ただ守りたい…〜大事な人を守るには、金と権力と腕っ節…あと諦めない心が必要です〜

ドラると

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第2章 体育祭編

第37話「動物マスター祐希」

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休憩中、第3グラウンドに向かう途中で、見ず知らずの同級生、根川秀人についてくるように脅された美月。



秀人: デュフフ、ここなら大丈夫そうですね。



少し歩いて、秀人が立ち止まったのは、ほとんど人通りのない場所であった。


どうしよう、周りに人が見当たらない…



美月: …


秀人: そんな悲しい顔しないで下さいよ。美月さん、いや、美月ちゃん。



秀人が美月に近づく。



美月: こ、来ないで…


秀人: 近くで見ても、やっぱり可愛いな~噂通りだね。



噂?

なんの噂なの…



美月: 来ないでって言ってるでしょ。



美月は秀人を手で押し、距離をとる。



秀人: デュフフ、そんな乱暴しないでよ。



携帯を取り出しながら言う。



秀人: っていうか、僕にそんなことしていいのかな?デュフフ



そして美月に、携帯の画面を見せつけ…


その画面を見た美月は青ざめる。


な、なんで…



秀人: 美月ちゃん、前の学校でいじめられてたんだってね。可哀想に…


美月: …



秀人が美月に見せた画像は、過去に美月が、いじめられていた時に撮られた画像であった。


過去の記憶を思い返し、体が震え始める美月。



秀人: そんなに体を震えさせて…デュフフ


美月: …


秀人: で、ちなみになんだけど。僕はその美月ちゃんを、いじめてた人と友達なんだ!



美月は大きく目を開いて、秀人を見る。



秀人: そいつ、寂しがってたよ。美月ちゃんが急にいなくなったから。今も探してる。


美月: !!!


秀人: それでね、本題なんだけど…デュフフフフフフフ



壊れたように笑い出す秀人。



秀人: 僕と付き合ってくれない?


美月: い、いや…


秀人: そうか…残念だな~じゃあ、アイツに美月ちゃんが、ここに居ることを伝えようかな~デュフフ



え…


こいつにアイツらを呼ばれたら…

またあの地獄が戻ってくるの…





そんなの嫌!!!!!!

絶対に!


そして美月は答えを出した。



美月: 分かった。付き合う…


秀人: デュフフフフフフフフフフフフフフフフフ、良かった。じゃあこれからよろしくね。ニタ~



秀人は醜い笑顔を浮かべた。


◈◈◈


第5グラウンド


はぁ…これから捕獲大作戦か…


次の競技のために、控え室に入った守里はその競技に、不安を抱いていた。



守里: あ、美月さんに連絡しとかないと。



携帯を取り出し、美月にメッセージを送る。



守里: よし、これで大丈夫かな。



ガチャ



祐希: よっす~守里、早いねぇ。


守里: 祐希が遅いんだよ笑、もう始まるぞ。


祐希: まぁまぁ、間に合ったからいいじゃん笑


守里: 時間にルーズだな笑


祐希: これから頼んだよ、守里に任せた。


守里: 僕に任せるなって笑。特にこの競技は、どんなのか予測つかないんだから。


祐希: 今、ちょっと眠いんだよね~


守里: まぁ良い感じに午後だからな。


祐希: うん。さっきパン食べたし。だから大変なやつじゃないといいな~


守里: 確実に大変なやつだって。


祐希: えーじゃあキツくなったら、守里におんぶしてもらお!


守里: なんでだよ笑


祐希: よくやってくれるじゃん。いいでしょ!


守里: 競技中は無理笑、それにもう高校生なんだからさ。


祐希: 守里は大っきいから、ちょうどいいんだよ。


守里: 笑、それは祐希が小さいからだろ。


祐希: 言ったな~


「捕獲大作戦を開始します。」


守里: よし、そろそろ行くぞ。


祐希: む~



2人はグラウンドに出た。


中央に参加者たちが集まり、グラウンド中央のステージの上には黒い布に包まれた箱が大量に置いてある。



守里: あれは、なんだ。


祐希: 大きさが色々ある。


「では、ルールを説明します。これから皆さんにはステージ上の箱から解き放たれる物を捕まえて、自分達の箱に入れてもらいます。後ろを見てください!」



守里達が後ろを見ると、各組の番号が書かれた、大きい箱というか檻があった。



「自分達の檻に入れた物の種類と数によってポイントがつきます。そのポイントが多い組が優勝です!じゃあ早速スタート!!!!」


守里: え!


祐希: 急やね~って!



守里がステージ側を振り返ると、黒い布が剥がされ、先生たちが檻の扉を開いた。


すると、そこから大量の動物達が騒ぎ出てきた。



守里: おいおいマジか!


祐希: 捕獲大作戦ってこういうことなの!


「今回は多種多様な、鳥類や危険な動物を抜いた動物達を揃えております!さぁどのような結果になるのか!!」



とか言いつつ、馬とか素人が扱ったらやばいのが、いるじゃん!



「もちろん全て飼育済みですので、人に害を及ぼしたりはしないので安心してください。あと、捕まえるための専用道具も揃えてますので、活用してくださいね!!」


守里: もうやるしかないか!


祐希: まずは小動物から行く?


守里: だな。


祐希: じゃあ祐希は犬捕ってくる!


守里: よろしく!僕はじゃあ、うさぎ行ってくる!



そうして2人は別れて行動し始めた。


にしても、よくこんな数の動物を用意したな。


さすがこの学校ってとこか。



守里: はぁ…



うさぎを捕まえるって言っても、色んなのが多すぎて、見つけるのさえ難しい。



守里: あ!あれうさぎじゃないか?!



うさぎを動物の集団の中に見つけた守里は、そこに走り込む。



守里: コラ!大人しくしろ!



逃げ回るうさぎを追いかける。


すばしっこいな。

空中にいる瞬間を狙うしかないか。


と、考えている時にうさぎが飛び跳ねる。



守里: よし!今だ!!



守里はヘッドスライディングでうさぎに突っ込む。



守里: やった!捕まえた。



起き上がった守里の手には、うさぎがいた。


早速、檻に持っていこう。


自分たちの檻に向かう守里。

するとそこには、5匹の犬がいた。



守里: え、多すぎじゃね。



守里は、祐希が捕まえてきたであろう犬の多さに驚きつつも、うさぎを檻の中に入れる。



祐希: やっと守里も捕まえてきたか。


守里: お、祐希。お前凄すぎだろって…



守里が祐希の方を見ると、祐希は4匹の犬を抱えていた。



守里: …


祐希: 祐希の勝ちだね笑


守里: うん。絶対に勝てないわ。



祐希は捕まえてきた犬達を檻の中に入れる。



祐希: そろそろデカ目のやつも行く?


守里: そ、そうだね。



これは…祐希に全任せの方が良いのでは…



祐希: じゃあ捕まえるのは祐希がやるから、守里は動物を祐希の方に誘導してきて。


守里: わかった。頑張るよ。


祐希: よっしゃ~ここでたくさん守里に借りを作って、お願いをたくさん聞いてもらお!!


守里: ほどほどにしてね笑


祐希: 最初はヤギ行こうか。


守里: え、なんで。


祐希: 祐希が慣れてるから。で、その後、馬と鹿。


守里: じゃあ僕、手網とか取ってくる。


祐希: 分かった。ならその間に、適当に捕まえとく。


守里: うん。よろしく。




少し経って…



祐希: よし、行こう!


守里: う、うん。



僕が離れてた時間は少しだけだったはずなのに、なんでこんなに増えてるんだ。


守里達の檻には猿や亀、猫といった動物が入れられていた。


祐希がこの競技に参加して、正解だったな。


祐希は檻から少し離れた場所に陣取る。



祐希: 守里、上手いこと祐希のところに誘導してきてね。


守里: 分かった。



守里は走り出し、ヤギを見つける。



守里: よし。待てーーーー!!!



ヤギを追い回す。


いい感じだぞ。

ってか、この速度で走ってるヤギをどうやって捕まえるんだ祐希は…


走っている先に祐希が見える。



守里: 祐希!!連れてきたぞ!!!


祐希: 良いぞ!守里!!後は任せろ!!!



そう叫んだ祐希は、走ってきたヤギの横に一瞬で回り込み、リードをはめ、首を腕で抱え込む。



祐希: どうどう。


ヤギが止まる。



守里: う、嘘だろ…


祐希: はい、じゃあこっちに来てね~



祐希はヤギをそのまま檻の方へ連れていき、無事確保した。



祐希: ふぅ…良いパワーだったな。


守里: お前凄すぎだろ笑


祐希: ふふふ、そうでもあるよ。よし!次行こ!!



そして守里達は、順調に動物を捕まえていった。



守里: はぁはぁはぁ…流石に疲れたな。


祐希: 良い感じに捕まえられた。


守里: めちゃくちゃ走ったよ。


祐希: 捕まえられたのも、祐希のおかげだね!


守里: 笑、まぁね。



守里達の檻には、多くの小動物と、ヤギ、馬、鹿等の中型の動物、更に蛇やハブ、亀などの爬虫類や、鶏といった動物も入れられていた。



守里: 他の組はどんな感じなんだろうな。


祐希: どうだろ、わかんないや。


守里: そろそろ時間も迫ってるし、大物行きますか。


祐希: とか言って、捕まえるのは祐希なんでしょ笑


守里: 笑、そこは頼むよ。


祐希: お願いなんにしようかな~


守里: 笑、しょうがない。


祐希: どれ行く?


守里: うーん、1番大きいやつ行くか。


祐希: でも、あれ檻に入らなくない?


守里: 確かに…まぁでも、そばにいさせるだけでも良いんじゃない?


祐希: そうだね。


守里: で、どうやって捕まえる?


祐希: 一応乗る用の器具は既に着いてるみたいだから、そこに乗れれば行けそうだね。


守里: 後は上手いこと餌で釣れば、問題ないか。


祐希: うん。


守里: じゃあ早速やってみよう。



そう言って2人は、グラウンドで、最も目立っている動物の所へ向かう。



「おぉーっと、ここで大量の動物を既に捕獲している森崎・神田ペアが、1番の大物に向かっているぞ!!!まさかこいつも捕獲するのか~!!」


守里: 近くに来るとやっぱデカイな。


祐希: だね。でもかわいい。


守里: そ、そっか…


祐希: よし、守里行くよ!


守里: うん。


パオーーーーン



今競技最大の動物である象が雄叫びをあげる。


守里は象の近くで、象に背を向ける。



守里: 祐希!来い!!


祐希: ここからなら…



祐希は守里から離れ、象と守里と自分が一直線になる位置に立つ。



祐希: さぁいっくぞーーー!!!



祐希は一気に守里の方に走り出す。



守里: せーの!!!



祐希が、守里の構えた両手の上に足をかけ、守里が、背面に向けて、思いっきり腕を振る。



祐希: とりゃあーーーー!!!



祐希は空中を飛んだ。


そして…



守里: よし!!!上手くいった!!



祐希は象の背中に無事乗った。



祐希: おっとと、守里!早く餌を!!


守里: おっけー!!!



守里は象に餌を与える。


すると象が落ち着き、祐希の言うことを聞くようになった。



祐希: いやー高いね~


守里: まぁ普段の祐希からすれば、高いよな笑


祐希: なんだと~


守里: 笑、早く檻のところに連れてこ。


祐希: 笑、そうだね。



2人は無事、象を捕獲し…



ブーーーーー


「ここで終了!!!!」



競技が終了した。



守里: はぁ…疲れた。


祐希: 象さん、大人しくしててくれたね。


守里: 助かったよ。


祐希: 結果はどうかな?


守里: もうすぐ出るんじゃない?


「ポイントの集計が終わりました!捕獲大作戦の優勝者は!!!森崎・神田ペアです!!!」


守里: やったーーー!!!


祐希: 優勝だー!!


守里: 祐希のおかげだよ!


祐希: 笑、まぁね笑


守里: 大変な競技の2つ目が終わった。


祐希: そっか、まだ健康ランドが残ってるんだっけ?


守里: うん。


祐希: 頑張ってね。祐希は寝とくから。


守里: 笑、是非そうして。大変だったんだし。


祐希: じゃまたね~



そう言って祐希はグラウンドを出ていった。



守里: 健康ランドは第4グラウンド…ここから近いな。



早速行こうか。




to be continued


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