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第4章 白仮面編

第83話「蓮花のミッション」

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守里: 僕、その蓮花に告った人に会ってみたいんだけど。


蓮花: え?なんで?


守里: いや~ちょっとその人に、聞きたいことがあってね。


結真: なに?笑、守里。大事な妹を取ろうとした人と会いたいんだ笑


蓮花: そうなの?お兄ちゃん!!ニヤニヤニヤニヤ



ニヤニヤが止まらない蓮花。



守里: …う、うん。そんなところ…


蓮花: そっか~でも、蓮花もあんまりその人のこと知らないからな~


桜: その人って、蓮花と同じクラス?


蓮花: うん。そうだよ。


桜: なら、玲衣ちゃんとか知ってるんじゃない?


蓮花: あ、確かにそうかも。


守里: ならさ、この1週間のうちに会えるようにしてもらえない?


蓮花: 分かった!!頑張ってみる!!


守里: 頼んだよ、蓮花。


蓮花: もちろん!!あ、でもタダではできないな~笑


守里: え?


蓮花: 蓮花と一緒に寝てくれたらやってみる!!


守里: マジ?



さすがにそれは…



結真: コラ、蓮花。もういい歳なんだから。


蓮花: え~でも~


守里: 別のお願いを聞くからさ。頼むよ、蓮花。


蓮花: もう、しょうがないな…



そう言って、蓮花は考え始める。



蓮花: う~ん…今は思いつかないから、後でまたお願い言うね。


守里: 分かった。じゃあ僕のお願い、頼んだよ。


蓮花: はーい!


桜: そういえば、蓮花に告った人の名前、聞いたことないよね。なんて言うの?


蓮花: 確か…"鴨田良介かもだ りょうすけ"君、だったかな…


◈◈◈◈◈


翌日


伊衛能中学校



蓮花: おはよう。


望月: おはよう、蓮花。


水谷: おっはよう!!!



教室を見渡しつつ、自分の席にカバンを置き、隣席の望月と水谷に挨拶をする蓮花。


う~ん、まだ揃ってないから、鴨田君が来てるかどうかは、分からないな…



水谷: 昨日のさ、ゲーム実況見た?


蓮花: うん…


望月: あーし、途中で寝ちゃってさ、最後まで見れてないんだよね笑


蓮花: うん…


水谷: 玲衣的には、ブロックの世界とか驚異のオープンワールドとかの実況もして欲しいんだ!


蓮花: うん…


望月: それ、絶対面白い笑


蓮花: うん…


水谷: っもう!どうしたの?蓮花!!


蓮花: え?!


望月: なんか、ずっと扉の方見てるけど。


水谷: 誰か来るのを待ってるの?


蓮花: い、いや、別に。


水谷: ちゃんと玲衣の話、聞いてた?


蓮花: もちろんだよ、ゲーム実況の話でしょ?


水谷: そうだけどさ、なんかあんまり興味無いって感じの返事だったからさ!


蓮花: ごめん、ごめん笑


望月: なにか、気になることでもあるの?


蓮花: …



この2人には相談してもいいかな。

お兄ちゃんのことも知ってるし。



蓮花: あのね、昨日、お兄ちゃんに頼まれたことがあって。


望月: お兄さんに?


蓮花: うん。


水谷: なにを頼まれたの?


蓮花: 鴨田君に会いたいんだってさ。


望月: なにそれ笑


水谷: 蓮花に告白してきた人と話したいって…もしかして、うちの妹に手を出すな!みたいな展開かな?笑


望月: かもね笑


蓮花: う~ん、多分違うと思うんだけど。とにかく会いたいって。


望月: でも、鴨田君って、まだ休んでるよね?風邪で。


水谷: うん、そうだよ。


蓮花: だから、今日来ないかな~って、扉の方を見てたの。


望月: なるほど。


水谷: 鴨田君の友達に聞いてみる?鴨田君のこと。


望月: それ良い。


蓮花: 鴨田君の友達って…


水谷: あそこで本を読んでる元気君だよ。


望月: 元気君って、なんで玲衣は下の名前で呼んでるの?


水谷: え、なんか良くない?呼びやすいし、こっちも元気になれそうだし!


蓮花: 確かに笑


望月: そうだね笑


水谷: じゃあ、早速聞きに行こう!!



そう言って、蓮花達は元気の元へ。



水谷: おはよう!元気君。


元気: ん?あぁ、水谷さん、おはよう。それに、望月さんと白城さんも。


望月: おはよう~


蓮花: おはよう。


元気: それで、どうしたの?なにか用?


水谷: 元気君ってさ、鴨田君と仲良いよね?


元気: え、うん。


水谷: ならさ、今日、鴨田君来るか分かる?


元気: う~ん、まだ連絡ないし、来ないんじゃないかな。


水谷: そっか。だってよ、蓮花。


蓮花: うん…



どうしよう…



元気: でも、なんで良介のことを?しかも、白城さんが。


望月: 蓮花のお兄さんが、鴨田君に会いたいみたいなんだ。


元気: へぇ。白城さんのお兄さんがねぇ。


蓮花: なんか、鴨田君に会って、話したいって言ってて。


元気: そうなんだ…じゃあ、良介の家に行ってみる?


蓮花: え?


元気: お見舞いって感じでさ。


水谷: それ良いね!!


望月: それだったら、お兄さんも行けるんじゃない?


蓮花: うん!!


元気: じゃあ、いつ行く?



今日が、火曜日だから…

お兄ちゃんのバイトが月・木・土、委員会が水・金ってことは…


あれ?今日しかなくない?



蓮花: あの~今日とか、無理かな?



蓮花は申し訳なさそうな表情で、元気に聞く。



元気: 笑、別に大丈夫だと思うよ。アイツも体調崩してるだけで、家にはずっと居るだろうから。


水谷: よし!じゃあ、今日の放課後に行こう!!


望月: え、あーし達も行くの?


水谷: え?そっちの方が良くない?蓮花とお兄さんと、元気君だけで行くよりは。


望月: まぁ、確かに。


蓮花: 2人もついて来てよ。


水谷: うん!彩芽も来るよね!!


望月: 分かった。行く。


蓮花: ごめん、付き合わせちゃって。


水谷: いやいや、玲衣達の仲じゃん!!


望月: そうだよ、蓮花。


蓮花: ありがとう、2人とも。


元気: 笑、本当に仲良いんだね。


水谷: もちろん!!


望月: 中1の時からずっと、同じクラスだから。


元気: そうなんだ。


蓮花: 元気君もごめん。なんかいきなりで。


元気: 僕も暇人だから、大丈夫だよ。


水谷: これで、お兄さんのお願い、叶えられそうだね!!


蓮花: うん!!


望月: なら、早くお兄さんに連絡しないと。


蓮花: あ、そうだった!!



そうして、蓮花は守里に連絡をとった。


◈◈◈◈


放課後



守里: ここが、鴨田君の家か…


元気: はい。



蓮花から連絡を受けた守里は、放課後、能中前で蓮花達と合流した後、鴨田の家まで来た。



水谷: 普通の一軒家だね。


望月: どういう意味?


水谷: いや、鴨田君ってちょっとお金持ちみたいなイメージあったじゃん。だから豪邸に住んでるのかな?って思ってて。


蓮花: 確かに、そんな雰囲気はあるよね。


守里: そうなの?


元気: まぁ、お金持ち雰囲気はありますね笑。でも実際は、ちょっと見栄を張りたいってだけの、普通の男ですよ。


望月: へぇ。


水谷: よし!じゃあ行こう!!



そう言って、水谷がインターホンの目の前まで行く。



望月: ちょっと待って、玲衣。


水谷: なに?彩芽。早く押したいんだけど!ウズウズ



ほんと、水谷さんは日向子に似てるな。

インターホンを押したくて、ウズウズするなんて笑



望月: どう考えたって、元気君が押した方が良いでしょ。


守里: うん、そうだね。水谷さんは、あんまり鴨田君とは、話したことないんでしょ?


水谷: はい!!まだ3回ぐらいしか話したことないです!!


蓮花: だったら、元気君に譲りなよ。そっちの方が、鴨田君も戸惑わないし。


水谷: あ!確かに!!じゃあ、元気君どうぞ!!


元気: 笑、お言葉に甘えて。



ピンポーン



鴨田: はい。


元気: お見舞いに来たよ。


鴨田: 元気?


元気: うん。開けてもらっていい?


鴨田: う、うん。分かった。



ガチャ



鴨田: え?


水谷: やっほ~!鴨田君。


望月: こんにちは。


蓮花: どうも。


守里: こんにちは。


元気: ということで、みんなでお見舞いに来たよ。


鴨田: は、はぁ?ちょ、ちょっと待って!!



バタン!!


鴨田は大急ぎで扉を閉める。


ドタバタ



水谷: どうしたんだろう?


元気: まぁ、白城さんがいたからかな笑


望月: だね。好きな人がいたら、服装とかちゃんとしたいだろうから。


水谷: なるほど。



あれが、鴨田良介君か…




数分後…


ガチャ



鴨田: ど、どうぞ、入って。



身だしなみを整えて来た鴨田が、守里達を家に招き入れる。



元気: まだ、お母さんとお父さんは帰ってきてないの?


鴨田: うん。チラチラ


水谷: お邪魔します!!!


望月: お邪魔します。


蓮花: お邪魔します…



そうして、守里達は鴨田の部屋へ。



鴨田: ところで、そちらの方は…



自分の部屋に入って、落ち着いた鴨田は守里の方を見ながら言う。



守里: あぁ笑、蓮花の兄の森崎守里です。よろしくね。


鴨田: し、白城さんのお兄様ですか。


守里: 笑、うん。


鴨田: それで、白城さんのお兄様は、なんの御用でしょうか。それに水谷さんや望月さん、白城さんはなんで、僕なんかのお見舞いに?


水谷: クラスメイトがずっと学校休んでるから、学級委員として心配でね。


望月: 同じく。


鴨田: なるほど…


守里: 僕は、君にちょっと聞きたいことがあって。


鴨田: 聞きたいことですか…チラッ


蓮花: …



鴨田は蓮花を一瞬見る。



守里: うん。まぁその話は後からで良いよ。


水谷: 鴨田君は体調大丈夫なの?!


鴨田: え?うん…いや、まだちょっと熱が出てて…学校には…


水谷: そっか…でも、授業のプリントとかは持って来たから、安心して。あと、分からないところがあったら、いつでも聞いて!!玲衣が教えてあげる!!


鴨田: あ、ありがとう。



水谷さんは、ほんとなんか、良い子だな笑



望月: あと、これ。



そう言って、望月が手に持っていた袋を鴨田に渡す。



望月: 色々買ってきたから。


元気: 僕らでちゃんと、風邪に良さそうな物選んで、買ってきた。


鴨田: そっか…白城さんも?


蓮花: え?うん。


鴨田: 笑、ありがとう!


望月: (鴨田君嬉しそう笑)


元気: (相変わらず、分かりやすい。)


水谷: ねぇねぇ、鴨田君って好きなものなんなの?


鴨田: 僕の好きなもの?


水谷: うん!それ買ってくる時にさ、鴨田君の好きなものが分からなくて、ちょっと迷ったんだよね。


元気: 前にポテ〇スティックのトリュフ味が好きって、言ってたことは覚えてたんだけど、行ったスーパーに無くてさ。


鴨田: 強いて言うなら、チーズ系が好きかな。


水谷: cheese!!!美味しいよね!!


望月: チーズか…



あれ、確か蓮花って…



蓮花: …


水谷: じゃあ、エア〇アルの濃厚チェダーチーズ味とか買ってきたら良かった…


鴨田: 笑、そんな…お見舞いに来てくれただけでも嬉しいよ笑


元気: なら、さっさと風邪治さないと。


鴨田: …う、うん…


水谷: それでさ…



その後も中学3年生組の会話は弾み、守里はその様子を温かい目で見守っていた。




to be continued



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