ただ守りたい…〜大事な人を守るには、金と権力と腕っ節…あと諦めない心が必要です〜

ドラると

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閑章1

第63話「始まってしまったら意外と一瞬で過ぎて行く」

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翌日



守里: みんなテストいけそう?


美月: うん、昨日の勉強会のおかげで。


桜: ちょっと不安だけど、頑張る。


蓮花: 蓮花も!


守里: 気合十分だね笑


結真: 中間テストの期間は、お昼に帰ってくるんだよね?確か。


守里: うん、そうだよ。


結真: 私、まだ帰ってきてないだろうから、お昼ご飯は自分達でお願い。


守里: うん。


美月: 守里の料理楽しみにしてるよ!


守里: え、美月は作らないの?


美月: わ、私は食べる専門だから!!


結真: なに?食べる専門って笑


美月: 良いでしょ!


蓮花: 蓮花も食べる専門!!


守里: 笑、はいはい。


桜: さくは、お兄ちゃんを手伝う。


守里: そう?ありがとう、桜。


結真: あ、そろそろ日向子ちゃんが来る時間だね。


日向子: 学校行こ!!!!


美月: ちょうど来た。


守里: よし、行こう。


結真: 笑、いってらっしゃい。


「いってきます!」



ガチャ


◇◇◇


教室



剣崎: 試験開始。



中間テストが始まった。


◇◇◇◇◇◇


2日後



剣崎: これで中間テストは終わりね、お疲れ様。学級委員よろしく!


川嶋: 起立、礼!


「ありがとうございました。」


剣崎: はい、明日も学校あるけど、今日はもうリラックスして、ゆっくり過ごしなよ~



ガラガラ



守里: ふぅ…やっと終わった。


飛香: どうだった?


守里: まぁまぁかな。そっちは?


飛香: 分からないところは少しあったけど、私もまぁ問題ない。


守里: さすが飛香。


飛香: 守里も大して、変わらないでしょ。


守里: 笑、じゃあ、教え子達を見に行こうかな。


飛香: そうだね。



2人は、各々の教え子の机へ向かう。



守里: 美月、どうだった?


美月: ん?あぁ…なんというか、自分でもびっくりなぐらいにできた。


守里: 良かったじゃん!!返却が楽しみだね。


美月: うん!!


春時: 守里、テストできたか?


守里: お、春時。まぁできたよ。


春時: いつも通りだな。


美月: 春時はどうだったの?


春時: 今回は自信ありだぜ、空欄が1つもない!!


守里: そっか笑


飛香: 祐希、どう?


祐希: zzzzz


飛香: はぁ…



祐希は既に夢の世界に旅立っていた。


それを確認した飛香は、2人目の教え子の元へ。



東野: 飛香どうしたの?


飛香: 教え子にテストの感想を聞きに来た。


秋吉: なるほどね。


飛香: どうだった?日向子。


日向子: めちゃくちゃできたよ!!!


飛香: え?!ほんと?!


日向子: うん!!めっちゃ早く終わったの!!


飛香: …


東野: …


秋吉: …


飛香: これ、どう思う?


東野: ダメな方に1票。


秋吉: じゃあ、できてる方に1票!


日向子: 私もできてるに1票!!


飛香: そ、そっか…


守里: じゃ、僕はそろそろ帰ろ。


春時: 今日は委員会活動ないんだったな。


守里: うん、そうだよ。


美月: なら私も帰る!




パチ




守里: …いや、先に帰っといて。


美月: え~


春時: なんか用事があるのか?


守里: ほら、もう6月に入ったでしょ。1日はテストで行けなかったからさ。


春時: あぁ…なるほど。


美月: え?なに、どういうこと?


春時: って、まさかお前、まだ言ってないのか?


守里: うん。


春時: はぁ?なんで。


守里: なんで…


春時: ちょっとお前こっち来い。


美月: え?ちょっ…



春時が守里を教室から連れ出す。


ガラガラ



飛香: どうしたんだろ?


日向子: 守里、春時…まぁ大丈夫でしょ!じゃあ私は部活いってきます!!


飛香: うん…


春時: お前、そういう大事なことは、先に伝えるだろ。


守里: 大事なこと…


春時: …変わらずか…いいから、ちゃんと伝えろ。


守里: 伝える…


春時: お姉さんのことだよ。なんで、新しい家族にそれを伝えないんだ。普通、初めに伝えるもんだぞ。


守里: …


春時: だって、お姉さんにとっても、結真さんや美月、桜ちゃんに蓮花ちゃんは家族だろ。


守里: うん。


春時: だから今日は一旦家に帰って、そのことを伝えろ…いや、家族をお姉さんのところに連れて行け。


守里: 分かった。


春時: あぁ。




パチ




ガラガラ



美月: あ、戻ってきた。


飛香: どうしたの?


春時: いや、なんでもないよ。な、守里。


守里: ?


春時: 良いから合わせろボソッ


守里: う、うんボソッ…そうそう、なんでもないよ。


飛香: ふーん。


美月: なら、いいけど。


春時: それで、もう帰るんだろ?守里。


守里: そのつもり。よし美月、一緒に帰ろ。


美月: え?、うん!!


守里: じゃ、先に帰るね。


美月: バイバイ、飛香、春時。


飛香: また明日ね。


春時: おう!じゃあな。



そうして、守里と美月は帰った。



飛香: で、何だったの?


春時: うん?


飛香: 多分、美月がいたから言えなかったんでしょ。


春時: あぁ…さっき俺が守里を連れ出したのは、守里がお姉さんのことを、美月達に伝えていなかったからだ。


飛香: そっか。それで春時はなんて言ったの?


春時: 家族を、お姉さんのところに連れて行けって言ったよ。


飛香: うん。それが良いね。結真さん達なら、おそらく、お見舞いについて行けるだろうし。


春時: 俺達がしっかりと支えてやんなきゃだな。


飛香: そうだね…


◇◇◇


ガチャ



守里: ただいま。


美月: ただいま!


蓮花: おかえり!!お兄ちゃん、お姉ちゃん!!


守里: 蓮花も、もう帰ってきてたのか。


蓮花: うん!


桜: おかえり。


美月: 桜も…っていうか、今日1年生はテスト1回分早かったから、当たり前か。


桜: そうだよ。


守里: 結真姉さんは?まだ?


蓮花: うん、まだ帰ってきてない。


桜: お昼過ぎに帰ってくるって言ってたよね。


守里: あぁ、そうだった笑


美月: なら、あと1時間ぐらいかな。


守里: だね。よし、昼ご飯作るか。みんな食べるでしょ?


蓮花: もちろん!!


桜: うん。


美月: 食べる、食べる。




しばらくして…



結真: ただいま。


守里: おかえり、結真姉さん。


蓮花: おかえり!!


桜: おかえり。


美月: おかえり、お姉ちゃん。


結真: もう、お昼ご飯は食べたのね。


蓮花: うん!お兄ちゃんの料理おいしかった!


結真: あら、それは羨ましいわ笑


蓮花: でも、お姉ちゃんは食べてきたんでしょ?


結真: うん。っていうか、テストはどうだったの?


蓮花: 蓮花は多分大丈夫!


結真: ほんとかな?


蓮花: もちろんだよ!!


結真: じゃあ、結果を楽しみにしとくね。ちゃんとテスト見せるんだよ。


蓮花: う、うん!



蓮花はこれまでに、テストを見せないことがあったのかな笑



結真: 笑、桜は?


桜: さくはね、まぁまぁって感じかな。


結真: そっか、解答欄は全部埋められた?


桜: いや、ちょっとだけ空欄…


結真: でも、ちょっとだけなんでしょ。


桜: うん。


結真: なら、そんな悪くないと思うからさ、前向きにテストの返却を待とうよ。


桜: そうだね。


結真: 美月は?


美月: 私は問題なし!


結真: それなら良かった。1日目も2日目も順調って言ってたもんね。


美月: うん。もしかして、私って天才かな?笑


結真: 笑、何言ってるの、まだ結果が返ってくるまで、分からないでしょ。


美月: 笑


結真: 守里は?


守里: 僕も、問題なしだよ。


結真: 笑、元々守里は心配してなかったけど、良かったわ。


守里: うん笑


美月: そういえば、守里。帰る時に話してた用事ってなんだったの?


守里: 用事…




パチ




守里: …あ、そうだった…


結真: どうしたの?


守里: 病院行かないと。


美月: 病院?



守里は立ち上がり、リビングを出て行こうとする。



蓮花: え?お兄ちゃん!ちょっと待ってよ!



蓮花が守里の手を掴む。



結真: ちゃんと説明して。なんで病院に行くの?


守里: なんで……あ…


美月: ?


守里: 春時が言ってた…みんな、一緒に行かないとだ。


結真: 一緒に?


蓮花: どういうこと?


桜: お兄ちゃん?


美月: 春時?


結真: …美月、春時君に連絡して。


美月: う、うん。



美月は急いで、春時に電話をかける。


プルルル


ピ



美月 T: もしもし、春時?


春時 T: 美月、どうした?


美月 T: なんか、守里がいきなり病院に行くって言ってるんだけど、何か知らない?それに、一緒に、とも言ってるの!


春時 T: …ごめん、俺からは何も言えない。だから、大変かもだけど、守里と一緒に病院に行ってくれないか?できれば、みんなで。


美月 T: う、うん、分かった。とにかく行ってみるよ。


春時 T: あぁ、頼んだぞ。



ピ 



結真: 春時君なんだって?


美月: 守里と一緒に病院に行ってくれって。


守里: うん、行こう。


結真: みんなで?


守里: うん。


美月: とにかく行ってみない?


結真: そうだね。桜と蓮花も大丈夫?


蓮花: 大丈夫!


桜: さくも。


結真: よし、それで病院ってどこの病院?


守里: 伊衛能病院。


美月: あれ?そこって、私達が入院してたところ?


守里: そうだよ。


結真: (あの病院に何があるんだろう…)



結真達は守里の様子に、疑問を持ちつつも、守里の言う通りに、伊衛能病院に向かった。


◇◇◇


伊衛能病院


バタン



結真: 着いたけど…


美月: 守里、どこに行けば…って。


蓮花: お兄ちゃん!待ってよ~



結真の車から降りた守里は、スタスタと病院の正面入口の方に進む。



守里: ついてきて。


結真: え?う、うん。


桜: ほんとにどうしちゃったんだろう、お兄ちゃん。


美月: いつもの守里とは、違うね。


結真: 冷たいというか、心がないって感じ…


蓮花: 蓮花、ちょっと怖いかも…


美月: とにかく、ついていってみよう。



そして、守里は病院内に入る。



結真: 受付するのかな?


美月: まぁ病院に来たんだから、そうでしょ。



しかし、守里は受付機とは、違う方向へ行く。



結真: あれ?守里、受付機はこっち!



結真の言葉を無視し、守里はエレベーターの手前にいる、看護師のところへ。



看護師: あら、森崎君。今月は遅かったですね。


美月: (知り合い?)


守里: はい。テストがあったので。


看護師: そうですか。それで後ろの方達は?


守里: 僕の家族です。


看護師: あぁ…分かりました。では、これを…


守里: はい。



守里は看護師から、カードを受け取る。



看護師: 貴女方も、これを。


結真: は、はい。



結真達も、守里が貰ったものと同じカードを受け取る。



結真: (特別入院棟入場許可証?)


看護師: こちらにお乗り下さい。


守里: はい。みんなも来て。


美月: うん。



全員がエレベーターに乗る。


それを確認した看護師も、エレベーターの中に入る。



看護師: みなさん、あちらの方を向いて下さい。



看護師が扉とは逆の方に手を向ける。



守里: はい。


結真: は、はい。



結真達もそれに従う。



看護師: では、行きますよ。



そして、守里達を乗せたエレベーターは下降して行った。




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