ただ守りたい…〜大事な人を守るには、金と権力と腕っ節…あと諦めない心が必要です〜

ドラると

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第3章 美月編

第45話「長女の観察眼は怖いぐらい鋭い」

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守里の家


風紀委員の見回りから帰ってきた守里と美月。



結真: じゃあ、食べましょうか。


「いただきます。」



全員が、食卓の上に並ぶ料理を食べ始める。



蓮花: おいしい!


結真: 笑、蓮花は、毎度おいしいって言ってくれるから、作りがいがあるわ笑


蓮花: そう?笑、なら、これからもたくさん言ってこ~


桜: え、さくも、お姉ちゃんのご飯おいしいって思ってるよ?


結真: 笑、ありがと。


蓮花: 美月お姉ちゃんも、おいしいって思ってるよね?


美月: 笑、もちろん思ってるよ。



妹達からのおいしいという言葉に、若干ニヤける結真。



結真: そっか、嬉しいな笑


守里: …



しかし、全員揃っての夕食中、結真達姉妹がワイワイと話している中で、守里は1人考え込んでいた。


美月は、助けが必要じゃないって言ってたけど…

やっぱ僕には無理だ。

あんなに怯えて震えていた美月を、放っておくことはできない。


アイツについて、もっと情報を集めないと…

あと、美月があんなに怯えている理由が分からない。


アイツは美月と付き合っているって言っていた。

怯えてたってことは、美月を脅して、無理やり付き合わせている可能性もあるな。

もしそれが事実なら…



「お兄ちゃん」



じゃあ、僕がやるべきことは、根川秀人についての情報収集…



「お兄ちゃん!」



そして、美月が怯えている理由、脅しの内容の特定か…


なら、僕はまずどう動けばいい…



「お兄ちゃん!!」


守里: っ!!


蓮花: お兄ちゃん!!!


守里: ど、どうしたの?蓮花。


蓮花: お兄ちゃんこそどうしたの?!ずっと、ぼーーっとして。


守里: い、いや、なんでもないよ。


蓮花: ほんと?


守里: ほんと、ほんと笑


蓮花: なら、良かった!それでさ!お姉ちゃんのご飯、おいしいよね!!


守里: え、そりゃあもちろん、おいしいよ笑


蓮花: だよね~


結真: 笑、料理上手な守里に言って貰えるのは、本当に嬉しいわ。


蓮花: なんかそれだと、蓮花達が料理上手じゃないみたいじゃん!


結真: え?


蓮花: え?


結真: 蓮花、料理できないでしょ笑


蓮花: そ、そんなことないよ!!ね、桜お姉ちゃん!!


桜: …う、うん…


結真: ほんとにそう思ってるの?桜。


桜: え、いや~


結真: ほら、桜も蓮花が料理できるとは思ってないみたいよ笑


蓮花: ム~、桜お姉ちゃんだって料理できないくせに!!


桜: れ、蓮花!今それ言わなくてもいいでしょ!!


蓮花: 下手したら、桜お姉ちゃんの方が料理できないかもね!!


桜: そ、そんなことないもん!蓮花の方が料理できないもん!絶対に!!


蓮花: なにを~


結真: はいはい笑、2人ともどんぐりの背比べは、そこまでにして笑


守里: 2人とも落ち着いて、ね。 


桜 蓮花: はーい。


結真: っていうか、守里もたまには料理作ったら?私よりも上手なんだし。


守里: いやいや、結真姉さんの方が料理上手だよ。


結真: そうかな~笑


美月: お姉ちゃん笑、満更でもないじゃん笑


結真: へへへ笑


守里: 毎日こんなおいしい料理が食べられるなんて、幸せだね。


蓮花: だね!


結真: もう、そんな褒めないでよ笑


桜: お兄ちゃんは、やっぱり、料理ができる人の方が良い?…///


結真: 笑


美月: 笑


守里: 良いって、まぁそりゃあ、料理ができる方が色々と良くない?


桜: そっか…


結真: じゃあ、桜も料理、勉強しないとだね笑


桜: え!


蓮花: 蓮花もお勉強する!!教えて!お姉ちゃん!!


結真: もちろん良いわよ笑。それで桜はどうするの?


桜: …さくもやる!!


結真: 分かったわ笑、美月は? 


美月: 私はいいかな、もうある程度できるし。


結真: あれ?そうだっけ?


美月: う、うん。


蓮花: 蓮花、美月お姉ちゃんのご飯、食べたことないかも。


美月: そ、そりゃあ、お姉ちゃんがいたからね。私が料理する必要なかったし…


結真: それだと美月が料理できるか、分からないわね笑


美月: …


結真: 本当にできるのかしら?笑


美月: まぁとにかく!私は大丈夫だから!!ごちそうさま!!



そう言って美月は食器を片付けて、そそくさとリビングを出て行った。



結真: あらあら笑


蓮花: お姉ちゃんのご飯も食べてみたいな~


桜: お勉強頑張ろ!


守里: …



守里の視線は、自然とリビングを出て行く美月に注がれていた。



結真: …




しばらくして…



桜: おやすみ~


守里: おやすみ、桜。


結真: おやすみ。



蓮花は既に自分の部屋へと行き、桜もリビングを出て部屋に行った。



守里: 僕も歯磨きして、早く寝ようかな。


結真: あ、ちょっと守里。話したいことがあるんだけど。


守里: ん?何?


結真: 歯磨き終わったら、そこに座って。


守里: うん、分かった。



そして、守里は洗面台へ向かう。


結真姉さん、なんの話なんだろ。

なんか悪いことしたっけ?


守里は、結真が話したいことについて考えながら、歯磨きを終わらせる。



守里: 歯磨き終わったけど…



リビングに戻ると、結真が真剣な表情で、守里が座る予定の席の真正面に座っていた。



結真: じゃあ、ここに座って。


守里: う、うん。



守里はこれまでに見た事のないような、結真の空気に、若干押されていた。



守里: そ、それで何?



席に座りながら聞く。



結真: 単刀直入に聞くわ。


守里: …


結真: 美月に何かあったの?


守里: え?


結真: 何か、私の知らないところで、何かあったんだよね。


守里: …


結真: 私にも教えて。


守里: …なんでそう思うの?


結真: さすがに分かるわよ。体育祭の日から、守里の様子がちょっとおかしいんだもん。


美月じゃなくて、僕を見て、か…


結真: ぼーーっとしてる時も多いし、それに美月に視線がいってる。あと、体育祭の日の夜、美月と何か話していたでしょ?


守里: 聞いてたんだ。


結真: いや、話の内容は分からなかったけど、美月が声を張り上げているのは分かった。


守里: そっか…


結真: その様子じゃ、私の指摘はあってたようね。


守里: …


結真: お願い、私に言って。美月に何があったのか。


守里: …


結真: お願いだから!もうあんなことにはなりたくないの!!



結真が懇願する。


あんなこと?



守里: あんなことって何なの?


結真: あ、いや…


守里: 過去に何かあったの?


結真: はぁ…口滑らせちゃったな。ちょっと感情的になり過ぎちゃった。


守里: それは、美月に関わること?



もし、この結真姉さんが言ってる「あんなこと」っていうのが、美月の過去に関することだったら、今回の件について何か分かるかもしれない。



結真: …ええ、そうよ。


守里: それ、教えて。


結真: ダメ。



さすがに虫が良すぎるか…



結真: 私の一存じゃ話せないわ。美月のプライベートに深く関わることだから。たとえ、家族の守里であってもね。


守里: う~ん…



どうする…


美月に直接聞くか…


いや、距離を取りたがられてる今の状況で、美月が話してくれるとは思えない。



結真: でも、守里が話してくれるなら、私も教えるわ。


守里: え、なんで…


結真: 美月を守るためだもん。私がそれを話すことで、美月を守れるのであれば、私は迷わず話す。


守里: 美月を守るため…


結真: だから、話して。私も美月を守りたいの。家族として…



そりゃあそうか。


家族になりたての僕でさえ、美月を守りたい、救いたいって思ってるんだ。

実の姉妹である結真姉さんが、同じように思わない道理はない。



結真: それに、守里1人で抱え込まないでよ。私達は家族なんだから。


守里: そう、だよね…分かった。話すよ。


結真: ありがとう。


こうして、守里が結真に、美月に最近起こったこと、そして自身の考えを話し始める。




to be continued


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