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第3章 美月編

第56話「一件落着」

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教室


ガラガラ



美月: あ!守里!!


守里: やっと戻って来れた。


日向子: もうすぐで、5限始まっちゃうよ!


飛香: 昼ご飯はお預けね笑


守里: 最悪だ…


美月: 後で、私が食べさせてあげる!!


飛香: は?


守里: 何言ってんだよ笑、美月。


美月: 笑


飛香: (コイツやりおる…)


春時: それで、何で呼ばれたんだ?


守里: 検討会議に出てた。


飛香: え?検討会議って確か…


守里: うん、生徒の処分…停学か退学かを検討する会議。


日向子: えーーーー、守里!!退学しちゃうの?!


守里: んなわけないだろ、僕じゃないよ笑


日向子: なんだ~ビックリした。


守里: 証人として呼ばれたんだ。


春時: なるほどな。


飛香: じゃあ、誰が対象になってたの?


守里: …



守里はチラッと美月を見る。


美月は守里の視線に気づき、俯く。



春時: 根川か…


守里: うん。


飛香: それで、どうなったの?


守里: 退学になった。


春時: そっか。


守里: だから、安心していいよ、美月。


美月: …ありがとう。


日向子: 良かったね!!美月ちゃん!!!


美月: うん!


飛香: 笑


春時: これで、完全に解決か?


守里: うん、やっとだよ笑


春時: おつかれ笑


◇◇◇◇


放課後


風紀委員室


ガラガラ



守里 美月: 失礼します。


若月: 昼休みぶりだな、守里。あと美月、頑張ったな。


美月: え?


守里: 若月さん、知ってたんですか?


若月: うん、君達のお姉さんから聞いたよ。根川が美月を脅してたことを。


守里: なるほど、結真姉さんが。


若月: 私はその場にはいなかったんだけど、守里が根川の情報をもらいに、生徒会室に行った後、白城先輩が生徒会室に来たらしい。


守里: あの後にですか。


若月: そこで、協力関係を結んだんだと。まぁ私は後からその話を聞いて、手伝うことになったんだけどね。


守里: それで、あの証人尋問ですか笑


若月: うん笑。でも、守里達が根川と接触した後の報告には、元から違和感があったんだ。


守里: そうだったんですね。


若月: 守里に迷ってる様子があったから、何かあったんだろうとは思ってたんだが、白城先輩の話を聞いて納得したよ。


守里: へぇ…



若月さん達は、どこまで知っているんだろう…

後から結真姉さんに聞いてみるか。



美月: あ、あの!


若月: なんだ?


美月: ありがとうございました!


若月: 笑、どういたしまして。でも、この件で根川という悪人を学校から追放できたんだから、こちらとしても良かったよ。


守里: 僕からも、若月さんありがとうございました。


若月: いえいえ笑、まぁこれから美月は安心して、楽しい学校生活を送りな。そばにこんなに頼れる相棒がいるんだからね笑



若月は守里の背中を叩きながら、美月に言う。



守里: ちょっ痛いですって、若月さん笑


美月: はい!!守里にたくさん頼ります!!



そう言って、美月は守里の腕に抱きつく。



守里: 美月、離れてよ。


美月: えーやだ~


若月: (美月は完全に守里に惚れ込んでるな笑)



ガラガラ



珠美 新里: 失礼します。


若月: 珠美と優太も来たか。


新里: はい!


珠美: あ!守里先輩!!って美月先輩!!!大丈夫だったんですか?!


美月: え?


守里: うん、何とかね。改めてありがとう、珠美。


珠美: いえいえ、当然のことをしたまでです!!


守里: ほんとに助かった。珠美が僕に知らせてくれたおかげで、美月を助けに行けたんだよ。


美月: そうなの?!、ありがとう、中村さん!!


珠美: 笑、良いんですよ。あ、あと、珠美のことは、下の名前で呼んでください!!


美月: 分かったわ。珠美ちゃん。


珠美: って!!なんで守里先輩に抱きついてるんですか?!!!美月先輩!!


美月: それは、私の自由でしょ!!


守里: もう、珠美達も来たんだから、離れてよ、美月。


美月: なんで~


珠美: 離れてください!!美月先輩!!!



守里に抱きつく美月を、剥がしにかかる珠美。



新里: 守里先輩、羨ましいです。


守里: いや、結構大変なんだよ、優太君。



と、そのまま騒いでいると…



若月: うん、君達、さっさと仕事に行きなさい。



声と声の間を通り抜けるかのように、若月の静かな言葉が鮮明に守里達の耳に届いた。



守里 美月 珠美 新里: はい!!!



そうして各ペアは見回りに向かった。



若月: はぁ…笑、守里は大変だな~これからどうなることやら笑


◇◇◇


校外


見回りへと校外にやって来た守里達。



守里: ねぇ美月。


美月: なに?


守里: 改めて、色々と質問していい?


美月: 笑、まぁ前の時は、あれだったからね笑


守里: うん笑。じゃあ美月の好きな食べ物は?


美月: お寿司のえんがわの炙り、あとタンミョン!


守里: タンミョン?


美月: タンミョン知らない?なら今度食べさせてあげるよ。


守里: 笑、楽しみにしとく。


美月: やった!


守里: 次の質問ね。好きな動物は?


美月: 孔雀。


守里: マジ?


美月: うん。私の小さい頃の夢は孔雀になることだったの!


守里: へぇ…



やっぱ独特だな…



守里: 苦手な食べ物は?


美月: うーん、抹茶かな?


守里: そうなんだ。


美月: 逆にさ、守里の好きな食べ物とか苦手な食べ物って何なの?


守里: そうだな…好きな食べ物は、ハンバーグ、卵焼き、あとイカかな。嫌いな食べ物は無い。


美月: 嫌いな食べ物無いんだ。


守里: うん、でもまだ食べたことないも物もあるから、今のところはって感じだけど。


美月: そりゃあ誰でもそうよ笑


守里: そうだね笑


美月: じゃあ、好きな動物は?


守里: 好きな動物か…犬。


美月: なんで?


守里: なんでって、まぁ日向子の影響かな。小さい頃からあいつに犬の良さを紹介し続けられて、いつの間にか好きになってた。


美月: へぇ…(やっぱ幼なじみ強いな…)


守里: あ、動物でいったら、嫌いというか苦手なものがいるよ…


美月: え、なんの動物?


守里: ネズミ…


美月: ネズミ?


守里: だって汚いじゃん、アイツら。もう近づきたくすらない…


美月: 笑


守里: もう笑わないでよ。


美月: ごめん笑、なんか初めて守里のそういう所を見たからさ。


守里: そう?


美月: うん。ずっと守里の強いところしか見てなかったから。


守里: あれ?1回不良にボコボコにされてたの見たよね?


美月: 見たよ。でもその時も、怖がったり、後ろ向きではいなかったじゃん。


守里: 確かに…


美月: だから、さっきのが、私が初めて見た、弱い守里だったの。


守里: そっか。


美月: にしても、私を助けてくれた時の守里、カッコよかったな、ニコニコ



美月は、守里に不良から助けてもらった時と、守里がアンチから助けに来た時のことが脳裏に浮かび、笑みがあふれる。



守里: ありがとう笑。それで言うなら、美月は会った時からずっと可愛かったよニコッ


美月: え///じゃ、じゃあ私の第一印象ってどんな感じだった?


守里: 確か…目が大きくて超絶美人かな。


美月: 超絶美人///


守里: ってか、初めて白城4姉妹と会った時はびっくりしたよ。みんな美人すぎて。


美月: そっか~嬉しいな///


守里: なら、僕の第一印象はどんな感じだったの?


美月: そりゃあカッコいい人だよ。


守里: ほんとか~?


美月: も、もちろん!


守里: …


美月: いや、まぁ最初は…その、あれだったから…


守里: 笑、しょうがないことだから、気にしないって笑


美月: で、でも今は!!本当にそう思ってるよ!!


守里: 笑、ありがとね。



こうして守里達は質問をお互いにしながら、見回りを続けた。




カフェBINGO!前



守里: あ…


美月: どうしたの?守里。


守里: ちょっとさ、ここに寄っていっても良い?


美月: ここってカフェだよね?


守里: そうだよ。


美月: (あれ、ここって…)


守里: 話しときたい人がいて。


美月: うん、なら私もついて行っていい?


守里: うん。良いよ。



ガチャ



守里: こんにちは~


美月: こんにちは…


奈々未: いらっしゃいませって、守里君と美月じゃん。


守里: どうも、奈々未さん。


美月: え、奈々未さん?


奈々未: そうよ、奈々未だけど笑


守里: ちょっと店長に、この前のことを謝っときたいなって思って。


奈々未: あら、そうなのね。


守里: あと、奈々未さん、ありがとうございました。



守里は頭を下げる。



奈々未: 別にいいのよ笑。大親友の頼みだったし、何より、妹のように可愛がってる子のピンチだったからね笑



そう言って奈々未は美月を見る。



美月: あ、もしかして、奈々未さんも…あの、ありがとうございました。



美月も頭を下げる。



奈々未: ちょっと美月までやめて笑。2人とも頭を上げな。



その言葉を聞き、2人は頭を上げる。



守里: じゃあ、店長のところに行ってきますね。


奈々未: はーい。



守里が店長のいるキッチンへ向かう。



奈々未: にしても、結構なクズに目をつけられたもんだね、美月。


美月: え?


奈々未: 根川のことだよ。あんなクソみたいなことを、店内で大声で話す奴はクズの中のクズだ。


美月: なんで奈々未さんがそんなことを…


奈々未: 笑、やっぱ気づいてなかったか。あの時に美月とクズがいた店は、ここ。


美月: え、ってことはあの時、転びそうになった店員さんって奈々未さんですか?


奈々未: (転びそうになったわけじゃないけど…)そうよ。


美月: そうだったんですね。本当にありがとうございました。


奈々未: いやいや、私はちょっと手助けをしただけだから。実際に助けたのは守里君でしょ。美月が攫われた時も真っ先にここを出て、助けに行ったんだから。


美月: …そうなんですね。


奈々未: あの子は強いから、思う存分頼って、助けてもらいなさい。でもその代わり、あの子をちゃんと支えてあげるのよ。


美月: はい!!大切な人ですから!!


奈々未: 笑、頑張って。(おっと、面白い展開になったみたい。)



奈々未は、守里にこれから訪れるであろう大変な事を思い浮かべて微笑む。



奈々未: でも、守里君がここでバイトしている間は私が支えるから。


美月: お願いします…ってここ守里のバイト先?!


奈々未: 今気づいたの?


美月: そういえば、守里、奈々未さんがバイトの先輩って言ってた…


奈々未: そうよ。ちなみに美月達よりも知り合い歴は長いわ笑


美月: クッ、羨ましい…


奈々未: でしょ笑


守里: 美月~


美月: あ、守里。


奈々未: 店長とのお話は終わった?


守里: はい、ちゃんと許して貰えました。


奈々未: まぁ店長は優しいからね、最初から怒ってなかったよ。


美月: ここ、守里のバイト先なんだ。


守里: うん、そうだよ。


美月: なんで、教えてくれなかったの?!


守里: いや、忘れてた…


美月: 全くもう…今度、守里がバイトしてる時に来るからね!


守里: え、それはちょっと…


奈々未: 別にいいじゃない?お店の売上に貢献してくれるんだから笑


守里: 奈々未さん…


美月: やった!奈々未さんの許可もらった!!



ここにいたら、奈々未さんに何を言われるか分からないな…早く出よう。



守里: よし、美月、行こうか。


奈々未: 待って、守里君。売上に貢献してよ笑


守里: すいません、風紀委員の仕事が…


奈々未: 深夜労働…


守里: コーヒー1つと、美月何がいい?


美月: え、じゃ、じゃあお茶。


守里: 麦茶お願いします!


奈々未: ご注文ありがとうございます笑、少々お待ちください。



その後、守里達は若月に遅いと小言を言われつつ、仕事を終わらせた。


そして2人で一緒に帰宅した。




to be continued

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