ただ守りたい…〜大事な人を守るには、金と権力と腕っ節…あと諦めない心が必要です〜

ドラると

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第4章 白仮面編

第76話「怪しい薬」

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翌日

昼休み


風紀委員室


ガラガラ



守里 美月: 失礼します。


日向子: 失礼します!!!


若月: 笑、相変わらず元気だな。日向子。


日向子: はい!!


葵波: よっ!日向子。


日向子: あ!葵波ちゃん!!それに愛衣ちゃん!!


愛衣: よっす~


美月: 日向子は、ちゃん付け呼びなの?ボソッ


守里: うん。葵波さんと愛衣さんとは、かなり気が合うみたいでねボソッ


美月: なるほど…


日向子: あと…


葵波: この子は、梅澤香蓮って言うんだ。あの梅刺奴欺。


日向子: あぁ~君が、あの梅刺奴欺か!!そっかそっか。



そう言って、日向子は梅澤に近づく。



日向子: よろしくね、梅ちゃん。



日向子は手を伸ばす。



梅澤: う、うん…


日向子: っもう!握手だよ!!



そうして、強引に手を繋ぐ。



美月: 日向子の距離の縮め方、やっぱりすごいね笑


若月: 笑、日向子、そろそろ話をしたいんだが。


日向子: はーい!!


若月: 守里から何か聞いてる?


日向子: いえ、ただ連れてこられただけです!


守里: そうしないと、途中で質問攻めに遭うので。


若月: なるほどな笑、じゃあ昨日あったことから説明するぞ。



若月が、昨日守里が話したことを、日向子に伝える。



日向子: 美咲ちゃんが…


若月: それで、日向子には、再び西条のお見舞いに行って、色々と探ってきて欲しいんだ。


日向子: 確かに、それは私にしかできないですね。


守里: うん。だからお願いできないかな、日向子。


日向子: …もちろん、若月さんと幼なじみの頼みだからやりますよ。それに、美咲ちゃんが変なことに巻き込まれてるもしれないし。


若月: 頼んだ。


日向子: はい!!


守里: それで、白仮面の情報はどうだったんですか?


愛衣: 校外組に聞いてみたけど、どの組も見た覚えはないみたい。


守里: そうですか。


若月: これから、校外の見回りをする人達には、白仮面に注意しつつ、見回りをするように伝える。


葵波: ちなみに日向子は、前にお見舞いに行った時に、何か気づいたことはなかった?


日向子: 気づいたこと…う~ん…


守里: いつもと違ったところとかさ。


日向子: 違ったところ…あ!!部屋が女の子っぽくなってた!


守里: 女の子っぽく?


日向子: うん!


若月: 他には?


日向子: あと、服が多くなってたかな!


葵波: 部屋が女の子っぽくなって、服も多くなってたのか…


愛衣: …男か?ボソッ


美月: 他には何かあった?


日向子: そうだな~


守里: 気になった行動とか、いつもの西条さんがやらないようなこととか、してなかった?


日向子: いつもの美咲ちゃんとは……はっ!!


守里: 何かあったか?


日向子: うん!なんか、一緒にお見舞いに行った奈緒ちゃんが、机の引き出しの中から、薬を取り出したんだけど、慌ててそれを奪い取ったの。


若月: 薬…西条は何か言ってなかったか?


日向子: 風邪薬だって言ってました。


葵波: それ、怪しいね。


若月: よし、日向子。その薬について、詳しく聞いて来てくれ。


日向子: 了解です!!


愛衣: よろしく頼んだぞ~日向子!


日向子: 任せなさ~い!!!


若月: 笑、日向子なら安心だ。


守里: ですね。


美月: 頑張って、日向子!


日向子: うん!!


梅澤: …


◈◈◈◈


放課後


西条の家



日向子: お邪魔しま~す!!


西条: 何回言えば良いのよ…


日向子: 何回でもどうぞ!


西条: じゃあ、お言葉に甘えて…うるさい。


日向子: あれ?今日はお母さんいるの?


西条: そうよ。ったく、いきなり来るって言うから…


日向子: まぁ良いじゃん!久しぶりに美咲ちゃんのお母さんにも会いたかったし。


西条: はぁ…まぁいいや、上がって。


日向子: はーい!!



そして、日向子と西条は西条の母がいるリビングへ。



西条母: 日向子ちゃん、ありがとうね。


日向子: いえいえ、友達だから当然です!!


西条母: 笑、最近はどう?学校での美咲は。


西条: ちょっと、お母さん!


西条母: まぁまぁ良いじゃない、それで、日向子ちゃん。


日向子: すっごく頼りになります!!勉強もバスケも教えて貰ってます!!


西条母: そう笑、それなら良かったわ。それで、美咲に彼氏ができたとかない?笑


日向子: え?


西条: 何言ってるの?!お母さん!


西条母: だって、美咲、最近部屋も女の子っぽくなったし、服も増えたし、それにお小遣いも増やして欲しいって言ってきたから、彼氏か好きな人でもできたんじゃないかなって思ってね笑


日向子: う~ん、そういう話は聞かないですね~笑


西条母: そっか笑、私の勘違いか笑


西条: っもう!!日向子、行こ!!



西条は強引に日向子の手を引き、自分の部屋に向かう。



西条: ほんと、お母さんは余計なことばっかり言うんだから。


日向子: 私は結構好きだよ!


西条: 初めて会った時から、そうだよね。


日向子: うん!


西条: にしても、3日連続で来るなんて、部活は大丈夫なの?まぁ休んでる私が言うことじゃないけどさ笑


日向子: 先生からも許可もらってるし、問題なし!


西条: なら、別にいいか。


日向子: それで、体調はどうなの?


西条: う~ん…徐々に良くはなってきてるんだけど、まだ少しキツイかな…


日向子: ふ~ん…早く一緒にバスケしたいんだから、さっさと治してよ!


西条: 笑、分かったから…


日向子: ただの風邪なんだよね?


西条: うん。


日向子: にしては、治るの遅いな笑。日向子なら半日で治るよ!!


西条: そんな、日向子と一緒にしないでよ笑、私は普通の人間なんだから笑


日向子: それだと、私が普通の人間じゃないみたいじゃないか!!


西条: 笑、冗談だって。ちょっとこじらせちゃってるの。


日向子: 薬、ちゃんと飲んでるんだよね?


西条: うん、飲んでるよ。


日向子: それは…一昨日、奈緒ちゃんが取ったやつ?


西条: う、うん…


日向子: …そっか…奈緒ちゃんが取り出した時には、もうほとんど残ってなかったけど、新しいのは貰ったの?


西条: うん!昨日ね。ちゃんと貰えたから良かったよ~


日向子: へぇ…昨日、病院に取りに行ったんだ。


西条: っ!!そ、そうだよ。お医者さんから貰った。


日向子: その薬で早く良くなるといいね!!


西条: そう願ってる笑


日向子: …そういえばさ、お母さんが言ってたけど、彼氏できたの?


西条: え?で、できてないよ笑


日向子: ほんとかな~笑、確かにお母さんの言う通り、服も増えたし、部屋も女の子っぽくなってるよね。好きな人できた?!


西条: …


日向子: っもう笑、教えてよ。親友じゃん!!


西条: しょうがない!日向子には教えるか。うん、できた。


日向子: ひゃ~


西条: どういう声あげてんの笑


日向子: 本当にできたとは思ってなくてさ笑


西条: 私にも、好きな人ぐらいできるよ///


日向子: それで、誰?


西条: 第二高校の人。


日向子: なんで好きになったの?


西条: この前、練習試合で二高に行ったじゃん。その時に、一目惚れしちゃって。


日向子: そうなんだ~カッコいい?


西条: うん!!


日向子: どこまでいったの?


西条: 連絡先は二高の友達からゲットして、何人かで遊びに行くことはできたんだけど、2人ではまだ…


日向子: へぇ~


西条: どうしても自信がつかなくてね。色んなものを使って、頑張ってはいるんだけど…



西条は自分の机の方をチラッと見る。



日向子: ニヤニヤ


西条: ///そ、そんな私のことばかり聞いてるけど、日向子はどうなのよ!!


日向子: え?私?


西条: 森崎君とは、どこまでいったの?!


日向子: 守里?どこまでって言われてもな…


西条: 2人で出かけた?って、まぁそのぐらいはあるか…


日向子: もちろん!!


西条: じゃあ、お泊まりは?


日向子: あるよ!小学生の頃はよくやってた!!


西条: そ、そっか笑(小学生の頃ね…)


日向子: あの時は楽しかったな~


西条: 日向子はさ…森崎君に告白しないの?


日向子: え?


西条: 森崎君のことを好きな人は、他にもいるんだから、早くしないと、奪られちゃうよ。



守里に告白?



日向子: …


西条: (日向子も自信がないのかな…日向子は大切な親友なんだ。私が手助けしてあげないと。)



それって…


確かに私は、守里のことが大好きだけど…

守里と付き合う…






西条: 日向子、良い物あげるよ。



ポカンとしている日向子を見て、西条は立ち上がり、自分の机の引き出しを開ける。


あ、こんなこと考えるよりも、仕事だ!!



日向子: い、良い物?


西条: うん。本当は教えたくないんだけど、日向子になら良いかなって思って。



そう言って西条は、以前、馬道が取り出した薬を手に取る。



日向子: それって…風邪薬じゃないの?


西条: ごめんね、嘘ついてた。


日向子: 嘘?


西条: これは、モテ薬なんだ。


日向子: モテ薬?


西条: うん。なんかこれを飲むと、ちょっとフェルモンの量が増えるらしくてね。異性からモテやすくなるんだって。


日向子: そうなんだ!



モテ薬か…



西条: その代わり、風邪みたいな症状が、副作用で出ちゃうみたいなんだけど。


日向子: それで休んでたんだね。


西条: うん。私も三高の友達に誘われて買ったんだ。


日向子: へぇ…何円ぐらいするの?


西条: 1日1錠、5日分で3000円。



だから、お小遣いを増やして欲しいって、お母さんに言ったのかも。



日向子: 昨日貰ったっていうのは、その薬?


西条: うん。白い仮面をつけた人に、お金を渡すと貰える。



白い仮面…

守里が昨日見た人だ。



日向子: どこで、その取引をするの?


西条: 取引の時に、次の取引の時間と場所を伝えられるんだ。まぁ初回の時は友達と行ったんだけどね。


日向子: なるほど…


西条: それで、日向子。


日向子: …


西条: この薬、使ってみない?




to be continued

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