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第4章 白仮面編

第84話「蓮花の裏ミッション」

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鴨田のお見舞いに来た守里達は、鴨田の部屋で会話を弾ませていた。



水谷: ふぅ…結構喋ったね。


元気: だね。


望月: 鴨田君と元気君のこと色々知れたよ。


蓮花: 笑


鴨田: 僕らも、水谷さん達のこと知れて、良かったよ。


水谷: そう?


鴨田: うん!チラッ


守里: じゃあ、そろそろ僕の話を良いかな?


鴨田: あ、そうですね。分かりました。


守里: ごめんだけど、2人きりで話したいからさ、リビングに行かない?


鴨田: え、えぇ。構わないですよ。



そう言って、守里と鴨田は立ち上がり、リビングへ。



水谷: よし、行ったかな?


望月: うん。


蓮花: 鴨田君には悪いけど…


元気: 早くやらないとだね。



蓮花達も立ち上がり、部屋の中を見回り始めた。




守里: …



リビングに入った守里は、部屋の中を見回す。


さすがに、ここにはないかな…



鴨田: あの~お話って…


守里: うん笑、そんな緊張しなくて良いよ。別に蓮花から離れろなんて言わないから。


鴨田: え、はぁ…良かった…


守里: 笑、本当に蓮花のことが好きなんだね。


鴨田: は、はい///


守里: 今日の様子を見て、好きってことが凄い伝わってきたよ笑


鴨田: そうですか…


守里: ずっと蓮花のことチラチラ見てたよね?


鴨田: す、すいません笑


守里: なんで、謝るの笑


鴨田: いや、なんか…


守里: それで、蓮花のどこが好きなの?


鴨田: え?


守里: 蓮花の兄として、ちょっと聞いてみたいんだよね。ほら、こういうことは本人の前では言いにくいでしょ。


鴨田: 確かに…


守里: うん。


鴨田: そうですね…まずは、なんと言っても、あの笑顔です。


守里: 分かる。めちゃくちゃ分かる。


鴨田: ですよね!!


守里: あぁ、あの無邪気な笑顔が最高なんだよ。蓮花は。


鴨田: そうなんです!!僕はあの笑顔に一目惚れしてしまいまして!


守里: そうか笑


鴨田: あとは、やっぱりギャップですね!結構クール目の見た目で、普段もクールな感じなんですけど、時折見せる甘々な感じが最っ高なんです!!!


守里: うわっそれ、めっちゃ分かる。鴨田君やるねぇ笑


鴨田: そんな、白城さんのお兄さんにそんなことを言って貰えるとは…


守里: 笑



ピロン



守里: あ、ちょっとごめんね。


鴨田: はい!



守里は携帯を確認する。


さぁ、結果は…


よし…

やるか。



守里: いや~ほんと、蓮花のことをよく分かってるね。鴨田君は。


鴨田: いえいえ。


守里: それで、蓮花に告白したんでしょ?


鴨田: はい、フラれちゃいましたけど…


守里: その告白したってだけで凄いよ。勇気がいることだから。


鴨田: はい…


守里: でも、まだ諦めてない?


鴨田: はい!


守里: 鴨田君は強いね…


鴨田: いえ…


守里: けど!



鴨田の言葉に守里が被せる。



守里: 自分の力でやらないと。


鴨田: え?


守里: 使ってるでしょ、モテ薬。


鴨田: っ!!!


守里: うん。その反応はやっぱり使ってるのかな。


鴨田: い、いや…


守里: もう薬自体も見つけてるから。


鴨田: …


守里: ごめんね。別に鴨田君を責めたいわけじゃないんだよ。


鴨田: …


守里: 分かる、使いたくなる気持ちは。蓮花のことが大好きなんだもんね。


鴨田: …はい…


守里: でもさ、それって鴨田君は納得できるの?


鴨田: え?


守里: 自分の力じゃなくて、薬の力を使って、もし蓮花と付き合えたとしても、自分に自信を持って、蓮花の隣に立てる?


鴨田: …


守里: 僕はね、蓮花に告白した人がいるって、鴨田君のことを聞いた時に考えたんだ。蓮花に彼氏ができるのは、ちょっと寂しいけど、その彼氏が優しくて、蓮花のことを想ってくれて、自分をちゃんと持ってるなら、別に良いかなって。


鴨田: …


守里: まぁまだ、蓮花とは家族になって、3ヶ月ぐらいしか経ってないんだけど笑


鴨田: …そう…ですよね…


守里: うん。薬の力を使わずに、自分で、自分の力で相手にぶつかっていかないと。


鴨田: …はい!


守里: 笑、良い顔になったね。


鴨田: ありがとうございます!お兄さん。


守里: おい、お兄さんはやめてくれ。まだちょっとキツい…笑


鴨田: ごめんなさい笑


守里: 普通に下の名前で呼んで良いよ。僕も下の名前で呼ぶから。


鴨田: 分かりました!守里さん。


守里: それで、良介君。僕は、その薬について調査しているんだ。


鴨田: なんでも協力します!!


守里: ありがとう笑、じゃあ最初に、使うことになった経緯を話してもらってもいい?


鴨田: はい!まず、僕が白城さんにフラれた次の日に、第三高校の先輩から、その薬のことを教えてもらったんです。あ、ちなみに、白城さんに告白することを提案してきたのも、その先輩です。


守里: へぇ、ちなみに名前は?


鴨田: "江口誠えぐち まこと"先輩です!


守里: うん。それで?


鴨田: その翌日に、先輩と一緒に、白い仮面をつけた人のところに行って、薬を買いました。そしてその後は、毎日飲んでたって感じです。


守里: なるほど…良介君が薬を初めて買ったのはいつ?


鴨田: えーっと、白城さんに告白したのが5月の29日だから、30日ですね。



これまでに判明した被害者の中でも、1番早い…



守里: 分かった。ありがとう、良介君。


鴨田: あの、僕からも聞きたいんですけど、この薬って、本当にモテ薬なんですか?


守里: え?


鴨田: 一応、守里さん達が家に入ってくる前に、1錠飲んで、白城さんの様子を見てたんですけど、あんまり効果がないように思えて…


守里: 良介君は、蓮花にフラれてから…つまり薬を飲み始めてから、1回も学校に行ってないんだよね?


鴨田: はい!効き始めるのには、時間がかかるのかな?って思って、なんか変化が出るまで待ってました。


守里: そっか…じゃあ、ちょっとショックかもしれないけど良い?


鴨田: はい!もうこの薬は使わないと決めましたから!


守里: うん笑、なら話すよ。この薬はモテ薬じゃない。


鴨田: そ、そうなんですか…


守里: 副作用で発熱とか気ダルさ、思考力の低下が出てしまう、腹痛薬だって。


鴨田: 調べたんですか?


守里: 僕の知り合いも、良介君と同じように薬を使っててね。その人から薬をもらって、警察に調べてもらったんだ。


鴨田: はぁ…


守里: 笑、これからだよ。


鴨田: そうですね!!白城さんに振り向いてもらえるように、頑張ります!!


守里: 笑、ちなみにまだ良介君のことは、認めてないから笑


鴨田: えっ!嘘~


守里: 蓮花に見合う男になれるよう、頑張って。


鴨田: はい!!!お兄さんにも認めて貰えるよう頑張ります!!!


守里: だから、お兄さんはやめてって笑


鴨田: 笑


守里: あと、2つ聞きたいことがあるんだけど。


鴨田: なんでしょう?


守里: まず、最後に取引したのはいつ?


鴨田: それは、21日の日曜日です。



僕達が白仮面を捕まえ損ねた後だ…


ということは…

次の取引にも、白仮面が現れる可能性が高い。



守里: 分かった。次に2つ目なんだけど、良介君の次の取引っていつ?


鴨田: 明後日です。木曜日の16時半。


守里: そっか…



またバイトを休まないとだな…


店長になんて説明しよう…

奈々未さん…


ブルブル


考えるのもやめよ。



鴨田: それがどうしたんですか?


守里: 僕は、白仮面を捕まえたいんだ。


鴨田: 白仮面…


守里: だから、良介君の取引を利用させてもらえないかな?もちろん、良介君に被害が出ないようにするから。


鴨田: 分かりました!!絶対に白仮面を捕まえましょう!!


守里: ありがとう。これで、話したいことは終わりだよ。


鴨田: そうですか。


守里: あ、蓮花達を呼ばないと。



そう言って、守里は蓮花に連絡をとる。



鴨田: まずは、白城さんともっと仲良くならないと…


守里: だったら、連絡先を交換したら?


鴨田: え?


守里: 僕と連絡先を交換するタイミングで、蓮花に聞いてみな。


鴨田: …分かりました!頑張ります!!


守里: 笑



そして、蓮花達が降りてくる。



水谷: お兄さん!お話は終わりましたか?


守里: うん、終わったよ。みんなもありがとう。


元気: いえ。って良介、これなんだよ。



そう言って、元気は薬の入った袋を良介に見せる。



鴨田: …


守里: まぁ落ち着いて、元気君。良介君も、もう使わないって言ってるから。


元気: この薬がなんなのかは、分からないけど…大丈夫なんだな?


鴨田: うん!!お兄さんに言われて決心したよ。僕は、僕の力で頑張るって。だからもう大丈夫!


元気: 笑、そっか。なら良かった。


望月: 僕の力で頑張る?


水谷: なんのことなんだろう?


守里: 笑、それで、良介君。連絡先を交換したいんだけど笑


鴨田: っ!!は、はい!!


水谷: なら、玲衣も!!


鴨田: も、もちろんです。



そう言って、鴨田は携帯を取り出し、守里と水谷と連絡先を交換し始める。



鴨田: ふぅ…



頑張れ、良介君。



鴨田: あ、あの!白城さん!


蓮花: なに?鴨田君。


鴨田: 白城さんとも連絡先交換しても良いですか?!


蓮花: …うん。良いよ。



蓮花は携帯を出す。



鴨田: やったボソ



良介君、よく頑張った笑



元気: (良かったな笑、良介。)


望月: え、なんかそれだと、あーしだけ仲間はずれみたいで嫌なんだけど。あーしも交換したい。


鴨田: わ、分かった。



そうして、鴨田は女子3人と連絡先を交換することとなった。



守里: じゃあ、帰るね。今日はありがとう、良介君。


鴨田: いえ、こちらこそ。


元気: あ、僕はまだ残ります。


守里: そっか。なら良介君、今度よろしくね。バイバイ。


鴨田: はい!


水谷: 早く治すんだよ!!


望月: お大事に。


鴨田: うん!


蓮花: またね。


鴨田: うん!!!



ガチャ



元気: なんか、良かったじゃん。良介。


鴨田: やった!白城さんと連絡先交換できた。


元気: 笑、それでなんの話だったの?


鴨田: え?


元気: 白城さんのお兄さんと話したことだよ。お前の友達として、聞きたいんだ。


鴨田: …分かった。話す。



こうして鴨田は、自分が薬を使っていたことや、守里と話したことを元気に伝える。



元気: そうだったのか…ごめんな、気づいてやれなくて。


鴨田: 何を言ってるの。まず会ってなかったんだから、どうしようもないでしょ。


元気: それでもだよ。にしても、白城さんのお兄さん、カッコいいな。


鴨田: うん。僕もあの人に認めて貰えるよう、頑張らないと。


元気: 笑、そうか。頑張れよ。


鴨田: うん!!


元気: じゃあ、僕も帰る。


鴨田: 分かった。じゃあね。


元気: あぁ、また。



ガチャ



元気: 森崎守里さんか…聞いてた通りだ。




to be continued

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