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第4章 白仮面編

第86話「大食女、梅澤」

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カフェBINGO!


水曜日の放課後、風紀委員の見回りの途中で、守里のバイト先に寄った、守里、美月、梅澤の3人。


守里がキッチンにいる奈々未に呼ばれ、美月がお花を摘みに行った間に、1人テーブルに残った梅澤が、守里が置いていった携帯を覗き見していると…



守里: 重…


梅澤: っ!!…



キッチンから、梅澤が注文した、どデカいいちごパフェを守里が運んで来た。



守里: よいしょ…



ドン



奈々未: いや~店長、張り切りすぎでしょ笑


守里: 確かに笑。香蓮、食べ切れる?


梅澤: もちろん。


美月: うわっ、大っきい!



同じタイミングで、お花摘みから美月が戻って来る。



奈々未: 焼き芋アイスと、アイスコーヒー、それとスペシャルウルトラいちごパフェです。ごゆっくりどうぞ…って、ゆっくりはできないわね笑


守里: はい笑。長居しすぎると、流石に若月さんに怒られますから。


美月: そうだね。早く食べないとって…


梅澤: バクバク



梅澤がものすごいスピードでパフェを食べ始めた。



奈々未: すご…


守里: 香蓮、すごい…


美月: っは!!私も早く食べないと!



美月も負けじとアイスを食べるが…



美月: 痛っ!!



頭を抑える美月。



守里: そんなに早く、アイスを食べるからだよ笑


美月: だって~


守里: 香蓮もアイス食べてるけど、頭痛くならないの?


梅澤: 別に我慢できる。バクバク 



香蓮、強し…




10分後…



梅澤: ご馳走様でした。



梅澤はスペシャルウルトラいちごパフェを完食した。



守里: 本当に食べ切った…


美月: はぁ…私も食べ終わった…


守里: なら、出ようか。早く戻らないと、怒られる。


美月: そうだね!


梅澤: 早く行こう。



そうして、守里達は席を立つ。



奈々未: 1600円になります。


店長: いや、ちょっと待って。


奈々未: なんです?店長。


店長: 君が、あのスペシャルウルトラいちごパフェを食べ切ったの?


梅澤: は、はい。


店長: そうか…よし、パフェの分のお金は無しで良いよ。


奈々未: え?


店長: その代わり、また来てくれない?新しいパフェを開発して待ってるから。


梅澤: 笑、分かりました。ありがとうございます。


店長: 笑


守里: …


美月: …


奈々未: …では、600円になります。


守里: はい。



守里は財布からお金を出す。



美月: え、私も払うけど。


守里: 別にこのくらい良いよ笑


美月: でも…


奈々未: 笑、守里に奢ってもらいなさい、美月。まぁこんぐらいじゃカッコつかないけどね笑


守里: ちょっと、奈々未さん笑


美月: 分かりました笑。ありがとう、守里。


守里: いえいえ笑


奈々未: ちょうどですね。またのご来店、お待ちしております。


守里: はーい。


美月: ご馳走様でした~


奈々未: またね!


梅澤: …また来ます。


店長: はい…



ガチャ



守里: よし、早く帰ろう!


美月: そうだね!!


梅澤: あぁ。



守里達は早歩きで見回りを終わらせ、風紀委員室に戻った。


そして、守里達は若月から小言を言われるのであった。


◇◇◇◇


その日の夜


守里の部屋



守里: 明日の16時15分に、伊衛能病院か…



守里は再度、鴨田とのやり取りを確認する。


今回は確実に白仮面を捕まえないと…


よし、電話するか。


守里はもう1つの携帯電話を取り出す。


ブーブー

ピ



守里 T: もしもし、森田さん。


森田 T: どうしました?坊ちゃん。


守里 T: 今、大丈夫ですか?


森田 T: はい。自宅にいますけど、大丈夫ですよ。


守里 T: あ、そうなんですか。


森田 T: 笑、私も家くらいありますよ笑、家庭もありますし。


守里 T: そうだったんですね。



森田さんって結婚してたんだ!



森田 T: 今、護衛には矢口の方が付いてますんで。アイツは独り身ですから。通常、朝昼は私で、夜はアイツが付くことになってるんです。


守里 T: いつも、ありがとうございます。


森田 T: いえ、仕事ですから。それに次期団長を護衛することができるなんて、誇らしいですよ。仲間にも自慢できますし。


守里 T: そうですか笑


森田 T: はい笑。それでご用件は?


守里 T: 明日、少し手伝って欲しいことがあるんです。


森田 T: それはもちろん構いませんけど。手伝って欲しいこととは、なんでしょう。


守里 T: えっと、まず、森田さんは今この辺で警察が動いてることは、知ってますか?


森田 T: はい、もちろん。私達にも情報は回ってきてますんで。


守里 T: なら、話は早いです。明日、白仮面を捕まえるチャンスがあります。


森田 T: え、マジですか?あ、すいません。


守里 T: 別に大丈夫ですよ笑、マジです。


森田 T: どうやって…って、まぁそこはさすが、坊ちゃんということで。


守里 T: 笑、それで、その手伝って欲しいことというのは…


森田 T: 白仮面の捕獲ですか。


守里 T: はい。


森田 T: 白仮面には手勢が数人いるんですよね?


守里 T: 僕が実際に接触した時に、現れたのは4人です。


森田 T: そうですか…場所はどこですか?


守里 T: 16時半に伊衛能病院近くです。あとから詳細送ります。


森田 T: 伊衛能病院…それだったら、他の団員も動員できそうです。


守里 T: 何人ぐらいですか?


森田 T: 10人はいけます。


守里 T: それだったら…いや、油断はダメですね。


森田 T: 笑、そうですよ。何事も油断はいけません。


守里 T: はい…この前の捕獲失敗で、身に染みました。


森田 T: そうですか…でも、次で挽回しましょう。


守里 T: はい!


森田 T: 笑、では、一応捕まえた場合のことを考えましょうか。


守里 T: というと?


森田 T: 白仮面や他の手下を捕まえた場合、どこに引き渡すか、ということですよ。


守里 T: あぁ、なるほど…


森田 T: 見てみないと、分かりませんが、アンチだった場合は、防衛団で全員引き取りたいんですけどね…坊ちゃんにも立場がありますし、警察にも気を遣わないといけないですから。


守里 T: う~ん…いや、防衛団で全部引き取りましょう。


森田 T: え、それで良いんですか?


守里 T: 警察の方は、協力関係にありますから、どうにかなるでしょう。あと、僕の立場とかはどうでもいいですから。


森田 T: そ、そうですか…では、防衛団で引き取って、情報を全て吐き出させた後、その情報と白仮面の身柄を、坊ちゃんの方から、学校と警察に渡すのはどうです?


守里 T: 分かりました。それでいきましょう。


森田 T: 了解です。では、こちらでも早速動きますね。


守里 T: よろしくお願いします。


森田 T: 明日は、いつ合流しますか?打ち合わせもしたいんですが…


守里 T: 僕の協力者とは16時15分に、伊衛能病院で集合になってるので、その前が良いですね。


森田 T: なら、16時に学校にお迎えにあがりますので、車の中で作戦会議をしましょう。


守里 T: 了解しました!


森田 T: では、失礼しますね。


守里 T: はい。



ピ



守里: ふぅ…



これで、準備は整った…かな。

今度こそ、逃がさないようにしないと。


この前は閃光弾だけだった…

もしかしたら、次はもっと別の、いや、攻撃をしてくるかもしれない。

森田さんが守ってくれるとは思うけど…


いや、自分でなんとかしなければ。


良介君にも言ったじゃないか、自分の力でぶつかるって。





あの力が使えれば…


美月を助けた時の力…


自分でもよく分からないけど、しっかりと記憶に残ってる。


僕はアンチ達を倒せたんだ。

だったら、今回もその力を使えれば、アンチを倒して、白仮面を捕まえられるはず…


でも、どうやって…


あの時は確か…

美月を守らなきゃって思ったら、頭の中でなにかを開いたような感じがしたんだ。


ってことは、また美月が…


いやいや、何を言ってるんだ僕は!

僕がその力を使う度に、美月を大変な目に遭わせてどうするんだ。

本末転倒だろ。


自分であの力を引き出せるようにしないと…


少なくとも、誰かに影響されたわけじゃなく、自分の中に、その力を使えるようになるトリガーがあるはずなんだ。

そのトリガーを自分自身で引けるようになれば…

意識的にそれができるようにするんだ。



守里: ふん!!



守里は全身に力を込める。






守里: はぁ…できない…



流石に無理か…

某バトル漫画のようにはいかないな。


もっとイメージが必要なのか?

だったら…


白仮面を絶対に捕まえてやる!!

捕まえてやる!!

絶対に!!

捕まえる!捕まえる!捕まえる!!!



守里: はっ!!!







守里: …できない…



目的をイメージするのでもダメなのか…


一体どうすれば…


…もっと具体的にか?


だったら、明日、作戦の直前に試してみよう。

自分のやることを明確にイメージしたら、できるかもしれないし。


守里はベッドに入る。


明日、頑張ろ。


ってか、父さんに聞けば、なにか分かるかもな…

あの力について。


こうして、守里は眠りについた。




to be continued

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