ただ守りたい…〜大事な人を守るには、金と権力と腕っ節…あと諦めない心が必要です〜

ドラると

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第2章 体育祭編

第39話「片付けまでが行事」

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第3グラウンド


選抜リレーが終わり、閉会式が始まった。


その中で、今体育祭の優勝チーム、そしてMVPが発表される。



灰崎: 第45回伊衛能高校体育祭、優勝は…1組です!!


「うぉーーー!!」


「いぇーーーい!!!」


春時: やったな!!守里!!


守里: うん、よかった。


日向子: 私の活躍のおかげだね!!!


飛香: 笑、日向子だけじゃないでしょ笑


灰崎: 続いて、MVPの発表です。


春時: MVP誰だろうな。


守里: 3年の先輩の誰かじゃない?


春時: まぁそうか。


灰崎: 今年の体育祭のMVPは…生徒会も予想外の結果を叩き出した、2年1組の神田祐希さんです!!


守里: え?


春時: は?


飛香: へ?


日向子: やったーーー!!!祐希ちゃん!!!


灰崎: では賞状授与に移ります。1組の代表と、神田祐希さんは前へ。



灰崎君の言葉で、3年1組の先輩が前へ出るが、祐希が前へ出てこない。



灰崎: あれ?神田祐希さん、前の方に…



ステージ横に立つ灰崎が、困惑し始める。



春時: おい、守里。祐希いなくね?


守里: 確かに…ってもしかして…


飛香: どうしたの?


守里: もしかしたら、アイツまだ、どこかで寝てるのかも。


飛香: え…


守里: 捕獲大作戦が終わった後、眠いからって言って、どこかに行ったんだ。


飛香: はぁ…祐希らしいというか、なんというか…春時は確認しなかったの?


春時: ゲッ…ちゃんと確認してなかったです。すみません。


飛香: そんなだから、川嶋さんに怒られるんでしょ。


春時: はい。面目ないです。


飛香: で、どうするの?


守里: なんとか生徒会の方に伝えないと。



そう言って、守里は前方に見える生徒会の面々に視線を送る。


それに気づいた七星が、守里と視線を合わせる。

守里は首を横に振り、七星が頷く。


そして、七星が灰崎に耳打ちし…



灰崎: 神田祐希さんは不在のため、代わりに同じく2年1組の森崎守里君、前へ。


守里: は?


春時: え?


飛香: どういうこと?


日向子: 祐希ちゃんの代わりに守里が!!!


七星: 笑


春時: どういうことだよ、守里。


守里: やりやがったな、なぁちゃん!!


飛香: ちょ、いいから早く前に行きなよ。


日向子: いってらっしゃい!!守里!!!



飛香と日向子に押され、守里が前へ出る。


そして壇上に立ち、先輩は櫻宮から、守里は七星から賞状を受け取る。



守里: やってくれましたね、七星さん💢


七星: いや~活躍度で言ったら、祐希も守里も変わらんからな、ニヤニヤ



七星と一言交わした守里は、壇上から降り、自分の整列位置に戻る。



灰崎: 閉式の言葉。


七星: 第45回伊衛能高校体育祭閉会式を閉式する。


灰崎: では解散して下さい。



これで体育祭が終わった。



春時: よし、教室戻るか。


飛香: そうだね。


日向子: レッツゴー!!!


守里: いや、僕は会場撤去があるから…



若干の気まずい空気が流れる。



飛香: …


春時: が、頑張れ。


日向子: 守里!よろしく頼んだ!!!


守里: うん…


春時: じゃあ俺らは帰っとくな…


守里: うん、またね。


飛香: 頑張って。


日向子: バイバイ!!!



そうして、春時達は教室に戻って行った。



守里: 集合場所に行かないと。



守里は美月の元へ向かう。



守里: 美月さん行こ。


美月: うん。


守里: 片付け大変だけど、頑張ろうね。


美月: そうだね、頑張ろう!!



そう言って美月は、ガッツポーズをしながら、ニコリと笑う。


健康ランドでの一件から、美月に変なところがないか、守里は観察していたが、特に変わった様子は見つけられなかった。


美月さん、顔色も普通で震えてもいない。

まるで、あの時とは別人みたいだ。


本当に何もないのだろうか…


守里は不安を覚えつつも、美月と一緒に風紀委員の集合場所へと向かった。




若月: よし、全員集まったな。



若月が、揃った風紀委員の面々の顔を見渡して言う。



若月: 風紀委員は第4と第5グラウンドを担当するから、3年の指示を聞いて撤去作業を行うこと。いいね。


「はい!」


若月: では、開始!!



若月の号令の後、3年生の指示でそれぞれが動き始める。



葵波: 2年の1、2組は第4グラウンドの方ね。グラウンドと、控え室、器具準備室に残ってる物を外に運び出して。


守里: 外にまとめて置いておけば良いですか?


葵波: うん。あとからトラックで一気に運ぶから、1箇所によろしく。


守里: 了解です。


葵波: 守里のパワーに期待してるよ笑


守里: 笑、頑張ります。



そうして、守里と美月、2組のペアが第4グラウンドへと向かう。




第4グラウンド



守里: あ~結構残ってる。


美月: そうだね。


2組男子: 大物もあるな。


2組女子: じゃあ、私と白城さんが、こっちの小物を運ぶから、男子で大きいやつを運んで行って。


2組男子: 分かった。


守里: じゃあ、さっさと終わらせよう。



守里と2組男子で、ゲートや大玉等の大きな物を運んで行き…



守里: よし、こんなもんか。


2組男子: おう…ってか森崎って結構、力あんだね。


守里: そう?


2組男子: うん、でかいヤツを軽々と運んでたし、足が速いのは知ってたけど、色々と凄いんだな笑


守里: ただ体が強いだけだよ。それよりも、女子の方を手伝いに行こう。


2組男子: お、それもそうだ。早く終わらせて、帰りたいし。


守里: うん。



2人は女子の方に向かう。



2組男子: そっちはどんな感じ?


2組女子: ん?まぁぼちぼちって感じで、あと少し残ってる。そっちはもう終わったの?


2組男子: おう!森崎のおかげでな。


守里: そんなことないって笑


2組女子: それなら、控え室の方を見てきて。グラウンドは、見た感じ何も無さそうだから。


2組男子: OK。


守里: はい。美月さんも頑張ってね。


美月: うん。



美月は作業をしつつ、守里に顔を向け答える。



2組男子: よし、森崎。行こうぜ。


守里: うん。



その後、控え室に少しだけ残っていた物を外に出し、女子も外で合流した所で…



葵波: おーい、みんな!!


守里: あ!葵波さん。


葵波: もう終わったのか?


2組女子: はい。準備室と控え室にあった物は、全てここにまとめています。


美月: グラウンドには何も残ってなかったです。


葵波: 分かった。みんな仕事が早いな。


2組男子: あとは何をすれば良いですか?


葵波: んー、観客席の方には1年が行ってくれてるから、第4グラウンドでやることは何も無いかな。


守里: それなら、第5グラウンドの方に戻って仕事を手伝ったらいいですかね?


葵波: いや、第5の方も、もう終わりそうだから、若月のとこで残ってる仕事が無いか、聞いてきて。


2組女子: 分かりました。


守里: じゃあ、いってきます。


葵波: おう!


そうして守里達は、若月のところに向かう。




守里: 若月さん!


若月: ん?あぁ守里か。どうした?


守里: 第4グラウンドの撤去が完了したんですけど、次はどこをやればいいですか?


若月: もう終わったのか、早いな。


守里: みんなで協力したので。


若月: 笑、そうかそうか。なら、第3グラウンドの方が、ちょっと手こずってるみたいだから、そこを手伝ってきてくれ。


2組男子: 第3グラウンドですか。


若月: うん、あそこはメイン会場だから、撤去が大変で。


2組女子: なるほど。


美月: 担当は体育委員でしたよね?


若月: そうそう。第3グラウンドには大我がいる。


守里: 大我…というと、体育委員長の羽村大我先輩ですね。


若月: そうだ。第3グラウンドに行って、大我に何をすればいいか聞いて、動いてくれ。こっちからも連絡は入れとく。


守里: 分かりました。では、いってきます。


若月: 頑張れよ。


◇◇◇


第3グラウンド



2組女子: 来たはいいけど、羽村先輩はどこにいるのかしら?


守里: あのステージの上で、指示出してる人じゃないかな?


2組男子: そうっぽいな。行ってみるか。


守里: すみません、羽村先輩ですか?


大我: あ?お前達なんだ、体育委員じゃないな?


守里: はい、風紀委員なんですが、若月さんにここを手伝うように言われて来ました。


大我: …あ!!そういえば、そんなことを聞いたな。すまん、俺らのせいで、こっちまで手伝ってもらって。


守里: いえいえ、第3グラウンドは大変でしょうから。


大我: ちょっと大物が多くて、中々上手くいかないんだ。


2組男子: なら、自分と森崎で、それを手伝います。


大我: 分かった。頼む。


2組女子: では、私達はどこをすれば…


大我: それなら、控え室を手伝って貰えるか?1年が数人行ってるはずだから、協力して貰えると助かる。


2組女子: 分かりました。


美月: 頑張ります。


大我: おう。よし…



大我が、持っていた拡声器を口の近くに持ってくる。



「おい!お前ら!!風紀委員が手伝ってくれるから!みんなで協力して!撤去作業早く終わらせるぞ!!!」



そう大我が叫ぶと…



「はい!!!!」



グラウンド中から返事が返ってくる。


やっぱ体育委員って熱血系なんだな…



大我: これでOKだ。じゃあ、お前らよろしく頼む。


守里: はい。では失礼します。



守里と2組男子はグラウンド、美月と2組女子は控え室に向かう。



体育委員1: お!君達が手伝ってくれる風紀委員か。よろしく。


守里: はい。よろしくお願いします。


体委2: よろしくね。それで、まずはこれを一緒に運んで貰いたいんだけど。


2組男子: ん?これぐらいなら、森崎1人で行けそうじゃね?


体委2: え?


守里: うん。僕一人で大丈夫そうです。なので、他の物をお願いします。



そう言って守里は、その器具を持ち上げる。



体委1: 君、めちゃくちゃ力持ちなんだね。


2組男子: 森崎のおかげで、第4グラウンドもすぐ終わったんですよ。


体委2: へぇ…


2組男子: よし、あれは森崎に任せて、こっち運びましょ。


体委1: そうだね。




そうして撤去作業は進み、1時間後…



大我: よし、これで第3グラウンドの撤去作業は終了だ!皆お疲れ様!!!他のグラウンドも、続々と撤去完了しているから、各自帰宅していいぞ。では解散!!


「はい!!お疲れ様でした!!!」


大我: 風紀委員もありがとう!!若月に連絡しとくから、お前達も帰っていいぞ。


守里: そうですか。ありがとうございます。


2組女子: では失礼します。


2組男子: 失礼します!


美月: 失礼します。


大我: あ、ちょっと待ってくれ。森崎と白城は残ってくれるか?


美月: え…


守里: …分かりました。


2組男子: じゃあ俺らは先に帰るな。


2組女子: じゃあね。



そう言って2人は帰った。



守里: それで、僕達はなぜ残されたんですか?


大我: うん、それなんだが…2人は今日、生徒会の手伝いをしてたんだよな?


美月: はい、そうですけど。


大我: それで、今からやる生徒会と委員長達の打ち上げに誘ってくれって、若月から言われてな。


守里: はぁ…


大我: で、どうする?打ち上げに参加するか?


守里: えーと、そうですね…


大我: あ、そう言えば、若月が、守里は参加しないとどうなるか分からん、と言ってたな。



おいおい嘘だろ。

この前と同じパターンかよ。



守里: …はい。では参加します。


大我: じゃあ、白城はどうする?


美月: …私は大丈夫です。


守里: …


大我: そうか。なら、今日はありがとうな。


美月: はい。では失礼します。


守里: じゃ。


美月: うん。またね。



そうして美月が去っていき…



大我: それじゃあ森崎、行こう!


守里: はい。




to be continued



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