ただ守りたい…〜大事な人を守るには、金と権力と腕っ節…あと諦めない心が必要です〜

ドラると

文字の大きさ
上 下
24 / 340
第2章 体育祭編

第24話「櫻宮麗華と神田七星」

しおりを挟む
守里: 失礼します。


美月: 失礼します…



若月の指示で生徒会室まで来た守里と美月は、扉を開き、その中へ。



??1: やぁやぁ、やっと来たね。


??2: 久しぶりやな~


守里: 若月さんから、ここに行くようにという指示を受け、参りました。


??2: なんや、固いな~別にいつも通りでいいのに。


守里: いえいえ、そういうわけにも行きませんので。それで、お仕事とは一体なんでしょう?会長。それに副会長。


櫻宮: もういいから普通に話してよ!!


七星: そうやで守里、命令すんで。



うっ、このまま行こうと思ったけど無理か…



守里: 分かりました。櫻宮さんに七星さん。


七星: あれ?守里って、ななの呼び方それやったっけ?笑


守里: さすがにそれは勘弁して下さいよ、立場もあるんですから。


七星: まぁそれもそうやな。七星さんでええで。


櫻宮: あと、美月だね。


美月: はい。白城美月といいます。


七星: うんうん、守里が世話になっとるようやね。これからもよろしく頼むわ。


櫻宮: 家族なんでしょ。



やっぱ知ってたか…



美月: え、なんでそれを…



そう言って美月は守里を見る。



櫻宮: いやいや、別に守里が言ったわけじゃないよ。


七星: 生徒会なんやから、生徒の情報調べるぐらい朝飯前や。


美月: そういうことですか。


櫻宮: 守里とペアなら、これから会うことも多くなるだろうからよろしくね。


美月: はい、よろしくお願いします。


七星: 守里とペアは大変やろ笑


美月: そうですね笑


守里: そこは否定して欲しかったかな。


櫻宮: だって守里、見回り初日から輩にボコられたんでしょ笑


守里: 何故それをっていうか、知ってて当たり前か…


七星: そりゃあ若月から聞いてるに決まってるやん笑


櫻宮: 本当に変わらないねぇ~


七星: でもいつまでも同じじゃアカンで、強くならな。


守里: 努力します。


櫻宮: 頑張ってね。


七星: 美月も頑張ってな。


美月: はい!


七星: あと、守里がなんや変なことしようとしたら、どついてええから。ななが許可したる。


守里: 何を勝手に…ってか変なことってなんですか!


七星: まぁ色々とや、色々と。ええな美月。


美月: 分かりました。


守里: あの、他の役員の方々はいないんですか?



生徒会室には6つの席があり、櫻宮と七星が座る席以外の4つの席が空席だった。



七星: うん、今はちょっとな、別の仕事を頼んでんねん。


守里: そうなんですか。皆さん忙しいんですね。


七星: なんか、その言い方やと、なな達が暇しとるみたいで嫌やな~


守里: いやいや、そんなつもりじゃないんですけど。


七星: 笑、分かっとるって、そんくらい。でも、なな達も結構忙しいんやで笑


守里: 天下の生徒会長様と、副会長様ですからね笑


七星: うわっ、そんなこと言うんや。生意気な後輩やわ~


櫻宮: 笑、まぁまぁ。2人とも喧嘩しないの。で、本題なんだけど、2人には生徒会の手伝いを頼みたいの。


守里: 生徒会の仕事って具体的にはなんですか?


櫻宮: 体育祭での生徒会の役割は、各委員から情報をもらって、それを元に、各委員に指示を出すことなんだよね。


美月: はい…


七星: それで、守里達には、その指示出しと、問題が起こった場合の対処をやって欲しいねん。


守里: それは大変ですね。


美月: そんな難しいこと、私には…


七星: まぁペアやから、守里と協力してやったらええんや。


櫻宮: この生徒会室が作戦本部になるから、午後からは、自分の競技の時以外、基本ここで仕事をやってもらう。


守里: それってほとんど自由な時間ないじゃないですか!


櫻宮: ちゃんと休憩はあるよ?


守里: それにしてもですよ…


七星: でも、ここには全会場の様子が映し出されるモニターが設置されるから、観戦はできるで。


美月: なんか本当にどこかの司令室みたいですね。


櫻宮: そりゃあもちろん、そういうのを目指してるから笑


七星: なんかカッコええやん、そういうの。


守里: それはカッコいいですけど…


櫻宮: 私達も基本ここにいるから、安心してね。


七星: そやそや、分からんことがあったら、聞いてくれればええよ。


美月: それなら、なんとかできそうです。


櫻宮: 守里も大丈夫ね。


守里: …はい、一応。


櫻宮: よし、ならこれで説明終了!みんなで良い体育祭にしよう!!


七星: そういえば、2人は何の競技に出るん?笑


守里: 僕は…って櫻宮さんと七星さんが、僕の競技勝手に決めたんじゃないですか!


櫻宮: どう?びっくりした?笑


守里: もう嫌な予感プンプンでしたよ!


七星: 楽しいと思うで、あの競技達は笑


櫻宮: 美月はなんに出るの?


美月: 私は障害物競走と、健康ランドです。


七星: え、健康ランドに出るん?


美月: はい、成り行きで…


櫻宮: 笑、そうかそうか、頑張って笑


守里: 健康ランドに、捕獲大作戦、あと謎解きって一体どんな競技なんですか!2人が考えたんですよね?


櫻宮: うん、私達が考えたよ。


七星: でも、詳しくは教えられへんな笑、本番になってからのお楽しみや笑


守里: 怖すぎますって…


櫻宮: まぁまぁ、そんな危ないヤツじゃないと思うから、楽しんで。


七星: とにかく頑張ってや!


守里: はぁ…はい。


美月: 頑張ります。


守里: じゃあもう、これぐらいで失礼します。



これ以上ここにいても、変なことに巻き込まれそうだし。



七星: え、もう帰るん?もうちょっとここにいてええのに。


櫻宮: そうだそうだ。


守里: 僕も色々と忙しいですからね。


七星: 嘘つけや。


守里: 本当ですよ、ではさようなら。美月さん行こ。失礼しました。


美月: え、うん。失礼しました。



ガチャ



素早く2人は生徒会室を出ていく。



七星: ったく、もうちょい話したかったんやけど。


櫻宮: でも元気そうで良かったじゃん。


七星: そうやな。




守里: 面倒な仕事任されたね。


美月: うん。上手くできると良いけど。


守里: まぁ近くにあの2人がいるなら、なんとかなるでしょ。


美月: 守里君は、会長さんと副会長さんを、随分信頼してるんだね。


守里: 昔から助けられてるんだよ。美月さんもこの前見たと思うけど、僕はあんな感じだからね。


美月: あんな感じっていうのは、ボコボコにされたこと?


守里: うん。あの時は、葵波さんと愛衣さんが助けてくれたけど、前はずっとあの2人と若月さんが助けてくれてたから。


美月: そうなんだ。


守里: あとは日向子とか、春時とかが助けてくれたかな。


美月: 木村君は分かるけど、日向子ちゃんもなの?


守里: 笑、あいつは馬鹿力だから。そこら辺の不良なら倒せるよ笑


美月: 凄いんだね。


守里: そう考えると、僕は昔から助けられてばっかりだな笑


美月: へぇ…


守里: 僕も、ちゃんと1人で守れるようにならないと。


美月: …


守里: あ、ごめんね。急に僕の話になっちゃって。


美月: い、いや、大丈夫だよ。


守里: 櫻宮さんと七星さんを信頼してるのは、助けられてていたこともあるけど、単純にスペックが高いってこともあるんだよね。


美月: なんでもできるって感じ?


守里: うん、とりあえずあの人達に任せとけば、何の問題もないって言い切れるぐらいだよ。


美月: それなら、確かに安心だね。


守里: 体育祭、頑張ろう。


美月: うん!


守里: じゃあ、いつも通り。


美月: うん。




パチ




守里: …あと結真姉さん達に、今日はちょっと遅くなるからって言っといて。


美月: え?今日バイトだっけ?


守里: いや、そうじゃないんだけどね。とりあえずよろしく。


美月: うん、分かった。じゃ。


守里: じゃあね。



そう言って、2人は別れた。


◇◇◇◇


ガチャ



美月: ただいま。


結真: おかえり、美月。


桜: おかえり。


蓮花:おかえり!美月お姉ちゃん。


結真: 今日も1人で帰ってきたのね。同じ風紀委員なんだから、一緒に帰ってきたらいいのに…


美月: 毎回言ってるけど、学校の子に、守里君と家族だってバレたくないから、一緒に帰らないの。


結真: もうバレてもいいんじゃない?桜は学校では、守里の妹だって知られてるんでしょ。


美月: 私は目立ちたくないの。守里君と家族だなんて言ったら、目立ってしょうがないよ。日向子ちゃん声大きいし。


結真: それもそっか…


桜: 確かに日向子ちゃん、声おっきいもんね…


蓮花: ねぇねぇ、お兄ちゃんはいつ頃帰ってきそう?


美月: あ、なんかね、守里君遅くなるって言ってたよ。


蓮花: えー!!


結真: あら、そうなの。


桜: 何か用事かな?


美月: 分からない。けど、今日は遅くなるって言ってた。


蓮花: 早くお兄ちゃんに会いたいよ~


桜: いつも会ってるじゃん。


蓮花: 長くお兄ちゃんと一緒にいたいの。


桜: 蓮花ばっかりズルいよボソッ


結真: なら先に晩ご飯食べよっか。


桜: そうだね…


美月: じゃあ私、荷物置いてくるから。


結真: ほら、蓮花いつまでも嘆いてないで、手伝って。


蓮花: はーい…





その頃、守里は…



白一色の廊下を歩いていた。


そして、守里は扉の前で足を止める。



ガラガラ



守里: 失礼します。



部屋の中に入り、1つだけ置かれたベッドの横に座る。



守里: 1ヶ月ぶりだね。



ベッドに寝る人の手を握る。



守里: 僕は、この1ヶ月の間に色んなことがあったよ。



守里は眠り続ける人に話す。



守里: まずはね、1年ぶりに父さんに会えたんだ。それで、新しい家族もできた。それにね、僕、風紀委員になったんだ。あ、ちなみにだけど、そのペアの子も新しい家族だよ。



眠る人の手を離し、ベッドの上に手を置く。



守里: あとね、今度体育祭があるんだ。なぁちゃん達のせいで仕事も多いし、変な競技に出ることになったんだよね。まぁとにかく、頑張るよ。



そして、病室内にかけられた時計を見て...



守里: …もう帰らないとだ。来月もまた来るから。



そう言って、守里は席を立ち、扉の方へ。



守里: じゃあね。姉ちゃん。



ガラガラ



守里は病室を後にした。




to be continued

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

俺は普通の高校生なので、

雨ノ千雨
ファンタジー
普通の高校生として生きていく。その為の手段は問わない。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

最強無敗の少年は影を従え全てを制す

ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。 産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。 カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。 しかし彼の力は生まれながらにして最強。 そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。

日本列島、時震により転移す!

黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

ヤクザの娘の本心を俺だけは知っている

青井風太
恋愛
赤城遥の通う高校には有名人がいた。 容姿端麗で成績優秀、ドラマでしか聞かなそうな才を持ち合わせた青崎楓は学校中から注目を集めていた。 しかし彼女を有名人たらしめる理由は他にある。 彼女は関東最大規模のヤクザ組織【青龍会】会長の愛娘であった。 『一人で暴走族を壊滅させた』『睨みつけるだけで不良が逃げ出した』などの噂が学校中に広まっていた。 ある日の放課後、忘れ物を取りに教室に戻ると遥は目撃してしまう。 ぬいぐるみに話しかけているヤクザの娘の姿を・・・

処理中です...