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閑章2

第115話「悪魔との初対面」

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日曜日


久しぶりに暇だな~

何しよう。


朝から、リビングのソファで、1人くつろぐ守里。


結真姉さんは、友達、おそらく奈々未さん達と。

桜はかっきー達と遊びに行って、蓮花は望月さんの家に行った。

美月はまだ寝てるっぽいし…


なんか、このまま日曜日をダラダラ過ごすのもな~


ちょっと、外に出るか。


そう思って、守里は外に出る準備を整える。



守里: 一応、美月に…



美月の部屋に行き、扉をノックする。



コンコン



シーン



守里: うん。やっぱり寝てる。メッセージ送っとこ。



そうして守里は、美月に外に出てくるという連絡をして、外出するのだった。


◇◇◇


駅前



守里: う~ん、どこに行こう。



ブラブラと歩きながら、駅前に到着した守里。



守里: BINGO!に寄るのもありだけど…昨日バイトで行ったばっかだし…偵察がてら、近くのカフェに行ってみるか。



守里は駅前にある、オシャレなカフェに入った。


おぉ…結構、お客さんいる。


うちとは何が違うんだろう…

やっぱり立地かな…

駅前だから人がたくさん来るのかも。


あとはメニューも確認と…


席に案内された守里は、メニュー表を見る。



守里: そうだよな…



カフェのメニューはこんなもんだよな…

あんな、何でもかんでもあるようなカフェは、うちぐらいか。


ある程度、メニュー絞った方が強みが出るのかね。

いや、むしろ、あのメニューの多さを強みとした方が、良いのかも。


よし、このまま頑張ってこう。


そう思いつつ、守里は店員におすすめされたチーズケーキと、アイスコーヒーを注文する。


そして、窓の外を見ながら、それの到着を待つ。


今頃、美月起きたかな?

どうだろ…まだ連絡来てないし、寝てる可能性の方が高いか。

最近は動いてばっかだったから、しっかり休んで欲しい。


って、そういえばだけど、美月は僕の姉と妹、どっちになるんだろう。


これまでは、中々それについて話すことも無くて、あやふやになってたけど、決めないと不便だよな。


誕生日からすると、美月が姉で、僕が弟…

美月の弟…


うわ、なんだろう…

すごい抵抗がある…


これは、美月と応相談だ。

美月は自分が姉が良いって言いそうだけど、ここは徹底的に争わせてもらう。


と、守里が決心したところで、注文した品が到着し、それを食べ始める。



守里: うま…



このチーズケーキ、めちゃくちゃ美味い。

店長の作ったケーキに匹敵するぐらい。


守里はチーズケーキに舌鼓を打ちつつ、店内を見回す。


あ~なるほど…


店内に貼られていたポスターの1つに、ここの店長が有名なパティシエだということが書かれているのを発見する。


道理で、美味しいわけだ。


って、このケーキに劣らないケーキを作る、うちの店長は何者なんだろう…

あの髪型のインパクトのせいで、あんまり気にしてこなかったけど、何気にあの人、謎が多いよな笑


初めて会った時は、確か…


◆◆◆◆◆◆◆◆◆


去年の4月


放課後、1人でいつもの通学路とは違う道をブラつきながら、家に帰る守里。


そろそろ、バイトしたいな~

これまでは、父さんからの仕送りで生活してきたけど、高校生になったんだから、自分でお金を稼いでいかないと。


でも、あんまり忙しいヤツは…


と、建ち並ぶお店を見つつ、歩いていると…



守里: ん?



ここは…


1つのこじんまりとしたお店が、目に入る。



守里: カフェか…



なんとなくの雰囲気から、そう推測する守里。



??1: そうですよ。



そんな守里の後ろから、誰かが話しかける。



守里: え?!



守里は驚いて、すぐに振り向く。



??1: 笑、そんなに驚かなくても良いのに。


守里: あ、あの…


??1: あぁ、ごめんね。私はそこのカフェの店員なの。


守里: そ、そうなんですか…


??1: ねぇ、ちょっと寄ってかない?



随分とグイグイ来るな…


そう思い、守里が少し戸惑っていると…



??1: お客さん来なくて暇なんだよ~来てくれない?



そう言って、??1が守里の肩に手を置く。


あれ、なんか…

この人に逆らってはいけないような気が…



守里: は、はい。


??1: 笑、良かった。じゃあ、行こうか。



守里は??1に連れられて、店内へ。


ガチャ



??2: いらっしゃいませ。



入口からチラッと見えるキッチンにいる、ユニークな髪型の男性が目に入る。


あの人も、ここの店員なのか…

なんだろう、すごく…目が行く…



??1: でしょ?笑


守里: え?


??1: まぁ、良いから、お好きな席にどうぞ。



守里は適当な席に着く。


ほんとにお客さんいないんだな。


店内には守里と、店員2人しかいなかった。



??1: どうぞ。メニューです。


守里: ありがとうございます…



メニュー表を受け取り、頼むものを選ぶ。



守里: って…多くね。


??1: うん。それがここの取り柄なの笑



守里の背後に立っていた??1がそう言う。



守里: こんなにあって、大変じゃないんですか?


??1: そうね笑。お客さんがたくさん来たら、大変かもだけど、今のところその予定は無いから笑


守里: そ、そうですか。



お店の中で、こういうことを堂々と言うなんて…



??1: それで、注文は?


守里: あ、ならアイスコーヒーと…


??1: おすすめは、このマドレーヌかな。


守里: 祈りのマドレーヌ…


??1: そう、私が考案したの。


守里: へぇ。



大層な名前だこと。



??1: でしょ笑


守里: っ!!



この人、さっきから僕の心を…



??1: ?笑


守里: じゃあ、このマドレーヌをお願いします。


??1: 笑、アイスコーヒーとマドレーヌですね。少々お待ちください。



そう言って、??1は??2の元へ。



??1: 店長、アイスコーヒーとマドレーヌです。


店長: はーい、アイスコーヒーよろしく。


??1: 了解です。



え、あの人、店長だったんだ。

ってことは、あの女性の店員さん、店長のいる前で、あんなこと言ってたのか…


店長さんも気にしてる様子ないし…

ここはどんな場所なんだ…


と、守里がここのカフェについて疑問を抱いていると…



??1: お待たせしました、アイスコーヒーとマドレーヌです。



??1が守里の座るテーブルに、注文した品を運んでくる。



守里: はや…


??1: お客さん1人だし、簡単なものだったから笑


守里: そうですか。



守里はアイスコーヒーを一口飲む。



??1: そのマドレーヌ食べてみて。


守里: は、はい。モグモグ…っ!!


??1: どう?


守里: おいしいです!



うわ、まじでこのマドレーヌ美味い。



??1: 良かった笑


守里: この美味しさで、お客さんが少ないのは、本当に不思議です。


??1: う~ん、やっぱり宣伝が悪いのかな。看板もポスターも何も置いてないし。


守里: もしかしたら、そうかもしれないですね。



守里はマドレーヌを食べながら、答える。



??1: …笑、君は、ここの店気に入ってくれた?


守里: はい!気に入りました!料理もおいしいし、何より店員さん達の雰囲気が暖かい。


??1: 笑、ありがとう。それで、君の悩みはなんなの?


守里: え?


??1: 何か、悩んでたんじゃないの?


守里: い、いや、そんなことは…


??1: 嘘。悩んでた表情してた。


守里: …だから、僕に声をかけたんですか?


??1: まぁね笑


守里: …僕、バイト先を探してるんです。今、一人暮らししてて、これまでは父親からの仕送りだけで生活してたんですけど、高校生になったからには、自分でお金を稼ぎたくて。


??1: なるほど…店長。


店長: 僕は大歓迎。


守里: ?


??1: 君、ここでバイトしない?


守里: は?


??1: 良かったらだけど。


守里: あ、あの…お願いします!ここで働かせてください!!



守里は急な展開に驚きつつも、立ち上がり頭を下げる。



??1: 笑、OK。


店長: 採用。


守里: でも、こんな感じで大丈夫なんですか?


店長: 問題ないよ。僕が店長なんだし。


??1: 店員も私だけだからね。


守里: へぇ。


店長: あ、でも名前とか連絡先とかは、教えて笑


守里: 笑、ですよね。


??1: 伊衛能高校1年生の君の名前は?



まぁ、制服着てるから、能高生ってのは、すぐ分かるか。



守里: はい、森崎守里です。


店長: っ…森崎君ね。これからよろしく。


??1: …笑、守里君か。一緒に頑張りましょ。


守里: よろしくお願いします!




その後、守里はテーブルに残っていたマドレーヌを食べ、アイスコーヒーを飲み干し…



店長: じゃあ、明日ここに来て。色々と話すことあるから。


守里: はい、分かりました。


??1: また明日~


守里: あ、あの、お名前は?



守里はずっと名前を聞きそびれていた、女性の店員の名前を聞く。



??1: あぁ笑、言ってなかったね。



??1は守里を見る。



??1: 私は橘奈々未。よろしく。


守里: 橘さん…


奈々未: 笑、まぁ最初はそれで良いや笑


守里: では、失礼します!


店長: うん。待ってるよ笑


奈々未: バイバイ。



ガチャ


そうして、守里はカフェBINGO!を後にしたのだった。


◆◆◆◆◆◆◆◆


う~ん…

やっぱり奈々未さんの方が印象に残ってるな笑

初手から僕の心を読んできたし。


でも、奈々未さんのおかげで、僕は良いバイト先を見つけられて、楽しく働けてるんだよな~

ちゃんと感謝しないと。


心の中で…



「少しは口に出してくれても良いのよ笑」


守里: っ!!!



守里は周りを見る。



守里: い、いないよな…



いたら怖すぎる…


ってか、とうとう幻聴まで…

もう末期なんじゃ…


いやいや、心を強く持て、森崎守里。



守里: ふぅ…



守里はなんとか怯える心を落ち着かせる。




少しして…



守里: よし、行くか。



テーブルを立ち、お会計を済ませ、店を出る。


とか言いつつ、次にどこ行くか決めてないんだよな~

マジで、どうしよう。


もう家に帰るか…


いや、せっかく外に出たんだから…


守里は悩みながらも、歩みを進める。



守里: あ…



視界の中に、以前祐希と一緒に行った図書館が入ってくる。



守里: 図書館で本を読むのもあり…うん、ありだな。



そう言って、守里は図書館の中へ。



さぁ、何の本を読もう…

やっぱ、推理小説かな。


と思い、守里は推理小説がある2階の中央に、遠回りをしつつ向かう。


ここの図書館は、色んな種類の本を揃えてるから、ずっと楽しめるんだよな。


階段を上り、2階の奥の方へ。



守里: ここは、科学系の本か………。



目的地の少し手前で、守里の足が止まる。



守里: これって…



本棚から1冊の本を手に取る。



守里: 「βエンドロフィンの作用」?…なんだこの本。



パラパラとページをめくる。



守里: う~ん、難しい…



と、首を捻りつつ、本を見ていると…



??: あら、こんなところで、奇遇ですね。


守里: え?




to be continued
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