ただ守りたい…〜大事な人を守るには、金と権力と腕っ節…あと諦めない心が必要です〜

ドラると

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第2章 体育祭編

第25話「体育祭の朝」

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とうとうこの日が来た。



守里: 美月さんもう準備出来た?


美月: うん、大丈夫。


守里: じゃあ行こうか。


結真: 体育祭頑張ってね。私も蓮花と一緒に応援しに行くから!


守里: ありがとう、あんまり見に来て欲しくはないけど…


結真: なんでよ!守里達の立派な姿を見たいんだから、良いじゃん!!



体育祭当日の朝、守里と美月は朝早くに家を出ようとしていた。



美月: ふぁ~~あ。


守里: 笑、まだ眠い?


美月: //…うん。


結真: 美月は朝に弱いもんね笑、でも同じく朝に弱い守里は元気なんだ。


守里: なんか昔から、こういう行事ごとの時は、しっかり目が覚めるんだよ。


結真: へぇー


守里: まぁでも今日は早すぎて、まだ完全には脳が覚めてないかな笑


結真: 仕事の打ち合わせがあるから、こんなに早いんだっけ。高校生なのに大変ね笑


守里と美月は、生徒会の仕事をかけ持ちしているため、生徒会から早朝の呼び出しを食らっているのだ。


守里: 全く、勘弁して欲しいよ笑


結真: 笑、美味しいお弁当用意しとくから、頑張っておいで!


守里 美月: はーい。


守里: じゃあ、いってきます!


美月: いってきます。


結真: いってらっしゃい!!



ガチャ


そう言って、守里と美月は家を出た。


が、家を出た直後に立ち止まる。



美月: まだ、来てないみたいだね。


守里: うん、でも、もうすぐ来ると思うんだけど…


美月: 流石に無理させちゃったかな…関係ないのに、こんな朝早くに来てもらうなんて…


守里: 笑、大丈夫だよ。僕が後で、ちゃんとお返しをしとくから笑



守里と家族だということを学校の人にバレたくない美月は、普段1人で登校している。


しかし、今日ばかりはそれが出来なかったため、守里に相談して、ある対策を練ったのであった。


それは…



??: いた!!!!!!


美月: あ、来たみたいだね…


守里: うん…


??: 2人とも、おっはよーーー!!!!!!!


美月: 相変わらず笑


守里: うっせーよ!!早朝だぞ!!日向子!!


日向子: いや~ごめんごめん笑



日向子と一緒に3人で登校することであった。



美月: ごめんね、付き合わせちゃって…


日向子: いやいや、大丈夫!!美月ちゃんのためだもん!!それに守里に、お願いごと聞いてもらえるからね!!


美月: ありがとう…(日向子ちゃん優しい…)


守里: あんまり無茶なお願いごとはしないでよ。


日向子: フフーン、どうだろうね笑


守里: そんなこと言って、競技の方は大丈夫なのか?


日向子: もっちろん!!全部勝てる!!!


守里: ほんと、その自信はどっから来るんだよ…


美月: 日向子ちゃんは運動できるもんね。


日向子: バスケ部ですから!!って私の競技よりも、2人の例の競技は大丈夫なの?


守里: 例の競技って…あぁ、健康ランドか。


日向子: そうそう、櫻宮先輩達が考えたやつ!


守里: そりゃあ…全然大丈夫じゃないよ…


美月: うん…会長さん達に聞いても、何も教えてくれなかったんだ…


日向子: そ、そっか…まぁ頑張って!!


守里: はぁ…もう4時間後ぐらいのことを考えると、辛くなってくる…


美月: まぁ私は1つだけだけど、守里君は3つだからね。


日向子: まさに地獄!!


守里: はぁ…


日向子: っもう!そんなため息ばっかついてないで、楽しくいこうよ!!何も辛いことばっかじゃないでしょ!!きっと、多分、おそらく…


美月: (それじゃあ安心はできないでしょ…)


守里: 笑、そうだね、前を向いていこう!


美月: (え、それで…)


日向子: じゃあ今日の体育祭頑張って行くぞー!!!


守里: おー!!!!


美月: (これが幼なじみの関係ってやつか…)


日向子: ほら、美月ちゃんも!!


美月: え、えぇ…お、おーーー!


日向子: ニコニコ



3人は元気よく、学校へと向かった。


◇◇◇


生徒会室


学校に着き、日向子と別れた守里と美月は、生徒会室に来ていた。


コンコン



「どうぞ。」



この声は櫻宮さんと、七星さんのじゃないな…

別の生徒会役員の人か。


守里と美月はこれまでに、櫻宮と七星以外の生徒会役員と、顔を合わせていなかった。



守里 美月: 失礼します。



ガチャ



守里達が扉を開けた先には、凛々しい雰囲気を纏った女子生徒と、穏やかな雰囲気を纏った男子生徒が席に座っていた。



守里: 会長と副会長に呼ばれて来ました、森崎守里です。


美月: 同じく、白城美月です。


男: ふふ笑、そんな名乗らなくても知ってるよ。同級生だし。


女: あなた達が、会長が選んだ2人なんですね。せいぜい私達の邪魔をしないよう、頑張ってください。



この女子の方、感じ悪いな…



男: まぁまぁ倉田さん。そんなキツく当たらないの、これから一緒に仕事をする仲間なんだから。


女: …


男: 森崎君に、白城さんよろしくね。僕は生徒会の議長をやってる"灰崎謙心はいざき けんしん"。良い体育祭になるよう一緒に頑張ろう。


守里: はい。よろしくお願いします。


美月: よろしくお願いします。


灰崎: 笑、同級生なんだから、敬語じゃなくて良いって、もっとフランクにいこうよ。


守里: う、うん。分かった。


美月: 頑張る。


灰崎: ほら、倉田さん。君も自己紹介して。


女: …生徒会庶務、"倉田桃子くらた ももこ"…よろしく。


守里: よ、よろしくお願いします。


灰崎: この子も同級生だから、タメ語でいいと思うよ。あと、今はこんな感じだけど、慣れると結構良い子だから。


倉田: 灰崎君、余計なことは言わないでください。ただ、タメ語に関しては問題ないです。同級生に敬語を使われるのは、もも…私も嫌なので。



もも?



守里: じゃあ、よろしく。


美月: よろしくね、倉田さん。


倉田さんの方は敬語のままなんだ…


灰崎: よし!自己紹介も済ませたところで、早速仕事に移りたいんだけど…



灰崎は空席を見渡す。



灰崎: 見ての通り、他の役員が来てないんだよね。まぁ会計監査の中谷先輩は、仕事で席を外してるだけだから、もうすぐ来ると思うんだけど、他の3人は寝坊かな。


美月: そ、そうなんだ。


倉田: 全く、会長と副会長の時間の守らなさには、呆れたものです。


守里: なんか、すみません…


灰崎: なんで、森崎君が謝るの笑


守里: いや~昔からの知り合いだから、なんか謝りたくなって。


灰崎: そっか、森崎君のことは会長達からよく聞いてるよ。


守里: え、そうなの?


灰崎: うん、ここで仕事中に話してるから。あ、内容は本人達から聞いてね笑


守里: うん。



後で、七星さんから聞くか…



倉田: はぁ…まゆちゃんも来ないし。


美月: まゆちゃん?


灰崎: あぁ、まゆちゃんっていうのは、生徒会書記の"鹿川真佑かがわ まゆ"さんのことだよ。ちなみにこの子も、僕達と同級生。


美月: へぇー


守里: どんな子なの?


灰崎: うーんっとね、一言で言うと…


灰崎 倉田: 馬鹿だね(です)。


守里: え、そんなに?


灰崎: うん、テストも赤点ばっかだよ。


倉田: たまに、なんでこんな人が生徒会にいるんだろうって思います。


美月: そんな子がいるんだ…


灰崎: まぁ鹿川さんも、会長に推薦されて、生徒会に入ったんだけどね。


守里: 「も」っていうことは、2人も櫻宮さんからの推薦なんだ。


灰崎: うん。今期の2年生組は全員、会長からの指名で生徒会に入ったんだよ。


美月: 凄いですね。


倉田: フフン!


灰崎: 笑、そんなに胸を張らない、倉田さん笑


守里: 笑、可愛い。


倉田: ///ちょっと、可愛いなんて、何言ってんの?!そんなこと言われたって、もう…


倉田は赤面し、高速で話す。


守里: え、何て?


守里は倉田が言った言葉を、上手く聞き取れなかった。


倉田: っ!なんでもありません。



そう言って倉田は守里達に背中を向ける。



灰崎: 倉田さんはね、九州出身だから、慌てたり照れたりすると、九州の方弁のイントネーションがつい出ちゃうんだよね笑。それで極力、それが出ないようにって、普段は誰にでも敬語で話してるんだ。健気でしょ笑


守里: そうなんだ。


美月: 意外…


倉田: また、灰崎君、余計なこと言って!!


灰崎: 笑、まぁまぁ仲良くいきましょ。



そう話していると…


ガチャ



??: ごめん、ちょっと遅れた。


灰崎: いえいえ、お仕事ご苦労様です。


倉田: お疲れ様です。


??: ふぅ…疲れたよ。って、あぁごめんね。僕は会計監査の"中谷奏雄なかたに かなお"。守里君と美月さんだよね、今日は1日よろしく。


守里: はい!よろしくお願いします。


美月: よろしくお願いします!


中谷: 笑、元気があって良いね。守里君も美月さんも、麗華達に聞いてた通りだ。


灰崎: 中谷先輩、その会長達がまだ来てないんですが。


中谷: え、やっぱり?また寝坊だ。絶対。


倉田: 中谷先輩どうにかしてくださいよ~


中谷: どうにかって言ってもね~、あれ、まゆちゃんも来てないの?


灰崎: はい。まだ姿は確認できてないです。


中谷: 言い方笑、そっか。まぁとにかく麗華達には僕から電話かけるから、まゆちゃんには灰崎君、いや桃ちゃんからかけて。


倉田: え、なんで私なんですか!


中谷: 良いじゃん、良いじゃん。同性の方が良いでしょ。


倉田: もう、分かりましたよ。



そう言って2人は電話をかけ始めた。




数分後…



中谷: 麗華は今起きたって。


倉田: まゆちゃんも同じくです。


灰崎: やっぱりですか…副会長は?


中谷: なぁちゃんは、駅前で太った鳩を見てた、だって笑



七星さんは、変わらずか…



灰崎: はぁ?そ、そうですか…なら副会長はもうすぐで来れそうですね。


中谷: うん、すぐ行くって言ってた。ってか昔からこんな感じなの?なぁちゃんは、守里君。


守里: え、まぁそうですね。小さい頃から、太った鳩を見つけては、ずっと後ろをついて行ってました。


中谷: へぇ~そうなんだ。


守里: あとは、変なキャラクターを描いて、ずっと遊んでました笑


中谷: あ、それって「どいやさん」でしょ笑


守里: 知ってるんですか?


中谷: うん笑、知ってるも何も、ここでも描いてるから。


灰崎: 僕達もよく知ってるよ、副会長見せてくるし。


守里: そ、そっか…



どいやさんが浸透してるのか…



倉田: それでも仕事は私達よりも早くこなすんですから、何も言えないんですよね。


灰崎: 副会長も、会長も仕事はしっかりとやるから。


中谷: あの二人には適わないよ~


灰崎: そんなこと言って、中谷先輩も仕事早いですよ笑


中谷: そう?笑


倉田: そうです。



そのやり取りを見て、守里は美月に話しかける。



守里: いい雰囲気だね。


美月: だね。


守里: 緊張とけた?


美月: うん。


守里: 良かった、頑張ろう。


美月: うん!




to be continued



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