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第2章 体育祭編
第30話「七星の思惑」
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男1: お望みどおり、殺してやるよ。
守里: クッ…
ここまでか…
まさか、学校で…しかも、体育祭中に…
あぁ、残念だ…
そういえば昔…
と、守里が走馬灯を見始める寸前。
??: はい、終了やで~
聞こえるはずのない声が聞こえた。
守里: え…
男1の腕は守里の手前で止まっていた。
男1: はぁ…やっと終わりですか、七星さん。
七星: やっと、って色々すっ飛ばして、早めの展開にしたやんか。
男1: それはありがたかったですけど、それでも人を殺しにかかるとか、何より七星さんを刺す演技をするなんて…
七星: 笑、まぁ、ちゃんと目的は達成したんやから、ええやろ。
七星が口元の血を拭って立ち上がる。
男1: 七星さんが良いなら良いですけど。
守里: は?
七星: 後ろの2人もおつかれさん、もう離してええで。
男3: はい。ごめんね、痛くなかった?
川嶋: …
川嶋はまだ気絶状態にあった。
男2: はぁ…もうこんな仕事は勘弁ですよ。
七星: まぁまぁ、そんなこと言うなや。後からちゃんとお礼はするから。
男1: では頼みます。
七星: 笑、じゃあもう帰ってええで。またな!
男1: はい!
男2: お疲れ様です。
男3: 失礼します。
そう言って、黒ずくめの男達は教室を出て行った。
守里: おい、なぁちゃん。どういうことだ?!
七星: 笑、守里。ななの名演技どうやった?上手いこと血吐いてたやろ笑
守里: 今さっきの奴らは?
七星: あぁ、あいつらは、ななの知り合いや。
守里: 刺されたのは?
七星: だから演技やって、ほら見てみ、傷口ないやろ。
七星は背中を守里に見せる。
守里: 確かに…傷がない。血は付いてるけど。
七星: これは血糊や。
守里: はぁ…安心した。もう、なぁちゃんが殺されたと思って、それに川嶋さんや僕まで…
七星: まぁまぁ、全部ドッキリやから、大丈夫や。
守里: なんて趣味の悪いドッキリをするんだ…って、なぁちゃんなら、やりかねないか。
七星: 笑、流石、分かってるな~守里。
守里: で、問題は?
七星: 問題?
守里: うん、問題を言う途中で、ドッキリが始まったじゃん。
七星: あぁ、せやったな。
守里: 早く続き言ってよ。他のペアに先越されちゃうからさ。
七星: 笑、問題って、もう守里答えてたやん。
守里: へ?
七星: ほら、今さっき、「もちろん…僕だ。」って。
守里: はぁ?じゃあ、どっちを殺すかが問題だったの?
七星: うん。そのために、わざわざドッキリをやったんやから。
守里: …で、僕の答えは、なぁちゃんの求めてる答えだったの?
七星: …
守里: …
守里をじっと見る七星。
七星: …ほら、さっさとこれ先生のとこに持っていき。
七星はポケットの中から鍵を取り出し、守里に渡す。
守里: う、うん。
七星: そこで座り込んでる志帆ちゃんも連れて、はよ行きーや。
守里: 分かった…ありがとね。なぁちゃん。
七星: うん。また午後にな~
守里は座り込んでる川嶋を背負って、教室を出て行った。
守里: 川嶋さん、そろそろ起きて。
川嶋: はっ!!
川嶋の意識が戻る。
守里: 大丈夫?
川嶋: あれ、今さっき副会長様に話しかけられて…あれ?…でも今は…森崎君の背中にいる…
困惑した川嶋は頭の中を整理し、結果…
川嶋: あぁ全部夢だったのか!!副会長様と会ったのは、夢の中の話だ!!!
守里: 笑
全部夢オチっていう感じになったか!
でも、説明面倒臭いし、なんか生徒会が絡むと川嶋さん、うるさくなるからな。
よし!このまま黙っとこ。
守里: うん、七星さんがいる教室の前で、川嶋さん気絶しちゃってね。
川嶋: ってかなんで森崎君は、私をおんぶしてるの!!
守里: い、いや、一応レースだし、気絶してる川嶋さんを放置しとくわけにも行かなかったから。
川嶋: そ、そう…それはありがとうだけど、降ろして。
守里: うん。
守里は川嶋を降ろす。
川嶋: そ、それで鍵は無事手に入れたの?
守里: もちろん。
そう言って、七星から受け取った鍵を川嶋に見せる。
川嶋: 私が気絶してる間に、副会長様から受け取ってくれたのね。
守里: うん。問題解くのを、川嶋さんに任せちゃったから、このくらいは僕がやらないと。
川嶋: なら、早くグラウンドに戻ろう。先生に渡さないと。
守里: そうだね、急ごう。
2人は第3グラウンドに向かって走り出した。
◇◇◇
第3グラウンド
守里: あ、あの先生かな?
川嶋: そうみたいだね。
2人は鍵を渡す先生を見つける。
守里: 先生!鍵持ってきました。
三本の鍵を先生に渡す。
先生: 思ってたよりも早かったな。おつかれさん。
川嶋: 一番乗りですか?
先生: おう。
そう言って先生はインカムで話す。
守里: やったね、川嶋さん。
川嶋: うん、クラスに貢献できて、良かった。
ブーーーーー
「森崎守里、川嶋志帆ペアがゴールしました。」
守里: 川嶋さんのおかげだよ!
川嶋: お互い様だって。
先生: よし、他のペアがゴールするまで、この競技は終わらないから、先に戻ってて良いぞ。
守里: 分かりました。
川嶋: では失礼します。
2人はグラウンドを後にした。
◆◆◆
その頃、七星がいる教室では…
ガラガラ
男1: 失礼します。
七星: ん?なんや。
男1: いえ、七星さんが求めていた答えを聞けたのか、気になりまして。
七星: んーそうやな~求めていた答えとは違ったかな。
男1: そうでしたか。私的には、男らしい良い答えだと思いましたけど。
七星: 確かにそうかもしれんけど、守里の立場ならあの答えはありえへん。
男1: でも鍵は渡したんですよね?
七星: そりゃもちろんやで、あれ以上の仕掛けなんて用意してへんかったからな。
男1: 七星さんも趣味が悪いですね。
七星: 守里と同じこと言うやん笑
男1: …あの男がそうなんですか。
七星: うん、そうや。なながこんなことをしたのも、守里の考えを確かめるためや。
男1: で、どうだったんですか?
七星: せやな、あの状況で冷静になれてたのは良かった。
男1: さすがに仕掛けては来なかったですね。武装した3人相手はキツイみたいです。
七星: 何を言うてんねん、守里ならお前らぐらい一瞬や。
男1: 笑、七星さんもそんな冗談言うんですね。我々に抵抗できず捕まったのに…
七星: まぁそりゃあ何も出来へんやろな、今の状態なら……でも守里が本気出したら強いで。
七星が男1を睨みつける。
男1: !!(相変わらず、凄いオーラ…)そ、そうですか。
七星: 良かったな、守里が冷静でいてくれて。
男1: は、はい…
七星: ほんならそろそろ、ななも仕事に戻らなあかんから、またな。
男1: はい、また仕事でお会いしましょう。
七星: フフ、会わんことが一番やけど笑、あとの2人にも、よろしく言うといてや。
男1: はい!では失礼します。
七星: うん。
ガラガラ
七星: さて、仕事に戻るか。
◇◇◇
第3グラウンド
謎解きが終わり、とうとう午前中の競技の大トリである騎馬戦の時間となる。
控え室
春時: お、守里。謎解きお疲れ様。
守里: 春時、もう来てたんだ。
春時: っていうか、お前らどこ行ってたんだよ。なんかお前らのドローンだけ映像映らないし、いつの間にか一番でゴールしやがって。
守里: え、そうだったの?
春時: おう、飛香と日向子が心配してたぞ。まぁゴールのアナウンスが流れた時は、大喜びだったけど笑
守里: そっか笑、ってか川嶋さん面白い子だな。
春時: え?!それは無いだろ。怖いだけだって。
守里: いやいや、それは真面目なだけで面白い子だったよ、可愛いところもあるし。
春時: へぇ…(後で日向子と飛香に報告だな笑)
守里: 春時も勇気出して、川嶋さんと話してみろよ。案外楽しいと思うぞ。
春時: そうか?なら頑張ってみるわ。
男子生徒1: おい、森崎!!
守里: ん?何?
男生1: 俺はこの時を待っていた!!!
守里: え、どういうこと?
春時: まぁまぁ、ちょっと聞いとこうぜ笑
男生1: 俺はこの騎馬戦でお前に勝つ!!!
男生2: そうだそうだ!!
男生3: いつも女子達に囲まれて楽しそうに話しやがって!!!
男生4: 羨ましいんだよ!!このやろう!!!
男生5: 俺らが何やっても、結局お前が全部持っていくんだ!!
守里: は、はぁ…
春時: クククククク笑
男生1: だから今日くらいお前に勝って、俺らが目立ってやる!!!
男生:2: そして…
男生3: あわよくば女子にチヤホヤされたい!!!
春時: 欲望に忠実だな笑
男生4: 当たり前だろ!!
男生5: 思春期真っ只中の男子高校生なんだ!!!
守里: そ、そうですか…
男生1: 俺らは普段、女子と話すことすらできず、注目されすらしない!!!
男生2: それなのに、お前は!!
男生3: 必ず隣に女子がいるんだ!!!しかも笑って喋ってる!!!
男生4: なんならこの前、昼休み中に見たぞ!!
男生5: 女子6人と一緒に昼食を食べてるところを!!!
男生1: 羨ましすぎるんだよ!!!!
男生2: それに…
男生3: お前、あの女子達の誰とも付き合ってないんだろ!!!!
守里: え?
男生4: なんでそんな不思議って顔してんだよ!!!!
春時: こいつ、そういう方面には鈍感だから笑
男生5: チッ、調子崩れるな!
男生1: とにかく、この騎馬戦でお前に勝ってやる!!!
男生2: 全員で狙ってやるからな!!!
男生3: 覚悟しろよ!!!
男生4: 5対1なら勝てる!!!
男生5: 今日こそ!!!!
守里: …うん、お好きにどうぞ。
春時: ってか、守里は騎手じゃないからな。
男生1: え…
春時: 守里は騎馬の方だ。
男生2: な、な、なんだって?!!!
男生3: そんなはずは…
男生4: じゃ、じゃあ騎手は誰なんだ!!!
守里: それはもちろん…
春時: 俺だよ。
男生5: じょ、じょ、じょ、上等だ!!!みんなやるぞ!!!!
男生1 2 3 4 5: おーーー!!!!!
「午前の最後の競技、騎馬戦を開始します。」
そして騎馬戦が始まった。
「各騎馬が動き出します!!」
春時: じゃあ行くぞ、守里。フルスロットルな。
守里: おう!
春時: 2人も頑張ってくれよ。
クラスメイト男1: もちろんだ。
ク男2: なんとか守里について行くよ。
春時: じゃあ狩りを始めるぞ、まずはあいつの所だ!!
守里: 行っくぞーーー!!!
春時達は一瞬で男生1の元へ。
「激しいぶつかり合いが勃発しております!!」
男生1: いきなり、俺のところかよ!!おい!お前ら…って!!あっ!!!
春時: はいGET!!!
瞬時に春時は男生1のハチマキを取る。
「おーーっと!気配切りでも優勝した木村君が、ハチマキを取ったようです!!この競技も木村君が優勝してしまうのか!!!」
その後も守里の速度と、春時の器用さを最大限に活かして、ハチマキを取り続ける。
結果…
ブーーーーー
「木村春時君の騎馬の優勝!!!!」
春時: うん、なんというか…
守里: 瞬殺だったね。
ク男1: ほんと、お前らと同じクラスで良かったわ笑
ク男2: 確かに。2人が敵だったら、敵いっこないよ。
春時: 笑、ありがとう。
守里: にしても、あの人達、大したことなかったね。
春時: まぁ熱意はあったけどな笑
「午前の競技が全て終了しました。これから1時間の昼休憩に入ります。」
守里: よし、飯食べるか。
春時: そうだな。
ク男1: じゃ。
ク男2: また後でね。
春時: おう!
守里: またね。
春時: ってか守里、昼飯はどうすんの?
守里: 家族と食べるよ。
春時: そっか、なら邪魔しない方が良いな。
守里: そんな気にしなくても…(あ、美月さんがいるんだ…)
春時: いや、家族でゆっくりしてこい笑、どっちにしろ俺もじいちゃん達と食べるからさ。
守里: 分かった。
春時: 午後からは生徒会の方の仕事だろ、頑張れよ!
守里: うん!じゃあまたね。
春時: おう!
そうして2人は、各々の家族の元へ向かった。
to be continued
守里: クッ…
ここまでか…
まさか、学校で…しかも、体育祭中に…
あぁ、残念だ…
そういえば昔…
と、守里が走馬灯を見始める寸前。
??: はい、終了やで~
聞こえるはずのない声が聞こえた。
守里: え…
男1の腕は守里の手前で止まっていた。
男1: はぁ…やっと終わりですか、七星さん。
七星: やっと、って色々すっ飛ばして、早めの展開にしたやんか。
男1: それはありがたかったですけど、それでも人を殺しにかかるとか、何より七星さんを刺す演技をするなんて…
七星: 笑、まぁ、ちゃんと目的は達成したんやから、ええやろ。
七星が口元の血を拭って立ち上がる。
男1: 七星さんが良いなら良いですけど。
守里: は?
七星: 後ろの2人もおつかれさん、もう離してええで。
男3: はい。ごめんね、痛くなかった?
川嶋: …
川嶋はまだ気絶状態にあった。
男2: はぁ…もうこんな仕事は勘弁ですよ。
七星: まぁまぁ、そんなこと言うなや。後からちゃんとお礼はするから。
男1: では頼みます。
七星: 笑、じゃあもう帰ってええで。またな!
男1: はい!
男2: お疲れ様です。
男3: 失礼します。
そう言って、黒ずくめの男達は教室を出て行った。
守里: おい、なぁちゃん。どういうことだ?!
七星: 笑、守里。ななの名演技どうやった?上手いこと血吐いてたやろ笑
守里: 今さっきの奴らは?
七星: あぁ、あいつらは、ななの知り合いや。
守里: 刺されたのは?
七星: だから演技やって、ほら見てみ、傷口ないやろ。
七星は背中を守里に見せる。
守里: 確かに…傷がない。血は付いてるけど。
七星: これは血糊や。
守里: はぁ…安心した。もう、なぁちゃんが殺されたと思って、それに川嶋さんや僕まで…
七星: まぁまぁ、全部ドッキリやから、大丈夫や。
守里: なんて趣味の悪いドッキリをするんだ…って、なぁちゃんなら、やりかねないか。
七星: 笑、流石、分かってるな~守里。
守里: で、問題は?
七星: 問題?
守里: うん、問題を言う途中で、ドッキリが始まったじゃん。
七星: あぁ、せやったな。
守里: 早く続き言ってよ。他のペアに先越されちゃうからさ。
七星: 笑、問題って、もう守里答えてたやん。
守里: へ?
七星: ほら、今さっき、「もちろん…僕だ。」って。
守里: はぁ?じゃあ、どっちを殺すかが問題だったの?
七星: うん。そのために、わざわざドッキリをやったんやから。
守里: …で、僕の答えは、なぁちゃんの求めてる答えだったの?
七星: …
守里: …
守里をじっと見る七星。
七星: …ほら、さっさとこれ先生のとこに持っていき。
七星はポケットの中から鍵を取り出し、守里に渡す。
守里: う、うん。
七星: そこで座り込んでる志帆ちゃんも連れて、はよ行きーや。
守里: 分かった…ありがとね。なぁちゃん。
七星: うん。また午後にな~
守里は座り込んでる川嶋を背負って、教室を出て行った。
守里: 川嶋さん、そろそろ起きて。
川嶋: はっ!!
川嶋の意識が戻る。
守里: 大丈夫?
川嶋: あれ、今さっき副会長様に話しかけられて…あれ?…でも今は…森崎君の背中にいる…
困惑した川嶋は頭の中を整理し、結果…
川嶋: あぁ全部夢だったのか!!副会長様と会ったのは、夢の中の話だ!!!
守里: 笑
全部夢オチっていう感じになったか!
でも、説明面倒臭いし、なんか生徒会が絡むと川嶋さん、うるさくなるからな。
よし!このまま黙っとこ。
守里: うん、七星さんがいる教室の前で、川嶋さん気絶しちゃってね。
川嶋: ってかなんで森崎君は、私をおんぶしてるの!!
守里: い、いや、一応レースだし、気絶してる川嶋さんを放置しとくわけにも行かなかったから。
川嶋: そ、そう…それはありがとうだけど、降ろして。
守里: うん。
守里は川嶋を降ろす。
川嶋: そ、それで鍵は無事手に入れたの?
守里: もちろん。
そう言って、七星から受け取った鍵を川嶋に見せる。
川嶋: 私が気絶してる間に、副会長様から受け取ってくれたのね。
守里: うん。問題解くのを、川嶋さんに任せちゃったから、このくらいは僕がやらないと。
川嶋: なら、早くグラウンドに戻ろう。先生に渡さないと。
守里: そうだね、急ごう。
2人は第3グラウンドに向かって走り出した。
◇◇◇
第3グラウンド
守里: あ、あの先生かな?
川嶋: そうみたいだね。
2人は鍵を渡す先生を見つける。
守里: 先生!鍵持ってきました。
三本の鍵を先生に渡す。
先生: 思ってたよりも早かったな。おつかれさん。
川嶋: 一番乗りですか?
先生: おう。
そう言って先生はインカムで話す。
守里: やったね、川嶋さん。
川嶋: うん、クラスに貢献できて、良かった。
ブーーーーー
「森崎守里、川嶋志帆ペアがゴールしました。」
守里: 川嶋さんのおかげだよ!
川嶋: お互い様だって。
先生: よし、他のペアがゴールするまで、この競技は終わらないから、先に戻ってて良いぞ。
守里: 分かりました。
川嶋: では失礼します。
2人はグラウンドを後にした。
◆◆◆
その頃、七星がいる教室では…
ガラガラ
男1: 失礼します。
七星: ん?なんや。
男1: いえ、七星さんが求めていた答えを聞けたのか、気になりまして。
七星: んーそうやな~求めていた答えとは違ったかな。
男1: そうでしたか。私的には、男らしい良い答えだと思いましたけど。
七星: 確かにそうかもしれんけど、守里の立場ならあの答えはありえへん。
男1: でも鍵は渡したんですよね?
七星: そりゃもちろんやで、あれ以上の仕掛けなんて用意してへんかったからな。
男1: 七星さんも趣味が悪いですね。
七星: 守里と同じこと言うやん笑
男1: …あの男がそうなんですか。
七星: うん、そうや。なながこんなことをしたのも、守里の考えを確かめるためや。
男1: で、どうだったんですか?
七星: せやな、あの状況で冷静になれてたのは良かった。
男1: さすがに仕掛けては来なかったですね。武装した3人相手はキツイみたいです。
七星: 何を言うてんねん、守里ならお前らぐらい一瞬や。
男1: 笑、七星さんもそんな冗談言うんですね。我々に抵抗できず捕まったのに…
七星: まぁそりゃあ何も出来へんやろな、今の状態なら……でも守里が本気出したら強いで。
七星が男1を睨みつける。
男1: !!(相変わらず、凄いオーラ…)そ、そうですか。
七星: 良かったな、守里が冷静でいてくれて。
男1: は、はい…
七星: ほんならそろそろ、ななも仕事に戻らなあかんから、またな。
男1: はい、また仕事でお会いしましょう。
七星: フフ、会わんことが一番やけど笑、あとの2人にも、よろしく言うといてや。
男1: はい!では失礼します。
七星: うん。
ガラガラ
七星: さて、仕事に戻るか。
◇◇◇
第3グラウンド
謎解きが終わり、とうとう午前中の競技の大トリである騎馬戦の時間となる。
控え室
春時: お、守里。謎解きお疲れ様。
守里: 春時、もう来てたんだ。
春時: っていうか、お前らどこ行ってたんだよ。なんかお前らのドローンだけ映像映らないし、いつの間にか一番でゴールしやがって。
守里: え、そうだったの?
春時: おう、飛香と日向子が心配してたぞ。まぁゴールのアナウンスが流れた時は、大喜びだったけど笑
守里: そっか笑、ってか川嶋さん面白い子だな。
春時: え?!それは無いだろ。怖いだけだって。
守里: いやいや、それは真面目なだけで面白い子だったよ、可愛いところもあるし。
春時: へぇ…(後で日向子と飛香に報告だな笑)
守里: 春時も勇気出して、川嶋さんと話してみろよ。案外楽しいと思うぞ。
春時: そうか?なら頑張ってみるわ。
男子生徒1: おい、森崎!!
守里: ん?何?
男生1: 俺はこの時を待っていた!!!
守里: え、どういうこと?
春時: まぁまぁ、ちょっと聞いとこうぜ笑
男生1: 俺はこの騎馬戦でお前に勝つ!!!
男生2: そうだそうだ!!
男生3: いつも女子達に囲まれて楽しそうに話しやがって!!!
男生4: 羨ましいんだよ!!このやろう!!!
男生5: 俺らが何やっても、結局お前が全部持っていくんだ!!
守里: は、はぁ…
春時: クククククク笑
男生1: だから今日くらいお前に勝って、俺らが目立ってやる!!!
男生:2: そして…
男生3: あわよくば女子にチヤホヤされたい!!!
春時: 欲望に忠実だな笑
男生4: 当たり前だろ!!
男生5: 思春期真っ只中の男子高校生なんだ!!!
守里: そ、そうですか…
男生1: 俺らは普段、女子と話すことすらできず、注目されすらしない!!!
男生2: それなのに、お前は!!
男生3: 必ず隣に女子がいるんだ!!!しかも笑って喋ってる!!!
男生4: なんならこの前、昼休み中に見たぞ!!
男生5: 女子6人と一緒に昼食を食べてるところを!!!
男生1: 羨ましすぎるんだよ!!!!
男生2: それに…
男生3: お前、あの女子達の誰とも付き合ってないんだろ!!!!
守里: え?
男生4: なんでそんな不思議って顔してんだよ!!!!
春時: こいつ、そういう方面には鈍感だから笑
男生5: チッ、調子崩れるな!
男生1: とにかく、この騎馬戦でお前に勝ってやる!!!
男生2: 全員で狙ってやるからな!!!
男生3: 覚悟しろよ!!!
男生4: 5対1なら勝てる!!!
男生5: 今日こそ!!!!
守里: …うん、お好きにどうぞ。
春時: ってか、守里は騎手じゃないからな。
男生1: え…
春時: 守里は騎馬の方だ。
男生2: な、な、なんだって?!!!
男生3: そんなはずは…
男生4: じゃ、じゃあ騎手は誰なんだ!!!
守里: それはもちろん…
春時: 俺だよ。
男生5: じょ、じょ、じょ、上等だ!!!みんなやるぞ!!!!
男生1 2 3 4 5: おーーー!!!!!
「午前の最後の競技、騎馬戦を開始します。」
そして騎馬戦が始まった。
「各騎馬が動き出します!!」
春時: じゃあ行くぞ、守里。フルスロットルな。
守里: おう!
春時: 2人も頑張ってくれよ。
クラスメイト男1: もちろんだ。
ク男2: なんとか守里について行くよ。
春時: じゃあ狩りを始めるぞ、まずはあいつの所だ!!
守里: 行っくぞーーー!!!
春時達は一瞬で男生1の元へ。
「激しいぶつかり合いが勃発しております!!」
男生1: いきなり、俺のところかよ!!おい!お前ら…って!!あっ!!!
春時: はいGET!!!
瞬時に春時は男生1のハチマキを取る。
「おーーっと!気配切りでも優勝した木村君が、ハチマキを取ったようです!!この競技も木村君が優勝してしまうのか!!!」
その後も守里の速度と、春時の器用さを最大限に活かして、ハチマキを取り続ける。
結果…
ブーーーーー
「木村春時君の騎馬の優勝!!!!」
春時: うん、なんというか…
守里: 瞬殺だったね。
ク男1: ほんと、お前らと同じクラスで良かったわ笑
ク男2: 確かに。2人が敵だったら、敵いっこないよ。
春時: 笑、ありがとう。
守里: にしても、あの人達、大したことなかったね。
春時: まぁ熱意はあったけどな笑
「午前の競技が全て終了しました。これから1時間の昼休憩に入ります。」
守里: よし、飯食べるか。
春時: そうだな。
ク男1: じゃ。
ク男2: また後でね。
春時: おう!
守里: またね。
春時: ってか守里、昼飯はどうすんの?
守里: 家族と食べるよ。
春時: そっか、なら邪魔しない方が良いな。
守里: そんな気にしなくても…(あ、美月さんがいるんだ…)
春時: いや、家族でゆっくりしてこい笑、どっちにしろ俺もじいちゃん達と食べるからさ。
守里: 分かった。
春時: 午後からは生徒会の方の仕事だろ、頑張れよ!
守里: うん!じゃあまたね。
春時: おう!
そうして2人は、各々の家族の元へ向かった。
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クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
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転生者は力を隠して荷役をしていたが、勇者パーティーに裏切られて生贄にされる。
克全
ファンタジー
第6回カクヨムWeb小説コンテスト中間選考通過作
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門日間ランキング51位
2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門週間ランキング52位
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