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医療関係は最初難航した。
簡単なアルコール消毒液や包帯などをまず作り、アロエやしょうが、ハチミツなどの食料にもなる物、地球にも存在している熱冷ましや風邪、増血や止血に効く薬草などを集め栽培を始めた。
そしてそれらと魔物の灰を使ってポーションを作る実験を始めたのだが、まぁ最初から上手くいくわけがない。素材の組合せや工程を変え、自分で少し肌を切って試してみたが、およそポーションと呼べるような効果は表れなかった。
今まで殆どの事が順調だったために、オタトリオも俺もちょっと落ち込んだ。
もしかすると異世界独自の薬草が必要なのかもしれない。オタトリオ達と相談してそういう結論に至り、今まで発見はしていたが、未知の植物の為に放置していた幾つかのモノを採取に向かった。
これが大変だった……何せ生えているだけでは何もないのに、むしるといきなり発火する花や、魔石がないので魔物ではないのに、引き抜こうとすると激しく抵抗して首を絞めに掛かってくる蔦型植物など、不思議植物がいくつもあった。
だがそうこうしている内に、この状況を打開する手段が手に入った。
《識別スキルが限界値に達しました。上位スキルに進化します》
識別:MAX → 鑑定
地球で見たことが無い植物を調べている内に、一番熟練度の高かった解体を抜いて、識別の熟練度がカンストしたらしい。
ちなみに識別の効果は、自分の知っている物を見分ける力が上がるというものだ。地味だが採取に役立っていた。
早速鑑定を使って自分の手を見たのだが、結果はこんな感じだ。
【狩生玄夜:人族】
えぇ……情報量少なくね?しかも鑑定スキルには熟練度が無い。これ以上情報量を増やしたりはできそうにない。
使えねぇ……そう最初は思っていた。
だがこれ、例えば角兎に使うとこうなる。
【ホーンラビット:魔物】
何が凄いのかって?だって一発で魔物かそうでないかがわかるだろう。見た目で判断できない類いの奴が現れても、これを使えば直ぐに警戒できる。意外とこれはデカいぞ。それに蜂の時みたいにいきなり燃えても、魔物と分かっていれば驚きも少なくて済む。
そしてこの鑑定のお陰でポーション問題が解決に向かった。
【回復草:薬草】
分かりやすい名前有難う。見た目は青みの強いヨモギでパッとしないが、ポーションの素材になりそうな名前の物があったのだ。
他にも魔力草や抗病草といった薬草が見つかった。
早速ポーションを作ってみた。まずは普通に磨り潰して、灰と共に煮てみたものだ。
【回復ポーション(微):薬品】
見事ポーションができました!しかし効果が(微)と低い。自分で使ってみたが、傷に塗るとまず薄い膜が出来、後はじわじわと数時間をかけてふさがっていく感じだ。
十分凄い。凄いんだが、大怪我を負ったときには頼りない。この時にはゴブリンの灰を使ったが、次に使ったのは巨大鮭のハラワタを燃やして出た灰だ。
今度は煮込む時に魔力も流してかき混ぜてみた。
【回復ポーション(中):薬品】
恐らくは間に(小)があるだろうから、一つ飛ばして品質が上がっている。灰の質が上がったからというのもあるが、この時に錬金のスキルが手に入っていた。魔力を流して混ぜる事が錬金に関係があるのだろう。品質には錬金の効果も乗ったのかもしれない。
それからは現在まで余暇を使い、色々と他の素材を混ぜたりして実験を繰返している。オタトリオや他にも手の空いた者には積極的にやらせてみた。薬を作れる者が多いにこした事はない。
今度できる蒸留器で更に品質が上がらないかと期待している。
鍛冶も出だしは順調とは呼べなかった。
設備は直ぐに出来たが、何せ鍛冶経験者が誰もいない。オタトリオにしたって知識はあるが、自分で鉄を打ったことなどないのだ。
だが立候補者がいた。機長だ。実は若い頃は鍛冶師に憧れていたらしい。
もう飛行機を操縦する事はない。なので、丁度良く鍛冶関係の仕事が出来た今、立候補したらしい。
ちなみに副機長もかつての仕事関係のよしみで立候補した。もう長い仲らしいので、息も合いそうだ。他にも男子学生から四人程の立候補者が出た。
ポーションと同じで、こちらも初めは上手くいかなかった。初めに出来上がったのは、失礼だが包丁の様なナニかだ。
しかしオタトリオに知識面のアドバイスを受けながら、毎日暑い中鉄を打ち、武術の訓練をし、魔物を倒す彼等の努力に、スキルは確りと答えてくれた。
みるみる内に熟練度が上がり、包丁の様なナニかだった物は鉄の包丁になり、魔法を活用して不純を取り除いたり炭素の量を調整し、今度は鋼の手斧を作り出した。
そして遂にはオタトリオのアドバイスで玉鋼を作り、それを元に日本刀を作り出した。玉鋼は刀の歴史の中では比較的新しい素材らしいが、まぁそれは置いておこう。
とにかく、熟練の刀鍛冶には流石にまだまだ及ばないまでも、日本刀と呼んで差し支えない物を、この短い期間で作り上げた事に驚嘆する。これも立派なチートだと思う。正に努力と熱意チート。
今はもう機長ではなく親方と呼ばれているが、親方の次の目標はステンレスの鍋とフライパンらしい。是非とも頑張ってください。麗華さんが喜ぶので!
そして刀ができて一番喜んだのは、当然刀大好きの楓だ。刀を見つめる目がやべぇんだよなぁ……こいつ島津の血でも流れてんのか?気迫の入った声と一緒に訓練用の木刀を降り下ろすところなんざ、まんま薩摩の剣豪だろ。
いや、俺も示現流や一の太刀について祖父から教わったから、刀の強さは十分知ってるんだけどな?弓が一番性に合ってるってだけで。
まぁ楓については、最近は狩りの時は声を出さないようになったからな。大分マシにはなったよ。
最後に温泉……露天風呂だが、それぞれの仕事が軌道に乗って出来た余暇を使って、女性陣の期待を背負った男性陣が急ピッチで仕上げた。
男女別でそれぞれ一度に二十人は入れる広さの、滑らかな黒い石を敷き詰めた定番タイプの浴槽に、拠点から暫く北東に進んだ場所にあった竹林から取ってきた竹を使い、ぐるりと囲って壁を作った。
内側は竹だが、外側は防壁並みに頑丈な石の壁で出来ていて、除き穴などは一つも無いので、女性陣は安心して入って欲しい。
湯は意外と簡単に出た。
集団で土魔法と補助の無魔法を発動し、丸い穴を下に真っ直ぐに掘る。掘りつつ穴の壁を石にして固め、土などが混ざらないようにした。
魔力が切れた者は交代させながら暫く掘ると、振動感知に反応がきたので、予め作っておいた、大きな岩型の吹き出し口を穴の上に置いて、土魔法で地面と岩を確りと接合した。
直ぐに勢い良く吹き出し口から湯が出たが、とにかく頑丈なイメージで作った岩だ。勢いが収まるまでに割れたりする事はなかった。後は樋で男女別の浴槽に流し込むだけだ。
そうして四十五度ほどの源泉かけ流し露天風呂が完成した。樋を通る間に少し温度が下がるので、実際には四十二度くらいだろうか。
それと今まで使っていたヒノキ風呂だが、これは砦内部に設置し直した。
雨が降る日にはこっちも活躍してくれるだろう。
以上がこの約一ヶ月の成果だ。
まだまだ拠点は発展中。
簡単なアルコール消毒液や包帯などをまず作り、アロエやしょうが、ハチミツなどの食料にもなる物、地球にも存在している熱冷ましや風邪、増血や止血に効く薬草などを集め栽培を始めた。
そしてそれらと魔物の灰を使ってポーションを作る実験を始めたのだが、まぁ最初から上手くいくわけがない。素材の組合せや工程を変え、自分で少し肌を切って試してみたが、およそポーションと呼べるような効果は表れなかった。
今まで殆どの事が順調だったために、オタトリオも俺もちょっと落ち込んだ。
もしかすると異世界独自の薬草が必要なのかもしれない。オタトリオ達と相談してそういう結論に至り、今まで発見はしていたが、未知の植物の為に放置していた幾つかのモノを採取に向かった。
これが大変だった……何せ生えているだけでは何もないのに、むしるといきなり発火する花や、魔石がないので魔物ではないのに、引き抜こうとすると激しく抵抗して首を絞めに掛かってくる蔦型植物など、不思議植物がいくつもあった。
だがそうこうしている内に、この状況を打開する手段が手に入った。
《識別スキルが限界値に達しました。上位スキルに進化します》
識別:MAX → 鑑定
地球で見たことが無い植物を調べている内に、一番熟練度の高かった解体を抜いて、識別の熟練度がカンストしたらしい。
ちなみに識別の効果は、自分の知っている物を見分ける力が上がるというものだ。地味だが採取に役立っていた。
早速鑑定を使って自分の手を見たのだが、結果はこんな感じだ。
【狩生玄夜:人族】
えぇ……情報量少なくね?しかも鑑定スキルには熟練度が無い。これ以上情報量を増やしたりはできそうにない。
使えねぇ……そう最初は思っていた。
だがこれ、例えば角兎に使うとこうなる。
【ホーンラビット:魔物】
何が凄いのかって?だって一発で魔物かそうでないかがわかるだろう。見た目で判断できない類いの奴が現れても、これを使えば直ぐに警戒できる。意外とこれはデカいぞ。それに蜂の時みたいにいきなり燃えても、魔物と分かっていれば驚きも少なくて済む。
そしてこの鑑定のお陰でポーション問題が解決に向かった。
【回復草:薬草】
分かりやすい名前有難う。見た目は青みの強いヨモギでパッとしないが、ポーションの素材になりそうな名前の物があったのだ。
他にも魔力草や抗病草といった薬草が見つかった。
早速ポーションを作ってみた。まずは普通に磨り潰して、灰と共に煮てみたものだ。
【回復ポーション(微):薬品】
見事ポーションができました!しかし効果が(微)と低い。自分で使ってみたが、傷に塗るとまず薄い膜が出来、後はじわじわと数時間をかけてふさがっていく感じだ。
十分凄い。凄いんだが、大怪我を負ったときには頼りない。この時にはゴブリンの灰を使ったが、次に使ったのは巨大鮭のハラワタを燃やして出た灰だ。
今度は煮込む時に魔力も流してかき混ぜてみた。
【回復ポーション(中):薬品】
恐らくは間に(小)があるだろうから、一つ飛ばして品質が上がっている。灰の質が上がったからというのもあるが、この時に錬金のスキルが手に入っていた。魔力を流して混ぜる事が錬金に関係があるのだろう。品質には錬金の効果も乗ったのかもしれない。
それからは現在まで余暇を使い、色々と他の素材を混ぜたりして実験を繰返している。オタトリオや他にも手の空いた者には積極的にやらせてみた。薬を作れる者が多いにこした事はない。
今度できる蒸留器で更に品質が上がらないかと期待している。
鍛冶も出だしは順調とは呼べなかった。
設備は直ぐに出来たが、何せ鍛冶経験者が誰もいない。オタトリオにしたって知識はあるが、自分で鉄を打ったことなどないのだ。
だが立候補者がいた。機長だ。実は若い頃は鍛冶師に憧れていたらしい。
もう飛行機を操縦する事はない。なので、丁度良く鍛冶関係の仕事が出来た今、立候補したらしい。
ちなみに副機長もかつての仕事関係のよしみで立候補した。もう長い仲らしいので、息も合いそうだ。他にも男子学生から四人程の立候補者が出た。
ポーションと同じで、こちらも初めは上手くいかなかった。初めに出来上がったのは、失礼だが包丁の様なナニかだ。
しかしオタトリオに知識面のアドバイスを受けながら、毎日暑い中鉄を打ち、武術の訓練をし、魔物を倒す彼等の努力に、スキルは確りと答えてくれた。
みるみる内に熟練度が上がり、包丁の様なナニかだった物は鉄の包丁になり、魔法を活用して不純を取り除いたり炭素の量を調整し、今度は鋼の手斧を作り出した。
そして遂にはオタトリオのアドバイスで玉鋼を作り、それを元に日本刀を作り出した。玉鋼は刀の歴史の中では比較的新しい素材らしいが、まぁそれは置いておこう。
とにかく、熟練の刀鍛冶には流石にまだまだ及ばないまでも、日本刀と呼んで差し支えない物を、この短い期間で作り上げた事に驚嘆する。これも立派なチートだと思う。正に努力と熱意チート。
今はもう機長ではなく親方と呼ばれているが、親方の次の目標はステンレスの鍋とフライパンらしい。是非とも頑張ってください。麗華さんが喜ぶので!
そして刀ができて一番喜んだのは、当然刀大好きの楓だ。刀を見つめる目がやべぇんだよなぁ……こいつ島津の血でも流れてんのか?気迫の入った声と一緒に訓練用の木刀を降り下ろすところなんざ、まんま薩摩の剣豪だろ。
いや、俺も示現流や一の太刀について祖父から教わったから、刀の強さは十分知ってるんだけどな?弓が一番性に合ってるってだけで。
まぁ楓については、最近は狩りの時は声を出さないようになったからな。大分マシにはなったよ。
最後に温泉……露天風呂だが、それぞれの仕事が軌道に乗って出来た余暇を使って、女性陣の期待を背負った男性陣が急ピッチで仕上げた。
男女別でそれぞれ一度に二十人は入れる広さの、滑らかな黒い石を敷き詰めた定番タイプの浴槽に、拠点から暫く北東に進んだ場所にあった竹林から取ってきた竹を使い、ぐるりと囲って壁を作った。
内側は竹だが、外側は防壁並みに頑丈な石の壁で出来ていて、除き穴などは一つも無いので、女性陣は安心して入って欲しい。
湯は意外と簡単に出た。
集団で土魔法と補助の無魔法を発動し、丸い穴を下に真っ直ぐに掘る。掘りつつ穴の壁を石にして固め、土などが混ざらないようにした。
魔力が切れた者は交代させながら暫く掘ると、振動感知に反応がきたので、予め作っておいた、大きな岩型の吹き出し口を穴の上に置いて、土魔法で地面と岩を確りと接合した。
直ぐに勢い良く吹き出し口から湯が出たが、とにかく頑丈なイメージで作った岩だ。勢いが収まるまでに割れたりする事はなかった。後は樋で男女別の浴槽に流し込むだけだ。
そうして四十五度ほどの源泉かけ流し露天風呂が完成した。樋を通る間に少し温度が下がるので、実際には四十二度くらいだろうか。
それと今まで使っていたヒノキ風呂だが、これは砦内部に設置し直した。
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