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第1章 出会い編

第13話「伊衛能高校風紀委員」

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風紀委員室


ガラガラ



守里: 失礼します。


美月: 失礼します…


??: お、やっと来たな~


守里: お久しぶりです。若月さん。


若月: お久しぶりって言っても、そんな経ってないだろ笑、まぁ話は後にして、もうほとんど揃ってるから、さっさと座りな。


守里: そうなんですね。すみません。



まだ10分前なんだけど…

去年の生活委員は、みんなもっとギリギリで来てたと思うんだけどな。


そう思って周りを見渡すと…


え、何この空気…


教室にいる大半の人が、一言も喋らず、ただ前を見ていた。


これが風紀委員会なのか…


風紀委員会の異様な雰囲気に驚きつつ、守里は2年1組と書かれた席へと向かう。



??1: あれ?守里じゃん!


??2: ほんとだ!


??3: …



守里が席に着こうとしたところで、席に座らず壁に寄りかかって喋っていた人達が話しかける。



守里: あ、葵波さんに愛衣さん!今年も風紀委員なんですね。


葵波: おう!まぁな!


愛衣: 何気に楽しいからね。


守里: そうですか笑…


この"伊藤葵波いとう あおは"さんと"渡辺愛衣わたなべ あい"さんの2人は去年も風紀委員で、若月さんと行動を共にしていたため、僕もよく話していた。

ちなみに2人は色んな意味で強い。


で、なんでここに、この人がいるのだろうか。

風紀委員とは正反対だと思うんだけど…



??3: …


葵波: ほら、梅も挨拶しな。同級生でしょ。


梅澤: うす。どうも…


守里: は、はぁ。どうも。


愛衣: 笑、まぁ梅はこんな感じだけど、良い奴だから仲良くしてやってね。


守里: 分かりました。



良い奴ねぇ…

この梅澤さんは、この学校にいる人なら、誰でも知ってるに違いない。



梅澤: ギロッ



怖っ!!そんなガン飛ばさなくても…

僕なんかやったかな?


そう、この人はいわゆるヤンキーだ。

中々この辺りでは有名な人らしく、去年はよく風紀委員に連れられている所を見た。



はぁ…

僕はこの委員で、上手くやっていけるのだろうか…



若月: おい、お前ら。さっさと座れ!!!



とうとう委員長の言葉が響いた。



葵波: はーい。


愛衣: 了解。
 

梅澤: うっす。



と全員が座ったところで…



若月: よし、時間になったな。っと1人まだ来てないのか。1年3組の子、もう1人は欠席か?


後輩: え、あ、いや、その~来てたはずなんですけど、申し訳ございません。ブルブル



若月に指名された子が、震えながら頭を下げる。



若月: 初回そうそう遅刻とは、中々面白いやつじゃないか。



あーあ、その後輩可哀想だな~

若月さんに目をつけられちゃった。



若月: まぁいい。先に始めておくか。



そう若月が切り出したところで…


ガラガラ!!


勢いよく扉が開いた。



??: すみません!遅れました!!


若月: ほほう!来たか。まぁいいから座れ。


??: はい!失礼します。



そう言って遅れてきた子は、空いている席に座る。


ん?なんかあの子の後ろ姿、見覚えがあるんだが…まさかな…



若月: よし!じゃあみんな、改めて、今回、風紀委員長を任された、若月桐子だ。よろしく。


「よろしくお願いします!!」


若月: まず、みんなに伝えておくことがある。この風紀委員会は他の委員会とは、ちょっと違う。それに、生徒を守りもするが、取り締まったりもするから、生徒の規範となる行動を心がけてくれ。


「はい!」


若月: よし、良い返事だ。これから協力して頑張っていこう。じゃ、活動内容について話す。



と、若月は風紀委員の活動について話していく。


風紀委員の目的は、生徒の安全を守ることと、校則を違反している生徒を取り締まること。

風紀委員は基本、同じ組の2人をペアとし、一緒に仕事をする。

そして、日中に校内を見回る組と、放課後に校外を見回る組に分かれており、校内組は、学校内では常に腕章をつけ、学校生活中の校則違反者の取り締まることが仕事である。

それに対し校外組は、当番制で校外の見回りをして、校則違反者を取り締り、生徒を守ることが仕事である。



若月: で、みんなに注意しておきたいことがある。多分ニュースを見た人は知ってると思うが、ここ最近、この辺りで暴力事件が多発している。



そういえばそんなニュースがあってたな。



若月: もちろん事件に関わらないことが1番なんだが、我々は校外活動をするため、その事件に巻き込まれてしまう可能性が高い。それでもし、巻き込まれてしまった場合は、すぐに逃げろ。そしてすぐに他の風紀委員に連絡を取れ。無理して立ち向かおうとするな。分かったな。


「はい!!!」


若月: よし!当番決めするか。



ってことで話が進み…



守里: 校外組で、水曜日と金曜日の当番か…


美月: 今日からだね。


守里: まぁバイトと被らなかっただけ、マシか。


若月: みんな決まったな。3年は去年とほぼ変わってないから、校外組の初回の見回りは3年と一緒に行ってもらう。



それは心強い。



若月: じゃあ、早速、今日が当番の組はこの後、前に集まってくれ。他の組はもう解散していいよ。



そうして、教室に集まった生徒は席を立ち、教室を出ていった。



守里: よし、美月さん。そろそろ行こうか。


美月: うん。



と、守里達が席を立つと…



??: あの~若月先輩。今日は遅れてすみませんでした!



遅刻してきた子が、若月の元へ謝りに行っていた。



若月: ん?、あぁ次はないからな。気をつけろよ。ところで名前は?


??: はい!"中村珠美なかむら たまみ"です!



やっぱり珠美だったか。

道理で見たことあるなって思ったんだよ。



若月: …じゃあ珠美って呼ぶね。珠美は今日当番でしょ。早速、遅刻を、挽回してもらうためにも働いてもらうよ笑


珠美: はい!頑張ります!!


若月: よろしくな。(中村珠美…どこかで聞いたような…)



若月が守里を見る。



若月: おい、守里達も早く来い。


守里: はい。珠美久しぶりだね。


珠美: あー!!守里先輩じゃないですか!お久しぶりです!!


美月: え、守里君。この子知り合いなの?


守里: うん、中学の頃の後輩だよ。


若月: へぇーそうだったのか。(道理で聞いたことがあるわけだ。)


珠美: 守里先輩にはお世話になりました。これからもよろしくお願いします。


守里: うん。よろしく。


若月: さっ、見回り行こうか。珠美のとこには愛衣が、守里のとこには葵波が付くから。しっかりと先輩の言うことを聞くように。


「はい。」


若月: じゃ、葵波、愛衣、よろしくね。


葵波: おう!任せとけ!


愛衣: OK!


守里: 葵波さん、よろしくお願いします!


美月: お願いします。


葵波: いいよ、そんな固くなんなくて。早速行こう。


そうして、守里と美月は初めての風紀委員としての活動に向かった。




to be continued
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