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閑章1

第60話「七星へのプレゼント」

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放課後



美月: 今日、守里はバイトだよね?


守里: いや、違うよ。


美月: え?月曜日ってバイトじゃなかったっけ?


守里: そうなんだけど、今日は休み。


美月: じゃあ、一緒に帰ろ!


守里: ごめん、予定があって、一緒に帰れない。


美月: 分かった、先に帰ってるね。何時ぐらいに帰ってくるの?


守里: う~ん、どうだろ。でも、晩ご飯は家で食べるから。


美月: なら、お姉ちゃんに伝えとく。


守里: よろしく!


飛香: 美月、一緒帰ろ。


美月: いいよ!


守里: じゃあね、2人とも。


飛香: うん…


美月: またね!!



そう言って、2人は教室を出て行った。


よし、行こうかな。

まだいると思うんだけど…


◇◇◇


生徒会室



コンコン


「どうぞ。」


守里: 失礼します。



ガチャ



倉田: 森崎君ですか。どうしたんです?


守里: 七星さんいます?


櫻宮: あ、なるほど笑。なぁちゃんは今いないよ。


守里: そうですか。いつぐらいに帰ってきますかね。


櫻宮: まゆちゃんと出てもらってるから、もうちょっとで帰ってくると思うよ。ここで待ってたら?


守里: いいですか?


櫻宮: 私は問題ない。


中谷: 同じく。


灰崎: 僕も大丈夫。


倉田: 問題ないです。


守里: ありがとうございます。では…



守里は生徒会室で七星を待つ。



櫻宮: 今年はどんなの持ってきたの?


守里: 笑、それはお楽しみですよ。七星さんが気に入るかは、分からないですけど。


櫻宮: 心配しなくても、なぁちゃんなら気に入ってくれるって笑


中谷: うん。守里君がくれたものなら、なぁちゃんは喜ぶに違いない笑


守里: そうですかね。ところで、皆さんはもう?


櫻宮: もちろん。朝にやった。


灰崎: 全員でお祝いしたよ。


守里: そうなんですね。


中谷: 桃ちゃんがケーキ買ってきてくれたんだけど、めちゃくちゃ美味しかったんだ。


守里: へぇー


櫻宮: なぁちゃんも美味しそうに食べてたよ。


倉田: あそこのケーキは、どれも美味しいですから。


守里: え、どこのケーキ屋さん?教えて欲しい。


倉田: あとから教えます。


守里: ありがとう、倉田さん。


灰崎: そういえば、森崎君が他の委員会の仕事を手伝うって話があったでしょ?


守里: うん。


灰崎: あれ、今やるのは厳しいよね?


守里: う~ん、確かに今はちょっと無理だね。中間テストも近くて。


灰崎: だよね。


守里: あ、でも、7月からなら大丈夫だと思う。


灰崎: 分かった。委員長達に伝えとく。


守里: なんか、ごめんね。仕事増やしちゃって。倉田さんも。


灰崎: このぐらいなら大丈夫だよ。


倉田: 普段の仕事に比べれば、断然、楽ですから。


守里: そ、そうですか…



どれだけ生徒会の仕事は大変なんだ…



櫻宮: 笑、守里が手伝ってくれれば、その普段の仕事も楽になるんだけどな笑


守里: え、いや…


中谷: 確かに。


灰崎: 会長も、中谷先輩もダメですよ。強引な勧誘は。



ありがとう、灰崎君。



櫻宮: はーい。でも、私は守里には、生徒会に入って欲しいって思ってるからね。


守里: …



ガチャ



鹿川: ただいま戻りました!!!!


中谷: あ、戻ってきた。


七星: 戻ったで~


倉田: お疲れ様です。


灰崎: お疲れ様です、副会長。


鹿川: ちょっと、灰崎君!私は?


灰崎: …鹿川さんもお疲れ様です。


鹿川: うんうん!って守里君!なんでここに?


七星: あれ?守里。どしたん?


守里: お疲れ様です。


櫻宮: ほら、守里。


守里: はい。七星さん、ちょっと。


七星: うん?


中谷: 隣の会議室、使っていいよ。


守里: ありがとうございます。


鹿川: え?どういうこと?


灰崎: 鹿川さんはこっちで仕事です。


鹿川: え~~


櫻宮: いってらっしゃ~~い。



ガチャ


守里と七星は会議室に入る。



七星: もう~なに?守里。って大体予想はつくけど笑


守里: ですよね笑


七星: 今は2人きりなんやから、敬語もなし、呼び方も元に戻してや。


守里: 分かったよ笑、なぁちゃん。


七星: うんうん、やっぱ守里はこうでないと!


守里: じゃ、本題に…



守里は七星の目を見る。



守里: なぁちゃん、誕生日おめでとう!!


七星: 笑、ありがとな。


守里: はい、これプレゼント。



そう言って、守里は鞄から箱を取り出し、七星の前に出す。



七星: ありがとう!!開けてええ?


守里: もちろん笑



七星は守里から、プレゼントを受け取る。



守里: どうかな?なぁちゃんに、ぴったりだと思ったんだけど…



そして、七星は箱を開け、中身を見る。



七星: お、ハンカチか!!それにこれは…



七星は、箱に入っていた緑色のハンカチの端っこに、注目する。



守里: 鳥の羽の刺繍がついてるんだ。なぁちゃん、鳩好きでしょ。だから…


七星: 嬉しいわ~毎日使うで。


守里: いや、それはさすがに洗ってよ笑。でも良かった。喜んでくれたみたいで。


七星: ほんま、守里はセンスがええな。


守里: そう?


七星: うん。毎年貰ってるけど、毎回嬉しいもん。


守里: 笑、ありがと。


七星: こちらこそや、ありがとうな、守里。



七星は守里の頭を撫でる。



守里: っ!!//////


七星: 守里の頭は撫でやすいな笑


守里: …子供扱いしないでよ///


七星: 別にええやん。でも確かに、守里はもう子供じゃないか笑


守里: え?


七星: ななよりも、背おっきいし、賢いし、何より仕事もできる。


守里: …


七星: 立派になったなニコッ


守里: な、なぁちゃん?


七星: 笑、撫でるのはこれでお終いや。



そう言って、七星は守里の頭から手を離す。



七星: これ大事に使わせてもらうな笑


守里: うん笑


七星: ってか、守里。


守里: なに?


七星: 最近どうなん?


守里: どうって?


七星: ん~なら、学校は楽しいか?


守里: そりゃもちろん、楽しいよ。


七星: そっかそっか笑。じゃあ家族はどうや、もう流石に慣れたか?


守里: うん。最初は戸惑ったし、色々あったけど、今はとっても良い感じ。


七星: 良い感じか…守里は今、幸せか?


守里: え?…うん、幸せだけど…


七星: ふ~ん…


守里: なに?この質問。


七星: 別に意味はないで笑。気になったから聞いただけや。


守里: 本当に?


七星: ほんまやって、じゃあなんや、ななになんか企みがあると思ってるんか?


守里: いや、そんなことは…


七星: 少なくとも、ななには守里に害を与えるような考えは、無いで。


守里: う、うん…


七星: 笑、そんな顔せんと、守里は笑った顔が1番や!



七星は守里の頬を動かして、無理やり笑顔にする。



守里: ///痛いって、なぁちゃん!


七星: 笑、ごめんごめん笑



守里の頬が解放される。



守里: っもう…なぁちゃんにプレゼントも渡せたから、生徒会室に戻ろ。



守里は鞄を手に持ち、会議室を出ようとする。



七星: せやな。あと改めて、ありがとなプレゼント。嬉しかったで。


守里: うん。こちらこそ、いつもありがとう。


七星: お互い様や。



そうして2人は会議室を出た。



ガチャ


バンッ



鹿川: 痛っ!!


守里: え?!鹿川さん?!


中谷: そうやって聞き耳立ててるから、そうなるんだよ。


守里: ごめんなさい、鹿川さん。


灰崎: 森崎君、謝らなくていいよ。鹿川さんが一方的に悪いんだから。


七星: まゆちゃん大丈夫か?


鹿川: は、はい…もう!守里君酷い~


守里: え…


櫻宮: まゆちゃん、それは違う。確かに話してる内容は気になるけど、ドアに聞き耳を立てるのは愚策だよ。もっと考えてやらないと。


鹿川: そうですね!!!


中谷: 麗華…


倉田: 会長…


櫻宮: え、なんで私が呆れられてるの?


鹿川: ってか、守里君!


守里: なんですか?


鹿川: なんで、私に敬語なの?!


守里: え、いや、特に意味はないですけど…


鹿川: 灰崎君や桃ちゃんにはタメ語なのに、私にだけ敬語だなんて!!私にもタメ語で話して!!


守里: わ、分かったよ。これでいい?


鹿川: あと…



まだ要求かあるのか…



鹿川: 私の事は、まゆたんって呼んで!!


守里: まゆたん?


鹿川: そう!!


守里: マジ?


鹿川: 大マジ!!!



守里は他の生徒会役員の面々に、助けを求める視線を送るが、全員が視線を逸らす。



守里: はぁ…分かったよ、まゆたん。


鹿川: やった!!初めて私をまゆたんって呼んでくれる人ができた!!!



って初めてかよ!



櫻宮: 良かったね、まゆちゃん。


鹿川: はい!!!満足です!!



鹿川は満面の笑みを浮かべた。



七星: 守里、これから頑張ってな。


灰崎: 共に頑張ろう。


倉田: お願いしますよ、森崎君。


守里: …はい。



より一層、生徒会との絆を深めた守里であった。




to be continued

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