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閑章2

第125話「会社訪問」

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翌日

放課後



守里: じゃあ、僕は行くね。


美月: お仕事頑張って。


飛香: どこの委員会だっけ?


守里: …体育委員会。


飛香: 笑、熱血系の委員会だ。


守里: どんな仕事なのかも聞かされてないし。


美月: どの委員会かと集合場所だけ、教えてもらったんでしょ?


守里: うん。


飛香: じゃ、頑張ってね~美月、帰ろ。


美月: うん!遅くなりそうなら、連絡してよ。


守里: OK。バイバイ。



そうして、2人は教室を出て行った。



守里: はぁ…行くか。



守里も教室を出て、集合場所へ。


集合場所と言っても、帰る準備をして、荷物を持って正門にってだけだけど。

何やるんだろうな~


にしても、大我先輩か。

良い先輩だけど、言うことやることが、めちゃくちゃなんだよね。


怖すぎ…


守里は自身の未来を案じながらも、正門に向かった。



大我: おっ!来たな。守里。



正門の壁に寄りかかっていた大我。



守里: 大我先輩、よろしくお願いします。


大我: 笑、そんな固くなんなくて良いから。


守里: それで、僕の仕事は…他の委員の方々も見当たりませんけど…


大我: あ?聞いてないのか。今日はお前だけで、俺の付き添いだ。


守里: 付き添い?ですか…


大我: おう。俺と一緒に来てくれれば、それで良い。


守里: な、なるほど…



いまいち分からないな。



守里: それで、どこに?


大我: まぁついてこい。時間もないから、道中で説明する。


守里: は、はい。


大我: まず、バス停に行くぞ。もうそろそろバスが来るから、走ってな笑



そう言って、大我は走り出す。



守里: ちょっ…


大我: ほらほら!走れ!!


守里: っもう!



2人はバス停まで走る。




数分後…



大我: ふぅ…さすが、学校一の瞬足。


守里: それで、バスには間に合ったんですか?


大我: あぁ。ちょうどだ。



目の前にバスが停る。



大我: 乗るぞ。


守里: はい。


大我: 15分ぐらいはバス移動だから。


守里: そうですか。



バスの1番後ろの席に、並んで座る2人。



大我: これから行くのは、体育祭でお世話になった会社だ。


守里: お世話になったというと?


大我: 体育祭で使った用具を作成してくれた会社。


守里: あぁ~毎年作ってもらってるんでしたっけ?


大我: おう。カメラとかマイクとかは、学校が持ってる設備だが、そのほかの道具は、その会社に作ってもらった物だ。


守里: 葵波さんに聞きました。体育祭で使った道具は、トラックで回収して、その会社でリサイクルした後、次回の体育祭でまた新たな道具として提供されると。


大我: まぁ、そんな解釈で合ってる。


守里: それで、どうしてその会社に?


大我: 毎年、その代の体育委員長がお礼を言いに行ってるんだ。今年はありがとうございました。来年もよろしくお願いしますってな。


守里: へぇ。でも、なんで僕を?


大我: そりゃあ、例のお前を借りれるシステムを使うなら、このタイミングだって、思ったからだ笑


守里: は、はぁ…



いや、このタイミングは絶対に違くない?



大我: 恒例なら、次期体育委員長をつれていくべきなんだが、まだ決めてないし。


守里: 本当に、僕で良かったんですか?


大我: おう。お前とも2人で話したかったからな。


守里: …まぁ、大我先輩がそう言うなら…もうバスにも乗っちゃってますし。


大我: 笑、楽しく行こうぜ!


守里: はい笑


大我: あとは、今年からその用具を作成してくれる会社が変わったからってのもある。


守里: 代わった?


大我: 正確に言うと、元々依頼していた会社が、その新しく依頼した会社に吸収されたんだ。


守里: そうなんですね。


大我: ほら、最近伸びてきてるってニュースになってた、お金が大好きそうな社長の会社だよ。


守里: あぁ、金山コーポレーションですか笑


大我: そうそう、いかにもお金が大好き!って感じの名前笑


守里: 社長さんに失礼ですよ。


大我: 笑、それもそうだな。学校がお世話になった社長さんだし。


守里: にしても、あの金山コーポレーションと繋がりがあるとは…さすが、伊衛能高校ですね。


大我: うん。というか、向こうからお願いされたんだ。なんか、ここら辺で能高と仲良くしとくと繁盛するらしくて笑


守里: へぇ。でも遅くないですか?体育祭のお礼を言うには。


大我: 本来なら、体育祭後すぐに行く予定だったんだが、向こうが忙しかったみたいで、一旦落ち着くのが今日ってことらしい。


守里: まぁ、急拡大中の会社ですから。


大我: だな。




その後も、色々と話している内に、目的の場所近くのバス停に到着する。



大我: 降りるぞ。


守里: はい。



2人はバスから降りる。



守里: なんか久しぶりに来ました。オフィス街。


大我: 笑、学生が来ることは、まずないもんな。


守里: 大我先輩は来るんですか?


大我: おう。こういうところには、激辛を取り扱う店が多いから。


守里: やっぱり、仕事に疲れた大人は刺激を求めるんですかね。


大我: 笑、かもな。帰りに寄ってくか?


守里: え…



大我先輩が言う激辛は、マジでヤバいやつだという話を、灰崎君に昨日聞いたけど…



大我: 奢るぞ。



あぁ、どうしよう。


大我先輩の誘いを断るのもアレだし…

かと言って、激辛は得意じゃないし…



守里: う~ん…すいません。姉が晩ご飯を作って待ってるものですから。



悩んだ結果、行かないという選択肢をとった守里は、必死に頭を回転させ、思いついた言葉を伝えた。



大我: 笑、そうかそうか。姉は大切にしないとだからな。また今度。


守里: はい!また、いつか。


大我: よし、会社に向かおう。


守里: そうですね。


◇◇◇


金山コーポレーション前



守里: でかっ…


大我: さすが…行くぞ。守里。


守里: はい。



ウィーン



受付: いらっしゃいませ。


大我: こんにちは。伊衛能高校の羽村大我です。


受付: こんにちは、伊衛能高校、体育委員長の羽村様ですね。


大我: はい。こちらは、同じく伊衛能高校の風紀委員です。


守里: こんにちは。


受付: こんにちは。ご用件は伺っております。すぐに担当の者をお呼びしますので、少々お待ちください。



そう言って、受付の女性は電話をかけ始める。



守里: 中もなんか凄いですねボソッ


大我: だなボソッ




少しして…



??: あ、どうも。お待たせ致しました。


大我: こんにちは、伊衛能高校の羽村大我です。よろしくお願いします。


守里: 森崎守里です。よろしくお願いします。


??: これはご丁寧に…担当の白谷と申します。


大我: 白谷さん…ですか。


白谷: どうかされましたか?


大我: いえ、私の友人にも白谷という苗字の者がいまして。


白谷: …もしかして、名前は直也ですか?


大我: え?はい。そうですけど。


白谷: やはり…


大我: もしかして、直也くんのお父様ですか?


白谷: はい笑、直也の父です。


大我: 世間は狭いですね笑


白谷: ですね笑



直也先輩のお父さんだったのか。

確かに、少し顔が似てる…?



白谷: 笑、まさか息子の友人と、こんなところで会えるとは…おっと、早く場所を移しましょうか。ついてきてください。


大我: はい。



入口から他の人が入ってきたのを見て、白谷は移動を始め、その後に続き、大我と守里も移動し、1階の応接室のような部屋に入る。



白谷: どうぞ、座ってください。


大我: 失礼します。


守里: 失礼します…



高そうな椅子…

いくらぐらいするんだろう…



白谷: 今日は、わざわざありがとうございます。


大我: いえ。お世話になりましたから。


白谷: どうでしたか?体育祭は。成功しました?


大我: はい。おかげさまで。大成功でした笑


白谷: 笑、だったら良かった。


大我: 改めて、ありがとうございました。


白谷: いえいえ。これからもよろしくお願いします。


大我: こちらこそ、お願いします。


白谷: 笑、随分としっかりされてますね。同伴の方もですけど。


大我: いや、私なんてまだまだですよ。


白谷: 息子と同じ歳だとは思えないです。


大我: ほんと、直也くんにはいつも助けられていまして。


白谷: そうですか…うちのが役に立っているのなら幸いです。


大我: それで、回収した用具は全て揃っていたでしょうか?


白谷: はい、問題なかったです。全てリサイクルできる状態にありましたし。


大我: 来年の用具もお願いしますね。


白谷: 2ヶ月前までに必要なものをご連絡いただければ、いくらでもご用意しますので。


大我: ありがとうございます。では、来年の体育祭に向けて、いくつか用意していただきたいものが。


白谷: 笑、了解しました。




その後、大我と白谷のやり取りが続けられ…



白谷: 来年の体育祭も、楽しいものになりそうです。


大我: はい笑


白谷: しかし、次の体育祭には羽村さんは、携わらないんですよね?


大我: 私は3年ですから、そうなります。


白谷: 残念ですよ。次の体育委員長も、貴方のように仕事のできる方が…


大我: それにはご心配及びません笑。伊衛能高校の生徒は皆、このくらいできますから。


白谷: 笑、それは…次が待ち遠しいです。


大我: 笑、では、私達はこの辺で。


白谷: 今日はありがとうございました。


大我: こちらこそ、ありがとうございました。


守里: ありがとうございました。


白谷: また、機会がありましたら。


大我: そうですね。


白谷: あと、直也のこと、これからもよろしくお願いします。


大我: はい。失礼します。


守里: 失礼します。



用事を終わらせた2人は、会社を出る。



守里: ふぅ…緊張しました。


大我: 全く喋ってなかったもんな笑


守里: 大我先輩の受け答えも、完璧でしたし、特に話すこともなかったですから。


大我: そうか笑


守里: でも、これなら本当に僕は、必要なかったんじゃないですか?


大我: 笑、いやいや。よし、帰ろうぜ。


守里: はい笑



こうして2人は楽しく喋りながら帰った。


◆◆◆


白谷: ただいま戻りました。


??: おう。遅かったな。


白谷: すいません、思ったより話が弾みまして。


??: お前が担当してたのは誰だっけ?


白谷: 伊衛能高校の生徒です。


??: …伊衛能高校か。お前の息子が通ってるところだよな。


白谷: 覚えていらしたんですね。


??: あぁ。だって俺の部下の息子だしw


白谷: …


??: ふ~ん、にしても伊衛能高校ね。縁があるな~


白谷: 縁…ですか。


??: ちなみに、今日来た生徒の名前は?


白谷: 確か、片方は羽村大我だったと思います。


??: おいおい笑、取引相手の名前はちゃんと覚えとけよ。


白谷: すいません。会うのは今日限りだと思っていたので。


??: 笑


白谷: あともう1人は覚えてないです。


??: そうか。まぁいいや。


白谷: 能高が気になるんですか?


??: ちょっとな。社長が帰ってくる前に、色々とやっとかないと。


白谷: あまり目立つのは…


??: 分かってるって笑




to be continued


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