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拠点周りの木々の間引き範囲を広げながら、木を運びに帰ってくる度に、訓練中の者の悪い所を指摘して矯正いく。
自分が祖父に学んだ時を思い出しながら。
《新しいスキルを取得しました》
指導:1 new
おお?魔物からの吸収以外では初めてだな。
こうやって行動で覚える事の方が普通なんだろう。
指導の効果は、自身の指導を受けた者が、その受けた指導の内容に関連するステータスやスキルが上昇しやすくなる。
というものだ。
今の状況にうってつけだな。
昼だな。
折角だし、新鮮な蟹を食べよう。
ハサミにも足にも、殻には穴が空いていなかったし、寄生虫の類いは居なさそうだ。
足の一本は生の刺身にしてもいいかもな。
ハサミを鍋で、足をそれぞれ焼きと生にする事に。
関節部分から少しずつ割るのが大変だった。
鍋の具材は、蟹以外では椎茸やネギ、春菊だけの簡単な物だ。
焼き蟹も刺身も、醤油が無いので塩で。
それでも、蟹その物の味が良くて十分だ。
流石魔物素材!
皆でどの食べ方が好きか、ワイワイ話しながら食べる。
黙々と静かに食べる蟹もいいが、今の俺達にはこうやって騒いで食うのが相応しい気がするな。
午後からは的に当てるのが上手い者を中心に、俺が所謂トレインで引っ張って来た兎を一斉に射たせる。
いきなり速く動く獲物は難しいので、デバフ攻撃のある闇魔法で動きを遅らせる。
やや反則気味だが安全がかかってる。
食糧も減ってきたので、兎狩りは丁度いい。
矢や投げ槍を当てるのが上手い者の中には、早速だがスキルを取得した者も表れ始めた。
女性陣にも生産系スキル取得者が出始めている。
まだ未取得の物は入手しやすいのだろう。
皆の平均ステータス能力値も調べてみた。
【ステータス】
体力:C
魔力:F
筋力:D
耐久:D
魔攻:F
魔防:E
技量:C
速度:D
反応:C
努力:B
こんな感じだ。
正直、よくわからん。
前の世界では無かったものだ。
俺のステータスも含めて、余り当てにはしないでおこう。
どうせステータスが高くても死ぬときは一瞬だ。
ただ有用なスキルは積極的に取りにいかせたい。
身体強化などはその最たるものだ。
兎では取得できないようだし、街方面に良さそうな魔物が居ないか、少し調べてみるか。
夕飯が済んで食休み中。
午後は果物採取に木々の間引きと訓練の指導に費やした。
拠点周辺は適度に緑を残しつつも、かなりの距離まで見張らしが良くなった。
本日完成した物見櫓も相まって、魔物の発見は更に早まるだろう。
そんな事を考えていた訳ではないだろうが、街方面から拠点に向かって、複数の魔物が接近しているという知らせが見張りから届いた。
見張りが見た目から判断したところ、ファンタジーの有名モンスター第二段。
ゴブリンのようだ。
既に柵の側に弓を持った者や投げ槍を持った者が集まりつつあった。
弓はあれから更に増え五十張りになっている。
もしもこいつらの知能が高かった場合、陽動の可能性がある。
全員がこちら方面に掛かりきりはまずいので、別方向への警戒にも何人か別けた。
物語では見知っていても、実際に遭遇するのは初めての魔物だ、油断なく行こう。
「横に三十人並べ。こちらから点呼! 奇数は第一射目、偶数は二射目に分ける。木々の途切れ目までは弓を交代で射て。
そこから更に接近されたら投げ槍に持ち替えて投擲だ。それでも死なない個体がいたら俺が始末する」
初見の敵で強さがわからない為何とも言えないが、数はみる限り十二体と多くはない。
俺の出番は無いかもしれない。
「もう少し待て。鳴子に引っ掛かって、音に驚き動きが止まった時に一射目だ。……よし射て!」
ガラガラと鳴子の発する音に驚き、その場でアタフタとするゴブリン達に、奇数組の矢が飛来する。
三体程、頭と心臓に当たり死んだ様だが、残りは腕や足に当たりはしたがまだ生きている。
すかさず二射目が放たれた。
更に五体が死に、残りは四体に。
その四体にしても足に矢が刺さり立つことが出来ていない。
後は狙い射ちで確実にいけ。
戦闘後、トドメ判定を獲得した十二人が身体強化を取得した。
熟練度は一と低いが、身体能力はそれなりに上がっている。
だが身体強化は、元々のステータスによって補正に大きな差が出るようで、俺ほど劇的に変わった者はいないようだ。
それでも今の状況では頼もしい戦力となってくれるだろう。
気になるのはこのゴブリン達、どうも何かから逃げて来たようで、矢傷以外に無数の痣や、恐らくは爪によるものだろう裂傷も見られる。
街方面で何らかの異変があった。
そういうことなのかもしれない。
これは拠点の防衛機能を更に拡張した方が良さそうだな。
自分が祖父に学んだ時を思い出しながら。
《新しいスキルを取得しました》
指導:1 new
おお?魔物からの吸収以外では初めてだな。
こうやって行動で覚える事の方が普通なんだろう。
指導の効果は、自身の指導を受けた者が、その受けた指導の内容に関連するステータスやスキルが上昇しやすくなる。
というものだ。
今の状況にうってつけだな。
昼だな。
折角だし、新鮮な蟹を食べよう。
ハサミにも足にも、殻には穴が空いていなかったし、寄生虫の類いは居なさそうだ。
足の一本は生の刺身にしてもいいかもな。
ハサミを鍋で、足をそれぞれ焼きと生にする事に。
関節部分から少しずつ割るのが大変だった。
鍋の具材は、蟹以外では椎茸やネギ、春菊だけの簡単な物だ。
焼き蟹も刺身も、醤油が無いので塩で。
それでも、蟹その物の味が良くて十分だ。
流石魔物素材!
皆でどの食べ方が好きか、ワイワイ話しながら食べる。
黙々と静かに食べる蟹もいいが、今の俺達にはこうやって騒いで食うのが相応しい気がするな。
午後からは的に当てるのが上手い者を中心に、俺が所謂トレインで引っ張って来た兎を一斉に射たせる。
いきなり速く動く獲物は難しいので、デバフ攻撃のある闇魔法で動きを遅らせる。
やや反則気味だが安全がかかってる。
食糧も減ってきたので、兎狩りは丁度いい。
矢や投げ槍を当てるのが上手い者の中には、早速だがスキルを取得した者も表れ始めた。
女性陣にも生産系スキル取得者が出始めている。
まだ未取得の物は入手しやすいのだろう。
皆の平均ステータス能力値も調べてみた。
【ステータス】
体力:C
魔力:F
筋力:D
耐久:D
魔攻:F
魔防:E
技量:C
速度:D
反応:C
努力:B
こんな感じだ。
正直、よくわからん。
前の世界では無かったものだ。
俺のステータスも含めて、余り当てにはしないでおこう。
どうせステータスが高くても死ぬときは一瞬だ。
ただ有用なスキルは積極的に取りにいかせたい。
身体強化などはその最たるものだ。
兎では取得できないようだし、街方面に良さそうな魔物が居ないか、少し調べてみるか。
夕飯が済んで食休み中。
午後は果物採取に木々の間引きと訓練の指導に費やした。
拠点周辺は適度に緑を残しつつも、かなりの距離まで見張らしが良くなった。
本日完成した物見櫓も相まって、魔物の発見は更に早まるだろう。
そんな事を考えていた訳ではないだろうが、街方面から拠点に向かって、複数の魔物が接近しているという知らせが見張りから届いた。
見張りが見た目から判断したところ、ファンタジーの有名モンスター第二段。
ゴブリンのようだ。
既に柵の側に弓を持った者や投げ槍を持った者が集まりつつあった。
弓はあれから更に増え五十張りになっている。
もしもこいつらの知能が高かった場合、陽動の可能性がある。
全員がこちら方面に掛かりきりはまずいので、別方向への警戒にも何人か別けた。
物語では見知っていても、実際に遭遇するのは初めての魔物だ、油断なく行こう。
「横に三十人並べ。こちらから点呼! 奇数は第一射目、偶数は二射目に分ける。木々の途切れ目までは弓を交代で射て。
そこから更に接近されたら投げ槍に持ち替えて投擲だ。それでも死なない個体がいたら俺が始末する」
初見の敵で強さがわからない為何とも言えないが、数はみる限り十二体と多くはない。
俺の出番は無いかもしれない。
「もう少し待て。鳴子に引っ掛かって、音に驚き動きが止まった時に一射目だ。……よし射て!」
ガラガラと鳴子の発する音に驚き、その場でアタフタとするゴブリン達に、奇数組の矢が飛来する。
三体程、頭と心臓に当たり死んだ様だが、残りは腕や足に当たりはしたがまだ生きている。
すかさず二射目が放たれた。
更に五体が死に、残りは四体に。
その四体にしても足に矢が刺さり立つことが出来ていない。
後は狙い射ちで確実にいけ。
戦闘後、トドメ判定を獲得した十二人が身体強化を取得した。
熟練度は一と低いが、身体能力はそれなりに上がっている。
だが身体強化は、元々のステータスによって補正に大きな差が出るようで、俺ほど劇的に変わった者はいないようだ。
それでも今の状況では頼もしい戦力となってくれるだろう。
気になるのはこのゴブリン達、どうも何かから逃げて来たようで、矢傷以外に無数の痣や、恐らくは爪によるものだろう裂傷も見られる。
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そういうことなのかもしれない。
これは拠点の防衛機能を更に拡張した方が良さそうだな。
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