寿司に行きたいって話してたじゃん。


守里: この前…あぁ!美月が僕を監視してた時に話したね。


美月: そうそう。


結真: そんな話してたんだ。


蓮花: お寿司、久しぶり!


桜: サーモン…


結真: 笑、メインは遊園地だからね。


守里: なんか、お寿司の話したら、お腹すいてきた笑


美月: 確かに笑。食べよう!


結真: うん笑


蓮花: お姉ちゃん!餃子取って!


桜: うん。どうぞ。


守里: 笑



我ながらに美味いな笑



結真: あ、守里。約束通り…


蓮花: 終わったら、ゲームの続き。


守里: …分かってるって。



その後、守里は深夜までゲームをやり続けることとなったのだった。




to be continued
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

私はもう必要ないらしいので、国を護る秘術を解くことにした〜気づいた頃には、もう遅いですよ?〜

AK
ファンタジー
ランドロール公爵家は、数百年前に王国を大地震の脅威から護った『要の巫女』の子孫として王国に名を残している。 そして15歳になったリシア・ランドロールも一族の慣しに従って『要の巫女』の座を受け継ぐこととなる。 さらに王太子がリシアを婚約者に選んだことで二人は婚約を結ぶことが決定した。 しかし本物の巫女としての力を持っていたのは初代のみで、それ以降はただ形式上の祈りを捧げる名ばかりの巫女ばかりであった。 それ故に時代とともにランドロール公爵家を敬う者は減っていき、遂に王太子アストラはリシアとの婚約破棄を宣言すると共にランドロール家の爵位を剥奪する事を決定してしまう。 だが彼らは知らなかった。リシアこそが初代『要の巫女』の生まれ変わりであり、これから王国で発生する大地震を予兆し鎮めていたと言う事実を。 そして「もう私は必要ないんですよね?」と、そっと術を解き、リシアは国を後にする決意をするのだった。 ※小説家になろう・カクヨムにも同タイトルで投稿しています。

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

無能なので辞めさせていただきます!

サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。 マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。 えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって? 残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、 無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって? はいはいわかりました。 辞めますよ。 退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。 自分無能なんで、なんにもわかりませんから。 カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

私のお父様とパパ様

ファンタジー
非常に過保護で愛情深い二人の父親から愛される娘メアリー。 婚約者の皇太子と毎月あるお茶会で顔を合わせるも、彼の隣には幼馴染の女性がいて。 大好きなお父様とパパ様がいれば、皇太子との婚約は白紙になっても何も問題はない。 ※箱入り娘な主人公と娘溺愛過保護な父親コンビのとある日のお話。 追記(2021/10/7) お茶会の後を追加します。 更に追記(2022/3/9) 連載として再開します。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

推しの幼なじみになったら、いつの間にか巻き込まれていた

凪ルナ
恋愛
 3歳の時、幼稚園で机に頭をぶつけて前世の記憶を思い出した私は、それと同時に幼なじみの心配そうな顔を見て、幼なじみは攻略対象者(しかも前世の推し)でここが乙女ゲームの世界(私はモブだ)だということに気づく。  そして、私の幼なじみ(推し)と乙女ゲームで幼なじみ設定だったこれまた推し(サブキャラ)と出会う。彼らは腐女子にはたまらない二人で、もう二人がくっつけばいいんじゃないかな!?と思うような二人だった。かく言う私も腐女子じゃないけどそう思った。  乙女ゲームに巻き込まれたくない。私はひっそりと傍観していたいんだ!  しかし、容赦なく私を乙女ゲームに巻き込もうとする幼なじみの推し達。  「え?なんで私に構おうとするかな!?頼むからヒロインとイチャイチャして!それか、腐女子サービスで二人でイチャイチャしてよ!だから、私に構わないでくださいー!」  これは、そんな私と私の推し達の物語である。 ───── 小説家になろう様、ノベリズム様にも同作品名で投稿しています。

処理中です...