上 下
63 / 306
閑章1

第63話「始まってしまったら意外と一瞬で過ぎて行く」

しおりを挟む
翌日



守里: みんなテストいけそう?


美月: うん、昨日の勉強会のおかげで。


桜: ちょっと不安だけど、頑張る。


蓮花: 蓮花も!


守里: 気合十分だね笑


結真: 中間テストの期間は、お昼に帰ってくるんだよね?確か。


守里: うん、そうだよ。


結真: 私、まだ帰ってきてないだろうから、お昼ご飯は自分達でお願い。


守里: うん。


美月: 守里の料理楽しみにしてるよ!


守里: え、美月は作らないの?


美月: わ、私は食べる専門だから!!


結真: なに?食べる専門って笑


美月: 良いでしょ!


蓮花: 蓮花も食べる専門!!


守里: 笑、はいはい。


桜: さくは、お兄ちゃんを手伝う。


守里: そう?ありがとう、桜。


結真: あ、そろそろ日向子ちゃんが来る時間だね。


日向子: 学校行こ!!!!


美月: ちょうど来た。


守里: よし、行こう。


結真: 笑、いってらっしゃい。


「いってきます!」



ガチャ


◇◇◇


教室



剣崎: 試験開始。



中間テストが始まった。


◇◇◇◇◇◇


2日後



剣崎: これで中間テストは終わりね、お疲れ様。学級委員よろしく!


川嶋: 起立、礼!


「ありがとうございました。」


剣崎: はい、明日も学校あるけど、今日はもうリラックスして、ゆっくり過ごしなよ~



ガラガラ



守里: ふぅ…やっと終わった。


飛香: どうだった?


守里: まぁまぁかな。そっちは?


飛香: 分からないところは少しあったけど、私もまぁ問題ない。


守里: さすが飛香。


飛香: 守里も大して、変わらないでしょ。


守里: 笑、じゃあ、教え子達を見に行こうかな。


飛香: そうだね。



2人は、各々の教え子の机へ向かう。



守里: 美月、どうだった?


美月: ん?あぁ…なんというか、自分でもびっくりなぐらいにできた。


守里: 良かったじゃん!!返却が楽しみだね。


美月: うん!!


春時: 守里、テストできたか?


守里: お、春時。まぁできたよ。


春時: いつも通りだな。


美月: 春時はどうだったの?


春時: 今回は自信ありだぜ、空欄が1つもない!!


守里: そっか笑


飛香: 祐希、どう?


祐希: zzzzz


飛香: はぁ…



祐希は既に夢の世界に旅立っていた。


それを確認した飛香は、2人目の教え子の元へ。



東野: 飛香どうしたの?


飛香: 教え子にテストの感想を聞きに来た。


秋吉: なるほどね。


飛香: どうだった?日向子。


日向子: めちゃくちゃできたよ!!!


飛香: え?!ほんと?!


日向子: うん!!めっちゃ早く終わったの!!


飛香: …


東野: …


秋吉: …


飛香: これ、どう思う?


東野: ダメな方に1票。


秋吉: じゃあ、できてる方に1票!


日向子: 私もできてるに1票!!


飛香: そ、そっか…


守里: じゃ、僕はそろそろ帰ろ。


春時: 今日は委員会活動ないんだったな。


守里: うん、そうだよ。


美月: なら私も帰る!




パチ




守里: …いや、先に帰っといて。


美月: え~


春時: なんか用事があるのか?


守里: ほら、もう6月に入ったでしょ。1日はテストで行けなかったからさ。


春時: あぁ…なるほど。


美月: え?なに、どういうこと?


春時: って、まさかお前、まだ言ってないのか?


守里: うん。


春時: はぁ?なんで。


守里: なんで…


春時: ちょっとお前こっち来い。


美月: え?ちょっ…



春時が守里を教室から連れ出す。


ガラガラ



飛香: どうしたんだろ?


日向子: 守里、春時…まぁ大丈夫でしょ!じゃあ私は部活いってきます!!


飛香: うん…


春時: お前、そういう大事なことは、先に伝えるだろ。


守里: 大事なこと…


春時: …変わらずか…いいから、ちゃんと伝えろ。


守里: 伝える…


春時: お姉さんのことだよ。なんで、新しい家族にそれを伝えないんだ。普通、初めに伝えるもんだぞ。


守里: …


春時: だって、お姉さんにとっても、結真さんや美月、桜ちゃんに蓮花ちゃんは家族だろ。


守里: うん。


春時: だから今日は一旦家に帰って、そのことを伝えろ…いや、家族をお姉さんのところに連れて行け。


守里: 分かった。


春時: あぁ。




パチ




ガラガラ



美月: あ、戻ってきた。


飛香: どうしたの?


春時: いや、なんでもないよ。な、守里。


守里: ?


春時: 良いから合わせろボソッ


守里: う、うんボソッ…そうそう、なんでもないよ。


飛香: ふーん。


美月: なら、いいけど。


春時: それで、もう帰るんだろ?守里。


守里: そのつもり。よし美月、一緒に帰ろ。


美月: え?、うん!!


守里: じゃ、先に帰るね。


美月: バイバイ、飛香、春時。


飛香: また明日ね。


春時: おう!じゃあな。



そうして、守里と美月は帰った。



飛香: で、何だったの?


春時: うん?


飛香: 多分、美月がいたから言えなかったんでしょ。


春時: あぁ…さっき俺が守里を連れ出したのは、守里がお姉さんのことを、美月達に伝えていなかったからだ。


飛香: そっか。それで春時はなんて言ったの?


春時: 家族を、お姉さんのところに連れて行けって言ったよ。


飛香: うん。それが良いね。結真さん達なら、おそらく、お見舞いについて行けるだろうし。


春時: 俺達がしっかりと支えてやんなきゃだな。


飛香: そうだね…


◇◇◇


ガチャ



守里: ただいま。


美月: ただいま!


蓮花: おかえり!!お兄ちゃん、お姉ちゃん!!


守里: 蓮花も、もう帰ってきてたのか。


蓮花: うん!


桜: おかえり。


美月: 桜も…っていうか、今日1年生はテスト1回分早かったから、当たり前か。


桜: そうだよ。


守里: 結真姉さんは?まだ?


蓮花: うん、まだ帰ってきてない。


桜: お昼過ぎに帰ってくるって言ってたよね。


守里: あぁ、そうだった笑


美月: なら、あと1時間ぐらいかな。


守里: だね。よし、昼ご飯作るか。みんな食べるでしょ?


蓮花: もちろん!!


桜: うん。


美月: 食べる、食べる。




しばらくして…



結真: ただいま。


守里: おかえり、結真姉さん。


蓮花: おかえり!!


桜: おかえり。


美月: おかえり、お姉ちゃん。


結真: もう、お昼ご飯は食べたのね。


蓮花: うん!お兄ちゃんの料理おいしかった!


結真: あら、それは羨ましいわ笑


蓮花: でも、お姉ちゃんは食べてきたんでしょ?


結真: うん。っていうか、テストはどうだったの?


蓮花: 蓮花は多分大丈夫!


結真: ほんとかな?


蓮花: もちろんだよ!!


結真: じゃあ、結果を楽しみにしとくね。ちゃんとテスト見せるんだよ。


蓮花: う、うん!



蓮花はこれまでに、テストを見せないことがあったのかな笑



結真: 笑、桜は?


桜: さくはね、まぁまぁって感じかな。


結真: そっか、解答欄は全部埋められた?


桜: いや、ちょっとだけ空欄…


結真: でも、ちょっとだけなんでしょ。


桜: うん。


結真: なら、そんな悪くないと思うからさ、前向きにテストの返却を待とうよ。


桜: そうだね。


結真: 美月は?


美月: 私は問題なし!


結真: それなら良かった。1日目も2日目も順調って言ってたもんね。


美月: うん。もしかして、私って天才かな?笑


結真: 笑、何言ってるの、まだ結果が返ってくるまで、分からないでしょ。


美月: 笑


結真: 守里は?


守里: 僕も、問題なしだよ。


結真: 笑、元々守里は心配してなかったけど、良かったわ。


守里: うん笑


美月: そういえば、守里。帰る時に話してた用事ってなんだったの?


守里: 用事…




パチ




守里: …あ、そうだった…


結真: どうしたの?


守里: 病院行かないと。


美月: 病院?



守里は立ち上がり、リビングを出て行こうとする。



蓮花: え?お兄ちゃん!ちょっと待ってよ!



蓮花が守里の手を掴む。



結真: ちゃんと説明して。なんで病院に行くの?


守里: なんで……あ…


美月: ?


守里: 春時が言ってた…みんな、一緒に行かないとだ。


結真: 一緒に?


蓮花: どういうこと?


桜: お兄ちゃん?


美月: 春時?


結真: …美月、春時君に連絡して。


美月: う、うん。



美月は急いで、春時に電話をかける。


プルルル


ピ



美月 T: もしもし、春時?


春時 T: 美月、どうした?


美月 T: なんか、守里がいきなり病院に行くって言ってるんだけど、何か知らない?それに、一緒に、とも言ってるの!


春時 T: …ごめん、俺からは何も言えない。だから、大変かもだけど、守里と一緒に病院に行ってくれないか?できれば、みんなで。


美月 T: う、うん、分かった。とにかく行ってみるよ。


春時 T: あぁ、頼んだぞ。



ピ 



結真: 春時君なんだって?


美月: 守里と一緒に病院に行ってくれって。


守里: うん、行こう。


結真: みんなで?


守里: うん。


美月: とにかく行ってみない?


結真: そうだね。桜と蓮花も大丈夫?


蓮花: 大丈夫!


桜: さくも。


結真: よし、それで病院ってどこの病院?


守里: 伊衛能病院。


美月: あれ?そこって、私達が入院してたところ?


守里: そうだよ。


結真: (あの病院に何があるんだろう…)



結真達は守里の様子に、疑問を持ちつつも、守里の言う通りに、伊衛能病院に向かった。


◇◇◇


伊衛能病院


バタン



結真: 着いたけど…


美月: 守里、どこに行けば…って。


蓮花: お兄ちゃん!待ってよ~



結真の車から降りた守里は、スタスタと病院の正面入口の方に進む。



守里: ついてきて。


結真: え?う、うん。


桜: ほんとにどうしちゃったんだろう、お兄ちゃん。


美月: いつもの守里とは、違うね。


結真: 冷たいというか、心がないって感じ…


蓮花: 蓮花、ちょっと怖いかも…


美月: とにかく、ついていってみよう。



そして、守里は病院内に入る。



結真: 受付するのかな?


美月: まぁ病院に来たんだから、そうでしょ。



しかし、守里は受付機とは、違う方向へ行く。



結真: あれ?守里、受付機はこっち!



結真の言葉を無視し、守里はエレベーターの手前にいる、看護師のところへ。



看護師: あら、森崎君。今月は遅かったですね。


美月: (知り合い?)


守里: はい。テストがあったので。


看護師: そうですか。それで後ろの方達は?


守里: 僕の家族です。


看護師: あぁ…分かりました。では、これを…


守里: はい。



守里は看護師から、カードを受け取る。



看護師: 貴女方も、これを。


結真: は、はい。



結真達も、守里が貰ったものと同じカードを受け取る。



結真: (特別入院棟入場許可証?)


看護師: こちらにお乗り下さい。


守里: はい。みんなも来て。


美月: うん。



全員がエレベーターに乗る。


それを確認した看護師も、エレベーターの中に入る。



看護師: みなさん、あちらの方を向いて下さい。



看護師が扉とは逆の方に手を向ける。



守里: はい。


結真: は、はい。



結真達もそれに従う。



看護師: では、行きますよ。



そして、守里達を乗せたエレベーターは下降して行った。




to be continued
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と叫んだら長年の婚約者だった新妻に「気持ち悪い」と言われた上に父にも予想外の事を言われた男とその浮気女の話

ラララキヲ
恋愛
 長年の婚約者を欺いて平民女と浮気していた侯爵家長男。3年後の白い結婚での離婚を浮気女に約束して、新妻の寝室へと向かう。  初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と愛する夫から宣言された無様な女を嘲笑う為だけに。  しかし寝室に居た妻は……  希望通りの白い結婚と愛人との未来輝く生活の筈が……全てを周りに知られていた上に自分の父親である侯爵家当主から言われた言葉は──  一人の女性を蹴落として掴んだ彼らの未来は……── <【ざまぁ編】【イリーナ編】【コザック第二の人生編(ザマァ有)】となりました> ◇テンプレ浮気クソ男女。 ◇軽い触れ合い表現があるのでR15に ◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。 ◇ご都合展開。矛盾は察して下さい… ◇なろうにも上げてます。 ※HOTランキング入り(1位)!?[恋愛::3位]ありがとうございます!恐縮です!期待に添えればよいのですがッ!!(;><)

婚約破棄……そちらの方が新しい聖女……ですか。ところで殿下、その方は聖女検定をお持ちで?

Ryo-k
ファンタジー
「アイリス・フローリア! 貴様との婚約を破棄する!」 私の婚約者のレオナルド・シュワルツ王太子殿下から、突然婚約破棄されてしまいました。 さらには隣の男爵令嬢が新しい聖女……ですか。 ところでその男爵令嬢……聖女検定はお持ちで?

【完】あの、……どなたでしょうか?

桐生桜月姫
恋愛
「キャサリン・ルーラー  爵位を傘に取る卑しい女め、今この時を以て貴様との婚約を破棄する。」 見た目だけは、麗しの王太子殿下から出た言葉に、婚約破棄を突きつけられた美しい女性は……… 「あの、……どなたのことでしょうか?」 まさかの意味不明発言!! 今ここに幕開ける、波瀾万丈の間違い婚約破棄ラブコメ!! 結末やいかに!! ******************* 執筆終了済みです。

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

ヤケになってドレスを脱いだら、なんだかえらい事になりました

杜野秋人
恋愛
「そなたとの婚約、今この場をもって破棄してくれる!」 王族専用の壇上から、立太子間近と言われる第一王子が、声高にそう叫んだ。それを、第一王子の婚約者アレクシアは黙って聞いていた。 第一王子は次々と、アレクシアの不行跡や不品行をあげつらい、容姿をけなし、彼女を責める。傍らに呼び寄せたアレクシアの異母妹が訴えるままに、鵜呑みにして信じ込んだのだろう。 確かに婚約してからの5年間、第一王子とは一度も会わなかったし手紙や贈り物のやり取りもしなかった。だがそれは「させてもらえなかった」が正しい。全ては母が死んだ後に乗り込んできた後妻と、その娘である異母妹の仕組んだことで、父がそれを許可したからこそそんな事がまかり通ったのだということに、第一王子は気付かないらしい。 唯一の味方だと信じていた第一王子までも、アレクシアの味方ではなくなった。 もう味方はいない。 誰への義理もない。 ならば、もうどうにでもなればいい。 アレクシアはスッと背筋を伸ばした。 そうして彼女が次に取った行動に、第一王子は驚愕することになる⸺! ◆虐げられてるドアマットヒロインって、見たら分かるじゃんね?って作品が最近多いので便乗してみました(笑)。 ◆虐待を窺わせる描写が少しだけあるのでR15で。 ◆ざまぁは二段階。いわゆるおまいう系のざまぁを含みます。 ◆全8話、最終話だけ少し長めです。 恋愛は後半で、メインディッシュはざまぁでどうぞ。 ◆片手間で書いたんで、主要人物以外の固有名詞はありません。どこの国とも設定してないんで悪しからず。 ◆この作品はアルファポリスのほか、小説家になろうでも公開します。 ◆過去作のヒロインと本作主人公の名前が丸被りしてたので、名前を変更しています。(2024/09/03) ◆9/2、HOTランキング11→7位!ありがとうございます! 9/3、HOTランキング5位→3位!ありがとうございます!

【完結】彼女以外、みんな思い出す。

❄️冬は つとめて
ファンタジー
R15をつける事にしました。 幼い頃からの婚約者、この国の第二王子に婚約破棄を告げられ。あらぬ冤罪を突きつけられたリフィル。この場所に誰も助けてくれるものはいない。

寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい

白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。 私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。 「あの人、私が

パパー!紳士服売り場にいた家族の男性は夫だった…子供を抱きかかえて幸せそう…なら、こちらも幸せになりましょう

白崎アイド
大衆娯楽
夫のシャツを買いに紳士服売り場で買い物をしていた私。 ネクタイも揃えてあげようと売り場へと向かえば、仲良く買い物をする男女の姿があった。 微笑ましく思うその姿を見ていると、振り向いた男性は夫だった…

処理中です...