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閑章2

第127話「香蓮の成長」

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放課後



剣崎: 今日は一学期最後の委員会だからね。みんなそれぞれの教室に行くように。じゃあ、学級委員、号令!


川嶋: 起立!礼!


「ありがとうございました!」


剣崎: はい!じゃあ、頑張ってきてね~



ガラガラ



守里: よし…


美月: 守里、行こう~


守里: うん。


飛香: ほら、祐希起きて。


祐希: う~ん…もう食べられない…zz


飛香: …さっさと起きろ!!


祐希: っ!!!!は、はい!!


飛香: 図書室行くよ。


祐希: 了解です!!


川嶋: 春時君、行こうか。


春時: おう。


日向子: 生活委員会にレッツゴー!!


生活委員: GO!!



各々が委員会の場所に向かう。





風紀委員室


ガラガラ



守里 美月: 失礼します。


若月: 2人とも来たな。いつもの席に座ってくれ。


守里: はい。


美月: あ、香蓮がいる。


梅澤: 当たり前だろ笑、風紀委員なんだから。


美月: いやいや、今日は2年生のところにいるんだなって思って。


梅澤: いつまでも3年生のところにいたら、馴染めないだろって、愛衣さんに追い出されたんだよ。


守里: そういう事か笑



守里が、前に座る愛衣を見ると、葵波と一緒に手を振ってきた。



美月: 香蓮、可哀想笑


梅澤: 別にどっちにいても変わらねぇって。


美月: ほんとに~?笑。みんなと一緒に話せて楽しいんじゃないの?


梅澤: っ!バカ…んなわけ…


2組女子: あら、そうだったの?


3組女子: 悲しいな~笑


梅澤: い、いや…


美月: 嘘つきさんにはお仕置きだ!!


ペチ



美月が梅澤の額にデコピンをする。



梅澤: …やったな。美月。


バシンッ


美月: アタッ!!



デコピンとは思えないよな音を響かせながら、美月が仰け反る。



2組女子: 笑、梅ちゃん強すぎ。


3組女子: 美月ちゃん、大丈夫?笑


美月: もう~酷いよ~香蓮。


梅澤: 元を辿れば美月が悪い。



梅澤は、美月と仲良く話すようになったおかげで、イメージが変わったのか、風紀委員を中心に話しかける人が増え、友達と呼べるような人も増えた。


いや~よかった、よかった。

美月も香蓮も楽しそうで。



3組女子: あ、ねぇねぇ。今週末さ、2年風紀委員の女子で遊びに行かない?


美月: 良いね!行きたい。


3組女子: 梅ちゃんも来れる?


梅澤: お、おう…


2組女子: 笑、楽しみになってきた。


3組女子: よ~し、梅ちゃんの約束も取り付けたから、早く他の子も誘わないと!


2組女子: どこ行く?


3組女子: そうだな~美月ちゃんはどこ行きたい?


美月: え~っとね~



ガラガラ!!


美月が話そうとしたところで、教室の扉が勢いよく開かれる。


笑、いつも通りの展開だ。

もうちょっと早く来れたりはしないんだろうか。



珠美: ギリギリになりました!!失礼します!!


新里: ハァハァ…失礼します。


若月: 全く…廊下は走るなよ。


珠美: はい!!全速力で歩いてきました!


新里: 競歩です…ハァハァ


若月: 笑、そうか。もう委員会始めるから。座れ。


珠美: はい!


新里: はい。



毎度の如く、時間ギリギリに来た2人が、席に着いたところで…



若月: では、委員会を始める。まずは今月の活動報告だが、校内組も校外組も取り締まりはなかった。期末試験があったからかもしれないが、我々風紀委員の活動が良い影響を与えた結果だと、前向きに捉えていこう。



確かに今月は、先月に比べると、ものすごく平和だった。

外で見かけたのも、真面目に勉強してる人ばっかりだったし。



若月: それで、7月中に2回も委員会が開かれることにも関係しているし、みんなも待ち望んでいることと思うが、来週からは夏休みに入る。


美月: ウキウキ


珠美: ソワソワ


若月: そこでだ…笑


美月: ま、まさか…


珠美: 夏休みも…


若月: 夏休み中の見回りの日程を組む。


美月: ガーン


珠美: …ぴえん。


若月: 別に夏休み中だから、旅行に行ったり、遊びに行ったり、普段はできないようなことを楽しむのは問題ない。しかしだ。羽目を外しすぎるのも良くない。よって、学校の近くだけでも、風紀委員が取り締まりをしようという考えの元、毎年、夏休み中も土日とお盆を除き、校外の見回りを行っているんだ。



去年も風紀委員が暑い中、見回りをやっていて大変そうって思ってたんだよな。

ちなみに、僕があんまり風紀委員になりたくなかった理由も、これが大きい。



若月: けどまぁ、校内組は校外の見回りだから、新鮮味があるだろうが、校外組はいつも通りの仕事で、つまらないだろう。ということで、夏休み中の見回りは、少し範囲を広げる。


珠美: ?


美月: ……あ、そういうこと?


若月: 笑、校外組なら分かったやつもいると思うが。ま、それは自由だ。範囲が広い分、見回りにかかる時間は把握出来ないからな。でも遅くなりすぎるのはやめろよ笑




要するに、寄り道は好きなようにしていいってことか。

あとは、見回りの仕事をするのであれば、どんな形でも良いと。


人によっては嬉しいだろうな。



若月: じゃあ、こっちで組んでいた予定表を配るから、自分達の見回りを行う日付と、見回りをするエリアを確認してくれ。



若月が全員にプリントを配る。


なるほど、いつもの見回りと違って、ルートを固定するんじゃなく、見回り範囲を3つのエリアに分けた上で、そこを各ペアで自由に見回ってもらう形式を取っているのか。

あと、3年生も参加して、1ペアあたり3回。


僕達は、お盆前にC、Bエリアで、夏休みの終わりに、Aエリア…



美月: よかった、香蓮と一緒だ。


梅澤: 笑、夏休み中も美月と顔を合わせなきゃなのか。


美月: なに?嫌なの?


梅澤: 別に笑


美月: こんの~


若月: そこのお二人さん。仲が良いのは喜ばしいことだが、委員会中。


美月: すみません。


梅澤: すみません!!


愛衣: フ笑


葵波: プププ笑


若月: 基本、その計画通りにやっていくが、予定があって見回りができないと既に分かっている者は、この後言いに来い。あと、夏休みに入った後、予定が入ったり、体調不良で見回りが行えないとかなった場合は、すぐに連絡しろ。分かったな?


「はい!」


若月: よし、ここまでの内容で質問があるやつはいるか?………いないな。さっき言ったように、見回りが出来そうにない者は、この後、言いに来るように。それと、今日が見回り担当のペアは行ってこい。では、解散!


「ありがとうございました!!」



委員会が終わり、若月の元へ数人が集まるのを見つつ、守里達は席を立つ。



守里: 美月、日程は大丈夫だよね?


美月: うん。今のところ、なんの予定も入ってない。


守里: 香蓮は?


梅澤: 私も大丈夫だ。


守里: じゃあ、見回りに行こう。


美月: うん。


3組女子: あ、ちょっと待って、連絡先交換!


2組女子: そうそう。さすがに連絡取れないと不便だから。


美月: あ!そうだね。はい、QRコード。


3組女子: ありがとう~


梅澤: おい美月。どうすれば良いんだ?


美月: 笑、そっか。この前は私がやってたから。


2組女子: ちょっと貸してくれる?


梅澤: あ、あぁ。


2組女子: えーっと…はい。これでOK。


梅澤: ありがとな。


2組女子: 笑、どういたしまして。


3組女子: 私にも送って!


2組女子: 分かってるわよ。



そうして美月と梅澤は、連絡先を交換した。



2組男子: なんか仲良さげだな笑


守里: だね笑


2組男子: 俺らも負けないように仲良くしようぜ。


守里: どういうこと?笑


3組男子: あ、連絡先交換するなら僕も混ぜてよ。


4組男子: 俺もな~


守里: OK笑



この後、5組と6組の男子も加えて、2年風紀委員の男子達も連絡先を交換した。



3組女子: あとから、他の組の子の連絡先も送るからね~


2組女子: 別にグループ作るだけで良いんじゃない?


3組女子: あ、確かに。じゃあ、グループ作っとく!


2組女子: 見回り頑張って。


美月: バイバイ!


梅澤: …またな。


2組男子: 俺らももう行くわ。


3組男子: これからもよろしく。


守里: うん!じゃ。



こうして、他の組の風紀委員達は、教室を出て行った。



美月: 良かったね!香蓮。友達が増えて!


梅澤: お、おう…


守里: とか言いつつ、美月も連絡先交換してる人は少なかっただろ笑


美月: もう、守里!それは言わない約束!


守里: 香蓮。ちゃんと返信しなよ笑


梅澤: 分かってるって…笑



香蓮、嬉しそうだな。

普段は結構ツンツンしてるけど、ちゃんと女子高生なんだから笑



守里: 笑


美月: あ!守里、今、美月可愛い!って思ってたでしょ。


守里: は?


美月: 絶対、そう思ってた。


守里: いやいや、全然。


美月: 本当?う~ん、おかしいな。この前、奈々未さんに習って…


守里: 別に、美月はいつも可愛いし。


ポン



美月の頭に手を乗せる。



守里: ほら、もう行くよ。若月さんもこっち見てるし。



手を降ろし、守里は扉の方へ。



梅澤: 笑、美月、可愛い。



そう美月に言って、梅澤も守里の後についていく。



若月: あらら笑


葵波: 美月、顔真っ赤笑


愛衣: 後からメールでいじるか笑


美月: /////////



意外と耐性のない美月だった。




to be continued


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