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閑章1

第57話「開講!結真の料理教室」

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守里の家


ガチャ



守里: おはよう。


結真: あ、おはよう。


美月: おはよう!守里。


守里: 結構寝ちゃってた。


結真: だね。もうそろそろで、こんにちはの時間だよ笑


守里: 笑


美月: まぁ、日曜日だから良いでしょ。


結真: うん。桜も蓮花も、まだ寝てるみたいだし。


守里: 2人はまだ降りてきてないの?


美月: そうだよ。


守里: 蓮花はともかく、桜は珍しいね。


結真: そうね。美月と蓮花と違って、桜はいつまでも寝てることはないから。


守里: 笑、そんな美月はもう起きてるんだ笑


美月: だって、守里と早く話したかったから笑


守里: そっか笑


美月: 今は、桜も蓮花もいない事だし、独り占めしちゃおう!



そう言って美月は、ソファに座った守里の隣に座る。


結真: 全く笑。にしても今日は、この前言ってた、料理教室をやろうと思ってたんだけどな。


守里: 料理教室?…あぁ、桜と蓮花に料理を教えるって言ってたね。


結真: そうそう。それで、改めて聞くけど、美月は料理大丈夫なのよね?


美月: え、だ、大丈夫だよ。


結真: 怪しいな~笑


美月: 問題ないよ。ね、守里!


守里: え、それ僕に聞くの?美月が料理出来るかどうかは、分からないよ笑


美月: …


結真: まぁいいわ笑。さて、どうしようかな。


美月: 2人とも起こす?


結真: そうだね。もうすぐで朝ご飯が、昼ご飯になっちゃいそうだし。


美月: なら、私が起こしてくるよ。


結真: …いや、守里に起こしに行って貰おうかな笑


守里: え?僕?


結真: うん、面白そうだから笑


美月: え~


結真: 美月は私と、守里の朝ご飯を用意してあげようよ。


美月: しょうがないな~


結真: (うちの妹ちょろい笑)


守里: 分かった。じゃあ行ってくる。



そう言って、守里は2階に向かった。




守里: まずは、蓮花から起こそうかな。


コンコン


守里: 蓮花~?



シーン


まだ寝てるな。



守里: 失礼します…



ガチャ


守里は蓮花の部屋に入る。


何気に、蓮花の部屋に入るのは初だ。

ってか、みんなが引っ越してきてから、他の部屋にも入ったことないか。


守里は蓮花の部屋を見渡す。


女の子っぽい部屋だな。


でも、部屋の一角だけ、なんか凄い…

これ、全部ゲームの機材なのか?


たまに、蓮花の部屋から声が響いてくるけど、このゲームで遊んでる声なのかな?

なんか楽しそうだし、僕も一緒にやってみたい。


まぁとにかく、蓮花を起こそう。


守里は蓮花のベッドに近づく。



蓮花: zzzz


守里: 笑



気持ちよさそうに寝てるな。

まったく、可愛い寝顔だ笑


ずっと見ときたいけど…



守里: 蓮花、起きて。


蓮花: ん~


守里: 蓮花~朝だよ~


蓮花: …お兄ちゃん?


守里: そうだよ。おはよう、蓮花。


蓮花: ん~おはよう…お兄ちゃん…


守里: 起きた?蓮花。


蓮花: うん、まだ眠いけど、起きた…


守里: 昨日も夜遅くまで、ゲームしてたの?


蓮花: ちょっとハマっちゃってね…


守里: あんまり、夜更かしは感心しないけど…今度さ、僕も一緒にできないかな?


蓮花: え?!


守里: これまで、あんまりゲームしてこなかったけど、蓮花の楽しそうな声を聞いてね、やってみたくなったんだ。


蓮花: もちろん!!!一緒にやろ!!お兄ちゃん!!



守里の誘いを受けて、蓮花は寝起き状態から、通常運転に切り替わる。



守里: やった。楽しみだな~


蓮花: 蓮花も、お兄ちゃんと一緒にできるの楽しみ!!


守里: そっか笑。よし、蓮花。先に下に降りといて。僕は桜を起こしてくるから。


蓮花: はーい!



そうして、蓮花はリビングに行った。



守里: じゃあ次は桜だな。



守里は蓮花の部屋を出て、桜の部屋の前へ。


コンコン



守里: 桜?起きてる?



シーン


こちらもまだ寝てるのか…



守里: 入るよ、失礼します。



ガチャ


へぇ…

桜の部屋は、物が少ないんだな。


ん?

あれは…


桜を起こそうと、ベッドに近づいたところで、守里はベッドの上に何かを見つける。


まさか…


みたらし団子のクッションか笑

どれだけ、みたらし団子が好きなんだよ笑



守里: 桜、起きて~


桜: …ムニャムニャ…zzzz


守里: 朝だよ。


桜: zzzz



全然起きないな。


よし、試してみるか笑



守里: あ、みたらし団子がこんなに…


桜: っ!!みたらし!!!



桜が凄い勢いで起き上がる。



守里: うわっ、びっくりした…


桜: みたらし団子どこ?!



桜は周りをキョロキョロし始める。


まだ、寝ぼけてるのかな笑



桜: みたら…し……



桜は隣にいる守里を見て、固まる。



守里: おはよう、桜。


桜: へ?…お、お兄ちゃん?!


守里: そうだよ。


桜: な、なんでさくのお部屋に?!


守里: 桜を起こしに来たんだよ。


桜: そ、そそそ、そうなんだね。(あぁ~びっくりした…)


守里: あと、気になったんだけどさ、そのクッションって…



守里は視線を、桜の枕元にある、みたらし団子のクッションに向ける。



桜: クッション?…っ!!///



桜は、そのクッションを守里から隠すように抱きしめる。



桜: こ、これは///


守里: 可愛いクッション。


桜: そ、そうかな…


守里: 桜はホントに、みたらし団子が大好きだよね。


桜: うん!!


守里: 笑、じゃ下に行こうか。



そして、守里と桜はリビングへ。



守里: 桜も起こしてきたよ。


結真: ありがとう。桜、おはよう。


桜: おはよう。


美月: おはよう、桜。


蓮花: おはよ!!!


結真: じゃ、3人とも朝ご飯食べて。


守里 桜 蓮花: はーい。


美月: 守里、おいしい?


守里: うん、おいしいよ。


美月: やった!守里に褒められた!!


結真: ちょっと待って、美月。作ったのは私なんだけど。


美月: 私も温め直すの手伝ったんだから、一緒だって。


結真: いや、さすがにそれは…


守里: 笑、結真姉さんも美月もありがとうね。


美月: エヘヘ


結真: いえいえ笑。それでなんだけど、桜、蓮花。


蓮花: なに?お姉ちゃん。


桜: ?


結真: これから、お料理教室を開くわ。


蓮花: え、どういうこと?


桜: …!


結真: 笑、桜は分かったようね。そう、桜と蓮花がこの前、私に料理を教えてって言ったでしょ。


蓮花: あ、そういえばそう言った!


結真: だから、教えようかなって思って。どうする、やる?


蓮花: うん!!やるやる!!


結真: 桜は?


桜: さくもやる!


結真: 笑、意気込んでるわね。ちなみに今日の晩ご飯は2人に作ってもらうから。


守里: それは楽しみだな~


蓮花: お兄ちゃん!!楽しみに待っててね!!料理できるようになるから!!


桜: 待ってて。


守里: 笑、分かった。


結真: じゃあ、午後から始めるわよ。


桜: はい。


蓮花: はーい!!


結真: それでなんだけど、今日のお昼ご飯は守里に作ってもらっていい?


守里: え、もちろん良いけど…


結真: この2人のお手本としてね。


守里: なるほど、そういうことなら、腕によりをかけて作るよ。


◇◇◇


そして午後になり…



美月: 守里、一緒に動画見よう!


守里: 良いよ。


美月: やった、守里に見せたい動画があるんだ~



そうして、守里と美月はソファに座って、テレビで動画を見始めた。



蓮花: 美月お姉ちゃんいいな~蓮花も…


桜: …


結真: 桜、蓮花。今は美月が守里と一緒にいるけどさ、桜と蓮花が作った晩ご飯をおいしいって、お兄ちゃんが食べてくれるところ見たくない?



桜と蓮花は、結真の言葉を聞いて、妄想を膨らませる。



蓮花: 見たい!!!!蓮花頑張る!!!!


桜: さくも。


結真: よし、じゃあまずは、2人の今の実力を見せてもらおうかな。



そう言って結真は、桜と蓮花の前にあるそれぞれのまな板の上に、包丁を置く。



結真: キッチンが広いから、2人同時にできそうだね。


蓮花: 何をやればいいの?


結真: キャベツの千切りよ。



そして、キャベツの半玉2つを置く。



桜: 千切りか…


結真: じゃあ、やってみて。くれぐれも怪我はしないように。


桜: うん。


蓮花: はーい。



桜は包丁を持って、恐る恐るキャベツを切り始める。


トン…トン…トン…


切る速度こそ遅いものの、細い千切りができていく。


そんな桜と対照的に、蓮花は…


トントントントントン…


思い切りがよく、切る速度は速いが、太さがバラバラで汚い。



結真: (ほんと真反対だね笑。2人を足して2で割ったら、ちょうど良い感じかな。)




そして…



蓮花: お姉ちゃん!できた!!


結真: うん…



蓮花のまな板には、乱雑に切られ、キャベツの千切りと言えるか分からないようなものが積まれていた。



結真: 雑すぎね…


蓮花: え~でも、速くできたよ。


結真: 確かに速かったけど、こんな千切り見たことある?



そう言って、結真は蓮花が切ったキャベツを持ち上げる。



蓮花: …いや、ない…


結真: うん、だよね。もっと丁寧にやろうか。その思い切りは良いけど、怪我する可能性も高くなるから。


蓮花: …はい。


結真: 笑、これから頑張っていけばいいのよ。一緒に上手にできるようになろうね。


蓮花: うん!


結真: (これで、蓮花の方は大丈夫だ。それで、桜の方は…)


桜: う~ん…



桜は、まだ半分ぐらいまでしか切れていなかった。



結真: 桜、もう手を止めていいわよ。


桜: …うん。


結真: 桜は丁寧だけど、遅すぎかな?


桜: …


結真: でも、その丁寧さってのは大事なことなのよ。それだけ、想いを込めてやってるってことだからね。


桜: え…


結真: だから、その心は持ったまま、料理が上手になるように、一緒に頑張ろう。


桜: うん、さく頑張る!


結真: よしよし、2人の実力は分かったわ。ってことで、今日は…



こうして、第1回、結真の料理教室が開かれた。




to be continued


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