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第4章 白仮面編

第87話「白仮面捕獲作戦with防衛団 前編」

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翌日

放課後



守里: 僕、急がないとだから、じゃあね!!


飛香: え?うん。バイバイ。


美月: 早く帰ってくるんだよ~


春時: お、おう。またな。


日向子: え?!競走!!負けるか!!



そうして、守里は大急ぎで教室を出た。


日向子も合わせて体育館に向かった。



守里: ふぅ…ここら辺だと思うんだけど。



教室を出た守里は、森田と合流する予定の所まで走って来た。



守里: この前と同じ車のはず…あ、いた。



守里は、街路樹の向こうに止まる白の車を発見する。



守里: これ、だよな。



ウィーン


車の窓が開く。



森田: 坊ちゃん、乗って下さい。


守里: あ、森田さん。分かりました。



ガチャ



矢口: 坊ちゃん、お疲れ様っす。


守里: どうも、矢口さん。


矢口: 早速向かうっすよ。



車が動き出す。



守里: それで、作戦はどんな感じですか?


森田: はい、今回の白仮面捕獲作戦に参加するのは、私達を含め、防衛団員10名です。伊衛能病院に近くて助かりました。


守里: そうですか…


矢口: あそこら辺には、腕の立つ団員がいるっすからね。


守里: へぇ。


森田: 取引場所を下見したところ、これまでの取引場所とは違い、3方向に道がありました。



情報によると、これまでに白仮面が出現した取引場所は、全て一本道だったみたいだからな。


今回は前回以上にキツイかも…



森田: まず、取引場所に白仮面を確実に入らせます。



確かに、そっちの方が捕まえられる可能性は高いか。



森田: それで、周りの建物は3階分ぐらいの高さがありますが、坊ちゃんの話を聞く限り、上にも逃げられる可能性があると考え、今回、白仮面には4方向の脱出ルートがあると言えます。


守里: なるほど。


森田: ですから、4方向に2人ずつ、残り2人を予備戦力として残します。


守里: じゃあ、僕は…


森田: 予備戦力の2人と一緒に残っといて下さい。協力者の方は、私達が責任を持って、お守りしますので。


守里: いえ、僕も行きます。絶対に逃がしません。


森田: …分かりました。次期団長の言うことは聞かないとですからね笑


守里: すみません笑


森田: いえ笑、だったら私の班に入りますか?


守里: では、そうします。


森田: 了解です。それで、あと1つ頼みたいことが。


守里: なんですか?


森田: その協力者への口止めです。


守里: あぁ、確かにしないとマズイですね。


森田: 今回ばかりは姿を全く見せないで、ということはできませんから。前回は美月さんが気を失っていたから良かったですが。


守里: ですね。そういえば、防衛団はこれまでにこの件について、関わることは無かったんですか?


森田: はい、警察からアンチかもしれないという情報は受けていましたが、それまでは、そのような事が行われていたということも知りませんでしたし、何より、学生が被害者だっため、私達が動くわけにもいかず…すみません。


守里: いえ、しょうがないですよ。正体はできるだけ隠さないとですし。


森田: なので、その協力者にはしっかりと口止めをお願いします。あと、白仮面に気づかれたら、壁に背をつけておく、ということも。


守里: 分かりました。




そうして、伊衛能病院に到着する。



森田: ちょうど15分ですね。


守里: では、いってきます。


森田: はい、今からそれぞれの待機場所に向かいますんで、協力者が取引場所に向かい始めたら、連絡をください。


守里: 了解です。



ガチャ


守里は鴨田との待ち合わせ場所に向かう。



鴨田: あ、どうも守里さん。


守里: どう、良介君、体調は大丈夫?


鴨田: はい!


守里: そっか。なら良かった笑


鴨田: それで、どうやって白仮面を捕まえるんですか?


守里: うーん…その、僕にも協力者がいるんだよ。その人達に手伝ってもらう。


鴨田: へぇ。


守里: でね、良介君には、何を見ても、全部見なかったことにしてもらいたいんだ。


鴨田: なるほど、誰にもその協力者さんのことは、言うな、ということですね。


守里: うん。ちょっと事情があって。頼んだよ。


鴨田: はい!!


守里: それで、白仮面が来たら、スタンプ送ってね。


鴨田: 了解です!!


守里: あと、多分白仮面は僕達が来たことをすぐに察知するだろうから、察知されたら、すぐに壁に背中をつけて、いつでも逃げられるようにしといて。


鴨田: 分かりました。絶対に捕まえましょう!!


守里: うん。今回こそ絶対に捕まえる。




そうして、取引の時間5分前になり…



鴨田: じゃあ、いってきます。


守里: 良介君は絶対に守るから、安心して。


鴨田: はい!



鴨田が取引場所へと向かう。



守里: よし、森田さんに連絡して…っと。



守里が森田に連絡をし、携帯をポケットに入れた直後…



森田: 坊ちゃん。


守里: あ、森田さん。


森田: では、私達も待機場所に向かいましょう。


守里: はい。



守里と森田が移動を始める。




そんな2人の背中を、じっと見つめる者がいた。



梅澤: …



守里から少し離れたところで、ずっと守里の動向を観察していた梅澤。



梅澤: (守里、やっぱり何かあるのか…私もついて行こう。)



梅澤は、バレないよう守里達の後について行った。




待機場所に行くと、矢口が守里が以前に使用してたものよりも小型のインカムをつけ、立っていた。



矢口: 全ての班から連絡が来てるっす。いつでもいけるっすよ。あと、白仮面の他にも仲間らしき男達が取引場所に向かったっす。



そう言って、矢口は守里と森田に、インカムを渡す。



森田: 分かった。


守里: …


森田: 大丈夫です。さっきも矢口が言ったように、今回の作戦に参加するヤツらは全員、ある程度強いですから。中位相手ぐらいなら、問題ないです。


矢口: 俺らも、この前は敵の人数が多すぎて、苦戦したっすけど、中位3人ぐらいなら余裕っすよ笑


森田: いや、お前に3人相手は無理だろ。


矢口: そりゃあ、兄貴には劣るっすけど、いけますって。


森田: 笑、なら期待するぞ笑


矢口: 笑


守里: …笑、そうですね。父さんの部下を信じないとですね。


森田: はい、信じて下さい。坊ちゃんの将来の部下なんですから。


守里: はい!




そして、16時半になる。


ピロン



守里: 合図来ました。


森田: よし、作戦開始!!


矢口: 行くっすよ!!


梅澤: っ!!(走り出した!)



全員が走り出す。

そして、取引場所に続く小道に入る。


絶対に捕まえてやる!!!



白仮面: はぁ…今回もですか…こちら側はまだ大丈夫だったのに。


鴨田: …


白仮面: あなたとの取引は終了です。では…



鴨田はその言葉を聞いた瞬間に、守里に言われた通り、壁に背中をつける。


白仮面は上を見上げる。



白仮面: …どうやら、上はダメみたいですね。


??1: じゃあ、俺らが道を開けないとだな。


白仮面: はい、お願いします。


??1: 分かった。行くぞ、お前ら。



白仮面と共に来ていた強面の男達が、移動し始める。



白仮面: この前のように、返り討ちにしましょう。


鴨田: (守里さん…)


守里: そろそろですかね。


森田: はい…っと、見えました。


矢口: あれ、思ってたよりも多い…4人っすね。まぁここは道幅もあるっすから。


??1: ここは、通さねぇぞ。って知ってるか。


森田: うーん、あれは中位だ。


矢口: なら余裕。


中位1: はぁ?笑


中位2: 大口叩けるのも今の内だぞw


中位3: しゃ、さっさと終わらせようぜ。


中位4: そうだな。


森田: うっせぇ。寝てろ。



森田が中位1に急接近し…



中位1: は…


ドンッ!!



強烈なボディーブローを打ち込む。



中位1: ブハッ…


ドサ



中位1がその場に倒れる。



森田: まぁこんなもんだよな。


中位2: クソ、ワンパンかよ。


中位3: 知らねぇ、やるぞ!!


中位4: おう!!


矢口: よっと!!



矢口が壁を使っての三角飛びから…



矢口: フン!


中位3: グッ…



体を捻り、中位3の顔面に拳をめり込ませる。



中位2: おいおい、マジかよ…


中位4: コイツらもしかして…


森田: 分かったか?



そう言って、森田が完全に固まっている中位2の顎を、回し蹴りで正確に弾く。



中位2: …


ドサ


中位4: 防衛団か…


矢口: 正解!!


中位4: ウグッ



矢口が中位4の鳩尾を打ち抜く。



森田: これで、終わったな。


守里: はや…



強いとは思ってたけど、瞬殺とは…



矢口: 他の班も、もう終わったみたいっす。


森田: よし、なら早くいきましょう。


守里: は、はい!



そして再び走り出す。



梅澤: は?…嘘だろ…



遠くに見えた一連の流れに、驚きを隠せずにいる梅澤。



梅澤: 私達が苦戦したアイツらを一瞬で…それに防衛団…



顔を上げ、前を見る。



梅澤: あの人達と一緒にいるということは…



そして、守里達の後をついて行こうと、1歩踏み出すが…



梅澤: これ以上はバレるか…仕方ない。



方向転換し、守里達に背を向ける。



梅澤: 守里…お前…



こうして、梅澤は去っていった。




to be continued
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