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拠点予定地から街方面とは違う方向へ移動を開始。
太陽の位置から判断して。海が南で街は北北東、山があるのは西北西。今向かっているのは山の方だ。
有用な植物をチェックしながら移動中。出発してから二十分程になるが、身体強化の効果がヤバい。
今までの二倍以上の速さで移動できている。しかも疲労の蓄積も減っているし熟練度4でこれって、補正どうなってるんだ?
試しに木に蹴りを入れてみたが、簡単にへし折れてしまった。 ……まぁ強くなる分にはいいか。力加減も出来てるから意図せず物を握り潰す事もないし。
しかし野性生物が少ない。魔物に追われて余所に行くしかないんだろうな。今の所野鳥や素早い小動物くらいしか見ていない。
道中で見つけたリンゴをかじりつつ移動していたが、水音が聞こえる。
向かってみたが中々の大きさの河を発見した。幅は二十メートル程だろうか、深さもかなりありそうだな。ちょっと調べてみようか。
流石にアマゾン川の深い場所みたいに、深水百メートルとかはないだろうが、澄んだ水なのに中程になると真っ黒で見えない。なんかいそうだなここ?
何とはなしに食べ終わって芯になったリンゴを投げてみた。
全長七メートルはありそうなバカデカい魚が飛び上がった。
……なんで異世界ってやたらめったら生き物がでけぇんだよ!?
この先に無理に行くつもりはないから別に渡らなくていいんだが、身体強化された今なら加速つけたら飛び越えられっかな?とか考えてた手前冷や汗がでる。上を跳ぼうものなら足からパクッといかれてたわ。この辺りの水域のヌシか?もっとデカい奴の存在を否定できないあたり怖いが。
一応狙ってみるか?夜になる前に一度帰って飯にしたい。今の奴なら皆腹一杯食べれそうだし、パッと見た感じ鮭のような見た目だった。食べられそうだよな。問題はどうやって仕留めるかだ。
釣りは? そもそも道具がない。あったとしても糸が確実に切れる。
悩んでいると衝撃に体が吹き飛ばされた。
「ガハッ」
肺からから空気が抜けた。驚きはしたがダメージ自体は少ない。それより身体中が水で濡れている。何だ?
混乱していると河から大きな水球が飛来してきた。
魔法かッ!
慌てて横跳びに避けた。
魔法の存在をすっかり失念していた。てかアイツ魔物なのか。
とりあえず河から離れて木々の方へ。
魔力の問題があるから無限に撃てる訳ではないだろうが、撃ち尽くすまで避けるなんて御免だ。俺は戦闘狂じゃない。一番いいのは相手に気付かれずに一撃で仕留める事だと思っている。不意打ち大好き!
しかし、水球だからよかったものの、氷の槍とか毒液とかだったら洒落にならん。
初見で全てに対応するなんてのは無理な話だが、今回は完全な油断だ。いい加減しっかりやれ俺。
とりあえず相手は水の中だ。このままトンズラこく事もできるが……一つ試してからにしよう。 かなりの脳筋戦法だが、上手くいくと思う。
まず長く堅い木を一本引っこ抜く。そして邪魔な枝や根を取る。中々振りやすそうだな?
そう、身体強化で上がったステータスに任せて、飛び上がったところで頭を殴り飛ばす!死にはしなくても脳震盪くらい起こすだろう。
後は浮かんでいるのを木で近くに手繰り寄せる。
取り除いて纏めておいた枝を草紐で縛る。こいつを岸に近く、尚且つ奴が泳げる深さの範囲にポイッとな。
「キュルルルッ」
可愛らしい鳴き声だがデカさで台無しだ。ザバッと大きな飛沫を上げて飛び上がった。
鳴く魚自体はそれなりにいるから驚かないけどな。
「それはともかくドッコイショォォー!!」
「キュッ!?」
上手い事頭に当たったが、どうだ?
沈む事もなく、口に枝を引っかけたマヌケ面で浮き上がっている。どうやら上手くいったようだ。
木を使って近くに引き寄せる。後少し。
エラに手を掛け引き上げている時、巨大サケのしっぽに噛みついた奴がいた。 今度はなんだ!
ワニだ。水中に引き摺り込もうとしてくるが、シャケに比べて小さい。二メートルくらいか?
負ける気がしない。一緒に引き上げてしまおう。
少し引き、相手が引き返したところで力を抜く。
ガクッと抵抗がなくなって油断したところで一気に釣り上げる。
「フィッシュを使ってフィーーッシュ!」
岸に打ち上がって引っくり返っているワニを木で頭をしこたま殴る。
死んだか……これが獲物を横取りする奴の末路である。
サケの方もしっかり止めを刺した。
《新しいスキルを取得しました》
まだやることあるから後だ後。
しかしこのサケの牙、デカいだけじゃなくかなり鋭い。ナイフとして使えそうだ。何時までも石じゃ格好付かないからな。
一番長いので一つ、サクッと作った。いい太さの枝を柄にしてきつく縛る。早速血抜きに使う。
自分の歯で切られるサケの憐れさ……合掌。美味しく食べるから許せ。イクラはなかった。雄だったみたいだ。
ワタは河に流した。他の魚達が食べてくれる。
ワニも血を抜きし、内臓は河に流す。いいワニ革ができそうだな?
新しいスキルと以前の数値から上がってるスキルだけチェックするか。
水魔法:4 new
潜水:5 New
水中機動:5 new
魔力隠蔽:3 new
魔力感知:1 new
練気:5 up
激高:3 up
身体強化:5 up
寒冷耐性:5 up
魔法か……俺にも使えるようになったってことかな?
とりあえず検証は後だ。日が暮れる迄に晩飯の準備がしたい。帰ろう。
太陽の位置から判断して。海が南で街は北北東、山があるのは西北西。今向かっているのは山の方だ。
有用な植物をチェックしながら移動中。出発してから二十分程になるが、身体強化の効果がヤバい。
今までの二倍以上の速さで移動できている。しかも疲労の蓄積も減っているし熟練度4でこれって、補正どうなってるんだ?
試しに木に蹴りを入れてみたが、簡単にへし折れてしまった。 ……まぁ強くなる分にはいいか。力加減も出来てるから意図せず物を握り潰す事もないし。
しかし野性生物が少ない。魔物に追われて余所に行くしかないんだろうな。今の所野鳥や素早い小動物くらいしか見ていない。
道中で見つけたリンゴをかじりつつ移動していたが、水音が聞こえる。
向かってみたが中々の大きさの河を発見した。幅は二十メートル程だろうか、深さもかなりありそうだな。ちょっと調べてみようか。
流石にアマゾン川の深い場所みたいに、深水百メートルとかはないだろうが、澄んだ水なのに中程になると真っ黒で見えない。なんかいそうだなここ?
何とはなしに食べ終わって芯になったリンゴを投げてみた。
全長七メートルはありそうなバカデカい魚が飛び上がった。
……なんで異世界ってやたらめったら生き物がでけぇんだよ!?
この先に無理に行くつもりはないから別に渡らなくていいんだが、身体強化された今なら加速つけたら飛び越えられっかな?とか考えてた手前冷や汗がでる。上を跳ぼうものなら足からパクッといかれてたわ。この辺りの水域のヌシか?もっとデカい奴の存在を否定できないあたり怖いが。
一応狙ってみるか?夜になる前に一度帰って飯にしたい。今の奴なら皆腹一杯食べれそうだし、パッと見た感じ鮭のような見た目だった。食べられそうだよな。問題はどうやって仕留めるかだ。
釣りは? そもそも道具がない。あったとしても糸が確実に切れる。
悩んでいると衝撃に体が吹き飛ばされた。
「ガハッ」
肺からから空気が抜けた。驚きはしたがダメージ自体は少ない。それより身体中が水で濡れている。何だ?
混乱していると河から大きな水球が飛来してきた。
魔法かッ!
慌てて横跳びに避けた。
魔法の存在をすっかり失念していた。てかアイツ魔物なのか。
とりあえず河から離れて木々の方へ。
魔力の問題があるから無限に撃てる訳ではないだろうが、撃ち尽くすまで避けるなんて御免だ。俺は戦闘狂じゃない。一番いいのは相手に気付かれずに一撃で仕留める事だと思っている。不意打ち大好き!
しかし、水球だからよかったものの、氷の槍とか毒液とかだったら洒落にならん。
初見で全てに対応するなんてのは無理な話だが、今回は完全な油断だ。いい加減しっかりやれ俺。
とりあえず相手は水の中だ。このままトンズラこく事もできるが……一つ試してからにしよう。 かなりの脳筋戦法だが、上手くいくと思う。
まず長く堅い木を一本引っこ抜く。そして邪魔な枝や根を取る。中々振りやすそうだな?
そう、身体強化で上がったステータスに任せて、飛び上がったところで頭を殴り飛ばす!死にはしなくても脳震盪くらい起こすだろう。
後は浮かんでいるのを木で近くに手繰り寄せる。
取り除いて纏めておいた枝を草紐で縛る。こいつを岸に近く、尚且つ奴が泳げる深さの範囲にポイッとな。
「キュルルルッ」
可愛らしい鳴き声だがデカさで台無しだ。ザバッと大きな飛沫を上げて飛び上がった。
鳴く魚自体はそれなりにいるから驚かないけどな。
「それはともかくドッコイショォォー!!」
「キュッ!?」
上手い事頭に当たったが、どうだ?
沈む事もなく、口に枝を引っかけたマヌケ面で浮き上がっている。どうやら上手くいったようだ。
木を使って近くに引き寄せる。後少し。
エラに手を掛け引き上げている時、巨大サケのしっぽに噛みついた奴がいた。 今度はなんだ!
ワニだ。水中に引き摺り込もうとしてくるが、シャケに比べて小さい。二メートルくらいか?
負ける気がしない。一緒に引き上げてしまおう。
少し引き、相手が引き返したところで力を抜く。
ガクッと抵抗がなくなって油断したところで一気に釣り上げる。
「フィッシュを使ってフィーーッシュ!」
岸に打ち上がって引っくり返っているワニを木で頭をしこたま殴る。
死んだか……これが獲物を横取りする奴の末路である。
サケの方もしっかり止めを刺した。
《新しいスキルを取得しました》
まだやることあるから後だ後。
しかしこのサケの牙、デカいだけじゃなくかなり鋭い。ナイフとして使えそうだ。何時までも石じゃ格好付かないからな。
一番長いので一つ、サクッと作った。いい太さの枝を柄にしてきつく縛る。早速血抜きに使う。
自分の歯で切られるサケの憐れさ……合掌。美味しく食べるから許せ。イクラはなかった。雄だったみたいだ。
ワタは河に流した。他の魚達が食べてくれる。
ワニも血を抜きし、内臓は河に流す。いいワニ革ができそうだな?
新しいスキルと以前の数値から上がってるスキルだけチェックするか。
水魔法:4 new
潜水:5 New
水中機動:5 new
魔力隠蔽:3 new
魔力感知:1 new
練気:5 up
激高:3 up
身体強化:5 up
寒冷耐性:5 up
魔法か……俺にも使えるようになったってことかな?
とりあえず検証は後だ。日が暮れる迄に晩飯の準備がしたい。帰ろう。
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