上 下
36 / 336
第2章 体育祭編

第36話「驚きの連続」

しおりを挟む
2年生女子の綱引きを観戦する守里と飛香。


頼みの綱であった日向子の不在により、2年1組は、劣勢に立たされている。



「もうちょっとで5組が勝ちそうです!1組も頑張ってください!!」


飛香: このままじゃ、負けちゃう。


守里: マジで日向子どこに行ったんだ…



もうダメかと思われたところで…



??: ギリギリセーーーーーーフ!!!!!



会場に声が響いた。



飛香: ホッ…


守里: やっと来やがった。日向子。



会場に全力疾走で入ってきた日向子は、1組側の綱を持つ。


すると…



日向子: おんどりゃーーーーー!!!!!!


「う、うわぁぁぁ!!!」



一気に5組が引っ張られる。



「おーーっと!南雲さんが加わったことで戦況が変わりました!!!なんと1組、5組を引き摺ってます!!」


日向子: あともうひと踏ん張り!!!!



そして…


ブーーーー



「な、なななんと!1組の逆転勝利です!!!南雲さんはどれだけの馬鹿力なんでしょうか!!!」


日向子: ヘヘ笑


東野: もう、日向子遅いよ~


秋吉: どこ行ってたの?


日向子: ごめんごめん、間違って第1グラウンドに行っててさ笑


東野: まぁ間に合ったからいいけど。


秋吉: 次も頼んだよ。


日向子: もっちろん!任せなさーい!!


守里: 流石、日向子って感じだったな笑


飛香: ホントおかしいわ、日向子の怪力は…


守里: 昔からだから。それで僕らも助けられたし。


飛香: まぁね…


守里: 次は決勝戦で三つ巴の勝負か。


飛香: 二方向に引っ張られるっていうのがキツそう。


守里: 今さっきのやつ見たら、1対2になりそうだな。


飛香: 確かに。


守里: ま、日向子なら勝てるだろうけど。


飛香: そうだね。



そして、決勝戦が始まった。


が、守里達の予想通り、1組が圧勝した。



「1組の優勝です!!!!」


守里: 思ってた通りだったな。


飛香: うん、1対2でも関係なかったね。


守里: 流石、日向子。


飛香: だね。


守里: あ、もうそろそろ時間だ。


飛香: え~


守里: じゃあ僕は生徒会室に戻るから。


飛香: …うん。


守里: 確か次の次ぐらいだったろ、○×クイズ競走。


飛香: そうだよ。


守里: 応援してるから、頑張れよニコッ


飛香: ///うん!



そうして守里は生徒会室へと向かった。


◇◇◇


生徒会室


ガチャ



守里: ただいま戻りました。



生徒会室内には、仕事で席を外している中谷と鹿川以外の生徒会役員と、若月がいた。



七星: お、やっと戻ってきたな~守里。


櫻宮: きっかり30分か。


若月: 時間通り。


守里: あれ、若月さん。


若月: おう、守里に聞きたいことがあってな。


守里: ん?聞きたいことってなんです?


櫻宮: 例の不審者達の一件よ。


若月: 守里の言った通り、第4グラウンドの北側の塀の校外側に風紀委員を向かわせたら、不審者達の協力者がいた。その後、そいつも無事捕まえて、全員警察に引き渡した。


七星: それでな、そこの塀を調べたら、外からの協力があれば、簡単にその一部を通り抜けられるようになっとったんや。


櫻宮: 私達でもそのことは知らなかった。なのに、なんで守里は、不審者達がそこにいる可能性が高いって考えたの?



これ、奈々未さんのことは言ってもいいのか?


でも勝手に言って、奈々未さんに怒られるのもな~



守里: それ絶対に答えないとですか?


灰崎: まぁそうした方がいいと思うよ。


櫻宮: うん。会長命令ね。



命令は絶対か…


よし、奈々未さんに聞こう。



守里: じゃあ、ちょっと待ってください。



そう言って守里は、奈々未に電話をかける。


プルルルル



櫻宮: 誰に電話してるの?


守里: その情報を教えてくれた人です。


ピ



守里 T: あ、もしもし。


奈々未 T: もしもし、どうしたの?守里君。


守里 T: あの、奈々未さんのこと、生徒会長達に話してもいいですか?


奈々未 T: あぁ笑、さっきのことを聞かれたのね。良いわよ。麗華達でしょ。


守里 T: はい。3人ともいます。


奈々未 T: 笑、大変ね笑。あ、あと私は元風紀委員長だから。まぁ麗華達は知ってるけど。


守里 T: え、そうなんですか?


奈々未 T: うん。あと、結真は元生徒会長だよ。


守里 T: もうびっくりしすぎて…


奈々未 T: 笑、まぁ頑張って。私も応援しないとだから、もう切るね。


守里 T: は、はい。では失礼します。


ピ


まさか奈々未さんが風紀委員長で、結真姉さんが生徒会長だったとは…


どおりで、あんな抜け道を知ってるわけだ。



守里: ふぅ…あちらからOKが出たので、話します。


櫻宮: うん。


守里: 僕は、不審者の捜索中に、バイトの先輩と偶然出会いました。


櫻宮: その人が情報提供者で、さっきの電話の相手ね。


守里: はい。


七星: 守里のバイトって、あのカフェやんな。


守里: そうです。


若月: で、その人は誰なの?私達でも知らないような、学校のことを知ってるなんて。


守里: 多分っていうか、絶対に皆さんが知ってる人だと思いますけど。


櫻宮: え、そうなの?


守里: はい、皆さんが1年生の頃の風紀委員長ですから。


若月: まさか、橘先輩か?


櫻宮: 嘘?!


守里: そうです。橘奈々未さんです。


若月: それなら納得だわ笑


櫻宮: 橘先輩がここに来てるなんて…


七星: へぇ~あの人がね…


守里: 僕も今日はびっくりの連続なんですよ。バイトの先輩が姉の友達で、しかもその2人がここのトップだったなんて…


櫻宮: 守里の姉…


七星: ってことは白城やんな…


若月: まさか、守里と美月の姉は!!


櫻宮: 元生徒会長の白城結真先輩か!!!


倉田: 結真先輩!!!!!!!!!!!!!!


守里: っ!!!はい、そうですけど…


倉田: 白城さん!結真先輩の妹なの?!!!!!


美月: え、え?


倉田: 妹なの?!!!


美月: う、うん。そうだよ。


倉田: えーーーーーー!!!!!!!


守里: えーっと、あれはどういう…


灰崎: 倉田さんは、白城先輩の大ファンなんだって。


守里: そうなんだ…


若月:  にしても、守里と美月の姉が白城先輩で、守里のバイトの先輩が橘先輩だとはね。


櫻宮: わざわざ、家族の情報までは見てなかったから、知らなかったよ。


七星: 世間は狭いな~


櫻宮: 驚くことばっかりだったけど、まぁとにかく、橘先輩にお礼を言っといて。


守里: はい!


櫻宮: よし、守里にも話を聞けたところで、みんな仕事に戻るよ!


「はい!」


櫻宮: あ、でも美月は休憩ね。


美月: はい、分かりました。


七星: また30分後な~



そうして美月は生徒会室を出ていき、他の面々は再び仕事に戻った。


守里は自分の席へと着き、緊急の報告が来ないことを願いつつも、仕事を待つ。


加えて、視線はモニターへと向かう。


そろそろ、日向子と飛香の○×クイズ競争が始まる頃だよな。



こうして午後の時間が過ぎて行く。



○×クイズ競走

飛香はクイズを間違えなかったものの、単純な足の遅さで第2位。それに対して日向子は間違えまくって粉まみれとなり、第4位。


迷路脱出ゲーム

菊山は何故か迷いなく進み、他と大差をつけ1位。
そしてその後、偶然ゴール付近の観客席で観戦していた飛香に笑顔で手を振った。


借り物競走

桜は、いつも通りの人見知りと照れ屋を発揮し、物を借りることができず最下位。


バルーン相撲

気配切りの時にも見せた身のこなしと、平均以上の身体能力により春時は優勝。
祐希も、その小さい体のどこに秘められていたのか分からないぐらいの力を発揮し、優勝。


クイズ競走

春時や守里達の予想通り、紗耶は、クイズに正解することができず、最下位。


お絵描きしりとり

柿谷の絵の上手さもあり、柿谷のペアは順調にしりとりを重ね、第1位。
菊山のペアはお互いの描いたものが全く伝わらず、第5位。


パン食い競走

パンに向かって懸命に飛び続けるも、全く口に入れることが出来なかった飛香は最下位。
秋吉も飛香と同じようになると思われていたが、スタート直後、パンと小声で呟きつつ、一発でパンを食べ第1位。
祐希も秋吉と同じく一発でパンを食べ、第1位、ずっともぐもぐしていた。
ちなみに祐希に注目していた男子達は、落胆の声を上げていたそうだ。



結局、緊急の報告もなく、競技の観戦をするだけの守里であった。




そして、体育祭の終わりが見えてきた頃…



櫻宮: よし、あとは各グラウンド2、3競技で、最後に第3グラウンドで選抜リレーか。


七星: せやな。


櫻宮: それで守里は、これからの競技に全部出るんだよね。捕獲大作戦に、健康ランド。あと選抜リレー。


守里: はい、そうですよ。めちゃくちゃ怖いですけど。


七星: 笑、まぁ安心せぇや。命の危機はないから。


守里: それは当たり前です笑


櫻宮: よし、もう行かないとマズイだろうから、守里はさっさと行ってきな。あと、美月にも競技にそのまま向かってって言っといて。


守里: 分かりました。では、いってきます!


櫻宮: うん。


七星: 頑張ってな~


灰崎: 森崎君、応援してるよ。


中谷: 頑張れ!


倉田: …頑張ってください。


鹿川: ファイト!!!!



他の生徒会役員も、守里にエールを込めた目線を送っていた。


その中に若干の憐れみが篭っていたことは、否定できないのだが。


◈◈◈


守里が午後の競技を観戦していた頃…



美月: これから30分何しよう…



美月は生徒会室を出て、第3グラウンド付近をうろついていた。



美月: 観客席に行って、適当に観戦でもしようかな。



でも、お姉ちゃん達と合流するのもありか…


美月は第3グラウンドの方に向かっていった。


しかしその途中で…



??: 白城美月さんですよね?


美月: はい?



美月は話しかけられた方向を見る。



??: あぁ、やっぱりそうだ。


美月: あ、あの~どなたですか?



美月の言葉を聞き、??は笑う。



??: グフッ確かに、知らなくて当然ですよね。



美月は、突然話しかけてきた小太りの男に、警戒の色を見せる。



??: まぁまぁそんな怪しまなくても良いじゃないですか。同級生なんですから。グフッ


美月: …


??: 僕は"根川秀人ねかわ ひでと"と言います。



やっぱり知らない人…



美月: な、なんで私に話しかけてきたんですか…


秀人: グフッ、それは後から話しますから、一旦僕についてきてくれません?


美月: え…


秀人: ついてこないと…多分大変なことになるんじゃないですかねニタッ


秀人は気持ちの悪い笑顔を浮かべる。



この人なんか怖い…



美月: た、大変なことって…


秀人: …それは、美月さんが1番分かってるんじゃないですか?



それを聞いた美月は、自身の過去を思い出す。


そして…



美月: 分かりました。ついて行きます。


秀人: グフッ、デュフフ、それは良かった。



美月は秀人について行き、人通りの少ない場所に着いた。




to be continued
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

無能なので辞めさせていただきます!

サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。 マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。 えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって? 残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、 無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって? はいはいわかりました。 辞めますよ。 退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。 自分無能なんで、なんにもわかりませんから。 カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

私のお父様とパパ様

ファンタジー
非常に過保護で愛情深い二人の父親から愛される娘メアリー。 婚約者の皇太子と毎月あるお茶会で顔を合わせるも、彼の隣には幼馴染の女性がいて。 大好きなお父様とパパ様がいれば、皇太子との婚約は白紙になっても何も問題はない。 ※箱入り娘な主人公と娘溺愛過保護な父親コンビのとある日のお話。 追記(2021/10/7) お茶会の後を追加します。 更に追記(2022/3/9) 連載として再開します。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

推しの幼なじみになったら、いつの間にか巻き込まれていた

凪ルナ
恋愛
 3歳の時、幼稚園で机に頭をぶつけて前世の記憶を思い出した私は、それと同時に幼なじみの心配そうな顔を見て、幼なじみは攻略対象者(しかも前世の推し)でここが乙女ゲームの世界(私はモブだ)だということに気づく。  そして、私の幼なじみ(推し)と乙女ゲームで幼なじみ設定だったこれまた推し(サブキャラ)と出会う。彼らは腐女子にはたまらない二人で、もう二人がくっつけばいいんじゃないかな!?と思うような二人だった。かく言う私も腐女子じゃないけどそう思った。  乙女ゲームに巻き込まれたくない。私はひっそりと傍観していたいんだ!  しかし、容赦なく私を乙女ゲームに巻き込もうとする幼なじみの推し達。  「え?なんで私に構おうとするかな!?頼むからヒロインとイチャイチャして!それか、腐女子サービスで二人でイチャイチャしてよ!だから、私に構わないでくださいー!」  これは、そんな私と私の推し達の物語である。 ───── 小説家になろう様、ノベリズム様にも同作品名で投稿しています。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【取り下げ予定】愛されない妃ですので。

ごろごろみかん。
恋愛
王妃になんて、望んでなったわけではない。 国王夫妻のリュシアンとミレーゼの関係は冷えきっていた。 「僕はきみを愛していない」 はっきりそう告げた彼は、ミレーゼ以外の女性を抱き、愛を囁いた。 『お飾り王妃』の名を戴くミレーゼだが、ある日彼女は側妃たちの諍いに巻き込まれ、命を落としてしまう。 (ああ、私の人生ってなんだったんだろう──?) そう思って人生に終止符を打ったミレーゼだったが、気がつくと結婚前に戻っていた。 しかも、別の人間になっている? なぜか見知らぬ伯爵令嬢になってしまったミレーゼだが、彼女は決意する。新たな人生、今度はリュシアンに関わることなく、平凡で優しい幸せを掴もう、と。 *年齢制限を18→15に変更しました。

処理中です...