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第4章 白仮面編

第85話「むちゃくちゃな握力」

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翌日水曜日

放課後



美月: まだ、白仮面って捕まってないんだよね?


守里: うん。警察も捜索はしてるけど、全然らしい。


美月: そっか…


梅澤: …



守里、美月、梅澤は風紀委員として、校外の見回りを行っていた。



美月: でも、警察の人いなくない?


守里: そりゃあ、制服でいるわけないよ。白仮面が出てこなくなるでしょ?


美月: あ、確かに。


梅澤: 警察なら、そこにいる。



そう言って梅澤は、大通りから脇道に入る手前のところに立つ、2人組の男達を指す。



美月: あれ、警察なの?


梅澤: あぁ、多分な。


守里: さすが香蓮だね。


美月: うんうん!すごい!!


梅澤: …笑


美月: あ!今、笑った!!


梅澤: っ!!バカ、違う//


美月: 褒められるの慣れてないんだ笑


梅澤: チッ、早く行くぞ。


美月: 香蓮はほんと、背が高くてカッコよくて、美人さんだな~


梅澤: …


守里: 美月、その流れだと嘘っぽく聞こえるぞ笑


美月: いやいや、本当に思ってるから!


梅澤: ///うるさいって!!



そう言って、梅澤がドンドン先に歩いて行く。



美月: っもう!香蓮は可愛いな~



その後を美月がスキップでついて行く。



美月: 香蓮は本当に強くて優しくて、最高…え?



梅澤は振り返って、後ろに来た美月の頭を片手で掴む。



梅澤: やめろって言ってんだろ!!


美月: イタタタタタタタ!



梅澤のアイアンクローが美月に決まる。



守里: まぁまぁ香蓮。美月もほどほどにね。


梅澤: …


美月: はぁ~頭が割れるかと思った…


梅澤: 笑、良かったじゃねぇか。その大きい頭が小さくなったかもしれないぞ笑


美月: なんだって~この~



美月が梅澤の脇腹をツンツンする。



梅澤: ちょっ!やめろって笑


美月: 私の悪口を言った罰だ~笑



ほんと、仲良くなったな笑


香蓮も口調が崩れて、素の感じに近くなってきたみたいだし。

美月も楽しそうに話してるし。


良いことだ。


そう思って、守里が暖かい目で、美月と香蓮を見ていると…



美月: 守里はなんで、そんな親みたいな目でこっちを見てんの?


梅澤: それな。


守里: 笑…いや、別に。ほら行くよ。


美月: はーい!香蓮、行こ。


梅澤: あぁ。


◇◇◇


カフェBINGO!前



守里: ねぇ2人とも、少し、ここで休憩していかない?


美月: 良いよ!


梅澤: 分かった。


美月: なんか用なの?


守里: まぁちょっとね。



ガチャ



奈々未: …いらっしゃいませ、何名様ですか?


守里: 3人です。


奈々未: お好きなお席へどうぞ。



そうして、守里達は席に着く。



奈々未: ご注文がお決まりになりましたら、お呼び下さい。


守里: 分かりました。


梅澤: ここ、随分とガラガラだな。


美月: ちょっと、香蓮。分かってても言ったらダメだって笑


守里: 笑、別に良いよ。いつもの事だし。


梅澤: ?


守里: じゃあ、僕ちょっと行ってくるから。注文決めといて。


美月: はーい。


梅澤: どういうこと?


美月: あ、ここ、守里のバイト先なの。


梅澤: へぇ、そうなんだ。


美月: ほら、なんにする?



美月はメニューを広げ、梅澤に見せる。



守里: 店長。


店長: あれ、森崎君じゃないか。どうしたの?


守里: いや、ちょっとご相談が…


店長: え、なに?怖いんだけど。


守里: あの、明日休ませてもらっても…


店長: あぁ、なんだそんなことか。別に良いよ。


奈々未: どうせ、変わんないだろうからね。


守里: 奈々未さん、どうも。


奈々未: ねぇ、あの子、梅刺奴欺でしょ。



奈々未は、メニュー表を見ている梅澤を見ながら言う。



守里: 知ってるんですか?


奈々未: そりゃあ、私が風紀委員の時から有名だもん。


守里: そうなんですね。


奈々未: で、なんで一緒にいるの?


守里: 今、香蓮と一緒に見回りしてるんです。若月さんに言われて。


奈々未: へぇ…って随分と仲が良いのね。


守里: はい、もう一緒になって5回目ですから。


奈々未: ふーん…



奈々未は再び梅澤を見る。



守里: え、まさか、奈々未さん、香蓮にビビってるんですか笑。あぁ笑、だから、僕達にあんなよそよそしい態度をとったんです…



奈々未が守里の頭を片手で掴む。


おいおい、まさか…



守里: イタタタタタタタ



奈々未のアイアンクローが守里に決まる。



店長: ほーら、そこまで。


奈々未: …なわけないでしょ。


守里: はぁ、痛かった…



奈々未さんの握力ヤバすぎ…


ゴリラかって…



奈々未: またやるわよ。


守里: 申し訳ございませんでした。


店長: それで、明日のバイトを休むって話だったよね?


守里: はい。


店長: ちなみに、なんでか聞いてもいい?


守里: ちょっと用事ができまして。


奈々未: またそれか。


守里: すいません、最近忙しくて…


奈々未: 守里君。君、また変なことに首突っ込んでないでしょうね。


守里: いや、この前のとは違います。風紀委員関連ですから。


奈々未: そう?なら良いけど。なにかあったら、ちゃんと相談するんだよ。少しなら力になれるかもだから。まぁ、高くつくけど笑


守里: 笑、機会があればということで。


店長: 頑張ってね~


守里: はい!


奈々未: なら、さっさと注文して。お店の売上に貢献して!


守里: 分かりましたって笑



話を終えた守里は、美月と香蓮のいる席に向かう。



美月: あ、守里。用事終わった?


守里: うん。注文決まった?


美月: 決まったよ!!私は、この焼き芋アイス。


守里: 香蓮は?


梅澤: スペシャルウルトラいちごパフェ。


守里: え、マジ?


梅澤: え?ダメなの?


守里: い、いや、良いけど…めちゃくちゃデカいよ。


梅澤: 多分大丈夫。


守里: あ、そう…すみませーん!


奈々未: はい、ご注文お決まりになりましたか?


守里: はい、焼き芋アイスとアイスコーヒー、あとスペシャルウルトラいちごパフェ、お願いします。


奈々未: え、ほんとに言ってる?


守里: 香蓮が大丈夫と言ってます。


奈々未: 香蓮?さん。本当に食べ切れる?うちの店長が深夜テンションで作り上げた、変なメニュー第1号だけど…


梅澤: はい。私こう見えて、結構食べれるので。


奈々未: …分かりました。では、少々お待ち下さい。



そう言って、奈々未がキッチンへ。



奈々未: 店長、第1号の注文です。


店長: そうですか…では、腕によりをかけて…


美月: 用事ってなんだったの?守里。


守里: 明日バイト休むってことを、伝えに行ったんだよ。


美月: 休むの?なんで。


守里: まぁちょっとね。


美月: 秘密?


守里: う、うん。そうなるかな。


美月: え~


守里: ごめんね。終わったら、ちゃんと話すから。


美月: もう…ってことは、明日は遅くに帰ってくる?


守里: う~ん、分かんない。


美月: そっか。



ピロン



守里: ん?



携帯から通知が来た音が鳴る。



守里: 誰だろ。


鴨田 M: 明日の取引の場所を伝えてなかったと思いまして。



あぁ、そういえば、聞くの忘れてた。



守里 M: ごめん、聞くの忘れてたね。それでどこなの?


鴨田 M: ここです。



鴨田から画像が送られてくる。



守里 M: 伊衛能病院の近くか。


鴨田 M: はい。


守里 M: なら、もう一度確認するけど、16時半にここで取引ね。


鴨田 M: そうです。


奈々未: 守里君、ちょっと来て!!



突然、奈々未から呼ばれる。



守里: あ、はい。


美月: 守里、大変だね笑


守里: まぁね笑



そう言って、守里はそのまま携帯をテーブルの上に置き、席を立つ。



美月: なら、私もちょっと、お花を摘みに笑


梅澤: 笑



そうして、テーブルには梅澤と、守里の携帯が残った。


ピロン



梅澤: ん?



通知音に反応した梅澤の視界に、鴨田と守里のメッセージのやり取りが入る。



梅澤: (…取引?!)


鴨田 M: では、16時15分に伊衛能病院の駐車場に集合しましょう。


梅澤: (行ってみるか…)



to be continued
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