ただ守りたい…〜大事な人を守るには、金と権力と腕っ節…あと諦めない心が必要です〜

ドラると

文字の大きさ
上 下
10 / 340
第1章 出会い編

第10話「学校を知りたい、さくちゃんとかっきー」

しおりを挟む
中庭で昼食を食べ終わった守里達は、1年生と別れて、自分の教室に戻ってきた。


ガラガラ



守里: お!祐希、起きてんじゃん!


日向子: ホントだ!!祐希ちゃん!!



守里達が桜達と別れ、教室に戻ってくると、いつも机の上で寝ている子が起きて、パンを齧っていた。



祐希: みんな、おはよ~


守里: おはよ~じゃないよ笑、今はもうお昼。


祐希: 知ってるよ、だからパンを食べてるんだよ。



腹時計正確すぎだろ笑



春時: 相変わらず祐希には、寝るか食べるかの選択肢しかないんだな。


祐希: そんな~褒めな…


飛香: 誰も褒めてないよ笑



飛香の高速ツッコミが炸裂する。



守里: そういえば、祐希は朝の委員決め寝てたから、先生が勝手に決めてたぞ。


祐希: 祐希なんになったの?


飛香: 私と同じ図書委員だよ。


祐希: 図書委員?やったね、寝れるじゃん笑


守里: いや、寝るなよ笑



これまでの会話から分かる通り、こいつは寝ることと食べることしか脳がない、ぐ~たら娘だ。



名前は"神田祐希かんだ ゆうき"で、僕は小さい頃から知っている。

実際に仲良くなったのは、中学の頃からで、おんぶをせがんできたり、食べ物を取り行かせようとして、隙あらば僕を使って、楽をしようとする奴だ。


そうこう話している内に祐希はパンを食べ終わり…



祐希: じゃ、また寝るね~おやすみ~


守里: おいおい笑、これからまた授業だぞ…って…


祐希: zzzzzz


守里: 早!!流石だな。



ちなみに、こいつは背も小さく、顔も整っており、寝顔が可愛いことも相まって、授業をする先生達は誰も祐希を起こさない。

いや、先生としてダメだろ笑


◇◇◇◇


放課後



剣崎: はい、みんな、1日お疲れ様。今日は、なんも無いけど、明日は放課後に委員会があるから、そのつもりでいてね。



うわ~委員会があるのか。

去年は生活委員で、めちゃくちゃ楽だったけど、今年は風紀委員だからな…

何があるか分からん…



剣崎: じゃあ、これで終わり!学級委員よろしく!!


川嶋: 起立!礼!


「ありがとうございました。」


剣崎: はい!ありがとうございました。気をつけて帰ってね。



ガラガラ



守里: よし!今日も終わった~



みんなと帰るか~



飛香: 私、バイトあるから先帰るね。


守里: うん、頑張ってな。


日向子: 私は部活行ってくる!!!じゃあね!!!!!


守里: また明日。


春時: 俺は帰りに、買い物行かなきゃだから、じゃあな。


守里: おう!じゃあな。







ってことで1人になりました。


ちなみに日向子はバスケ部に入っており、春時は家が道場を開いているため、そこに入門している。


そして、僕と飛香は部活に入っていないがバイトをしている。



守里: よし、今日は1人で帰るか。



と言いつつ、美月の席を見る。



守里: あれ、もういない。先帰ったのかな。



まぁ同じ家に住んでることも、バレたらダメなら、一緒に帰るわけにも行かないし…



守里: 帰ろ。 





校門前



守里: 家帰ったら、何しようかな。結真姉さんは、家にいるだろうし。



そんなことを考えながら、校門を出ると…



「守里先輩ーー!!!」



急に後ろから、名前を呼ばれる。

守里が振り向くと…



柿谷: 守里先輩!!待ってくださーい!!



柿谷と、その後ろに、桜が走って来ていた。



守里: どうしたの?柿谷さんと、桜ちゃん。


柿谷: いや、一緒に帰ろうかなって思って。ね、さくちゃん。


桜: う、うん。


守里: もちろんいいよ!一緒に帰ろうか。


柿谷: っていうか先輩、私のことは、かっきーって呼んでくださいよ。


守里: あ、ごめん。これから呼ぶね。


柿谷: いえ、今呼んでください。


守里: え…


柿谷: 今!


守里: わ、分かったよ、かっきー。


柿谷: フフン、これからお願いしますね。



この子は、なんというか強い子だな笑



桜: もう…


守里: かっきーは家どっちなの?


柿谷: 私の家は駅前の方ですよ。


守里: それなら、途中まで一緒だね。


柿谷: はい、そこまで一緒に行きます!


守里: うん。


桜: …



3人は帰り道を歩き出した。



守里: そういえば、入学式はどうだった?


桜: あ、えっと…


柿谷: 校長先生の話が長かったですね笑


守里: やっぱそうか笑


桜: あと、その、生徒会長さんが、カッコよかった!


守里: だよな、あの人カッコいいよな。昔からだけど。


柿谷: 生徒会長さんのこと、よく知ってるんですか?


守里: うん、同じ中学だったし、中学の時も生徒会長やってたし、話したこともあるからね。


桜: へ~そうなんだ。


柿谷: 生徒会長は実際どんな人なんですか?


守里: う~ん、そうだな~、しっかりしてるけど、お茶目でポンコツって感じかな。


柿谷: ポンコツですか…


桜: 見えない笑


守里: いや~普段は結構しっかりしてるんだけどね、ふざける時はふざけるし、たまにポンコツが出るんだよ。


柿谷: イメージとは違いますね。


桜: でもそれで、会長の仕事は…


柿谷: 確かに、途中でミスとかしそうです。


守里: それはないかな笑、あの人には相棒がいるから。


桜: 相棒って?


守里: 今の生徒会副会長と、風紀委員長。


柿谷: その人たちも知り合いなんですか?


守里: うん。会長と副会長、風紀委員長はいつも3人で行動してたから。


桜: あの~そのお2人のお名前は?


守里: 副会長が"神田七星かんだ ななせ"さんで、風紀委員長が"若月桐子わかつき きりこ"さんだよ。


柿谷: そのお2人は、どんな人なんですか。


守里: 七星さんは、ほんわかした雰囲気で、時々毒を吐いてくるかな。あと関西弁が特徴的。若月さんは、クールで冷静さをどんな時も失わない、頼りになる先輩。


柿谷: 会長をそのお2人が、支えているんですね。


守里: バランスが良いんだよな、あの3人は。3人揃うと完全無欠って感じ笑


桜: なんか凄い…


柿谷: そんな方々が、生徒をまとめているんですか。


桜: でもその若月先輩はなぜ生徒会に入らなかったんだろう。3人一緒に生徒会なら…


柿谷: 確かに…


守里: そっか、1年生はまだ知らないか笑


柿谷: え?


守里: うちの風紀委員長はちょっと特殊でね。うちは、学校内での生徒会の力が、他の学校のと比べても強いことを、2人も知ってると思うんだけど…


桜: うん、それは聞いてるよ。


守里: その生徒会が暴走しないように監視するのが、生徒会の傘下に入っていない風紀委員会の役目なんだよ。


柿谷: そうなんですね。


守里: それに校外での活動も活発に行ってるから、他の委員会と風紀委員会は違うんだ。だから学校のトップ3は生徒会長、副会長、風紀委員長ということになってる。


柿谷: なるほど、それで若月先輩は風紀委員長に…


桜: じゃあ本当に、そのお3方が学校を牛耳ってるんだね。


守里: 牛耳ってるって笑、まぁ、あながち間違ってはないかもね。あの3人の人気もすごいし。


桜: へぇ~


柿谷: そういえば、能高の行事は毎度すごいと聞きました。


桜: さく、楽しみなんだよね。


守里: 直近の行事は1ヶ月後にある体育祭かな。


柿谷: 去年はどんな感じだったんですか?


守里: 去年は確か第1から第5までのグラウンドを全部使ってやって、それを生中継で観客席に放映してた。


桜: それは、その…


柿谷: 規模感が凄すぎて笑


守里: 確かにうちの高校は大きいし、設備も整ってるからね笑



と話を続けながら3人で歩く。




しばらくして…



柿谷: あ、私こっちですから。


守里: じゃあ、また明日ね。


桜: バイバイ、かっきー!


柿谷: バイバイ、さくちゃん!あと守里先輩も、さようなら。


守里: うん、さようなら。



僕達は柿谷さんと別れを告げて、帰路を進む。



守里: 桜ちゃん、友達が出来て良かったね。


桜: うん、かっきーが同じクラスで本当に良かったよ。


守里: 紗耶ちゃんや菊山ちゃんも話せるようになった?


桜: うん!お昼休みの後も、たくさん喋ったんだ。


守里: 心配はなさそうだ笑


桜: 大丈夫っぽい。


守里: でもなんか困ったことかあったら、相談してね。お兄ちゃんとして、できることはやるから。


桜: 頼りにしてる。


守里: うん。



こうして、守里と桜は帰宅した。




to be continued
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

日本列島、時震により転移す!

黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

弟に裏切られ、王女に婚約破棄され、父に追放され、親友に殺されかけたけど、大賢者スキルと幼馴染のお陰で幸せ。

克全
ファンタジー
「アルファポリス」「カクヨム」「ノベルバ」に同時投稿しています。

のほほん異世界暮らし

みなと劉
ファンタジー
異世界に転生するなんて、夢の中の話だと思っていた。 それが、目を覚ましたら見知らぬ森の中、しかも手元にはなぜかしっかりとした地図と、ちょっとした冒険に必要な道具が揃っていたのだ。

凡人がおまけ召喚されてしまった件

根鳥 泰造
ファンタジー
 勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。  仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。  それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。  異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。  最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。  だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。  祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

最強無敗の少年は影を従え全てを制す

ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。 産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。 カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。 しかし彼の力は生まれながらにして最強。 そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

冤罪だと誰も信じてくれず追い詰められた僕、濡れ衣が明るみになったけど今更仲直りなんてできない

一本橋
恋愛
女子の体操着を盗んだという身に覚えのない罪を着せられ、僕は皆の信頼を失った。 クラスメイトからは日常的に罵倒を浴びせられ、向けられるのは蔑みの目。 さらに、信じていた初恋だった女友達でさえ僕を見限った。 両親からは拒絶され、姉からもいないものと扱われる日々。 ……だが、転機は訪れる。冤罪だった事が明かになったのだ。 それを機に、今まで僕を蔑ろに扱った人達から次々と謝罪の声が。 皆は僕と関係を戻したいみたいだけど、今更仲直りなんてできない。 ※小説家になろう、カクヨムと同時に投稿しています。

処理中です...