ただ守りたい…〜大事な人を守るには、金と権力と腕っ節…あと諦めない心が必要です〜

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第4章 白仮面編

第81話「白仮面捕獲作戦with風紀委員会」

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月曜日

16時55分



若月: 各自、作戦は頭に入ってるな?


葵波: もちろん。


愛衣: 絶対に捕まえるよ。


梅澤: 今回こそ…


守里: はい。



耳につけたインカムに声が飛び交う。



若月: 西条は、私達が突入したところで、巻き込まれないよう、私と梅、守里がいる方に逃げるんだぞ。


西条: はい、頑張ります。


櫻宮: みんな声聞こえてる?


若月: 聞こえてる。


櫻宮: 万が一逃げられた場合は、私の指示に従ってね。


愛衣: 了解。


梅澤: うっす。


葵波: 笑、梅、緊張してる?


梅澤: 別にしてないですよ。


愛衣: ほんとか~?笑


梅澤: ただ捕まえるだけですから。


若月: 頼もしいな笑


愛衣: 守里はちゃんと、足温まってるんでしょうね?


守里: 少し動いてきましたから、問題なしです。


葵波: まぁ守里が動く機会はないかもだけど笑


若月: あぁ。そうしないようにするのが、私達の努めだからな。


西条: そろそろ時間です。


若月: 分かった。西条は取引場所に向かってくれ。


西条: はい。


若月: 私達は、17時になった瞬間に向かう。


守里: 一本道で、2つの出入口それぞれに僕達がいるなら、白仮面が入って行くのも見れそうですけどね…


若月: 少し前に確認したら、隣の建物の勝手口とかが多かったから、白仮面が、出入口となる道から入って行く可能性は少ないだろう。


守里: なるほど。


葵波: 一応、周りを見てるけど、ぽい人はいないよ。


愛衣: 同じく。


若月: こちらもいないな。梅、どうだ?


梅澤: いないと思います。



2つの出入り口付近にはいない…

ということは、若月さんの読み通り、隣の建物の勝手口のどれかから出て来るということか。


なら…

白仮面以外の奴らが出て来る可能性も…



若月: 時間だ。西条、白仮面が来たなら、インカムを2回叩け。


西条: …



トントン



若月: 合図だ。行くぞ。


葵波: おう!


愛衣: 仕事だ!!!


梅澤: …


若月: 最優先事項は、白仮面の確保!!


守里: …



5人は一斉に走り出した。




西条: よろしくお願いします。


白仮面: はい。では、まず注意事項から…といきたいところですが…


西条: …


白仮面: 誰か走って来てますね。


西条: …


白仮面: 私達がこういう路地裏を取引場所に選んでいる理由の一つに、人が近付いてくるのが分かりやすいということがあるんですよ。


西条: …


白仮面: お友達ですか?


西条: …い、いえ…


白仮面: はぁ…お願いします!!!



いきなり白仮面が叫ぶ。


すると…


ガチャ!!!



若月: 止まれ!!


梅澤: っ!!


守里: …



扉が勢いよく開かれたのを見て、白仮面の元に走っていた3人は急ブレーキをかける。



??1: アイツの言った通りか。


??2: こっちは3人。


若月: 葵波!!


葵波: こっちも邪魔が入った!!今、交戦中!!


若月: 了解…


梅澤: どけっ!!!



梅澤が男達に接近し、殴り掛かる。



??1: おいおい、何をそんなに焦ってるんだよ笑



??1が梅澤の拳を受け止める。



若月: 守里、私達が隙を作るから、突破しろ。


守里: 分かりました。


梅澤: オラッ!!



梅澤は拳を引き、一歩引いて横蹴りを繰り出す。



??1: いい動きだ。まぁでもこんな狭い場所じゃ、満足に戦えないよな笑



梅澤の蹴りを??1は軽くいなし、梅澤の肩を押す。



梅澤: …


??1: 今回は足止めが目的だから。



ここの道は、ギリギリ、人3人が並べるぐらいの幅しかない…

若月さん達も、まともに戦えないだろうし、この状況は向こうの方が完全に有利だ。



若月: 無理にでも通らせてもらう。


??2: させるか。



梅澤が後退してしまった瞬間に、若月が突っ込む。


そして??2に向かって縦拳を打つ。



ドンッ!!


??2: っ!!



若月の拳を受け止めた??2が、少し後ろに飛ばされる。



??1: うわ、すっげぇ威力。


若月: フン!!



流れるよな動きで、追い討ちをかける若月だが…



??2: 正面からの防御は得策じゃないな。



そう言って、若月の腕を横の壁の方に流す。



若月: …梅!!


梅澤: …


??2: っ!!



若月はその勢いのまま、腕を振り抜き回転。

そして??2に向かって、回し蹴りを放つ。


??2はその横からの蹴りを、なんとか腕で防御する。


若月の声に反応した梅澤は、すぐさま??1に近づき、顔面目掛けて拳を放つ。



??1: おっと!



??1も梅澤の拳を再び受け止める。



??1: また同じパターンか?


梅澤: いや…


守里: …行きます。



若月が??2を壁側に留め、梅澤が??1をひるませてる間に、守里がその間を駆け抜ける。



??1: 速っ!!ってクソ、やられた!!そっちに行ったぞ!!!



??1が叫ぶ。



??2: それが狙いだったか…


若月: あぁ。目的は白仮面だからな。


??1: 笑、そうか。でもアイツ1人で捕まえられるかな?


若月: 捕まえられるさ。まぁでも、保険のためにも私達も行かせてもらうよ。


梅澤: …


??2: させない。


??1: だな。俺らも仕事だし。プライドがあるから。


若月: 行くぞ、梅。


梅: はい。




白仮面: あなたとの取引は終了です。では…


西条: っ!!待って。


白仮面: まだ、捕まるわけにはいかないので。



そう言って、白仮面は駆け出し、白仮面の合図で降ろされた縄の梯子を登り、建物の屋上へ。


そして、その梯子を切る。



守里: 西条さん!!


西条: 森崎君!


守里: 白仮面は?!


西条: 上に登って行ったよ!!


守里: え?マジ…



上を見上げる守里。


路地裏を囲んでいる建物は3階分ぐらいの高さがある。



守里: …分かった。西条さんは、危ないからここにいて。


西条: どうやって登るの?


守里: 頑張る。



守里は走り出し、壁にあるパイプや室外機などを使って、一気に屋上まで登った。



西条: …すご…



その様子を見た西条は口をあんぐりと開けた。



櫻宮: 対策されてたね…守里!白仮面は見える?



インカムから櫻宮の声が聞こえる。



守里: えーっと…



屋上に上がった守里は、周りを見渡す。


すると、少し先に柵に手を掛け、屋上から降りようとする人影が見える。



守里: っ!!アレか!!



守里はそこに向かって走る。



守里: いました!!



屋上から降り、地上を走り出した白仮面を視界に捉える。



櫻宮: よし、そのまま追え、守里!!


守里: はい!!



守里はその柵を飛び越え、向かいの壁に向かって飛ぶ。


その壁を蹴り、地上に着地する。



守里: お、いけた。



そして、路地裏を走り続ける白仮面を、守里は全速力で追う。



白仮面: チッ追ってきてるのか。


守里: 待て!!


櫻宮: 守里!捕まえられそう?!


守里: 多分いけます!!



白仮面と守里の距離は確実に縮まっていた。



白仮面: 君、随分と速いんだね。


守里: お前を捕まえるために来たんだからな!!


白仮面: そうか…でも、残念。君も分かっている通り、しっかりと対策を練ってきてるんだよ。



そう言って、白仮面は懐から出した物を地面に向かって投げる。



守里: っ!!



路地裏が光で包まれる。



白仮面: じゃあね。



守里が怯んでいる間に白仮面は去ってしまった。



守里: クソッ、逃げられた…



閃光弾とか、マジかよ…



櫻宮: 守里!白仮面は!!


守里: すみません、見失いました。


櫻宮: そうか…


守里: 若月さん達は?


櫻宮: 全員無事だ…そのまま学校に戻ってくれ。


守里: はい…



こうして、白仮面捕獲作戦は失敗に終わった。


◇◇◇


風紀委員室


ガラガラ



守里: 失礼します…


櫻宮: 守里…座って。


守里: はい。


櫻宮: 今回は、私の考えが甘かった…


若月: まさか、邪魔が入るとは…


葵波: アイツら、まぁまぁ強かったな。


愛衣: うん。全然突破できなかったね。


若月: こっちもだ…かなり戦い慣れてるようだったし…


梅澤: すみません…


葵波: なんで、梅が謝ってんだよ。


愛衣: そうだぞ、結局全員が守里の助けに入れなかったんだから。


七星: よし、反省はここまでや。次のことを考えよ。


櫻宮: そうだね。とにかく白仮面を捕まえなきゃいけない。


西条: でも、もう私は使えませんね。


若月: あぁ…ありがとう、西条。


西条: いえ…


七星: 美咲ちゃんのおかげで、うちらは、これ以上、白仮面の被害者を出さんよう動けるんやから。


西条: はい…では、失礼します。



そう言って、西条は風紀委員室を出て行った。



葵波: あんな奴らが邪魔に入るんなら、捕まえるのかなり難しいよな。


愛衣: だね。自分で言うのもあれだけど…私達、一応この地域ではかなり強い部類なのに、倒せなかった。


葵波: これまで相手にしてた、そこら辺のチンピラとは違う。


若月: やっぱり、例の組織の可能性がある…


櫻宮: それって、最近暴力事件を起こしてるっていう奴らだよね?


若月: うん。


守里: …



アンチか…

よくよく考えれば、この地域であんな薬を販売してるような組織が、アンチ以外に有り得るはずがない。



若月: これは、警察案件かな…


梅澤: え?警察に任せるんですか?!


櫻宮: 任せる…まぁ、確かに、警察にはこの件について話すよ。


梅澤: …


櫻宮: でもそれは、私達が手を引くってことじゃない。うちの生徒に被害が出た以上、私達が落とし前をつけないといけない。


愛衣: それが、伊衛能高校の伝統だからね。


葵波: 要するに、警察を利用するってことだ。


若月: 警察にも協力してもらって、私達があの白仮面を捕まえるんだよ。


梅澤: そういうことですか…


櫻宮: 笑、納得してくれた?


梅澤: はい…私が絶対に捕まえてやります。


葵波: 私達が、な笑


愛衣: じゃあ、警察さんを呼びますか。


若月: うん。日向子を呼ぼう。


守里: 日向子に豊永さん達を呼んでもらうんですか?


櫻宮: そう。その方が良い。薬の存在も知ってるし、しかも事情を知りたそうにしてたからね。


守里: 了解です。



そうして、守里は日向子に連絡をとったのだった。




to be continued




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