ただ守りたい…〜大事な人を守るには、金と権力と腕っ節…あと諦めない心が必要です〜

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閑章1

第68話「珠美の中学時代」

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守里が働くカフェBINGO!へとやってきた結真達。



奈々未: お邪魔しまーす。


結真: ななみんどうしたの?


奈々未: 店長からお喋りしてて良いって許可貰えたから、来た。


結真: そうなんだ、じゃあ座って座って。


奈々未: 笑、失礼します。


蓮花: 珠美ちゃんも、ほら!


珠美: すまん。


桜: (すまん?)


奈々未: みんなはもう、注文決まったの?


美月: はい。


蓮花: 蓮花も決まった!


桜: さくも!!!!


奈々未: やけに、桜は元気だね。


結真: アレが食べられるからよ。


奈々未: …あぁ、なるほど笑


珠美: では、先輩を呼びましょう!!!


奈々未: 蓮花、お兄ちゃん呼んであげて。


蓮花: はーい!!お兄ちゃん!!!!



そう蓮花が叫ぶ。


すると、奥から守里が出てくる。



守里: ご注文ですね。


奈々未: そうだよ、お兄ちゃん笑


守里: …どうぞ。


美月: このファンタスティック3色パンと、いちごスムージーと…


蓮花: チョコレートパフェ、チョコレートプリン!


結真: このアイスパンケーキのビッグサイズと、大学芋…


桜: それと!


守里: みたらし団子ですね。


桜: はい!!!


守里: 笑、かしこまりました。ご注文は以上でよろしいでしょうか。


結真: ななみん達は、大丈夫なの?


奈々未: そうね…



奈々未が店長の方を見ると、店長がOKサインを出していた。



奈々未: じゃあ、フルーツパフェ下さい。守里君の給料から。珠美ちゃんも頼んだら?


守里: …


珠美: はい!!!じゃあ、抹茶パフェとタピオカ下さい!!!先輩の給料から!!!


守里: はい、各々の給料から引かせて頂きます。以上でよろしいですね。では、少々お待ち下さい。



そう言って、守里は、素早くキッチンへ向かう。



奈々未: あんな、逃げるように行かなくていいのに笑


結真: ななみん、守里はどんな感じなの?


奈々未: う~ん、まず、ここはお客さん少ないから、基本、暇な時が多いんだけど。


美月: (それ、普通に言うんだ。)


奈々未: 店長も言ってるから、良いのよ笑、美月。


美月: (これが守里の言ってたことか…)


奈々未: お客さんが来て、仕事が始まった時の守里君は頼もしいわ。


結真: へぇそう笑


奈々未: 嬉しそうね。


結真: だって、弟が褒められてるんだもん!


奈々未: 笑、そっか。珠美もそう思うよね?


珠美: はい!!先輩は昔から頼りになります!!!


蓮花: 珠美ちゃんは、お兄ちゃんと中学一緒なんだっけ?


珠美: うん、そうだよ!!


美月: 守里は、どんな感じだったの?


珠美: そうですね~今と変わらず優しかったです!!


美月: そっか。


桜: そういえば、珠美ちゃんとお兄ちゃんは、なんで知り合ったの?


珠美: それは、先輩と珠美が運命で結ばれてるから!!!


美月: へ、へぇ~


結真: あら…(珠美ちゃんはそっち系の子なのかしら笑)


奈々未: バイト初日にもそんなこと言ってたわね。


蓮花: 例えば、どんなことがあったの?


珠美: 学校で、珠美の上履きが無くなった時に、見つけてくれたの!!


桜: (それだけ…)


珠美: 何回も!!


美月: 何回も?!


珠美: はい!!毎朝学校に行って下駄箱を見ると、何故か無くなってたんですよ~


結真: (それって…)


珠美: 最初の方は、珠美が探して見つけてたんですけど、ある日、いつものように朝、下駄箱に行くと、先輩がいたんです!!


奈々未: それで?


珠美: 先輩が、君のだよねって言って、珠美の上履きを渡してくれたんです!!!


奈々未: ふーん。


珠美: その後、何日間かそれが続いた後、上履きが隠されることが無くなったんです。


結真: ちなみにさ、その上履きとかって、どこにあったの?


珠美: 教室のゴミ箱の中だったり、校庭のど真ん中とかでしたね!!


結真: (もう、確実にそうじゃん…)


美月: …


珠美: あと、他にも、珠美が校舎裏に行った時にですね、先輩が手を繋いでくれて、嬉しかったんです!!


奈々未: 笑、そうなのね。


蓮花: なんでその時、珠美ちゃんは校舎裏に?


珠美: う~ん、なんでだったかな…あ、そうそう同じクラスの女の子に、来てって言われてたの!!


蓮花: そ、そうなんだ…


桜: …


奈々未: そんなことがあって、守里君と仲良くなったんだ。


珠美: はい!!それからというもの、先輩とは偶然お会いする機会が増えて、仲良くなったんです!!


奈々未: へぇ。


珠美: 先輩優しいんですよ!!珠美が先生から頼まれた仕事を手伝ってくれたり、たくさんお話もしてくれました!!


結真: そう。


奈々未: 色々とあったのね~


珠美: ほんとに、先輩とは運命の糸で繋がってると思うんですよ!!


奈々未: 笑


美月: (この子、やっぱり…)



と、話していたところで…



守里: ご注文のファンタスティック3色パンと、チョコレートプリン、みたらし団子、大学芋、いちごスムージーに、タピオカミルクティーです。



守里が注文の品を運んで来た。



奈々未: どうも~


結真: ありがとう、守里。


守里: パンケーキとパフェは、まだ少々お待ち下さい。


珠美: はーい!!


美月: …


桜: …


蓮花: …


奈々未: …守里君、そこで待機。珠美ちゃん、ちょっと店長のとこ行ってきてくれないかな?


珠美: ?はい!分かりました!!



珠美が席を立つ。



奈々未: これで、聞けるでしょ。


結真: ありがとう、ななみん。


守里: ?


結真: ねぇ守里、単刀直入に聞くんだけど…


守里: なに?


結真: 珠美ちゃんって、いじめられてた?


守里: っ!……うん、そうだよ。まぁ、珠美はいじめられてたって思ってないけど。


桜: それって…


守里: 自分がいじめられてたことに、気づいてなかったんだ。


結真: その朝から無くなってた上履きっていうのは、隠されてたんだよね?


守里: うん。同じクラスの女子が隠してた。


奈々未: 守里君はそれに気づいたんでしょ?


守里: はい。偶然その女子が、珠美の上履きを隠してるところを見たんです。


結真: 珠美ちゃんは、相当純粋とかいうか、なんというか…


守里: まさか僕も、珠美が上履きを隠されてるってことに、気づいてないとは思ってなかったから、驚いたよ。


奈々未: まぁ普通は、そんな変なところにあったら、分かるよね。


守里: それでその後、珠美のクラスを探ってたら、その上履きを隠してた連中は他にも、教科書を隠したり、仕事を珠美1人に押し付けてたり、クラスからハブってたりとか、色々やってたことが分かったんだ。


美月: …それで、どうなったの?


守里: いじめは無くなった。


美月: どうやって?


守里: そのいじめてた連中を、僕達が、まぁなんというか…潰した…


奈々未: 潰したって?


守里: もちろん、暴力は振ってないよ。珠美がその連中に呼び出された時があって、その時に先回りして、その連中とちょっと話しただけ。


奈々未: 何を?


守里: 先生と親に言うよって。まぁそこら辺の中学生になら、これは効くから。


結真: 僕達ってことは、日向子ちゃんや、飛香ちゃん、春時君も一緒にだよね?


守里: うん。


奈々未: それで、その呼び出された珠美ちゃんの手を握ったんだ笑


守里: 珠美が、もう来ない相手を待つって聞かなかったんですよ。


桜: そんなことが…


蓮花: …


奈々未: 守里君が珠美ちゃんを救ったんだね。


守里: 救ったなんて…元々、珠美はいじめられてることに気づいてなかったんですから。


奈々未: それでも、いつかは気づいて、心に傷を負ってたでしょ。それを未然に防いだんだから、救ったも同然よ。


守里: そうですかね。


奈々未: 実際、珠美ちゃんは、守里君に隠された上履きを見つけてもらって、守里君が気にかけて一緒にいてあげたからこそ、今はあんな元気に笑顔でいられてるんだし。


守里: それなら、珠美を助けられて良かったと言えます。


奈々未: 笑、それでよろしい。


守里: それでさ、今さっきの話にもあったように、珠美はあまりに元気で純粋で、まっすぐだからさ、友達が少ない、というかいないみたいなんだよ。


結真: あら、そうなの?


守里: うん。だから、僕は桜や蓮花に、珠美の友達になってもらいたいんだよね。どうかな?


桜: もちろん良いよ。だって珠美ちゃん良い子だもん。


蓮花: うん!ちょっと話しただけで、蓮花分かった!!


守里: そっか、それなら良かった。


奈々未: 笑、みんな、聞きたいことは聞けたかしら?


結真: 笑、うん。


美月: うん。


桜: うん!


蓮花: ありがとう、お兄ちゃん!!


奈々未: よし、なら守里君は仕事に戻りなさい。あと、珠美ちゃんには、こっちに来るように言っといてね。


守里: …はい。分かりました。



そうして、守里が再びキッチンに戻り、珠美が残りの注文の品を持って来る。



珠美: ご注文の、チョコレートパフェとアイスパンケーキのビッグサイズ、フルーツパフェ、抹茶パフェです!!


結真: ありがとう、珠美ちゃん!!


蓮花: 珠美ちゃん、カッコいい!!


珠美: え、そう?!嬉しみ極み~


結真 奈々未: (嬉しみ極み…)


美月: 前々から思ってたけど、やっぱり珠美ちゃんって癖が強い…


蓮花 :ほら、珠美ちゃん早く座ってよ。いっぱいお喋りしよ!!


桜: そうだよ、珠美ちゃん。


珠美: っ!!笑、うん!!!


結真: もっと守里のことを聞きたいわね。


奈々未: 確かに、守里君の中学時代を…


美月: 私も気になる!!



こうして、華やかで和気あいあいとした、女子会が始まった。


一方、キッチンの方の男達は…



守里: 店長、向こう楽しそうですね。


店長: だね~


守里: 僕も行ったら、ダメですか?


店長: ダメ、僕が1人になるでしょ。男同士で話そう。


守里: はぁ…良いですよ。


店長: 笑、この歳になってくるとね、若者の青春を感じたくなってくるんだ。


守里: そうなんですか。


店長: じゃあ、質問。森崎君に好きな人はいるの?


守里: う~ん………いない…ですかね。


店長: そうか~じゃあ、仲良い女の子とかは?


守里: まぁそれはいますよ。家族を除けば、前にもここに来たことある日向子や、他にも幼なじみのやつとかもいますし。


店長: よく話に出てくる山室さんかな。


守里: はい、他にもいますけど。


店長: 先輩とかではいないの?


守里: 1人いますよ。


店長: ふ~ん。その子達のことを気になったりはしてないんだ。


守里: はい。やっぱ幼なじみって感覚が強いですね。その先輩も尊敬はしてますけど……そういう感じではないです。


店長: なんかつまんないな~


守里: 店長が聞いてきたんでしょ。


店長: それでもなんかさ~


守里: あれ?そういう店長は、結婚されてましたっけ?


店長: うん。してるよ。


守里: え?!初耳なんですけど!!


店長: 笑、だって聞いてこないじゃん笑


守里: ま、まぁ、そうですね…お子さんは…


店長: いるよ笑


守里: そうなんですね。



そういえば、店長のプライベートの話は、全く聞いたことがなかったな…



店長: それでさ、次の質問なんだけど…



と、女子会の裏で、店長の守里への質問攻めは続いた。




to be continued

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