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第1章 出会い編

第15話「天敵なバイトの先輩」

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"カフェBINGO!"


ガチャ



守里: お疲れ様です。


??: お、森崎君来たね。


守里: お疲れ様です、店長。お客さんは…いないですね。


店長: うん、いつも通りだよ。


守里: 自分で言ってて、悲しくないんですか?


店長: 笑、もう慣れたよ笑


守里: 笑


店長: どう?青春っぽい出来事あった?


守里: もう、毎回毎回、それ聞いて来ないでくださいよ笑、結構困るんですよ、その質問笑


店長: まぁいいじゃない笑、おじさんは若者の青春エピソードを聞きたいんだって。


守里: そうですか笑


店長: なんか小さなことでも良いからさ笑


守里: うーん、それで言うなら、親が再婚したことですかね。


店長: おっと、中々デカめの話じゃないか。色々と生活変わったでしょ。


守里: はい、結構変わりましたね。


店長: 楽しい?


守里: もちろんです!


店長: なら良かった。じゃあさ、他に学校での面白エピソードとかないの?


守里: そうですね~



と、店長と守里が談笑を続けていると…



??: 店長…


冷たい声か響く。



店長: なんだい?橘さん。オロオロ



店内と店長を凍りつかせたのは、僕のバイトの先輩である"橘奈々未たちばな ななみ"さんだった。



奈々未: 店長、お客さんはいないですけど、営業時間内なんですが…


店長: はい…


奈々未: 守里君も喋ってないで、早く着替えてきなさい。


守里: 了解しました。


奈々未: ったくもう、今日は新人さんも来るっていうのに。


守里: え、今日新人さんが来るんですか?


奈々未: あら、守里君聞いてなかったの?店長…


店長: いや~伝えそびれちゃっててね笑


奈々未: 報連相、しっかりとしましょう。


店長: 以後気をつけます。


奈々未: …もうそろそろ来るはずだから。


守里: 分かりました!さっさと着替えてきます!



守里は更衣室へと向かった。



奈々未: 新人さんはどんな子なんですか?


店長: そっか、橘さんはまだ会ったことなかったね。


奈々未: はい、面接の時は店長だけでしたから。


店長: うーん、元気で真っ直ぐな子かな。


奈々未: へぇ…私がいじれそうな子ですかね?笑


店長: 新人さんまで、いじらないでよ笑、森崎君で我慢して!


奈々未: 守里君は、いじりがいのある子ですから良いですけど笑


店長: 仲良くね…(守里君ご愁傷さま。)


守里: 着替えてきましたよ~


奈々未: じゃあキッチンの方に…って新人さんが来たみたいね。



ガチャ



??: あの~失礼します!!


店長: 元気だね!


奈々未: どうも新人さん。


??: 今日からよろしくお願いします!中村珠美と言います!!!


守里: え…


奈々未: ほら、守里君も挨拶!


珠美: 守里君?


守里: 新人さんって珠美のことかよ!!!


奈々未: え、何知り合い?


珠美: あ、やっぱり守里先輩!!


守里: 高校の後輩です。


珠美: 守里先輩!運命ですね!!


奈々未: 守里君良かったじゃない。知り合いが入ってくれて。


守里: ま、まぁ…


珠美: 改めまして、皆さんよろしくお願いします!!


店長: うん、よろしく。


奈々未: じゃあ私が仕事を教えるから、まずこれに着替えてきてね。


奈々未はカフェの制服を珠美に渡す。


珠美: 了解しました!!


店長: いや~元気のある子が入ってくれて良かったよ。これで、店内がより明るくなるね。


守里: 店長、あいつここでバイトする理由、なんて言ってたんですか?


店長: うーん、確か、ここのカフェの雰囲気が好きだからって言ってたかな。


守里: へぇ。



あいつ、この店に来たことあったのか…



店長: やっぱ知り合いと同じとこで、働くのは気まずい?笑


守里: いやいや、そんなことないですよ笑


奈々未: 守里君の学校での話を、珠美ちゃんに聞こうかな。


守里: やめてください笑


奈々未: でもあの子、守里君の後輩なら、1年生?


守里: はい、そうです。


奈々未: だったら、入学したばっかだから、守里君のことはまだ、あんまり知らないか。


守里: そ、そうです。



なんていじられるか、分かったもんじゃないから、中学が一緒ってことは内緒にしとこ。



奈々未: ふーん。



奈々未が守里をじっと見る。



守里: な、なんですか?


奈々未: いや、なんでもないよ笑


守里: そうですか。


奈々未: いや、珠美ちゃんと中学が一緒なんだなって思って。


守里: な、なぜそれを…


奈々未: ニヤッ



嵌められた!!!!!



奈々未: やっぱり中学が一緒なんだね。



クソ、誤魔化しようがないか…



守里: はい。


奈々未: 面白い話が聞けそうだ笑


守里: …


店長: ほどほどにね。


珠美: 着替えて来ましたーー


奈々未: おっけー、じゃあまず、珠美ちゃんは料理できる?


珠美: もちろん出来ません!!!


奈々未: そ、そっか…(こんな堂々と…)


守里: はぁ…


店長: 中村さんは、いつもこんな感じ?


守里: はい。


奈々未: じゃあ、注文の取り方とか、その他諸々を教えるから、着いてきてね。


珠美: はい!!!


店長: まぁ暗い子よりは良いよ。


守里: そうですね。




その後、お客さんも十数人来て、20時頃…



店長: はい、これで今日は終わりね。


奈々未: お疲れ様でした。


守里: お疲れ様でした。


珠美: お疲れ様でした!!!


店長: じゃあ、ちゃちゃっと賄い作るから。


守里: ありがとうございます。


奈々未: よし、今のうちに珠美ちゃん、着替えようか。


珠美: はーい。




少し時間が経って…



店長: はい、できたよ!


奈々未: ありがとうございます。じゃあみんな食べようか。


守里: はい。いただきます。


珠美: いただきます!


店長: ニコッ



店長はいつも、僕達が賄いを食べているところを、暖かい目で見ている。



奈々未: どうだった?珠美ちゃん、初日のバイトは?


珠美: 楽しかったです!



奈々未: それは良かった、これからも一緒に頑張ろうね。


珠美: はい!


守里: お皿とか割るなよ笑


珠美: 割りませんよ!


守里: 珠美、おっちょこちょいだから、いつかやりそう笑


珠美: もう、守里先輩は珠美のことをそんな風に思ってたんですね、ぴえん。


奈々未: (ぴえん…)


守里: おい、珠美。もうそれ、あんまり流行ってないらしいから、やめな。


珠美: いやです。珠美は珠美のやりたいようにやります!!!


守里: そ、そうですか…


奈々未: ところで、守里君と珠美ちゃんは何委員になったの? 


守里: 僕も珠美も風紀委員です。


奈々未: 一緒なんだ。


珠美: そうなんです!もうこれは運命ですよね!!


守里: いや偶然だろ…


奈々未: にしても風紀委員か…大変だね。


守里: そうなんですよ、僕も珠美も校外組で、昨日当番だったんです。


奈々未: じゃあ、昨日この店の前通ったんだね。


守里: はい、通りましたけど…


奈々未: 寄ってくれれば良かったのに笑


守里: 昨日は先輩もいましたし…


奈々未: そっか。じゃあ、今度からよろしくね。


守里: 気が向いたら、寄りますよ笑


奈々未: あ、もちろんお金は払ってね笑


守里: …はい。



店の売上に貢献…

全く隙がないな笑




to be continued
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