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閑章2

第126話「朝の攻防」

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翌日


教室


ガラガラ



飛香: 守里、美月。おはよう。


守里: おはよう、飛香。


美月: おはよう~


飛香: もう日向子は、朝練に行ったの?


守里: うん。ついさっき。


飛香: そっか。


美月: なに~やっぱり、日向子がいないと寂しいの~?笑


飛香: 別に毎朝、私が来る頃にはいないじゃん。


美月: 確かに笑


守里: ほんと、仲良いよな~


飛香: アンタが1番仲良いでしょ。


美月: ほんと。この前もびっくりしたんだからね。



美月は、お誕生日会での、あるシーンを思い出しながら言う。



守里: この前?


美月: まぁ良いから。


飛香: はぁ~あ。勝てないな~


美月: そんな弱気になってどうするの笑


飛香: …笑、舐めんな。こちとら9歳の時から、こんな感じなんだよ。今更へこたれない。


美月: そうでなくちゃ笑


守里: え、2人とも。さっきから何の話?


飛香: 守里は気にしなくていい。


美月: 私達の話~


守里: あ、そう。


美月: なに?笑、嫉妬しちゃった?


守里: は?何言ってる…


美月: もう!可愛いな~ギュッ



美月が守里の腕に抱きつく。



守里: うわっと、離れてよ、美月!


美月: え~


飛香: お、おい!美月…何やってんだ!


美月: きゃ~飛香怖~い。


飛香: ムカッ(怒)


守里: さすがにこんなところで…


美月: え~家だったら問題ないの~?


守里: そういうわけじゃない。とにかく離せって。


飛香: そ、そうだぞ!美月!


美月: 笑、飛香もやったらいいのに。


守里: 飛香!剥がすの手伝ってくれ!


飛香: …


ギュッ


守里: っておい!飛香まで!


飛香: ムー


美月: 笑



と、朝の教室で、守里VS美月&飛香の攻防が繰り広げられていると…


ガラガラ



東野: おはよ~って、朝からお熱いことで笑


秋吉: イチャイチャしちゃって笑


守里: あ、良いところに来た!2人とも、美月と飛香を引き剥がすの手伝ってくれ!


東野: 嫌だよ笑、面白そうだし。


秋吉: うんうん笑、近くで見てるだけにしとく。


守里: こんの…そろそろマジで…



守里は両腕をしっかりとホールドされているせいで、上手いこと2人を引き剥がすことができない。


おいおい…

超強力瞬間接着剤でもついてんのかよ。

全然離れない…



秋吉: 美月はともかく、飛香まで参戦してるなんて、めずらしいね。


東野: そう?前々から。飛香も羨ましそうにしてたよ。


秋吉: それは知ってるけど笑


東野: どうせ、美月が飛香を挑発したんでしょ。


秋吉: なるほど。って、朝練行かなきゃ。


東野: 頑張ってきてね。


秋吉: うん。この後がどうなったか、ちゃんと教えてよ笑


東野: もちろん笑


秋吉: バイバイ!



そう言って秋吉は教室を出て行った。



美月: あ~守里の腕、抱き心地良いわ~


守里: 離れてって。


飛香: スリスリ


守里: え、なに飛香は頬を擦り付けてるの。


飛香: …///



無意識に出ていた自分の行動を指摘され、照れる飛香。



美月: あ~飛香、顔赤くなってる!可愛い~


東野: 可愛い~笑



少し離れたところから、ニヤニヤしながら見ている東野も、野次に参加する。



飛香: ///やめろ!!


守里: それは僕のセリフだって。



ガラガラ



春時: おはよう。


守里: 春時~助けて~


美月: 春時!おはよう!


飛香: お、おはよう…


春時: おう、おはよう。って、珍しいこともあるんだな。飛香もそんなことやってるなんて。


東野: でしょ笑、美月は通常運転だけど。


春時: うん。なんか心境の変化でもあったのかね。飛香に。


守里: いや、春時もそんな冷静な分析しなくていいから、剥がすの手伝ってよ!


春時: う~ん、でも守里の力で無理なんだろ?だったら、俺が加わったところで引き剥がせないよ。


守里: え~


春時: まぁ、祐希が来るまで我慢しろ。


守里: そんなのいつになるか…


東野: 祐希なら、朝来る時に見たよ。


春時: え?ほんとか?珍しいこともあるんだな。


東野: うん。私もびっくりした。祐希はすごく眠たそうだったけど。


春時: 七星先輩に、無理やり起こされたか笑


東野: なんか、今日は珍しい出来事が続くね。


春時: 確かに。


美月: 次は、どんな珍しいことが起こるんだろう。


飛香: …


春時: う~ん、川嶋さんが遅刻してくるとか?


東野: あとは、祐希が授業中起きてるとか…


美月: 剣崎先生が1回も噛まないとか!


春時: そうなったら奇跡だ笑


東野: それな笑


飛香: …


東野: ってか、飛香。固まってんじゃん笑ボソッ


春時: 顔も下向けてるし笑ボソッ


東野: まぁ、飛香も頑張ってるんだよ。ボソッ


春時: 俺も嬉しいぜボソッ


美月: 何話してるの~!!


東野: なんでもないよ~


守里: いや、こんな状態で美月は、ナチュラルに会話をするな!!


美月: ヘヘヘ笑


守里: はぁ…


美月: それでどう?腕に抱きつかれてる感想は。


守里: 別に感想とかないよ。


美月: ほんとに~?あるとか、ないとか、柔らかいとか、薄いとかあるんじゃない?


守里: は?何を…


春時: 守里相手にその話題はなボソッ


東野: そういうの、全然分からないもんね笑ボソッ


美月: とにかく柔らかい?柔らかくない?


守里: そ、そりゃあ、人間だし、女の子だし、柔らかいだろ。


美月: じゃあどっちが柔らかい?いや、大きい?


守里: 大きいってのはよく分からないけど、柔らかいのは…


美月: 柔らかいのは?


飛香: …


守里: 美月。


美月: やった笑


飛香: フン!



飛香が守里の腕を締め上げる。



守里: イタタタタ


春時: ありゃ自業自得だボソッ


東野: 別に飛香も、美月の方が柔らかいって言われただけで、胸がないって言われたわけじゃないんだけど笑ボソッ


春時: 何も分からず答えてる守里の罪は重いボソッ


東野: ほんとそれ笑。鈍感が過ぎると女の子に失礼だよ笑ボソッ


守里: 飛香~腕折れる!


飛香: こんな腕…


美月: まぁまぁ、飛香。気にしないのニヤニヤ


飛香: (怒)


守里: いや~!!!



ガラガラ



祐希: おはよ~



眠そうな顔をした祐希が、教室に入ってくる。



東野: おはよう祐希。早いね。


春時: おはよう。七星先輩に起こされたか?


祐希: うん。眠い…


守里: ちょっ!祐希!!早く助けてくれ!!


祐希: もう、朝からうるさいよ。守里。



目を擦りながら答える祐希。



守里: 腕が折れる~


飛香: …


美月: 笑


祐希: 美月も飛香も、朝から何やってるの?


美月: 祐希もどう?



美月が悪魔の誘いを始める。



祐希: う~ん、眠いし…


美月: ほら、守里の背中。寝心地良さそうじゃない?


守里: や、やめろ…


美月: 空いてるよ笑


祐希: …良いね。祐希もやる!



そう言って、祐希はカバンを自分の席に置き、守里のもとへ。



守里: お、おい。祐希、落ち着いて…


祐希: おやすみなさーい!



右腕を美月に、左腕を飛香にホールドされたまま、自分の席に座る守里の背中に、祐希が飛びつく。



守里: グハッ…


美月: 祐希も一緒だ~


飛香: …


祐希: zzzz


春時: はぁ…なんというか…


東野: あそこまで行くと、男共も羨ましいとは思わないのかな。


春時: まぁ、ここ最近はずっとあんな感じだし。慣れたんじゃない?


東野: 同じクラスの人はそうかもね。でも…


「全く、森崎のやつ…」


「羨ましい…」


「祐希ちゃんの寝顔可愛い…」



教室の外から、男子のヒソヒソ声が聞こえる



東野: 他のクラスの子は、そうじゃないみたいよ笑


春時: 笑、守里本人は、あれを迷惑がってるんだけど。


東野: モテる男は辛い笑


春時: だな笑


東野: 春時は羨ましくないの?


春時: 笑、全然。俺は見てるのが好きだから。


東野: でも、あの関係をずっと続けてると、いつか守里君は、刺されるよ笑


春時: おっと、それはマズイ笑


東野: 本命は誰なのかな。


春時: う~ん。


東野: 幼なじみから見て、どう思うの?


春時: 多分、あの中にはいない…


東野: そっか…日向子も?


春時: うん。守里は美月を家族。日向子と祐希を、手のかかる幼なじみ。飛香を頼れる幼なじみとしか見てない。


東野: 幼なじみってのも、苦労するんだね。


春時: でも、守里が好意を持ってそうな人は1人だけ心当たりがあるよ。


東野: へぇ…ちなみに誰?


春時: 笑、守里の許可がないと教えられない。


東野: だよね笑


春時: …まぁほかの男子共の気持ちも考えて、1つヒントを出すとしたら、同級生じゃない。


東野: そうなんだ。探してみよう笑


春時: 頑張って笑


美月: 私も寝ようかな笑


飛香: …


祐希: zzzzz


守里: そろそろ離れろ!!!



その後、守里は、朝練から戻ってきた日向子からも抱きつかれ、少し遅れてきた川嶋に助けてもらうまで、そのまま、放置されたのであった。




 to be continued
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