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第2章 体育祭編

第23話「嫌な予感的中!」

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そして、時は進み…


5月に入った。



朝の登校中



守里: もう5月か。


日向子: 体育祭まであとちょっとだね!


守里: 練習も進んでるし、いよいよって感じだよ。



まぁでも、例のわけの分からない競技は入退場をやっただけで、1度も練習が行われてないんだよな…



蓮花: 蓮花も体育祭見に行くね!!


日向子: うん!応援よろしく!!!


蓮花: もちろん!!!


守里: 結真姉さんも来るって言ってたから。


桜: 楽しみだね。


日向子: でも今日は委員会だから、新しい仕事が来そうな委員もありそう。特に風紀委員とか!!!


守里: うん。それが怖いんだよな…



そう、今日は月初めということで、委員会が行われる日。



守里: 生徒会から勝手に競技を決められたこともあって、なんか嫌な予感がプンプンしてるんだ。


日向子: 大丈夫だって!ねぇ蓮花ちゃん!!


蓮花: うん!大丈夫だよ!お兄ちゃん!!頑張って!!!



蓮花がキラキラした目で見てくる。



桜: 頑張ってお兄ちゃん。



桜が微笑んで見てくる。



こ、これは元気が溢れてくる!!!



守里: そうだね!!頑張るよ!!!



妹達のエールにより、元気を取り戻すシスコンの守里であった。


◇◇◇◇


放課後


風紀委員室
 


ガラガラ



守里: 失礼します。


美月: 失礼します。


若月: おう!来たな。


葵波: よっす~


愛衣: 元気か~


守里: はい!朝からエールを貰ったおかげで、とても元気です!!


愛衣: そ、そうか…それなら良かった。


葵波: ほら梅、挨拶したら?


梅澤: …っす。


守里: あ、どうも。


葵波: もう、いつまでそんな感じなの?


梅澤: …


守里: まぁまだ2回会っただけですから。


葵波: 全く、徐々に慣れてけよ。


梅澤: うっす。



相変わらず、梅澤さんはこんな感じだ。



ガラガラ 



珠美: 失礼します!


後輩: 失礼します。


若月: よし、珠美達も来たな。そろそろ全員席に着け、開始するぞ。


守里 美月 後輩: はい。


葵波 愛衣: はーい。


梅澤: うっす…


珠美: はい!!!



と全員が席に着いた。



若月: じゃ、委員会始めるぞ。まずは先月の活動報告なんだが、校内組は、4人の校則違反者の取り締まり。校外組は、一組が輩に絡まれただけで、それ以外の問題は特になかった。



その一組はきっと僕達だな。



若月: あと、未だに、例の暴力事件は解決していないが、今のところ誰も巻き込まれていないため、校外組は、引き続き注意を払いつつも、見回りを頼む。


「はい!」


若月: では、今回の本題に移るが、我々は今月、これまでと同じ活動に加えて、体育祭での仕事も行う。そこでだ、それぞれ机に置いてある冊子を見てくれ。



守里達が座る机には、1人1冊の冊子が置いてあった。



若月: それには、体育祭での仕事の詳細が書かれている。基本的にはペアで仕事を行って貰うんだが、こちらで勝手に仕事を割り当てたから、その冊子の指示に従って、ペアで仕事をこなしてくれ。


「はい。」


若月: しかしだ、体育祭が順調に進めば、何の問題もないんだが、こういう行事ごとは、大抵予定通りには進まない。だから、そういう時には、このインカムから新たに指示を出す。



そう言って、若月さんは大量のインカムが入った箱を取り出した。



若月: これは人数分あるから、体育祭中、競技に出る時以外は絶対に装着しといてくれ。


「はい。」


若月: じゃあ、今から時間を取るから、その冊子に目を通してもらって、質問があれば、その後に手を挙げて発言してくれ。全員と共有しつつ、答える。


「はい!」



そうして全員が冊子を読み始める。



うーん、基本的には予想通り、警備と巡回が仕事か。


にしても流石、若月さんだな。

各ペアの仕事が時間に沿って、綺麗にまとめてある。


これがあれば、問題なく全員が仕事をこなせそうだ。


でもさ…


なんか、僕達のペアだけ、午前中までしか仕事がないんだが!


あ~嫌な予感がする。



守里は隣に座る美月を横目で見る。



美月: …(なんで午前中までしか仕事がないんだろ。)



うん、特に違和感は感じてないようだ。

真剣に冊子を読んでる。


若月さんに限って、特定のペアが楽になるようなことはないと思うけど…


何も無いことを祈っとこう…



と、守里が祈ってる間に、質疑応答が行われ…



若月: よし、みんなもう質問はないな。



誰も手をあげない。



若月: では、今日はこれで終わりだ。各々自分の競技があると思うが、仕事もしっかりとこなして、楽しい体育祭を共に作り上げよう。


「はい!」


若月: 今日が見回りの当番の者以外は、解散!!


「ありがとうございました。」



え、本当に何も無いのか…


そうして、今日が当番のペア以外が席を立ち、僕も席を立つ。


よし、このまま帰るぞ!!



守里: 美月さん、帰ろうか。


美月: うん。



守里は颯爽と風紀委員室を出ようとする。



が…



若月: おい、待て守里。分かっていると思うが…



やめてくれ!!!



若月: 守里と美月は残っといてね笑



いやー!!!!!!



美月: え、なんでだろう。


守里: 最悪だ…



守里は絶望の表情を浮かべ、美月は困惑の表情を浮かべて、見回り当番と若月のやり取りが終わるのを待つ。



若月: よし、では行ってこい。


「はい、失礼します。」



そう言って2つのペアが、風紀委員室を出ていく。



若月: じゃあ、話そうか。お二人さん。


美月: は、はい。


守里: はい…


若月: 笑、まぁそんな表情をするな守里。


守里: だって…


若月: うん。守里の思ってる通りだと思うぞ。


守里: はぁ…


美月: あの…


若月: 美月、自分達の仕事を見て、違和感がなかったか?


美月: 午前中までしか、仕事がありませんでした。


若月: おう!分かってるじゃないか。


美月: で、それがなんなんですか?


若月: うん。守里と美月のペアには特別な仕事をやってもらおうと思ってな。


美月: は、はぁ。


若月: ってことで、今から生徒会室に行ってくれ。


守里: やっぱりですか。


若月: そこで詳しい説明があると思うから。


守里: あ~行きたくないな。


若月: まぁそんなこと言わずに、麗華やなぁちゃんが会いたがってるぞ。守里も2人には会いたいだろ。


守里: 会いたくはありますけど、この状況では会いたくないです!


若月: 守里が中々連絡をくれないって言って、寂しがってたぞ笑


美月: (七星先輩と言うと、確か守里君のことを知ってるっていう生徒会副会長か…)


守里: でも行くしかないですもんね。


若月: うん。それが身のためだ。


守里: では、行ってきます。


若月: おう、気をつけてな~



いや、気をつけてって…



守里: …失礼します。


美月: 失礼します。



ガラガラ



若月: 頑張れよ、守里と美月。




守里と美月は生徒会室に向かう。


美月: ねぇ守里君、生徒会室ってどこだっけ?


守里: この上の階。


美月: なんか緊張するな。生徒会会長と副会長に会うんでしょ。


守里: うん。でもそんな怖い人じゃないから、安心して。


美月: うん。


守里: あ~どんな仕事を任されるんだろう…


美月: そんな大変じゃないといいね。


守里: それはそうなんだけど、確実にあの人達なら、面倒臭い仕事を任せてきそうなんだよな。


美月: 会長さんと、副会長さんとは、守里君仲良いんだよね?


守里: うん。会長の櫻宮さんは中学校から知り合いで、七星さんとは小さい頃から知り合いだよ。


美月: そうなんだ。



と話していると…



守里: とうとう着いてしまったか…


美月: なんか重厚感がある。



目の前の大きな扉からは威圧感を感じる。


もう行くしかない!!



守里: よし、美月さん。行くよ。


美月: うん。



コンコン



「はい!どうぞ。」



扉の向こうから、声が聞こえる。



守里: ふぅ…失礼します。


美月: 失礼します。



ガチャ




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